近距離パワー型のじゃロリ狐っ娘守護霊   作:名無しの狐信者

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ヒーロー仮免許試験
学生寮に引っ越すのじゃ


 AFOをボコボコにしてゴミ収集車にホールインワンする。

 神野区の被害は甚大だが何とかヴィランの黒幕を倒して、タルタロスに送れた。

 セキュリティはしっかりしていると聞いたし、もう二度と出られないので安心だ。

 

 

 

 それはそれとして公安の目良善見(めらよくみる)さんから連絡が入る。

 近々妾のグッズを販売したいので、許可が欲しいようだ。

 しかも大々的に売り出すようで、ゴーサインがあればいつでも大量生産可能らしい。

 

 そういうのは興味ないし関わる気がゼロなため、面倒なことは適当に丸投げする。

 

「大赤字になっても責任は取らんぞ」

「お狐様や緑谷家のご負担は一切ありません。

 損失が出ても公安の経費から引き落とすので、ご心配なく」

 

 何だか知らないが、そういうことになる。

 かつて恐怖で世界を支配していたヴィランの帝王を、オールマイトとの戦いで疲弊していたところに横槍を入れてゴミ収集車にボッシュートした。

 

 全世界が注目していたので、テレビで大々的に報道される。

 

 妾は活動はしていなくても、ヒーロー免許は持っていた。

 グッズがないのは世間的に如何なものかということで、急ぎ生産を開始させて欲しいとのことだ。

 

 しかし偶然遭遇したヴィランをボコったり、たまたま困っている人がいたら救助する以外、妾は特に何もしていない。

 

 イズクの指導や他の生徒の面倒も見てはいるが、ヒーロー活動とは言って良いのかは個人的には微妙だ。

 ヒーロービルボードチャートJPはまだ行われていないけれど、先日初めて知った人も多そうだった。

 

 どう考えても、売れずに在庫の山を抱えて大赤字確定だ。

 目良善見(めらよくみる)さんは多大な損失を出した責任を取らされてしまうが、一応警告はした。

 

 言っても止めないなら好きにすれば良いし、在庫処分に頭を抱えるのは妾ではないし、別に良いかと許可を出す。

 

 

 

 それはそれとして、絶対に倒れない平和の象徴であるオールマイトの引退が世間を騒がせる。

 マッスルではなく弱体化したトゥルーフォームもバレてしまったことで、ヒーロー社会に大きな混乱が広がっていた。

 

 AFOはタルタロスに叩き込んだが、奴の後継者である死柄木弔と仲間のヴィランは依然として行方が掴めていない。

 

 さらにオールマイトも、記者会見で全盛期よりも衰えていることをはっきりと認めた。

 これまでのように勢いで誤魔化したり遠回しの発言ではなく、今後は教育に専念するとはっきり明言したのだ。

 

 何より大きかったのが引退による、ヒーロービルボードチャートJPからの除外である。

 代わりに彼は妾を後継者として指名して、こっちも幽霊部員的な名義を貸すだけで良ければと、OKを出した。

 しかし新人でろくに活動もしていないので、何十年もナンバーワンヒーローとして平和を守り続けたオールマイトと比べれば、信頼度は天と地の差というかぶっちゃけ地下深くに潜っている。

 

 まあとにかく、平和の象徴は事実上の引退だ。

 一応免許は所持しているので活動はできるが、今後は緊急でない限りは地域のヒーローに任せるらしい。

 

 

 

 かくして何十年もヒーロー社会を支え続けた、平和の象徴はいなくなった。

 

 オールマイトが消えた今、これまで彼を恐れて身を潜めていた者たちが表に出てきて、世界中に混乱が広がるのは避けようがない。

 

 それを抑え込んで平和を維持するには、次のナンバーワンヒーローに頑張ってもらうしかない。

 他にも今まで通りでは立ち行かなくなるので、早急な改革が必要だ。

 

 けれど何だかんだ言いつつ、妾にとっては完全に他人事である。

 身の回りが騒がしくなければ、それで良しというスタイルで、ウトウトと日向ぼっこをしながら我関せずを貫くのだった。

 

 

 

 やがて神野区の悪夢から少しだけ時間が過ぎる。

 緑谷宅に、オールマイトと相澤先生が家庭訪問にやって来た。

 

 彼らが言うには、生徒を守るために雄英高校を全寮制にするらしい。

 

 確かに警備システムがしっかりしていて、教師陣のプロヒーローにも守ってもらえれば安心安全だろう。

 

「師匠は、どう思いますか?」

 

 片側には引子さんとイズク、向かい合うように教師二人。

 妾はフワフワと浮遊しながら日向ぼっこをしていたが、相変わらずちょっと変わったTシャツを着た弟子が尋ねてきたので、アクビをしながら口を開く。

 

「他の生徒はともかく、イズクに必要とは思えぬな」

 

 妾はイズクの半径10メートル以上は離れられないが、これまで脅威から守ってきた。

 先日倒したAFOよりも強いヴィランが襲撃してきたら別だが、それより弱ければセーフモードの尻尾一本でも何とかなる。

 

「じゃがまあ、全寮制も良いのではないか?」

「……と、言いますと?」

 

 弟子が尋ねてきたので、のんびりと返事を口にする。

 

「AFOを倒してから、身の回りが騒がしくなった。

 自宅では、のんびり日向ぼっこもできぬよ」

 

 最近はオールマイトの引退と、AFOをボコボコにした映像が何度もニュースで流れている。

 さらに彼が妾を後継者に指名したことで、マスコミ連中は次代の平和の象徴と面白おかしく報道していた。

 

 妾は全くそんな気はないし、熱心に活動もしていない。

 ついでに世間の評判など気にせずマイペースで、ヒーローは職業ではなく完全に趣味である。

 

 だがマスコミ連中で日夜嗅ぎ回っており、家の周りが騒がしい。

 こんな有り様では、のんびり日向ぼっこもできなかった。

 

「人の噂も七十五日じゃ。少し距離を置いたほうが良かろう」

「確かに雄英高校の敷地内なら、マスコミは簡単には入って来られませんね」

「それに妾やイズクが一緒だと、引子にも迷惑がかかろう」

 

 それでもあまり気を使われても、精神衛生上よろしくない。

 ゆえにしばらく離れて、世間が落ち着くのを待ったほうが良いと判断した。

 

「もうっ、気にしなくて良いのに」

 

 引子さんは少しだけ困った顔をしたが、それで妾の気が済むならと気持ちを切り替えたようだ。

 

 最後には真面目な表情で寮生活を承諾して、快く送り出してくれたのだった。

 




少しモチベが回復したので、一日一話ぐらいの間隔で投稿していけたらと思います。

また今回も、狐が絡まなかったり大体原作通りだったり、作者の技量では書き起こすのが困難な箇所はナレーションのみでバンバン飛ばしますので、申し訳ありませんがご了承ください。
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