まほ「知波単学園、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」   作:ゼブラーの野郎

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知波単学園生活 弐

 ――・・・・・・

 

 ~朝

 

 ラッパ<プッププッププッププッププッププッププ~♪

 

 玉田<ガバ! 細見<ガバ! まほ<ウトウト・・・

 

 \ドタバタドタバタ!/

 

西「起床ーーー!」

 

 \ザッ!/

 

西「休めーーー!」

 

 \ダラ~ッ/

 

西「気をーつけーーー!」

 

 \ザッ!/

 

西「番号ー!」

 

 玉田「いぃち!」 細見「にぃ!」 まほ「さぁん!」

 

西「四番は!?」

 

玉田「知りません!」

 

西「四番は!?」

 

細見「知りやせん!」

 

 

ローズヒップ「Zzz・・・Zzz・・・」

 

西「起床!朝ですぞー!」ザッ

 

ローズヒップ「Zzz・・・Zzz・・・」

 

西「・・・」ラッパ!

 

 ラッパ<ププププープープープー♪ププープープーププーププー♪

 

ローズヒップ「Zzz・・・Zzz・・・」

 

西「っ・・・」

 

 ラッパ<プププップップププップップププッププププー♪プププップップププップップップッププププー♪

 

ローズヒップ「Zzz・・・Zzz・・・」

 

西「・・・・・・あ、だぁじりん殿」

 

ローズヒップ「おっはようございまぁーすですわー!」ガバッ

 

西「おはようございます薔薇尻殿。起床ですぞ。さ、食堂へ行きましょう」

 

ローズヒップ「あら?わたくしなぜこんな所に?あ、そうですわ。私チハタン学園に来訪してたのでありゃーした!あらぁ!?聖グロの制服があーりませんわ!」

 

西「泥まみれでしたので我々で洗濯をしておきました。乾くまでの間は知波単の制服をお使いください」

 

ローズヒップ「ケッ!わたくしは聖グロ以外の制服など・・・」

 

ローズヒップ「あらぁ、これもなかなかイイですわね」チハタ~ン

 

西「さ、行きましょうぞ」

 

 

 ―食堂

 

西「こ・・・これは・・・?なんだ今日の献立は!?」

 

細見「に、西隊長!西住が台所で調理をしているのです!見てください!この奇妙奇天烈摩訶不思議な食事を!」

 

西「なんだこれは・・・こんな食べ物は見たことがないぞ!」

 

まほ「あ、西隊長」

 

西「に、西住殿!なぜ割烹着を!?まるでおさんどんさんじゃありませんか!」

 

ローズヒップ「あー、まほ様なんだか昭和の人みたいですわー」

 

まほ「二人とも、私はむほですから間違えないように」

 

西「そ、そうだった・・・いや違う!むほ殿!何をしているんで・・・何をし・・・何をするだー!なぜ朝食をむほ殿が・・・」

 

まほ「余っていた食材を使わせてもらっただけです。自分は料理は下手ですが、アンツィオ高校で少しだけ学んできたのでその技術をここで披露しようかと・・・」

 

玉田「西住ぃ!なんだこの・・・これ・・・この・・・なんだこれはぁ!なぜ蕎麦を汁なしで皿に盛ったぁ!」

 

まほ「本来はパスタを使うのですが、そばで代用しました。唐辛子と胡椒と油だけを使ったペペロンチーノという料理です」

 

玉田「ぺぺ・・・ぺぺろ・・・ち・・・」ガクガク

 

細見「よせ玉田!横文字を無理に口にするな!舌がこんがらがるぞ!」

 

まほ「まあとりあえず食べてみてください。今朝のメニューはおむすびと漬物で、そこにペペロンチーノを一品加えただけですが」

 

福田「なんだかおいしそうであります~」

 

玉田「福田ぁ!西洋にかぶれるか貴様ぁ!」

 

西「まあ待て。私も驚いたが、せっかくむほ殿が腕を振るってくれたのだ。全力で突撃しよう」

 

玉田「隊長がそう言うなら・・・」

 

西「では!いたぁーだきぃーます!」

 

 \いたぁーだきぃーます!/

 

    \パクッ!/

 

まほ「ドキドキ」

 

 「「「・・・・・・」」」

 

 

\美味い!/ \食べたことの無い味であります!/ \か、からい!/

 

  \おかわりくださいませ!/ \おん!おん!/ \隠し味が効いているであります!/

 

 \流石は西住流!戦車も料理も一流とは!/ \鴉天狗は変わり者!/ \箸が止まらないでありますー!/

 

 〜〜〜

 

 ジャー

 

まほ「洗い物くらいやりますが・・・」

 

