近距離パワー型のじゃロリ狐っ娘守護霊 作:名無しの狐信者
訓練所に到着した妾たちは、大人数で戦闘訓練をした。
生徒だけでなく教師を含めた見物人も詰めかけて、大変盛況だ。
途中からAやB組や他の学科だけでなく、上級生もなだれ込んできた。
ビッグ3という雄英高校の生徒の中で、トップヒーローにもっとも近いと呼ばれている人たちも参加したのだ。
総がかりで妾をボコりに来るという、苛めかと思うような酷い有様だった。
なお、もちろん挑んできた者には手加減して、全員返り討ちにしてやる。
派手に吹き飛んだり、殴る蹴るの暴行を受けてるように見えても、実際にはせいぜい軽い打撲や擦り傷ぐらいの怪我しかさせていない。
しかし流石に多勢に無勢で、マトリックスでスミスの集団を相手取るような、どう考えても勝つのは無理だろという状況になる。
おまけに全員が個性を使ってくるしで、妾でなければ無事では済まない。
まあ妾は0.1秒でも隙があれば致命の一撃を叩き込めるが、イズクが敵だと、動かない的に一方的に攻撃する戦術を取られるのだ。
勝てはしても集団戦闘訓練の意味が薄れてしまうため、弟子は味方ということにして、訓練場を縦横無尽に駆け回ることにした。
一応は狐火という遠距離攻撃の手段があるし、一対多数もやってやれないわけではないが、とにかく対処が面倒なのだ。
あとはイズクもワンフォーオールの力を、少しずつ引き出せるようになってきている。
襲ってきた生徒を手加減して吹き飛ばし、軽い怪我で済ませるぐらいはできる。
ただし気力が続く限りは、相手は何度でも起き上がってくる。
そうでなければ訓練にはならないし、ヒーロー科はコスチュームを着用したガチなやつだ。
痛くなければ覚えませぬの世界ではないかここはと思うほど、お互いに情け容赦がない。
もちろん妾は程々に手加減しているが、イズクはシャボンランチャーを乱れ撃つ。
またはサポートアイテムとしてわざわざ作ってもらった、髪の毛っぽい特殊繊維に波紋を流して空中に投げる。
そしてバリアとして使って攻撃を防ぐ、波紋ヘアーアタックを使っていた。
のじゃロリ狐っ娘はともかく、弟子は最初からクライマックスで戦わないと。数の優位で防戦一方になってしまうのだ。
なお守護霊は疲れ知らずだが、イズクや他の生徒は疲労困憊になるまで挑み続ける。
最終的には先生たちまで集まってきて、この場を取り仕切ることになった。
具体的には妾やイズクから攻撃を受けて、一時的に吹き飛ばされてダウンした生徒に、改善点などのアドバイスをしている。
そして一定時間ごとに大声を出して、バスや電車を使用している生徒に帰宅するように呼びかけてくれる。
だが、こっちも電車通学なのだ。
それでも、下校時間ギリギリまで戦闘訓練を行う。
ついでに妾はともかくイズクは普通の人間で、どうしても後半には疲れが見えて動きが鈍ってくる。
ゆえに弟子を守りながら立ち回ることになり、一対多数にならざるを得ない。
それでも問題なく勝てるが、最終的に疲労で倒れて動けなくなるまで訓練した弟子を、師匠がよっこらしょと背負う。
そんな状態で公共交通機関を利用したり普通に歩いたりしながら、我が家に帰宅するのがここ最近の日常風景なのだ。
最初は驚いた引子さんだが、イズクは疲れているだけだし波紋の呼吸を維持すれば、次の日には全回復している。
なので二回目以降はあらあらまあまあと受け入れて、特に動揺することもなく仕方ないわねと息子の世話を焼くのであった。
戦闘訓練は自由参加なのだが、割りと無茶をやり続けても脱落者が全然出ない。
毎日長蛇の列で、開始から終了時間まで満員御礼という、個人的には全く嬉しくない悲鳴をあげる。
しかし、いつか巨悪と戦うためには頼りになるヒーローが少しでも欲しい。
だが思っていた以上の、ハードスケジュールだ。
守護霊は疲れないし毎日全員を返り討ちにしているとは言え、少しは加減しろ馬鹿と叫びたくなる。
しかし全て自業自得なので、甘んじて受け入れるしかない。
