「詳しく、教えてくれないか?その…俺の父さんがエクシーズ次元で何をしていたのか?そして、今どこにいるのかを」
テントの中で、目の前に座るサヤカに遊矢は尋ねる。
3年前にストロング石島の直前に消息を絶った彼には言いたいことが山ほどある。
なぜ、あの日に彼の前へ現れなかったのか?
なぜ、3年もの間帰ってこなかったのか?
この3年間何をしていたのか?
他にも聞きたいことがたくさんあるが、そのためにも、彼の居場所を突き止めなければならない。
サヤカは深呼吸をした後で、遊矢の質問に答え始める。
「遊勝さんは3年前、ハートランドに突然現れたの。そこで、私たちにデュエルのすべてと笑顔を教えてくれたの」
彼からの教えをサヤカは今でも覚えている。
どんな時でも、笑顔を忘れてはならない。
まるで、これから起こることを予期していたかのようなその言葉があったから、サヤカはこうして自分にできることをやることができている。
「でも、どうして父さんがこの次元へ…?」
どこへ行ってもやることは変わらない父親に安心した遊矢だが、どうしてエクシーズ次元へ飛んだのかという疑問が残った。
スタンダード次元から別次元へ転移する方法をつかんでいるのはレオコーポレーションだけで、3年前にそのような技術を持っていたかどうかは遊矢自身にはわからない。
実際には、既に持っているというのが答えなのだが、零児とプロフェッサーの関係を知らない遊矢にはわかりようがない。
「それで、サヤカちゃん。遊勝さんは今どこへ…?」
「それが…アカデミアがハートランドを壊滅させた日から、遊勝さんの姿を見た人がいないんです」
「え…それって、まさか…!?」
遊矢の脳裏に最悪な可能性がよぎる。
アカデミアのデュエリストに敗れ、カードに変えられる遊勝の姿が目に浮かんでしまう。
実際、カード化された人々は回収される傾向にあり、たとえカード化されたとしても、そのまま見つからないケースの方が多い。
そのため、アカデミアによる襲撃後に行方がわからない人については、一律にカード化されたとして処理するのがスタンダード次元での方針だ。
「カードに変えられたっていう人がいれば、きれいごとだけを言って、最後は怖気づいて逃げた臆病者って言う人もいるわ」
テントの中で、周りに聞かれないように話をした理由がそれだった。
遊勝のその後については認識が分かれており、それゆえにエクシーズ次元の人々にとって、遊勝について話すのは一種のタブーとなっている。
内部対立を起こすという愚を繰り返さないためだ。
「カード化されたとしたら、この次元にいるアカデミアの兵士から聞き出すことができれば、もしかしたら父さんを…」
「お前ら、そろそろ出発だぞ。準備しろ」
テントの外から翔太が声をかける。
おそらく、人から遊矢たちのいる場所を聞いたから、このテントの中にいることが分かったのだろう。
「ああ、分かった!柚子」
「うん、わかってる」
遊勝の居場所をつかむためにも、とにかくここから出て情報を集める必要がある。
侑斗の仲間である凌牙の居場所をつかむことが、もしかしたらそれとつながるかもしれないと信じて、遊矢は立ち上がる。
「待って、私も連れて行って!」
出発しようと、テントを開けた遊矢と柚子にサヤカは言う。
待っていた翔太も聞いており、舌打ちする。
「外はアカデミアのデュエル戦士がうろついている。足手まといはいらないぞ」
翔太の言い方はあんまりだが、正しいためか遊矢と柚子は口を挟めなかった。
デュエル戦士たちはシンクロ次元などで戦ったオベリスクフォースと比較すると、練度が落ちているとはいえ、それでも数が多く、1対複数で攻撃された場合は脅威となる点には変わりない。
見た目だけで判断すると、か弱い雰囲気が先行するサヤカでは勝てない。
正面からそう言われたことで、ショックを受けるサヤカだが、首を横に振り、じっと翔太を見る。
「分かってる!けど…だけど、何もしないで後悔するのだけは…嫌だから…。それに、私を助けてくれたあの人を少しでも助けたくて…」
今、カイトの元へ行っていた自分がスペード校でレジスタンスの手伝いができているのは、凌牙が助けてくれたおかげだ。
行方不明になっている凌牙は、きっと孤独な戦いを続けている。
そんな彼を助けたいという思いが彼女の中にある後悔も手伝って、強くなっていた。
まさか、正面からそう反論するとは思わなかった翔太は鳩が豆鉄砲を食らったような顔になるが、すぐにため息をつき、頭をかく。
「んじゃあ、足手まといにならないってことを証明しろよ。デュエルでな」
「おーい、翔太君たち!いったい何を…?」
翔太達を呼びに来た侑斗とウィンダがデュエルディスクを展開させた翔太を見て、立ち止まる。
「ええー!?デュエル??今はそれをしてる時間は…」
「悪い。出発は少し延長だ。こいつを試す」
緊張した面持ちで翔太を見ていたサヤカだが、彼に応えるようにデュエルディスクを装着し、それを展開した。
「ユ、ユウ…大丈夫かな…?」
「この3年の間でどれだけやったかにかかってる…としか、言いようがないよ。でも、ここでデュエルをしたら、みんなに迷惑がかかる。やるんなら、こっちで」
侑斗が翔太達を屋外にある仮設のデュエルリングへ連れていく。
場所が開けているだけのお粗末な場所で、アクションデュエルをするには狭すぎるが、ノーマルのデュエルをするのに限るのであれば、別に問題はない。
「手加減はしないからな?いくぞ!」
「は…はい!!」
「「デュエル!!」」
翔太
手札5
ライフ4000
サヤカ
手札5
ライフ4000
「俺の先攻。俺は《魔装竜ファーブニル》を召喚!」
魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900
「カードを2枚伏せて、ターンエンド」