西「いいえ!まほ殿に食器洗いなどさせては知波単の面目にかかわります!それに特別料理を振る舞っていただいておいて何もせぬわけにはいきませんので!」ジャー

 

まほ「まほではなくむほです。しかし、だからと言ってこんなに大勢で台所に入る必要は・・・」

 

 \洗え洗えー!/ギュウギュウ\芸能人の歯のように真っ白にするぞー!/ギュウギュウ\きれいきれい!/ギュウギュウ

 

西「たしかにぎゅうぎゅうですが、皆で洗えば時間も大幅に短縮できるもの。それよりもまほさん、おさんどんさんの格好も似合っておりますな。ははは」

 

まほ「割烹着のことですか。それと私はむほです」

 

 

浜田「西隊長、さんだぁす大学付属高校からお中元が届いてますよ」

 

西「えっ、ほんと?」フキフキ

 

寺本「見てください!中は植物油のセットですぞ!」

 

玉田「それだけじゃないぞ!こっちの箱は西洋肉塊の詰め合わせだ!」

 

まほ「サラダ油とハムか」

 

福田「せんとぐろ・・・ぐろり・・・ぐろりあぁなからも届いております。ご覧ください。食器洗剤と西洋煎餅がたくさんであります!」

 

まほ「クッキーだな」

 

細見「やあ・・・見てください。ぷらうだからは夕張西洋西瓜が届いてますぞ」

 

まほ「夕張メロン。いや、メロンって西洋なのですか。無理に和名っぽくする必要あるのですか」

 

玉田「ようし!食べ物はみな冷蔵庫に仕舞うぞ!少しでも日持ちさせてながーく食べよう!」

 

まほ「すごいなこの冷蔵庫。中に大きな氷が入っていて、それで冷やしているのか」

 

西「さて、朝食も済んだことだし、今日の午前は戦車道の授業だ!皆、戦車倉庫に突撃ー!」

 

 \ヤッターーー!/ \突撃ぃーーー!/ \ワーーー!/

 

西「まほど・・・むほ殿は旧チハにお乗りくださ・・・お乗り・・・乗って・・・乗れ。乗りまくれ!」

 

まほ「乗りまくります」

 

 〜〜〜

 

 キュラキュラキュラ・・・

 

西「全車せいれーつ!」

 

 \ザッ!/

 

西「陣形を保ちつつ照準狙えー!」

 

 \ガコン!/

 

西「一斉撃ち方!」

 

 \グワ!/

 

 \ドーン!/ \ボーン!/ \ズガーン!/

 

まほ「・・・黄体一列に並んでの斉射・・・全車標的に命中・・・やはり知波単の練度はかなりのものだな」

 

西「第二射!てー!」

 

 \ドワ!/ \ゴバーン!/ \ドカーン!/

 

 玉田<ウズウズ・・・ 細見<ウズウズ・・・ 池田<ウズウズ・・・

 

西「第三射!うてー!」

 

 \ゴワ!/ \ズズーン!/ \バゴーン!/

 

西「よし!突撃ぃいいい!」

 

 \おっしゃあああああああああああああああああああ!!!/

 

 \ ド ワ オ ! /

 

まほ「だめだこりゃ」

 

 

西「よぅし!隊列を変更ー!陣形を取りなおした後に突撃ー!」

 

 \おおおおおおおおおおお!/ \ドワオ!/

 

西「行進間射撃訓練に移行ー!目標に砲撃の後突撃ー!」

 

 \だりゃああああああああ!/ \ドワオ!/

 

西「超信地旋回訓練に移行ー!三六〇度回転を三度行った後に突撃ー!」

 

 \うっしゃあああああああ!/ \ドワドワオ!/

 

西「よし!仕上げだ!目標めがけ全車突撃ぃ!」

 

ローズヒップ「私が先陣を切りますの!行きますわよオラァー!」

 

 \どおりゃあああああああああああ!/

 

ローズヒップ「バーニングスピントルネード突撃ローリングサンダー!」ズギャルルル!

 

 \とつげきぃぃぃいいいいい!/

 

 \ ド ワ ワ ッ !!!/

 

 

まほ「あの聖グ口リアーナの一年、知波単の方が合っているのでは・・・」

 

 〜〜〜

 

西「よし!午前の授業はここまでだ!」

 

 \ありがとうございましたぁーーー!/

 

玉田「薔薇尻ぃ!貴様見事な突撃ぶりだったぞ!」バンバン

 

細見「敵校生徒の割にやるではないか!突撃の素質がある!」ナデナデ

 

ローズヒップ「ありがとうございますですわ~。皆さんもナカナカ見どころがありましてよ。聖グロに転校してきた際には私の小隊に加えてさしあげましてよ」

 

