スーパーダンガンロンパ ラストパラダイス 作:りょうぴー(創作論破書き)
私たちは16人全員で中央の自然公園に到着した。
神原「さっきの声の主はこの自然公園に集まれと言っていたよね?」
黒木「にしても…オレら以外に誰もいねーじゃねぇか。呼びつけておいてトンズラか?」
矢野目「単に遅れてるだけでしょ。どっちにしても、あの声の人があたし達をこの島に連れ去った人とかじゃないの?」
セレナ「What!?あのキュートな声が!?Unbelievable!!」
蒼瀬「声の可愛さと犯人かどうかは関係ないと思うんだけど…」
「あ、ミナサン、全員揃ってるみたいでちゅね。」
風間「な、なんだ?今、天の声的な何かが空から語りかけてきたぞ…?」
財前「面白いですわね、けど誰なのでしょうか?」
「ミナサン、それじゃあそろそろ始めまちゅよ!」
その愛らしい声と共に、突然『それ』は現れた。
突然、自然公園の銅像の物陰からひょっこりとちょこまか動く謎の生き物が、こちらに向かってやってきた。
その生き物(…?)は、日曜朝のテレビ番組で見るような魔法少女のような格好でステッキを持っており、ぬいぐるみのようなシンプルな顔立ちをした独特なウサギだった。
花野井「こ、これって…ぬいぐるみ?」
乃木「ウサギのぬいぐるみ…だべか?」
「そうでちゅ、あちしはぬいぐるみなんでちゅ、フェルト地なんでちゅ。」
景村「ふむ…ではそこの面妖な絡繰仕掛けの人形よ、お主の名を聞こう。」
ウサミ「違いまちゅ!カラクリ人形じゃありまちぇん!あちしはウサミ、この『修学旅行』の引率の先生なんでちゅ!」
財前「少々お待ちくださる?修学旅行とは…それに、先生とは、どういうことなのでしょうか。そこが疑問に残ってるのですが、説明して下さらないかしら?」
美冬「あなたみたいな可愛いウサギさんのぬいぐるみが先生なの!?すごーい!!明日守学園の修学旅行って斬新だね!!」
数森「…新城さん、驚くべきところはそこじゃないでしょ。」
山手「修学旅行も何も、そもそも自分らは今日が入学初日のはずだし、みんなとも今日ここで初めて知り合ったばっかりッスよ。」
草薙「はい。ですから、修学旅行と呼ぶのは大変、不適切なのでは…」
ウサミ「あれれ、そうなんでちゅか…?ま、そんな些細なことはおいておいて…明日守学園のこととか不安なことはありまちゅけど、それは一旦後回しにちてミナサンで頑張ってこの修学旅行を一緒に盛り上げまちょう!」
セレナ「No!!ぜ、全然些細じゃないヨー!!」
黒木「おいお前…オレらをここに連れてきた理由はなんだ?何が目的でこんなことしやがる?」
ウサミ「ほえ?目的でちゅか?」
神原「確かに…それは気になるね。もしかしてキミはおれたちに殺し合いをさせようとでもするつもりなのか…」
天上「え、殺し合い?なになに!?楽しそうだね!」
矢野目「なんで楽しそうに捉えたの!?」
ウサミ「め、滅相もありまちぇん!!殺し合いなんて物騒な言葉…想像しただけで鳥肌が立ちそうでちゅ…ブルブル…」
数森「…ウサギなのに…?」
ウサミ「とにかく、あちし達が今いるこの島は危険で刺激的な世界とは無縁な、平和でほのぼのした素敵な世界なんでちゅ。物騒な騒ぎは起きずのんびりと平和に暮らしてける世界…それが、あちしとミナサンで作り上げる修学旅行…題して…『修学旅行☆ラストパラダイス』でちゅ!」
花野井「修学旅行…ラストパラダイス!?」
ウサミ「この修学旅行はただの修学旅行じゃありまちぇん。最後の楽園と呼ばれたこの島でミナサンはのんびり過ごしてくだちゃい!それと、ミナサンと仲良くなるためのイベントもアレコレ用意したりする予定でちゅ。もちろん、島の平和や環境を守るための最低限の決まり事はありまちゅけど…基本的に危険な行動を取らなければ危ないことはありまちぇん、安心して過ごしてくだちゃいね!」
矢野目「過ごすって…もしかしてこの先一生この島で暮らすってこと!?」
蒼瀬「そ、そんなぁ!!ボクまだ仕事とか残ってるんだよ!?」
花野井「私はしばらくスケジュールを空けてるけど…流石にずっとこの島にいるってのもなんだか…」
ウサミ「その点についても心配無用でちゅ。ミナサンのもうひとつの目的を達成すれば無事この修学旅行を終えることが出来まちゅから!」
数森「…その目的って?」