翔太
手札5→2
ライフ4000
場 魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900
伏せカード2
サヤカ
手札5
ライフ4000
場 なし
「わ、私のターン、ドロー!」
サヤカ
手札5→6
ドローしたカードを見たサヤカの表情が明るくなる。
お気に入りのカードであり、このデッキのかなめになっているカードを引き当てていた。
「私は手札から《リトル・フェアリー》を召喚!」
緑色の蝶の羽根をつけた、赤髪の妖精がサヤカの周囲を飛び回ってからフィールドに出る。
リトル・フェアリー レベル3 攻撃800
「《リトル・フェアリー》の効果発動!手札を1枚墓地へ送ることで、このカードのレベルを1つ上げることができる。私は手札の《RUM-フェアリー・フォース》を墓地へ送って、《リトル・フェアリー》のレベルを1つ上げる!」
《RUM-フェアリー・フォース》が《リトル・フェアリー》の星のついたステッキに吸収され、そのモンスターは赤いオーラに包まれる。
リトル・フェアリー レベル3→4 攻撃800
「更に、このカードは私のフィールド上に光属性・天使族モンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる。《スリープ・フェアリー》を特殊召喚!」
水色の髪でダークブルーの羽根をつけた、枕をもって眠ったままの妖精が現れる。
《リトル・フェアリー》は眠っている彼女を何度もステッキで叩いて起こそうとするが、一向に起きる気配がない。
スリープ・フェアリー レベル4 攻撃1200
「レベル4のモンスターが2体…。これは、来るな…」
「私はレベル4の《リトル・フェアリー》と《スリープ・フェアリー》でオーバーレイ!」
ゆっくりを目を開いた《スリープ・フェアリー》と《リトル・フェアリー》がフィールドに出現したオーバーレイネットワークの中へ飛び込んでいく。
「戦い続ける勇者に天使のほほえみを!エクシーズ召喚!ランク4!《フェアリー・チア・ガール》!」
両手に黄色いボンボンをつけた青い妖精がオーバーレイネットワークから飛び出し、サヤカを応援するかのようにボンボンを振る。
フェアリー・チア・ガール ランク4 攻撃1900
「ここで私は墓地に存在する《フェアリー・フォース》の効果発動!私のフィールドにランク4・光属性・天使族のエクシーズモンスターがエクシーズ召喚されたとき、墓地に存在するこのカードを除外することで、デッキからRUMを1枚手札に加えることができる。私はデッキから《RUM-バリアンズ・フォース》を手札に加える!」
「RUMをサーチ!?意外と抜け目がないな…」
フィールドに出現した《RUM-フェアリー・フォース》が《RUM-バリアンズ・フォース》に変化し、同時にデッキからそのカードが自動排出され、サヤカの手札に加わる。
「そして、エクシーズ素材となった《スリープ・フェアリー》の効果発動!このカードを素材にフェアリーと名の付くエクシーズモンスターのエクシーズ召喚に成功したとき、デッキからカードを1枚ドローする!更に、《フェアリー・チア・ガール》の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、デッキからカードを1枚ドローする!」
エクシーズ召喚に成功したうえに、手札を再び6枚まで戻すことに成功する。
おまけに《RUM-バリアンズ・フォース》が手札に加わったことで、まだまだ動くことが可能だ。
取り除かれたオーバーレイユニット
・スリープ・フェアリー
スリープ・フェアリー
レベル4 攻撃1200 守備1200 効果 光属性 天使族
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
このカードはX素材とする場合、「フェアリー」モンスターのX召喚にしか使用できない。
(1):自分フィールドに光属性・天使族モンスターが存在するとき、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードをX素材として「フェアリー」モンスターのX召喚に成功したときに発動する。自分はデッキからカードを1枚ドローする。
RUM-フェアリー・フォース
通常魔法カード
このカード名の(2)の効果はデュエル中1度しか発動できない。
(1):自分フィールドに存在する「フェアリー」Xモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターよりもランクが1つ高い、同じ属性の「フェアリー」Xモンスター1体を対象のモンスターの上に重ね、X召喚扱いとしてEXデッキから特殊召喚する。
(2):自分フィールドにランク4・光属性・天使族XモンスターがX召喚されたとき、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。デッキから「RUM」魔法カード1枚を手札に加える。
「そして、手札から《RUM-バリアンズ・フォース》を発動!自分フィールドのエクシーズモンスター1体を同じ種族でランクが1つ上のカオスエクシーズモンスターにランクアップさせる!」
発動と同時に、上空に紫色のオーバーレイネットワークが出現し、《フェアリー・チア・ガール》がその中へ飛び込んでいく。
「カオスエクシーズチェンジ!現れて、混沌の中から光を放つ天使!ランク5!《ダーク・フェアリー・チア・ガール》!」
背中の羽根が黒く染まり、紫を基調としたドレスと髪へと変化した《フェアリー・チア・ガール》がオーバーレイネットワークから降りてくる。
CXダーク・フェアリー・チア・ガール ランク5 攻撃2500