細見「こやつ、上級生相手にぬかしおるな!」ハハハ

 

西「ようし、昼食にするぞ!食堂へ向かえー!」

 

 \突撃いーーー!/ドタバタドタバタ

 

まほ「・・・」フウ

 

西「いかがでしたかな?まほど・・・むほ殿。知波単の戦車道訓練は」

 

まほ「ああ、今なら二人だけなのでまほでいい。少し驚いたぞ。知波単の隊員の練度は高いと思っていたが、実際に隣で見るとその技量の度合いに改めて気づいた」

 

西「そ、そうですか?ははは・・・なんだか照れますなぁ」テレテレ

 

まほ「だがメニューの間に毎度毎度、突撃を挟むのはどうだろうな。中毒になるのも無理はない」

 

西「いやぁお恥ずかしい。ガス抜きも必要かと思いまして」アハハ

 

まほ「えっ」

 

 

西「ややっ、なんだか食堂が騒がしいな」

 

 \ザワザワ!/ \ザワザワ!/ \ザワザワ!?/

 

福田「あっ、西隊長、ご覧ください!大洗からそうめんが送られておりますよ!てなもんで今日のお昼は流しそうめんですと!」

 

細見「さっそく良質な竹を突撃してきましたであります!」タケー

 

玉田「玉田にお任せ!真っ向唐竹割り~!でえあぁいっ!」パッカーン!

 

浜田「おお・・・みごとなきれくち・・・これなら絶品の流しそうめんになりましょうぞ!」

 

西「玉田の竹割りは夏の風物詩だな!ようし!皆でそうめんを食べて涼をとろうではないか!」

 

 \オオオー!/

 

 

西「流すぞー」

 

 \オオオー!/

 

西「てやー」シャー

 

 \オオオー!/

 

 玉田「綺麗に流れてゆくぞ!」 細見「水も大変透き通っている!」 福田「見ているだけで夏らしさを感じられますな!」

 

 シャー

 

 \オオオー・・・/

 

まほ「流れる様子を見ているだけですか皆さん」

 

西「次はちゃんと取るんだぞー。てやー」シャー

 

玉田「西住ぃ!前へ行け前へ!新入りはたくさん食べねばならんのだ!」グイ

 

まほ「はっ」

 

玉田「他の一年も西住に続けぇ!上級生は後方だ!一番後ろは私だぞ!」

 

 \了解であります!/

 

まほ「とりゃ」スクイ

 

福田「おお!むほ殿、見事なそうめん掴みでありますな!ようし、自分も!」グッ

 

 シャー

 

福田「でやあー!」バシャ

 

池田「ははは、捕らえそこねたようだな!後方に控える私が!」バシャ!

 

寺本「ふふふ、前衛は皆捕らえられなかったようだな。だがここまでだ!」バシャ!

 

浜田「どりゃあああ!」バシャ!

 

細見「突撃ぃー!」バシャ!

 

玉田「逃がすかぁ!」バシャア!

 

 \また来たであります!/ \今度こそ!/ \くっ!なんて速度だ!/ \ちょこまかと!/ \わたくしよりも速いのですわ!/

 

まほ「うーむ、みんな不器用だ」ングング

 

 〜〜〜

 

西「午後は農作物の収穫だ!」ミーンミンミン

 

福田「ご覧ください!この立派なきゅうり!むほ殿、おひとつどうです?」ミーンミンミン

 

まほ「え・・・このままかじるのか?」ミーンミンミン

 

福田「水で洗ったので平気であります!」ミーンミンミン

 

まほ「むう・・・では」ガブリンチョ!

 

細見「いってるいってるぅう!」ミーンミンミン

 

まほ「!・・・おいしい」ミーンミンミン

 

福田「我が知波単学園の野菜は絶品なのであります!」ミーンミンミン

 

ローズヒップ「このでっかいお野菜はなんですの?」ミーンミンミン

 

玉田「それはへちまだ。切って乾燥したものをたわしとして使うこともできるのだ」ミーンミンミン

 

ローズヒップ「フーン、コンビニで売ってるタワシはこうやって出来てたのですわねー。あらぁこのシルエットはとうもころしでは?」ミーンミンミン

 

玉田「立派なものだろう。食べるか?薔薇尻」ミーンミンミン

 

ローズヒップ「食べてもようござんすの!?」ミーンミンミン

 

玉田「ほら」ガボッ

 

ローズヒップ「ありがとうございますですの!では・・・ローリング食べるー!」ギュルルルルル!ガガガガガガガブリンチョチョチョチョチョ!

