緋祢のミラバルカンに対する見方は変わりつつあった‥‥。
私達は崩壊したとしか思えない文明の名残が漂うそこに立っていた。
目の前の赤いドレスの少女。
この少女は怖いが同時に不思議な安寧も私に与えてくれている‥‥。
一体何なのだろうかこの感じは‥‥‥。
「ふふふ」
「ん?何笑ってる?」
「ごめんなさい。何か貴女が面白くて」
「生意気な人間め」
ミラバルカンは私の頭を殴るフリをした。
彼女の拳は何もない空を伐ったが、ほんのりと熱さを感じた。
先程から人間と言う種族そのものを彼女は明らかに下に見て‥‥否、見下している。
先程の華奢な腕で私の自殺を止めたり、場所を変えてしまったり彼女は人間ではないのだろう。
況してや私は名乗ってないのにミラバルカンは私の名を知っている。
「貴女は何なの?神様‥‥?」
「ふん。神なんて人間が考えたチャチな崇拝対象と一緒にするな。私は神をも超えし生物だ」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥えっと、こういう子を中二病って言うんだっけ?。
「誰が中二病だ。あと私の事はバルカンと呼べ」
「心を読まれた!?」
「これくらい造作もない。非力で無能な人間と一緒にするな」
「‥‥また死にたくなってきた」
それでもさっきよりかは全く死ぬ気は下がったけど。
「人間って面倒くせぇなー‥‥。まぁいいやさて緋祢。お前にやってもらいたい事がある。無論メリットばかりだ」
「何?」
「『
「プリマ・ツァーリ‥‥ゲーム?」
当然だが言われてる言葉の意味が全く分からない。
そんなゲームの名前すら聞くのも初めてだ。
私に何を求めているのだろうか?。
「私がお前に求めるってよりかはお前が自分自身に与えられた力で世界を壊し創り変えると言った方が正しい」
またも彼女が心を読んだ。
バルカンの赤い長髪が靡く。燃える火を連想させるかの如く。
「いいか?人の一生なんて私らから見たら本当に一瞬だ。お前ら人間が笑おうが泣こうが喚こうが私には他生物の娯楽としか映らない」
「‥‥随分と傲慢だね」
「非力な人間からはそう見えるだろうな」
赤い双眸がこちらをジロりと除く。
その手には赤黒いペンダント?のようなものが握られていた。
「これがお前の人生を変える。好きなように生きろ。勾玉を活かせ」
赤黒くバルカンが勾玉と読んだその物体は薄く光っていた。
血のような赤色と暗黒の暗闇‥‥‥負と恐怖を感じさせる2つの色が妖しくも力強く光っているのだ。
私は恐怖よりも‥‥‥好奇心に支配された。
この勾玉を手にすれば、そのプリマ何とかゲームを制し世界を壊し創り変えられるのではないか、と。
「‥‥‥どうすればその勾玉を活かせるの?」
「おぉ。今のお前の顔めっちゃいいなぁ」
バルカンは嗤いながら私の両頬を掴み、そのまま私に口吻した。
「んっ!」
「暴れるな‥‥‥。お前に私の血を味わらせてやる」
ゆっくり両目を閉じる彼女‥‥。口同士は繋がった状態だ。
突如彼女の唾液の味が、鉄分を帯びた味に変わり私の口に流れてくる。
体感にして50mリットルの血を流されたあたりで彼女は私を解放した。
「これでお前の体の中には私の血‥‥‥古龍の血が流れた。お前の身体を強化する事だろう。後はその飛竜ラ・ロを勾玉を宿せ。心臓に掲げて」
正直勾玉を心臓に掲げる以外何を言ってるのか分からなかったが、心臓の前に勾玉を持って来ると溶け込むように私の身体に吸われていった。
瞬間様々なモンスターに関する知識が私の脳裏に流れる。
「無事適合成功だな。他の勾玉使いを狩れ。それこそお前の強さの証明だ」
バルカンこと紅龍ミラバルカンはそう言い残すと景色を包み込む程の爆炎を再度発生させ私は自室の先程いた場所に突っ立っていた。
片手に飛竜ラ・ロの召喚の勾玉を手にして。
「えぇ。やってみせるわバルカン。私は皇帝の玉座を目指す‥‥。ラ・ロの力と貴女の禁忌の血の力で」
夜空を見上げ私は決意した。