「カオスエクシーズモンスター!?んだよ、それは…!」
フィールドに出現したカオスエクシーズモンスターを見た翔太は一瞬、強く心臓が高鳴ったのを感じ、右手で胸を抑えつける。
嫌な脂汗がたっぷりと出ていて、吐き気まで覚えた。
「お、おい翔太!?一体どうしたんだよ…!?」
急に様子がおかしくなった翔太を見た遊矢たちが動揺する中、侑斗はじっと翔太を見つめている。
(やっぱり、反応している…。カオスエクシーズモンスターに…)
「翔太!?こんなんじゃあデュエルできないよ。俺か柚子に交代して…」
「やめろ…!!」
遊矢の胸を右手で押し、脂汗を袖で強引にふき取ると、じっとサヤカと《CXダーク・フェアリー・チア・ガール》に目を向ける。
「さあ…デュエルを続けるぞ…!」
「え…でも…」
目に見えて、様子がおかしくなっていたのを見たサヤカはデュエルを続けていいのか迷い始める。
「サヤカちゃん、デュエルを続けて。必要なら、こっちからストップをかけるから」
「剣崎さん…。…わかりました。バトル!私は《ダーク・フェアリー・チア・ガール》で《ファーブニル》に攻撃!フェアリー・ターン・パーティクル!!」
《CXダーク・フェアリー・チア・ガール》がステッキを回転させ、紫色の炎を発生させると、《魔装竜ファーブニル》に向けて放つ。
炎を浴びた《魔装竜ファーブニル》が焼き尽くされ、消滅する。
翔太
ライフ4000→3400
「そして、《ダーク・フェアリー・チア・ガール》の効果発動!このカードが相手モンスターを戦闘で破壊したとき、カオスオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、手札の枚数×400のダメージを与える!」
サヤカの5枚の手札が紫色に光り、その光がカオスオーバーレイユニットに吸収させる。
それを《CXダーク・フェアリー・チア・ガール》がステッキで砕くと、そこから発生する衝撃波が翔太に襲い掛かる。
「ぐ…ううう!!」
翔太
ライフ3400→1400
取り除かれたオーバーレイユニット
・リトル・フェアリー
「翔太のライフが一気に1400まで…!」
初めて見るカオスエクシーズモンスターに遊矢は戦慄する。
《RUM-バリアンズ・フォース》のような、カオス化させるRUMは黒咲も使っていない。
だが、それよりも気になるのはそのモンスターに対する翔太の反応だ。
(カオスエクシーズモンスター…。翔太の失われた記憶と何か関係があるのか?)
「はあ、はあ…。バトルフェイズ終了時、俺は手札の《魔装画伯シャラク》の効果を発動する!俺のフィールド上に存在する魔装モンスターが相手モンスターの攻撃によって破壊されたバトルフェイズ終了時、こいつは手札から特殊召喚できる」
魔装画伯シャラク レベル4 守備1400
「更に、この効果で特殊召喚に成功したとき、このターン戦闘で破壊された魔装モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する」
《魔装画伯シャラク》が描いた《魔装竜ファーブニル》の浮世絵から、破壊されたばかりのそのモンスターが飛び出してくる。
魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900
「更に俺は永続罠《ペンデュラム・スイッチ》を発動。1ターンに1度、俺のモンスターゾーンのペンデュラムモンスター1体をペンデュラムゾーンに移動させることができる。俺は《シャラク》をペンデュラムゾーンへ移す」
《魔装画伯シャラク》が消滅し、翔太の右側に青い光の柱を生み出しながらそのモンスターが再び出現する。
「私は手札からフィールド魔法《天空の聖域》を発動!」
発動と同時に、サヤカのフィールドに雲が発生し、背後には古代ギリシャ風の神殿が出現する。
「これで、天使族モンスターの戦闘で発生するそのコントローラーへのダメージが0になる。私はカードを2枚伏せて、ターンエンド!」
翔太
手札2→1
ライフ1400
場 魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900
魔装画伯シャラク(青) ペンデュラムスケール3
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札6→2
ライフ4000
場 CXダーク・フェアリー・チア・ガール(ORU1) ランク5 攻撃2500
天空の聖域(フィールド魔法)
伏せカード2
「はあはあはあ…」
たっぷりと息を吸い込み、翔太はいつもの調子を取り戻していく。
(カオスエクシーズ…何だ、この既視感は…)
強いて言えば、《RUM-バリアンズ・フォース》もなぜか見たことがあるカードのように感じられた。
しかし、そのカードは確かにイラストや名前、テキストは似ているが、なぜか自分の知っているそれとは全く違う感じがした。
この矛盾した感覚が翔太を不快にする。
「俺のターン!!」
翔太
手札1→2
「このカードは俺のフィールド上に存在する魔装モンスター1体の攻撃力を半分にすることで、手札から特殊召喚できる。《ファーブニル》の攻撃力を半分にし、《魔装鬼ストリゴイ》を特殊召喚!」
魔装鬼ストリゴイ レベル5 攻撃2100
魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃1900→950
「更に、俺は手札から魔法カード《魔装の宝札》を発動。俺のフィールドに存在する攻撃力2000以上の魔装モンスター1体をリリースし、デッキからカードを2枚ドローする」
《魔装竜ファーブニル》の心臓の血を吸って登場した《魔装鬼ストリゴイ》がエクストラデッキに消え、翔太はドローした2枚のカードを見る。