 

福田「おわー!とうもろこしを高速で回転させそれを高速でかじっておりますー!」ミーンミンミン

 

細見「いってるいってるぅううぁ!」ミーンミンミン

 

 〜〜〜

 

西「さあ、掃除の時間だぞ。まほ殿、薔薇尻殿、この雑巾をお持ちになってください」

 

まほ「むほ」

 

ローズヒップ「ぞうきん?モップはありませんのこと?」

 

西「我が校の生徒は雑巾で掃除をするのが相場なのです。ささ、こちらの廊下を拭き掃除するのですぞ」

 

ローズヒップ「ひえっ!なんてなっがーーーい廊下ですの!?」

 

西「さあ皆、横一列に並べー!知波単名物総突撃だー!」

 

 \おおおーーー!/

 

   \ザッ!/

 

まほ「雑巾掃除など久しぶりだな・・・」

 

西「では!吶喊ーーー!」

 

 \とつげきぃーーー!/

 

 \ダダダダダダダダダ!/

 

まほ「っ!・・・この体制でこの速度とは・・・これも鍛練の一部なのだな・・・」

 

ローズヒップ「うぬおおおおおおおおおおおおお!私ならフラッシュ(一瞬〉あればなんでもできますわー!コーナーで差をつけろ!」ダダダダダ

 

西「おお!薔薇尻殿は気合が入っているな!皆も負けてられないぞー!」

 

 \おおおおおーーー!/

 

 〜〜〜

 

西「放課後だ!」バーン

 

福田「ご覧ください!自分の実家から西瓜が届いたであります!」

 

まほ「なんだか食べ物もらうの多いな」

 

玉田「福田ぁ!西瓜と言えばなんだと思う!」

 

福田「はっ!西瓜割りでございます!」ビシッ

 

玉田「その通り!知波単名物西瓜割りの準備に取り掛かるぞ!」

 

 \おお~~~!/

 

名倉「すいかわりっ♪あ、そーれすいかわりっ♪」テンテン

 

寺本「西瓜割りっ♪ア、ソーレ西瓜割りっ♪」テンテン

 

玉田「一意専心・・・」グ・・・

 

 細見「そこだー!いや、右だ右ぃ!」ソーレソレソレ 池田「いきすぎであります!左に転進!転進であります!」ソーレソレソレ

 

玉田「むむむ・・・」

 

 \右!右みぎー!/ \上であります!/ \稲妻の様にじくざぐに進むのであります!/

 

  \超信地旋回!超信地旋回!/ \おん!おん!/ \後退的前進!/

 

\そこで乱れ雪月花!/ \華は紅、柳は緑!/ \吶喊であります!/

 

玉田「っ!」カッ

 

玉田「ちぇすとぉぉおおお!」ガッッッ!

 

玉田「まだまだぁ!」カカカッ!

 

玉田「どうおりゃあああああああ!」スパパーン!

 

まほ「人数分に切り分けられている・・・なんという腕前・・・」

 

ローズヒップ「わぁいスイカ!ローズヒップスイカ大好きなのですわぁ!」シャクシャク

 

細見「福田?なんだそれは?西瓜に何をふりかけている?」

 

福田「塩であります!甘みが引き立つのでありまする!」

 

細見「なんだと!?西瓜に塩!?ありえん!甘くさせるなら砂糖ではないのか!」

 

玉田「西住ぃ!西瓜の速食い競争と洒落込もう!どりふの志村のように素早く食べるのだ!」

 

まほ「ふふ・・・いいでしょう。電撃戦は黒森峰の代名詞ですからな」

 

玉田「ではゆくぞ!せーのっ!」ガブガブガブ

 

まほ<シャシャシャシャシャシャシャシャ

 

玉田「!?」

 

名倉「は、早い!口いっぱいに西瓜を含んで頬が膨らんだ様は王者の貫録!」

 

まほ<シャックシャック・・・

 

玉田「やるな西住!今日より西瓜速食い王の栄誉はお前に譲ろう!」

 

まほ「もぐにょもぐにょもぐにょのん」シャックシャック

 

玉田「食べてから喋ればいい!一度に呑みこむとつっかえるぞ!あとお腹冷えるかもしれんからこの腹巻きを巻いておけ!のらくろのアップリケも刺繍してあるぞ!」

 

西「まったく、玉田は面倒見がいい先輩だな」ハッハッハ

 

玉田「誤認しないでください隊長。自分はただ下級生の心身の健康を案じているだけであります」

 

 〜〜〜

 

 ハナビビビビビビ・・・

 

細見「やあ・・・風情がありますなあ」

 

玉田「しかし福田の実家から西瓜だけでなく花火まで送られてきていたとはなあ。福田ぁ!親御さんによろしく言っておくように!」

 

福田「かしまこりますた!」ビッ

 

