近距離パワー型のじゃロリ狐っ娘守護霊   作:名無しの狐信者

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トーナメント戦の途中経過なのじゃ

 心操少年との試合が終わり、観客席に戻る途中で待っていたオールマイトと会った。

 控室に移動して例のスタンドについて尋ねられて、イズクも気になっているようだ。

 

 しかし現状では情報が足りておらず、推測しかできない。

 

「師匠、先程の個性は一体!?

 僕の体じゃないのに、思った通りに動かせました!」

 

 妾は内心で困惑していても、やだ…何それ…知らんしとは言わない。

 

 予想としては洗脳で肉体が動かせないのが、良い感じに作用したらしい。

 幽波紋(スタンド)を動かすコツを掴んだようで、今のイズクの発言から妾の推測が正しいことを確信する。

 

「あれはイズクの幽波紋(スタンド)じゃ」

幽波紋(スタンド)……って、まさか!」

 

 出会ったばかりのときにも、幽波紋(スタンド)に例えて説明した。

 元はサブカルチャーというのは伝えてないが、雄英高校の教師が知っているぐらいだ。

 イズクも当然覚えており、今回は真面目に教えていく。

 

幽波紋(スタンド)とは、個性を持ったヴィジョンじゃ。

 本人の精神体のような存在とも言えるな」

 

 するとオールマイトがじっと妾を見つめて、はっきりと口を開く。

 

「つまり幽波紋(スタンド)とは、お狐様のような存在かな?」

「うむ、そうとも言えるな」

 

 まだ情報が足りてないので確信は持てなくても、大体合っていると思う。

 

「妾と幽波紋(スタンド)の大きな違いは、受けたダメージがイズクに跳ね返ってくることじゃ」

 

 パンチを一発叩き込んで洗脳が解けたのだ。

 人を殴った衝撃が、本体のイズクに伝わったのだと判断しておく。

 

 弟子も何となく覚えがあるようで、右手を握ったり開いたりしている。

 妾の推測が正しいと証明してくれていた。

 

「今回はイズクが波紋疾走(オーバードライブ)100パーセントを越えたことで、その先にある幽波紋(スタンド)に至ったのじゃろう」

 

 オールマイトとイズクは驚いているが、多分だがこれは妾が混ざったことで起きたことだ。

 

「まさかワンフォーオールに、まだ先があったとは!」

「あっ、あれが! 波紋の進化系! 幽波紋(スタンド)だったのか!」

 

 一部の人は個性進化論を信じてるらしいし、そっちの可能性も捨てきれない。

 結局のところは全てが推測に過ぎずに、何々の可能性が高いというだけだ。

 

「じゃが、あいにく情報が足りぬ。

 イズクよ。歴代継承者と会って色々尋ねて見るといい」

「えっ!? 僕も会えるんですか!?」

 

 イズクだけではなくオールマイトも驚いているが、妾が前に会って色々話したのだ。

 ワンフォーオールに歴代継承者の意識が残っていることは知っている。

 

 しかし彼らが接触してきたのは一度だけだ。

 それ以降は、全くの音信不通だった。

 

「時期尚早ではあるが、幽波紋(スタンド)を呼び出したのじゃ。

 全員と話すのは難しいじゃろうが、資格はあるじゃろうよ」

 

 歴代継承者は、気難しい者が多い。

 イズクのことを内心では認めてはいても、一言も喋らない者もいるだろう。

 今回の幽波紋(スタンド)についての情報を得るのは苦労しそうだが、妾は別に全てを知っているわけではないのだ。

 

「何にせよ雄英体育祭の途中で、あまり長々と立ち話をするわけにもいくまい」

 

 イズクは行動派オタクで、あれもこれもと色々聞いてくる。

 雄英体育祭はまだ途中なため、あまり長話をしているわけにもいかない。

 

 結局のところは、追々詳しく調査していくしかないのだ。

 

「そっ、そうですね! 今は雄英体育祭に集中しないと!」

 

 オールマイトも納得したようだ。

 周りの人たちには、お狐様の分身体として報告しておいてもらう。

 

 あながち間違いでもないし、ワンフォーオールの秘密は守られる。

 やっぱりナンバーワンヒーローは信頼感があって頼りになるなと思いながら、妾たちは控室から出て各々の待機場所に戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 次の試合は轟少年と瀬呂少年だった。

 先手必勝のセロハン攻撃を炎で焼き尽くし、続けて氷漬けにする。

 推薦入学者の実力は流石としか言いようがない。

 

 まあの少し前は長話していたので、日向ぼっこ欲が高まった妾は殆どウトウトしていたので、気づけば終わっていた。

 轟少年が勝ったので、何だか知らんが想定の範囲内だということにしておく。

 

 

 

 その次の試合は一年B組の塩崎茨と一年A組の上鳴電気が戦い、塩崎少女が二回戦に進出する。

 

 行動派オタクのイズクはしっかりノートを取っていて、麗日少女にゼログラビティの資料を見せていた。

 妾には良し悪しはわからないが、青春だなーと思いながら我関せずを貫いて日光浴を行う。

 

 

 

 続いて第四試合は、A組の飯田天哉とサポート科の発目明だ。

 

 何と言うか、良いように踊らされていた。

 ヒーロー科ではない女性だから手加減しているのか、それともスポーツマンシップに則り、個性は使わず正々堂々と戦おうとしているのかはわからない。

 

 だが飯田少年は純粋な身体能力をサポートアイテムで強化し、とにかく頑張っていた。

 

 結果を見れば、彼が勝利した。

 宣伝に使われていたので、勝負に負けて試合に勝ったような感じである。

 

 けれど双方が最初に約束し、両者が合意の上なのは間違いない。

 いちいちツッコミを入れるのが面倒な妾は、何も言わずに体を丸めて眠りにつく。

 

 

 

 第五試合は青山少年と芦戸少女との戦いで、どっちが勝ってもおかしくない。

 結果は、芦戸三奈の勝利となる。元から身体能力が高いのが功を奏したようだ。

 

 

 

 第六試合は常闇少年と八百万少女だが、妾との戦闘訓練で光に弱いことが知られている。

 

 初手で閃光手榴弾を創造されて、そのまま押し込まれた。

 弱点が明らかな個性は相性次第では不利になるため 型にはめて八百万少女が勝利した。

 

 彼女は元々メンタルが弱かったが、精神面では多分A組で一番成長している。

 

 

 

 それはともかく、続く第七試合はA組の切島少年とB組の鉄哲少年だ。

 両方とも個性が近いため、硬化させての近接戦闘である。

 

 さらに強化を進めて殴り合い、最終的には両者戦闘不能で引き分けになった。

 あとで腕相撲で勝敗を決め、切島少年が次の試合に進むことになる。

 

 

 

 第八試合は爆豪少年と麗日少女の試合だが、何も言うことはない。

 両者が死力を尽くして戦い、色々あったが最後には爆豪少年が勝つ。

 

 予想通りの結果ではあるが、何と言うか魂を震わせるドラマがあった。

 良いものを見せてもらい、久しぶりに心を揺さぶられたのだった。

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