「そして、俺は手札から魔法カード《魔装門》を発動。相手フィールド上に《魔装幻影トークン》2体を特殊召喚し、デッキから魔装カード1枚を手札に加える。俺はデッキから《魔装剣士ムネシゲ》を手札に加える」
魔装幻影トークン×2 レベル6 攻撃2000
「翔太の手札にスケール9の《ムネシゲ》が加わった…」
「これでレベル4から8のモンスターを同時に召喚できる」
《魔装門》の効果で相手に献上することになった《魔装幻影トークン》がかすんで見えるほどのアドバンテージを翔太は手にした。
ここからがペンデュラム召喚の有無がはっきりとわかる展開になるのかもしれない。
「俺はスケール9の《魔装剣士ムネシゲ》をセッティング。これで俺はレベル4から8のモンスターを同時に召喚可能。来たれ、時の果てに眠りし英雄の魂。漆黒の魂と契約し、封印から解き放たん!ペンデュラム召喚!現れろ、《魔装砲士ボナパルド》!」
魔装砲士ボナパルド レベル5 攻撃2100
「更に、《ボナパルド》の効果発動。このカードを手札からペンデュラム召喚に成功したとき、相手フィールド上に存在するモンスターの数が俺のフィールド上のモンスターよりも多い場合、デッキからカードを2枚ドローできる」
翔太の手にもたらされる2枚のカード。
手札消費の激しいペンデュラム召喚にとっては、このカードも先ほどの《魔装の宝札》もうれしい存在だ。
「更に俺は手札から《魔装猫バステト》を召喚」
魔装猫バステト レベル1 攻撃0(チューナー)
「レベル5の《ボナパルド》にレベル1の《バステト》をチューニング!神の血を身に宿す槍士、雷鳴のごとき苛烈さを得て戦場で踊れ!シンクロ召喚!現れろ、《魔装槍士クーフーリン》!!」
魔装槍士クーフーリン レベル6 攻撃2100
翔太のフィールドに現れるシンクロモンスター、《魔装槍士クーフーリン》。
しかし、エクシーズ次元にはなく、アカデミアが使っているとは思えない召喚法であるシンクロ召喚を見ても、サヤカはあまり驚いたような反応を見せていない。
よく考えると、先ほど翔太が使ったペンデュラム召喚も、都合により1体しか召喚していないためでもあるかもしれないが、反応が薄い。
「お前…もしかして、ペンデュラム召喚もシンクロ召喚も知ってるのか?」
「直接見るのは初めてで、ペンデュラム召喚はついさっき、剣崎さんから聞いたばかりだけど…」
(シンクロ召喚を知っている…?おまけに、あいつが今使っている霊獣デッキ、あれはペンデュラム召喚と融合召喚が主体。そして…)
次に翔太が目を向けたのは侑斗のそばにいるウィンダだ。
少し大人びた姿になっているが、彼女そっくりなモンスターをカードショップで見たことがある。
あれは《ガスタの巫女ウィンダ》で、ガスタデッキにはエクシーズモンスターも入っている。
(つまりは、エクシーズ召喚も知っている。こんなことあり得るのか…?)
「あの…デュエルを続けないと…」
「ちっ…わかってる。俺は《クーフーリン》の効果発動!1ターンに1度、俺のフィールドの魔装モンスターと相手フィールドのモンスターを1体ずつ選択し、選択した相手モンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで俺の魔装モンスターのレベルかランク1つにつき400ダウンさせる!ゲイ・ボルグ!」
《魔装槍士クーフーリン》が投げた槍が数十本の銛となって《CXダーク・フェアリー・チア・ガール》へと飛んでいく。
ステッキを振り回し、銛を弾いていくが、それでも腕や足などに銛が次々と刺さっていく。
CXダーク・フェアリー・チア・ガール ランク5 攻撃2500→100
「さっきのお返しをさせてもらう!《クーフーリン》で《ダーク・フェアリー・チア・ガール》を攻撃!ニードル・スピア!」
手元に新たに出現した槍を《魔装槍士クーフーリン》が投擲する。
高速で一直線に飛んでいくその槍で胸部を貫かれた《CXダーク・フェアリー・チア・ガール》が消滅し、槍がそのままサヤカに向けて飛んでいくが、バリアがそれを阻む。
「《天空の聖域》の効果で、私に発生する戦闘ダメージは0になる。更に、そして、《ダーク・フェアリー・チア・ガール》の効果。このカードがフィールドから墓地へ送られたとき、デッキからカードを1枚ドローする」
「俺は《魔装竜ファーブニル》を守備表示に変更。ターンエンド」
翔太
手札2→1
ライフ1400
場 魔装竜ファーブニル レベル4 攻撃950→守備1200
魔装槍士クーフーリン レベル6 攻撃2100
魔装画伯シャラク(青) ペンデュラムスケール3
魔装剣士ムネシゲ(赤) ペンデュラムスケール9
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札2→3
ライフ4000
場 天空の聖域(フィールド魔法)
伏せカード2
「私のターン、ドロー!」
サヤカ
手札3→4
「私は手札から魔法カード《逆境の宝札》を発動。相手フィールド上に特殊召喚されたモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターがいないとき、デッキからカードを2枚ドローできる。そして、罠カード《エクシーズ・リボーン》を発動!墓地からエクシーズモンスター1体を特殊召喚して、このカードをオーバーレイユニットにする。私は《フェアリー・チア・ガール》を特殊召喚!」
フェアリー・チア・ガール ランク4 攻撃1900
「更に、《フェアリー・チア・ガール》の効果発動!オーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキからカードを1枚ドローする。そして、カードを2枚伏せ、ターンエンド」