ローズヒップ「ご覧くださいませ!両手に手持ち花火を持って200万ローズヒップ!いつもの3倍の速度で走りまわって200万×300万の600万ローズヒップ!そしていつもの3倍の勢いでピョン跳ねすることで1200万ローズヒップですわー!」トリャー

 

細見「おお!言葉の意味はわからんがとにかく凄い薔薇尻だ!」

 

福田「やや?ここに置いてあるとうもろこしは誰のものでありますか?美味しそうでありますなあ」

 

ローズヒップ「あー!それは私のですわよ!とっちゃヤーですの!」

 

福田「・・・」ジー

 

ローズヒップ「ダメですの!これはダージリン様にあげるんですの!」ササッ

 

福田「・・・」ジー

 

ローズヒップ「どぅぁめだもん!ダージリン様のだもんですの!」

 

 

まほ「・・・」ジジジ・・・

 

西「やあ、線香花火でありますか。まほ殿はこういった静かなものの方がお好きですか?」

 

まほ「むほ・・・いや、皆と離れているからいいか。西、私は明日、黒森峰に帰るよ」

 

西「そうですか。さみしくなりますな」

 

まほ「・・・あっさりしているな。アンツィオの面々とまるで違う」

 

西「まほ殿は黒森峰の学徒ですから。私からととやかく言うことではないので」

 

 

 〜〜〜

 

 グツグツグツ・・・

 

まほ「送別会とは・・・気を使ってもらわなくてもいいのに」

 

西「何をいいますか!まほ殿が黒森峰に戻られるというからこうしてすき焼きの名店に来たのですよ!さあさあ、今日はたくさん食べるんだぞ皆!」

 

 \おおおーーー!/

 

福田「西隊長!お正月でもお盆でもないのにすき焼きなど喰らってよろしいのでしょうか!?」

 

西「かまうものか!せっかくだから足の先まで肉で満たすんだ!」

 

福田「了解であります!」

 

ローズヒップ「わぁいラード!ローズヒップラード大好きなのですわー!」アブラァ!

 

細見「薔薇尻、貴様それは牛脂だぞ!そ、それを食うのか!」

 

ローズヒップ「うーんマンダムですの」ムチャムチャ

 

玉田「西住ぃ!よそってやるからお椀をかせ!肉いっぱい入れてやる!糸こんにゃくとネギも入れとくか!?フーさんもあるぞ!」

 

まほ「玉田上級生殿、何からなにまでお世話になりました。ありがとうございます」

 

玉田「気にすることなどない!上級生たるものの務めだ!黒森峰に戻っても、もし困ったことがあればすぐ電報を送れ!すぐに突撃してやるからな!」

 

 

西「まほどの・・・わたくしおもうのでありますが」

 

まほ「むほっ」

 

西「わたくしのことをニシとよぶのはいささかタニンギョーギではありゃーしませんか!ヒック!わたしたちおともだちなんですから・・・きぬよってよんでください!」

 

福田「おや?西隊長の様子が・・・」

 

細見「あっ!日本酒風飲料の瓶が空に・・・まさか隊長!これを一人で飲んだのでは・・・!」

 

西「まほさん!きぬよってよんでください!きぬよって!」グイイ

 

福田「西隊長がいつもよりも大胆な突撃を・・・」ゴクリ

 

まほ「に、西殿・・・私はまほではなくむほで・・・」

 

西「ごまかさないでください!きぬよとよぶまではひきさがりません!」グイグイ

 

まほ「う・・・・・・き、絹代」

 

西「ふへへへへへ」ダラ~

 

細見「な!に、西隊長が西住にもたれかかって・・・!」

 

玉田「西住ぃ!貴様ずるいぞ貴様ぁ!西隊長を独り占めなど・・・!」

 

ローズヒップ「ここはわたくしにお任せあれでっすわ!西様がこうなったのはこのおビールのパワー。つまり皆さまもおビールを飲めば全て解決ゾ口リですの!」バーン

 

まほ「えっ」

 

ローズヒップ「ご安心くださいませ!このローズヒップ、聖グロ一の俊足と呼ばれるからには手も早い!既に皆さまの飲み物をおビールにチェンジしておきましたのですわ!」

 

まほ「えっ」

 

細見「あれ?・・・そう言われるとなんだか・・・」フラ

 

福田「自分・・・なんだか視界が歪んできました・・・」フラ~

 

玉田「にしずみぃ!にしたいちょうはみんなのたいちょうだ!きさまひとりのたいちょうではないぞぉ!」グイイ

 

細見「そのとおりであります!われらのだいじなたいちょうなのだ!いくらきさまのソウベツカイだからといってもたいちょうはやらん!」

 

まほ「そ、そう言われても・・・」アセアセ

 

西「おまえたち・・・そこまでわたしのことを・・・」ウルウル

 

細見「とうぜんであります!たいちょうこそわれらのたいちょうであります!」

 

福田「にしたいちょうのためならわれらどんなあいてでもおそれることはありません!」

 

玉田「にっぽんいちのせんしゃどうぶたいをめざしましょう!」

 

西「ようし!それじゃあみんなでまほどのをどうあげだー!」

 

まほ「えっ」

 

西「そーれ!まーほっ!まーほっ!まーほっ!」ワッショイ!ワッショイ!