そのうち飽きるか心が折れて人が減っていくだろうと、楽観的に考えていた。
だが過酷な戦闘訓練を日々続けていても、挑戦者は減るどころか増える一方だ。
マジでどういうことなのと困惑しているのが、今日このごろである。
担任である相澤先生に理由を聞くと、手加減が上手くて強いプロヒーローに稽古をつけてもらえる機会など、現実には殆どないということだ。
雄英高校の教師は、全員がプロである。
しかし戦闘向きではなかったり、相性によって得手不得手があった。
そもそも全力で襲って来る何十、もしくは百名以上の生徒たちを前に手加減をする余裕など、普通はない。
それこそオールマイトレベルの超パワーを持っていたり、オールラウンダーに対処できるトップヒーローでないとやれない芸当だと聞いた。
なので改めて、ヒーローとして依頼される。
妾の口座を作り、マスキュラーまで遡って給料を振り込んでくれた。
根津校長や相澤先生からも、生徒たちの指導をよろしくと頼まれた。
いつの間にか、雄英高校の非常勤扱いになっているとは驚きだ。
けどこれは、イズクの修業も兼ねている。
日課をこなして給料が出るなら、まあ悪くはない。
たまにしか飲み食いしないけど、お金はあるに越したことはないのだ。
それに向かってくる相手を、一人残らずぶっ飛ばすのは変わっていないので、雄英高校の体育祭まで戦闘訓練を続ける。
その間に、色んなドラマがあった。
具体的には、轟少年に氷だけでは絶対に勝てないとわからせた。
母親の個性だけを使って妾に勝利し、父のエンデヴァーを完全否定するとか言っていたが、そんな半端な気持ちで近距離パワー型のじゃロリ狐っ娘に勝てるものかよだ。
しかしどうやら根が深い問題のようで、全然炎を使おうとしない。
埒が明かないので相澤先生に尋ねて、ナンバー2のヒーロー事務所の場所を聞きだす。
渡我少女のときのように、凸してやった。
その時は、育児放棄は絶対許さない狐っ娘となり、『お前の息子の教育はどうなってるんだオラァ!』とばかりに、その場のノリと勢い任せの説教をする。
すると個性婚とかいう、まるでこの世界の歪みを凝縮したようなナニカが明らかになった。
ついでに精神を患った妻と娘や息子たちを今も変わらず愛していたり、長男が彼の過去のやらかしのせいで亡くなっていることが判明する。
何と言うかナンバー2ヒーローの話を聞く限りでは、轟家は修復不可能なぐらいグッチャグチャになっている。
迂闊に関わると、くっそ面倒なことに巻き込まれると容易に察してしまう。
しかし時すでに遅しで、片足を踏み込んで沼に沈んでいた。
まあ凸したのは妾だしと、諦めが肝心である。
なので轟家の面々の間に妾が割って入ることにより、互いの意思疎通を円滑に行うという苦肉の策に出た。
イズクのスマートフォンに、また新しい連絡先が追加される。
とにかく妾の直感で最適解だと思われる答えを導き出して、内心でヒーヒー言いながらも、ヒビ割れた家族関係を何とか修復していった。
おかげで母親が精神病院から退院し、今は自宅療養になっている。
まだエンデヴァーと話すのは難しいが、それでも少しずつ元気になりつつある。
イズクのスマートフォンで通話した限りでは、雄英体育祭がテレビで流れたら妾を応援してくれるらしい。
そこは息子の轟少年と言うべきだと思ったが、一応彼とはまだ少し壁があるがたまに話したり、陰ながら応援しているとのことだ。
だがそれはそれとして、いつの間にかのじゃロリ狐っ娘が轟ファミリーの末娘的な立ち位置なっていたのは、由々しき事態である。
これ以上は何だか知らんがヤバそうだと思った妾は、あとは轟家が解決することなので、これで失礼させてもらおうと、クールに去るぜをしようとした。
だが逃さん。狐だけはと言わんばかりに、撤退には成功しても、毎日のように轟家の面々からも連絡が入るようになる。
基本的には他の友人と同じで、向こうからかけてくるので通話料金の心配はない。
だがイズクのスマートフォンのバッテリーが、ガリガリ削れていく。