翔太
手札1
ライフ1400
場 魔装竜ファーブニル レベル4 守備1200
魔装槍士クーフーリン レベル6 攻撃2100
魔装画伯シャラク(青) ペンデュラムスケール3
魔装剣士ムネシゲ(赤) ペンデュラムスケール9
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札4
ライフ4000
場 フェアリー・チア・ガール ランク4 攻撃1900
天空の聖域(フィールド魔法)
伏せカード4
「光属性の《フェアリー・チア・ガール》が攻撃表示のまま?やりにくい…」
伏せカードが4枚もあるにもかかわらず、サヤカの手札は4枚もある。
翔太の脳裏に《オネスト》の存在がちらつく。
「俺のターン!」
翔太
手札1→2
「私は永続罠《カウンター・フォース》を発動!カウンター罠が発動されるたびに、このカードにチャージカウンターを1つ置くことができる!」
「俺は永続罠《ペンデュラム・スイッチ》の効果発動!セッティングされている《魔装画伯シャラク》を特殊召喚する」
魔装画伯シャラク レベル4 攻撃1200
「更に、俺はスケール4の《魔装騎士ペイルライダー》をペンデュラムスケールにセッティング。これで、俺腫れ絵ベル5から8のモンスターを同時に召喚可能。来たれ、時の果てに眠りし英雄の魂。漆黒の魂と契約し、封印から解き放たん!ペンデュラム召喚!現れろ、《魔装砲士ボナパルド》、《魔装鬼ストリゴイ》!」
魔装砲士ボナパルド レベル5 攻撃2100
魔装鬼ストリゴイ レベル5 攻撃2100
「私は自分フィールドのモンスター1体をリリースして、カウンター罠《昇天の角笛》を発動!モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にして、破壊する!」
「何!?」
フィールドに出現した白い角笛を《フェアリー・チア・ガール》が大きく息を吸い込んで、ラッパのように吹く。
それから流れる甘美な音色に魅了されるように、2体のモンスターは消滅し、疲れ果てた《フェアリー・チア・ガール》も角笛とともに姿を消す。
「そして、カウンター罠を発動したことで、《カウンター・フォース》にチャージカウンターを1つ置く!」
サヤカのフィールドに赤いキャノン砲が出現し、側面にある液晶画面に「1」が表示される。
カウンター・フォース チャージカウンター0→1
「そして、《カウンター・フォース》は発動した次の私のターンのスタンバイフェイズ時に墓地へ送られる。そして、その時に乗っているチャージカウンター1つにつき、1000のダメージを与える」
「うぐ…!」
サヤカの説明により、翔太は身動きを止める。
彼女のフィールドにはモンスターがいないとはいえ、2枚の伏せカードが残っている。
《魔装騎士ペイルライダー》のペンデュラム効果は《昇天の角笛》のせいで発動できなくなった。
《魔装画伯シャラク》と《魔装槍士クーフーリン》、《魔装竜ファーブニル》がフィールドに残っており、一斉攻撃することで、一気にサヤカのライフを0にすることができるが、問題は2枚の伏せカードだ。
その中の1枚が《攻撃の無力化》だった場合、《カウンター・フォース》に再びチャージカウンターが乗ることになる。
そして、その場合は次のターンに《カウンター・フォース》が墓地へ送られることで2000のダメージを受けて翔太の負けとなる。
「俺は…これで、ターンエンド…」
翔太
手札1
ライフ1400
場 魔装竜ファーブニル レベル4 守備1200
魔装槍士クーフーリン レベル6 攻撃2100
魔装騎士ペイルライダー(青) ペンデュラムスケール4
魔装剣士ムネシゲ(赤) ペンデュラムスケール9
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札4
ライフ4000
場 天空の聖域(フィールド魔法)
カウンター・フォース(永続罠)
伏せカード2
カウンター・フォース(アニメオリカ・調整)
永続罠カード
(1):カウンター罠カードが発動されるたびに、このカードにチャージカウンターを1つ置く。
(2):このカードを発動した次の自分ターンのスタンバイフェイズ時、フィールドに存在するこのカードを墓地へ送ることで発動する。このカードの上に置かれているチャージカウンターの数×1000ダメージを相手ライフに与える。
「私のターン、ドロー!」
サヤカ
手札4→5
「この瞬間、《カウンター・フォース》の効果を発動。このカードを墓地へ送り、相手にチャージカウンターの数×1000のダメージを与える!」
《カウンター・フォース》から赤い質量弾が発射され、それが翔太の腹部に直撃する。
「ぐうう…カオスエクシーズといいカウンター罠といい…んだよ、この女は…!?」
翔太
ライフ1400→400
「翔太のライフが400に!?」
「それに、サヤカちゃんのライフ、始まってから1ポイントも減ってない!これが…レジスタンスの、黒咲の仲間の実力…」
敗北=カード化という極限の環境の中を生き延びるために手にした彼らの力に柚子は戦慄する。
小柄でどこにでもいそうな気弱な少女にしか見えないサヤカがここまで強いとは思いもよらなかっただろう。
「あいつ…ここまで強くなっていたのか」
「黒咲!?」
いつまでも来ない侑斗たちを呼びに来たのか、黒咲が遊矢達の元へやってきて、翔太とサヤカのデュエルを見る。
このレジスタンスと合流してからそれほど時間が立っていないにもかかわらず、RUMを使いこなし、おまけに翔太の動きをカウンター罠と豊富な手札で封じ込めている。
(今の彼女は俺が手加減して勝てる相手じゃない。翔太、どうやってこの状況を潜り抜ける?)