 

 \わーっしょい!わーっしょい!わーっしょい!/

 

まほ「むほです。西住むほです。私はむほです」ワッショイ!ワッショイ!

 

 

 

 ~数カ月前〜

 

 ・・・戦車道全国大会一回戦

 

 黒森峰女学園 対 知波単学園

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

 

 

西「隊長はどこだ!隊長は!」

 

細見「何があった!」

 

名倉「皆やられました・・・!」

 

細見「やられた!?」

 

名倉「試合開始早々、黒森峰の電撃戦を受けた。こちらの方角へと前進しろと隊長に指示されたが・・・」

 

浜田「隊長も・・・副隊長も皆撃破された!」

 

細見「そんなっ・・・・・・残った我々はどうすればいいんだ!」

 

 福田「・・・」 玉田「・・・」 池田「・・・」

 

西「・・・最先任は誰になる」

 

名倉「・・・西殿です」

 

西「!・・・」

 

玉田「・・・・・・知波単学園は、今はあなたの隊・・・あなたが指揮官です、西殿」

 

西「っ・・・」

 

池田「八時の方角に敵集団!ゆっくりと接近してきます!」

 

 

 ドドドドドドドドド・・・

 

まほ「・・・」

 

 

浜田「威圧するかのように近づいてきます!」

 

西「・・・っ」

 

福田「どうかご命令を!自分はなにをしていいかわかりません!」

 

西「・・・」

 

 まほ「・・・」ドドドドドド・・・

 

 

西「・・・・・・奴に突撃。全力で吶喊するぞ。それが命令だ」

 

細見「!・・・」

 

福田「あれをやっつけようと!?」

 

西「そうだ!命令を待ってたんだろ!命令だ!ありったけ撃ち込む!」

 

福田「しかし西殿・・・!」

 

西「勇気を振り絞れ福田!!!戦車女子だろう!!!」

 

福田「!」

 

 ドドドドドド・・・

 

 まほ「・・・」

 

 

西「突撃ぃーーー!!!」

 