なので最近はモバイルバッテリーが手放せなくなり、そろそろ電池交換したほうが良いかもと危機感を持っていた。
それはそれとして最近の轟少年だが、氷と炎の両方を使っても結局手も足も出ない。
毎日情け容赦なくぶっ飛ばされている。
なので最近は父親のヒーロー事務所に顔を出して、必殺技的なものを教わっているらしい。
エンデヴァーも家庭環境の回復と、頑張る息子に触発されたようだ。
今一度己を見つめ直し、さらなる強さに至るために戦闘訓練に一層力を入れ始めていると、轟少年に教えてもらった。
あとは妾が狐火を拳にまとって戦いだしたら、常闇少年が真似しだした。
ただし、彼はいきなりそんな器用にはできないので、全身を包み込むタイプだ。
そして邪王炎殺青龍波も参考にしたのか、何か知らんが空も飛び始めた。
あとは爆豪少年が、一点集中で貫通力を増した爆破を完全にマスターして、回転しながら突っ込んでくる必殺技も修得した。
飯田少年も、今のままではどう足掻いても勝てないと本能的に理解し、足のマフラーを引っこ抜く。
何も生えてない状態で登校してきたときは、気でも狂ったのかと思ったものだ。
とにかく他の生徒も、必殺技を閃いたり個性が急成長しまくったのである。
やっぱりとんでもなく強い敵が相手だと、否応なしにレベルアップするらしい。
まるでロマンシングなサガの何とか道場のように、閃き率や成長率が急上昇している。
ただそれは良いのだが、ちょっと展開が早すぎる気がする。
何故そう思うのかはわからないけど、何となくそう思った。
そして今日も向かってくる挑戦者を、のじゃのじゃラッシュで一方的にボコる。
そんなこんなで授業が終わったあとは、割りと忙しい日々を過ごしているのだった。
やがて時は流れて、雄英体育祭の日がやって来た。
学年別に行うのが毎年恒例のようにで、本日は一年生の番だ。
スカウト目的のプロヒーローや大勢の見物客、各取材陣も詰めかけている。
当然のように引子さんも録画しているため、恥ずかしい姿は見せられない。
取りあえず妾たちは、練習通りに列になって行進する。
ドーム内の指定の場所に向かった。
イズクは大多数の人々の声援を受けて物凄く緊張している。
その辺りはいつのものことなので、妾は全く気にしていない。
18禁ヒーローミッドナイトの前で選手宣誓を行い、いよいよ体育祭開始である。
入試の総合成績で一位を取ったのはイズクなので、相変わらずガチガチに緊張しつつも、何とか予定通り無難にこなすのだった。
だがまあ問題はこの次で、第一種目は障害物競走。
ドームの周囲の四キロを走り切ることは容易であっても、そこはまあ雄英高校なので一筋縄ではいかない。
具体的には、コースから外れなければ基本的に何でもありだ。
他の選手の妨害が入ることを前提で、動かなければいけなかった。
「イズクよ。妾は手伝わぬからな」
「はい! 師匠! 見ていてください! 僕の優勝を!」
何となくクウガっぽい台詞を聞きながら、イズクはいつも通りに波紋呼吸法で
この短期間で全体の上限が10%も上がったのは、やはり同じように切磋琢磨している仲間がいたからだろう。
代わりに学問のほうが最近は少し下がっているようだが、最高のヒーローになるためには体育祭で良い成績を取るのは外せない。
なので今日のイベントが終わったら、真面目に勉強に励むはずだ。
そしてやる気なのは、イズクだけでなく他の生徒も同じである。
誰もが絶対に一位を取るのだと、並々ならぬ気迫を発している。
そして選手全員が、スタートラインについて、雄英体育祭の障害物競走はスタートしたのだった。
残念ながらヒロアカ二次の筆折ポイントの一つ、体育祭編を突破できませんでした。
ここからキャラと世界が一気に広がって複雑に絡み合い、二次創作作者的には色んな意味で危険な領域に突入する。
本当に書き続けてる作者様は偉いです。神です。
それでは、再び書き溜め作業をするか、気楽な読み専に戻るかの間を行き来する生命体に戻ります。
もし未完とついたらお察しください。