「私は手札から魔法カード《天空の宝札》を発動!手札の光属性・天使族モンスター1体を除外して、デッキからカードを2枚ドローする」
手札から除外されたカード
・豊穣のアルテミス
「更に、手札から魔法カード《強欲で謙虚な壺》を発動。デッキの上から3枚を確認して、その中の1枚を手札に加えて、それ以外をデッキに戻す」
デッキトップから3枚のカード
・救済のレイヤード
・踊る妖精
・オネスト
「私は《オネスト》を手札に加えて、残る2枚をデッキに戻す。そして、カードを2枚伏せ、ターンエンド!」
翔太
手札1
ライフ400
場 魔装竜ファーブニル レベル4 守備1200
魔装槍士クーフーリン レベル6 攻撃2100
魔装騎士ペイルライダー(青) ペンデュラムスケール4
魔装剣士ムネシゲ(赤) ペンデュラムスケール9
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札5→3(うち1枚《オネスト》)
ライフ4000
場 裏守備モンスター1
天空の聖域(フィールド魔法)
伏せカード4
「俺のターン!」
翔太
手札1→2
「バトルだ!《魔装槍士クーフーリン》でダイレクトアタック!ニードル・スピア!」
今度こそ攻撃を命中させようと、《魔装槍士クーフーリン》は至近距離まで接近し、胸部を槍で貫こうとする。
しかし、目の前に発生した次元の渦によって槍が吸い込まれ、攻撃手段を失ってしまう。
「カウンター罠《攻撃の無力化》!これで、《クーフーリン》による攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了する。更に、手札の《バリア・フェアリー》の効果発動。私がカウンター罠の発動に成功したとき、このカードは手札から特殊召喚できる!」
自分の体を青い水晶のようなバリアーで覆った、水色の髪で羽の妖精が現れる。
バリア・フェアリー レベル4 守備2100
「更に、《バリア・フェアリー》の効果発動!このカードが自分の効果で特殊召喚に成功したとき、デッキからカードを1枚ドローする」
「ちっ…俺はこれで、ターンエンドだ!」
翔太
手札2
ライフ400
場 魔装竜ファーブニル レベル4 守備1200
魔装槍士クーフーリン レベル6 攻撃2100
魔装騎士ペイルライダー(青) ペンデュラムスケール4
魔装剣士ムネシゲ(赤) ペンデュラムスケール9
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札2(うち1枚《オネスト》)
ライフ4000
場 バリア・フェアリー レベル4 守備2100
裏守備モンスター1
天空の聖域(フィールド魔法)
伏せカード3
バリア・フェアリー
レベル4 攻撃1200 守備2100 効果 光属性 天使族
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):自分がカウンター罠の発動に成功した場合に発動できる。手札に存在するこのカードを特殊召喚する。
(2):この効果で特殊召喚に成功したときに発動する。デッキからカードを1枚ドローする。
翔太の予想通り、サヤカの布施カードの中には《攻撃の無力化》が存在した。
仮に《カウンター・フォース》発動中に攻撃していたら、翔太の負けが決まっていただろう。
「私のターン、ドロー!」
サヤカ
手札3→4
「私は《バリア・フェアリー》をリリースして、《天魔神インヴィシル》をアドバンス召喚!」
白と黒をベースとした色彩で、下半身が蛇となっている白い髪の天使が現れる。
天魔神インヴィシル レベル6 攻撃2200
「光属性・天使族モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した《天魔神インヴィシル》が存在する限り、フィールド上の魔法カードの効果は無効になる」
「何!?」
《王宮の勅命》と同じ効果を持つ《天魔神インヴィシル》によって、サヤカの《天空の聖域》は効果を失うが、翔太のペンデュラムゾーンのモンスターも効果を失ってしまう。
カウンター罠主体のサヤカよりも、翔太の方がこの場合のダメージが大きい。
「バトル!《インヴィシル》で《クーフーリン》を攻撃!」
《天魔神インヴィシル》の口から灰色の光線が発射され、それを受けた《魔装槍士クーフーリン》が消滅する。
翔太
ライフ400→300
「私はこれで、ターンエンド!」
翔太
手札2
ライフ300
場 魔装竜ファーブニル レベル4 守備1200
魔装騎士ペイルライダー(青) ペンデュラムスケール4
魔装剣士ムネシゲ(赤) ペンデュラムスケール9
ペンデュラム・スイッチ(永続罠)
伏せカード1
サヤカ
手札4→3(うち1枚《オネスト》)
ライフ4000
場 天魔神インヴィシル レベル6 攻撃2200
天空の聖域(フィールド魔法)
伏せカード3
(《インヴィシル》で効果は封じられてはいるが、ペンデュラム召喚そのものはできる。だが…)
《魔装騎士ペイルライダー》はペンデュラムゾーンに置かれている状態でペンデュラム召喚に成功したとき、相手フィールド上のカードを1枚破壊する効果がある。