 

 ~~~

 

西「はっ!」

 

 福田「Zzz・・・」 玉田「Zzz・・・」 細見「Zzz・・・」

 

西「・・・・・・むう、いつの間にやら眠っていたとは・・・いささか記憶が無い部分もあれど、たしかまほ殿の送別会だったか・・・」

 

西「しかし、全国大会一回戦の回想を夢に見るとは・・・忘れた訳ではなかった・・・なぜ今になってあの頃のことを・・・」チラ

 

まほ「・・・Zzz」

 

西「・・・このかわいらしい寝顔の方が、あの黒森峰の隊長だとは・・・あの試合であれほど恐ろしく感じた方なのに・・・今はまるで印象が違うな」ハハハ

 

むほ「・・・むにゃ・・・お母様・・・戦車で空中のリーパー(無人機)を撃墜するなど無茶ですよ・・・」ムニャムニャ

 

 

まほ「・・・・・・んう・・・!」ガバ!

 

まほ「しまった!寝過ごし――・・・・・・てない」

 

まほ「フ・・・」ドヤァ

 

西「おはようございますまほ殿」

 

まほ「!・・・ああ、おはよう。皆はまだ寝ているか」

 

西「先の大会での一回戦のことを思い出し、飛び起きてしまいました」ハハハ

 

まほ「・・・あの試合か」

 

西「いやあ、今振り返っても見事なやられっぷりでございました。真正面から完膚なきまで叩きのめされ、いっそ清々しくもあるくらいでした」

 

まほ「・・・」

 

西「我々では足元にも及ばない、黒森峰の・・・まほ殿の圧倒的な力を見せてもらいました」

 

まほ「・・・私は――」

 

 

 ガラ!

 

ローズヒップ「おっはようございまーすですわーーー!皆さま起きてくださいませですのーーー!」

 

まほ「!」ビクッ

 

玉田「んがっ!?な、なんだ!?」ガバ

 

 細見「敵襲!?」ガバッ 名倉「なにごとか!?」ガバッ

 

ローズヒップ「叩き起こしてごめんあそばせ!でも早くお着替えとお顔を洗っておハミガキをしてくだしゃーせー!」

 

西「薔薇尻殿、一体何がはじまるというのです?」

 

ローズヒップ「我らが聖グ口リアーナの学園艦が来ますの!」

 

 

 ザッ

 

ダージリン「ごきげんよう」バーン

 

西「だぁじりん殿、おはようございます!」ペコォ!

 

ダージリン「あら、まほさんもいらしたのですね。短期転校をして周っているという話は耳にしていましたが」

 

まほ「ああ」

 

 福田「ぷぷぷ、田尻殿もむほ殿を長女のまほ殿と間違えておられる」プクク 細見「あのしたり顔、実は一年生だと言うことを知れば驚くであろうな」プクク

 

ダージリン「?」

 

西「ととととととところでだぁじりん殿、今日は何用でわざわざこちらに?」

 

ダージリン「あら?何用だはないんじゃないかしら。今日は約束していた私達の交流試合の日でしょ。もしかして、ウチのカレンダーが去年のままだったのかしら?」

 

西「えっ」チラ

 

 福田「?」 細見「?」 玉田「?」

 

ダージリン「・・・・・・ローズヒップ」

 

ローズヒップ「はぁい!」ザザッ

 

ダージリン「あなた、知波単学園の皆さんに今日の交流試合の件をちゃんと伝えたのかしら?」

 

ローズヒップ「すっかり忘れてましたのですわ!」

 

ダージリン「・・・」

 

ローズヒップ「ゴメンアソヴァセ!」

 

西「申し訳ございません!今日が貴校との交流試合とはつゆ知らず!今すぐに準備に取り掛かりますよってに!」ペコペコ

 

ダージリン「謝るのはこちらの方。ローズヒップが一向に戻ってこないことに気付いた時点で手を打っていれば・・・」

 

ローズヒップ「ドンマイですわダージリン様!」

 

西「これより戦車の整備に入りますので少々お待ちを!郊外の喫茶店などで待機していただくのはどうでしょう!流行りのいんべぇだぁげぇむもありますよ!」

 

ダージリン「いえ、けっこう。そちらの準備が整うまで私達も作戦会議にするわ。行くわよローズヒップ」

 

ローズヒップ「知波単の皆さま、お世話になりましたですのわ。このゴオーンはイッショー忘れませんわぞ」ペコ

 

 

西「・・・むう、まさかせんとぐろりあぁなと突然の試合とは・・・晴天の霹靂だ」

 

玉田「西隊長!我々の力を見せてやりましょうぞ!」

 

細見「たとえ三日前から試合の件を知っていたとしてもやることは同じ!突撃あるのみです!」

 

福田「知波単の力を見せてやりましょうぞ!」

 

西「・・・うむ、そうだな。皆は戦車の整備と試合の準備をしてくれ」

 

 \了解であります!/ ダダダー

 

まほ「西隊長、私も知波単学園の生徒として参加する。まだ短期転校中なのだから」

 

西「いえ、直に黒森峰の迎えの船が来る頃合いでしょう。それに・・・あなたにお見せしたいのです。知波単の・・・我々の試合を」

 

まほ「・・・」

 

西「ぐろりあぁなは強敵です。我々がどこまで戦えるかは不明瞭ですが、やるだけやってみます!」

 

まほ「・・・全国大会一回戦のあの試合で・・・知波単学園の隊長車輛と副隊長車輛を撃破したのち、フラッグ車を含む残りの全車が私の乗るティーガーめがけ突撃してきた・・・」

 

西「・・・・・・?・・・はい。自分達は返り討ちにされーー」

 

まほ「試合結果だけを見れば黒森峰の完勝だったかもしれない。だが、知波単の戦車は私のティーガーにかなり肉薄していた。一手見誤っていたら、勝敗は変わっていたかもしれん」

 

西「!」

 

まほ「正直、少し焦っていた。知波単の闘志をヘシ折るつもりで前進していたのに、彼女達は真っ向から向かってきた。折れるどころか怯むことなく果敢に突撃してくる姿に・・・驚いた」

 

まほ「あの勝負はギリギリだったんだ。知波単は弱くない。まだまだ強くなれる」

 

西「まほ殿・・・」

 

まほ「自信を持て絹代。お前達の戦車道を進んで行け」

 

西「!・・・」

 

 

玉田「西隊長!試合の準備が整いました!」ビシッ

 

細見「英国かぶれを撃破しましょうぞ!」

 

西「・・・」

 

福田「隊長・・・?」

 

西「・・・皆、私はまだまだ隊長として未熟だ。至らぬ部分もあるだろう。それでも、こんな私と共に戦ってくれるか?」

 

 玉田「・・・」 細見「・・・」 福田「・・・」

 

 「「「・・・・・・」」」

 

 

 \当然であります!/ \西隊長とならどこまでも!/ \目に物見せましょうぞ!/

 

  \我々は仲間です!/ \おん!おん!/ \やってやるであります!/

 

\勝って兜の緒を締めましょう!/ \我らの隊長は西隊長だけです!/ \勝利をこの手に!/

 

西「っ・・・皆・・・ありがとう・・・」

 

まほ「・・・ふふ」

 

西「よし!ゆくぞ!知波単の戦いはこれからだ!」

 

 ザッ!

 

 

ダージリン「珍しいわね。あなたがフラッグ車に名乗りを上げるなんて。よほどの自信があるようね・・・?」

 

ローズヒップ「もっちろんでございますわ!ダテに知波単に潜入捜査をしていたわけではありませんの!007のようなスパイと知波単からおそれられたものですわ!」

 

オレンジペコ「それバレてるってことになりますけど」

 

アッサム「ローズヒップ、やってみせなさい」

 

ローズヒップ「了解ですの!よっしゃあ!やっつけますのよー!」

 

 

西(まほ殿・・・あなたの言葉に勇気づけられました。私には、私の戦車道がある。仲間と共に・・・私の道をゆきます!)

 

西(あなたは私と友人になりたいと言ってくれた・・・私は・・・未熟ゆえ、あなたと対等な友人とは言えません・・・・・・今はまだ、ですが・・・)

 

西(だからこそ、次に会う時は・・・友として会いましょうぞ!)

 

 

西「いざ、尋常に勝負!」

 

 

 ド ワ オ !

 

 

 ~~~

 

 ポシュ

 

審判「聖グ口リアーナ学園フラッグ車、走行不能。よって、知波単学園の勝利!」

 

 

 玉田「・・・」 細見「・・・」 福田「・・・」

 

 「「「・・・・・・」」」

 

 

西「・・・・・・勝った!」

 

 \オオオオオーーー!/

 

 \勝ったであります!/ \大金星であります!/ \大戦果であります!/

 

  \見たか知波単の力を!/ \おん!おん!/ \これが我らの実力だ!/

 

\短気は損気!/ \田んぼじゃ取れないさざえの壺焼き!/ \がるぱんはいいぞ!/

 

西「あのせんとぐろりあぁなに勝つことができるとは!皆が力を合わせたからこその勝利だ!よくやったぞ皆ぁ!今日は揚げパンで宴会だー!」

 

 \おおおおおおおおーーー!/

 

 

ダージリン「・・・ローズヒップ、事情を説明してくれるかしら?」

 

ローズヒップ「今少しの時間とお紅茶のおかわりを頂けたら・・・」

 

ダージリン「弁解は罪悪と知りなさい」

 

アッサム「ローズヒップ!あなたは自分の役割を考えずに無闇に突撃して!こっちに来なさい!ヒップペンペンします!」

 

ローズヒップ「ヒー!知波単の方々ァ!これで勝ったと思わないでくださいましぃー!」

 

 

まほ「ローズヒップの尻が薔薇のように赤くなって、これがほんとのローズヒ――」

 

                         ≫完!!!≪

 

 

 ~おまけ~

 

エリカ「隊長が知波単から戻って一週間」

 

エリカ「上下関係に厳しくも、隊長はやたら優しくなった。事あるごとにお菓子を与えてくれたり、後輩達の相談を聞いたり、皆からかなり慕われて、士気はますます上がってる」

 

エリカ「けど・・・」

 

 まほ「この後は作戦会議だ。会議室に突撃するぞ」

   まほ「エリカ、西洋煎餅食べるか?蜜柑果汁飲料もあるぞ」

まほ「今度の合同練習のことで田尻から電子手紙が届いているぞ」

 まほ「そこの十字路を右に突撃して右に転換後、二つ目の信号まで突撃して左に転換すれば万能雑貨店の七時十一時がある。そこで殿方西洋揚げ餅の本出輪具を買ってきてくれ」

    まほ「おんおん」

 

エリカ「なんか余計にポンコツっぽくなってるじゃない!」バシーン

 

エリカ「何言ってるかわかんないし!おんおんってなによ!」バシーン

 

エリカ「でもめちゃめちゃ優しい先輩風な隊長マジヤバイ!たまらん!パネェ!」バシーン

 

みほ「あはは・・・それで鬱分とムラムラを発散させるためにサンドバッグ叩いてるんだ。黒森峰も大変だね」

 

エリカ「あなた妹でしょ!姉妹同士ならもっと隊長優しいんでしょ!ずるい!」

 

みほ「はいこれ、お姉ちゃんと一緒に録画したホームビデオ」

 

エリカ「ありがとうございます!!!」

 

 ~おしまい~

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