それを使って、伏せられているカウンター罠を処理することがそのせいでできなくなってしまった。
《融合》も当然使えないため、《融合》なしでの融合召喚をしなければならない。
「面倒なことをやってくれるぜ…!俺のターン!」
翔太
手札2→3
「だったら、まずは《インヴィシル》を排除してやる!《ペンデュラム・スイッチ》の効果発動!1ターンに1度、ペンデュラムゾーンにセッティングされているペンデュラムモンスター1体を特殊召喚できる。俺は《魔装騎士ペイルライダー》を…」
「ライフを2000支払って、カウンター罠《神の警告》を発動!モンスターを特殊召喚する効果を含むカード効果の発動を無効にして、破壊する!」
無駄な抵抗は許さないといわんばかりの《神の警告》。
《ペンデュラム・スイッチ》が砕け散り、《魔装騎士ペイルライダー》はペンデュラムゾーンから出られない。
サヤカ
ライフ4000→2000
「更に、手札の《冥王竜ヴァンダルギオン》の効果発動!相手がコントロールするカードをカウンター罠で無効にしたとき、手札から特殊召喚できる!」
「おいおい、妖精のデッキに闇属性のドラゴンかよ!?」
肩や足、翼などに青い球体が埋め込まれている、漆黒のドラゴンが追撃のために姿を現す。
可憐な少女と激しいギャップがあり、その巨体で翔太を威圧している。
冥王竜ヴァンダルギオン レベル8 攻撃2800
「《ヴァンダルギオン》の効果発動!この方法で特殊召喚に成功したとき、無効にしたカードの種類によって効果を発動する!私が無効にしたのは罠カード。だから、相手フィールド上のカード1枚を破壊する。私は《魔装騎士ペイルライダー》を破壊する!」
《冥王竜ヴァンダルギオン》の拳が光りの柱を生み出す《魔装騎士ペイルライダー》に向けて振り下ろされる。
光の柱ごと拳で砕かれた《魔装騎士ペイルライダー》が消滅し、ペンデュラム召喚が使えなくなる。
(くそ…!このタイミングでこいつは発動できるが…)
翔太は伏せているカードを見るが、今そのカードを発動したとしても、翔太に勝機がもたらされることはない。
サヤカの墓地に存在するカードに彼にとってめぼしいものはないため、使うだけ無駄だ。
このまま次の行動を選択しようとした翔太だが、そんな彼に頭痛が襲う。
「ぐうう…こんな、時に…!?」
「翔太さん!?一体どうしたの!?」
急におかしくなった翔太を見たサヤカが彼に駆け寄ろうとする。
だが、翔太は右手で頭を抑えながら、左手で彼女を制止する。
「邪魔…するな…。お前ら全員…邪魔を、するな!!」
痛みに耐えながら叫ぶと同時に、翔太の体から薄紫の波動が発生する。
波動を見た侑斗は冷や汗をかき、遊矢達も動揺を見せる。
「な、何!?今の…??」
「紫色の光が見えた。…!?こ、これは!?」
遊矢の眼が赤と黒のオッドアイに変わり、彼の瞳に映る翔太の姿が変化する。
(翔太の中に…3つの光…。青い大きな光の周りを白と紫の光が回って…)
波動が発生すると同時に翔太の左手の痣も紫色に光る。
だが、翔太と彼の痣が放つ光も数秒で収まり、頭痛も収まった翔太はハアハアと息を整えながらサヤカに目を向ける。
「ハアハア…デュエルを…つづけるぞ…」
「翔太さん、本当に大丈夫なんですか??」
「構うな…!俺は罠カード《ユライの略奪》を発動!俺のフィールドに存在する魔装騎士カードが相手によって破壊され墓地へ送られたとき、相手の墓地に存在する魔法カード1枚を手札に加える」
「え…えええ!?」
翔太の発動した罠カードを見た遊矢たちは困惑する。
そのカードは使い方次第では相手のパワーカードを奪うことのできる存在だが、今のサヤカの墓地には《RUM-フェアリー・フォース》や《RUM-バリアンズ・フォース》など、翔太のデッキには役に立たないカードしかない。
魔法カードの効果を無効にする《天魔神インヴィシル》が存在することもあり、そんなカードを手札に加えたところで、今の状態では宝の持ち腐れだ。
「俺は…墓地の《RUM-バリアンズ・フォース》を手札に加える…。そして、スケール2の《魔装槍士タダカツ》をペンデュラムゾーンにセッティング…!」
「私はカウンター罠《魔宮の賄賂》を発動!相手の魔法・罠カードの発動を無効にして、破壊する!そして、空いてはデッキからカードを1枚ドローする!」
せっかく発動した《魔装槍士タダカツ》が消滅し、ペンデュラム召喚が封じられる。
だが、ドローしたカードを見た翔太は即座に動く。
「俺がドローしたカードはペンデュラムモンスターの《魔装船ヴィマーナ》!よって、こいつをセッティングする!」
破壊された《魔装槍士タダカツ》の痕を埋める用に出現する《魔装船ヴィマーナ》が浮上し、光の柱を生み出す。
「これで俺はレベル4から8のモンスターを同時に召喚可能。来たれ、時の果てに眠りし英雄の魂。漆黒の魂と契約し、封印から解き放たん!ペンデュラム召喚!現れろ、《魔装砲士ボナパルド》!《魔装鬼ストリゴイ》!《魔装騎士ペイルライダー》!」
魔装砲士ボナパルド レベル5 攻撃2100
魔装鬼ストリゴイ レベル5 攻撃2100
魔装騎士ペイルライダー レベル7 攻撃2500
「そして、俺は手札の《RUM-バリアンズ・フォース》を墓地へ送り…《ペイルライダー》を進化させる!」
《RUM-バリアンズ・フォース》が紫色に光に変化し、フィールドにいる《魔装騎士ペイルライダー》を包み込んでいく。
「混沌の力を得た死の騎士が冥界へ魂を誘う!カオスエクシーズチェンジ!現れろ、けがれた富に包まれし魂を死へ誘う獣、《CX魔装死獣プルートー》!」
《魔装騎士ペイルライダー》の鎧が砕け散り、三日月を模した水晶の角をこめかみを貫かれたかのようにつけている、白い鬣を持った2本足の獣が姿を現す。
フィールドに降り立つと、両腕や手足の指についている水晶の爪を研ぎ澄まし、激しく咆哮する。
CX魔装死獣プルートー ランク8 攻撃3500
「このカードはペンデュラムゾーンに魔装カードが2枚存在するとき、手札のRUM1枚を墓地へ送ることで、エクシーズ召喚できる…カオスエクシーズモンスターだ。《プルートー》の効果発動!このカードのペンデュラム召喚に成功したとき、相手フィールド上にセットされているカードをすべてこのカードのカオスオーバーレイユニットにする!」
「だったら、私はカウンター…」
「無駄だ!魔装騎士をオーバーレイユニットにした《プルートー》が効果を発動するとき、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない!バアル・ライトニング!!」
《CX魔装死獣プルートー》の方向と共に、水晶の爪と刃から雷鳴が発生する。
雷鳴はサヤカの伏せカードを次々と貫いていき、雷鳴を受けたカードは炭化し、オーバーレイユニットへ変えられていく。
「バトルだ!《プルートー》で《天魔神インヴィシル》を攻撃!ユーピテル・クロウ!!」
雷鳴を宿した《CX魔装死獣プルートー》の爪が《天魔神インヴィシル》の体を引き裂く。
引き裂かれた箇所から雷が発生し、その雷の中へ彼女の肉体が消滅する。
「キャアアア!!」
サヤカ
ライフ2000→700
「更に、《プルートー》の効果発動!このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、続けてもう1度攻撃することができる!その時攻撃力はダメージステップ終了時まで1000アップする」
CX魔装死獣プルートー ランク8 攻撃3500→4500
発生した雷が《CX魔装死獣プルートー》の爪に吸収されていき、同時に上空に雷雲が発生する。
それから発生した雷が角に落ち、雷の獣の体が稲光に包まれていく。
「あ、ああ…」
「《プルートー》でプレイヤーへダイレクトアタック!トールブラスター!!」
《CX魔装死獣プルートー》の口から真っ白なビームが発射され、その光の中にサヤカが包まれていく。
「キャアアアア!?!?」
ビームを受けたサヤカは吹き飛び、あおむけになって倒れた。
サヤカ
ライフ700→0
CX魔装死獣プルートー
ランク8 攻撃3500 守備3000 エクシーズ 無属性 戦士族
【Pスケール:青0/赤0】
(1):1ターンに1度、Pゾーンに存在するこのカードを裏向きでEXデッキに戻すことで発動できる。EXデッキに表向きで存在する「魔装騎士」モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化され、このターン、自分は「魔装」モンスターしか召喚・特殊召喚できない。
(2):このカードがPゾーンに存在するとき、自分は「魔装」以外のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できない。この効果は無効化されない。
【モンスター効果】
レベル8の「魔装騎士」モンスター×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードはルール上、「魔装騎士」モンスターとしても扱う。
このカードは以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●自分Pゾーンに「魔装」カードが2枚存在するとき、手札の「RUM」魔法カード1枚を墓地へ送り、自分フィールドに存在する「魔装騎士」モンスター1体を対象に発動できる。EXデッキに存在するこのカードをそのカードの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚する。
(1):このカードのX召喚に成功したときに発動する。相手フィールドにセットされているカードをこのカードの下に重ねてX素材にする。
(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時、このカードのX素材を1つ取り除くことで発動できる。このカードの攻撃力をターン終了時まで1000アップし、続けてもう1度攻撃することができる。
(3):このカードのX素材に「魔装騎士」モンスターが存在し、このカードの効果を発動するとき、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない。
(4):モンスターゾーンのこのカードが破壊されたときに発動する。自分Pゾーンに存在するカードをすべて破壊し、このカードを自分Pゾーンに置く。