ウサミ「発表しまちゅ!それは…『希望のカケラ』をミナサンで集めてもらうことでちゅ!」
仮染「希望のカケラ…?」
天上「なるほどなるほど、ぼく達でそれを集めろってことかー…」
数森「それって…どうやって見つけるの?ないものを探せなんてことは言わないよね?」
財前「そもそも希望のカケラとは何なのですか?そのような物の種類が分からない限りは集めることはおろか探すこともままなりませんわ。」
ウサミ「希望のカケラはミナサンが仲良くなっていくと現れる光り輝く石のことでちゅ。仲が深まる度にどんどん増えていきまちゅよ。ミナサンにそれをたくさん集めて貰うことがもうひとつの目的なんでちゅ!」
神原「要はおれたちがみんなで仲良くすればいいってことなんだろうね。」
ウサミ「その通りでちゅ!」
黒木「ヘッ、そうかよ…ま、オレにとっちゃ誰と仲良くしようがしまいが構わねぇけどな。」
風間「なんだよ、随分排他的なやつだな。」
黒木「言ってろ。オレとつるんでもろくな事がねーんだ。それは覚えておけよ。」
乃木「あわわ…ケンカはダメだべさ…」
山手「黒木くんは終始あのスタンスで行くんスかね?」
草薙「弱りましたね…これでは…彼と仲良くなることは困難を極めるでしょう…」
ウサミ「うぅ…前途多難な修学旅行になりそうでちゅ…」
仮染「…落ち込んでるわね。」
花野井「ま、まぁそう肩を落とさないでよ、ウサミちゃん。私も修学旅行をうまく盛り上げられるようにしたいからさ。ね?だから落ち込まないで?」
ウサミ「ぐすん、花野井さんは優しいでちゅね…」
美冬「はいはい!ウサミちゃん先生のためにもみんなの為にもわたし頑張る!琴葉ちゃん、わたしもウサミちゃん先生を手伝うよ!」
風間「いや美冬ちゃん達は美冬ちゃん達でアッサリだな…」
…どうやら、積極的なのはこの2人だけみたいね。
まぁ、みんながウサミを怪しむのは無理は無いか…そもそもウサミは私たちをここに連れてきた張本人の可能性が限りなく高いもの。それに、いきなり修学旅行をして過ごせなんて言い出すし…ますます信用ならなくなってきているものね。
花野井「ねぇウサミちゃん、みんなに仲良くしてもらえたいならなにか仲良くなるためのきっかけを作ればいいんじゃないかな?」
ウサミ「きっかけ…あ、そうでちた!ミナサンに仲良くなってもらうためのスペシャルイベントを開こうと思ってるんでちゅ!」
美冬「え、なになに!?気になる!!」
ウサミ「うふふ、それはねー…ばばーん!」
ウサミはそういうや否や勿体ぶらずに直ぐにどこからともなく水泳バッグを取り出した。
矢野目「こ、これって水泳の授業の時に使う…あれだよね!?」
ウサミ「そうでちゅ!修学旅行のイベントのひとつに海水浴を開こうと思って…ちょうどミナサン集まってまちゅからここで今からビーチへ行って海水浴をしまちょう!」
仮染「か、海水浴…?」
美冬「わーい!やるやる!わたし海水浴なんて、中学の時に琴葉ちゃんと一緒に海に行って以来だよ!」
風間「な、なんだよそれー!?神か、神イベントなのか!?」
数森「海水浴か…体を動かすのはあまり好きじゃないし日焼けするしなぁ…」
山手「まぁそう辛気臭いこと言わないで下さいッス。数森くんもせっかくですし楽しみましょうよ。」
数森「それもそうだね。日焼け止めがスーパーにあるから人数分買ってくるよ。」
財前「あら、気が利きますわね。ではわたくし達はお先に着替えさせていただこうかしら…」
蒼瀬「はは、海水浴ってやっぱりビーチの醍醐味だよね!」
天上「ぼくは思いっきり走り回りたいなー!」
セレナ「Awesome!!ウミは広いし大きいよネ!思いっきりDiveしたい気分だヨ!」
ウサミから用意された水泳バッグを受け取った人達はみんな揃ってビーチの脱衣所に足を運んだ。
黒木「あーあ、はしゃいじゃって呑気なもんだな…」
景村「…楽しそうでござるな。」
神原「そういう2人は泳がないの?」
黒木「オレは別にいい。今は泳ぐ気分でもねーんだ。」
景村「某も遠慮させていただく。このような場には不慣れなのでな。」
神原「あはは、まぁキミ達らしいよね。」
草薙「仮染様と…乃木様は…泳ぎに行かないのですか?」
乃木「あたし、泳げないんだわぁ…カナヅチなんだべさ。」
仮染「ごめんなさい…少し整理させて。」
私は頭を落ち着かせてからビーチへ行き、そこで先に到着したみんなの様子を観察した。
矢野目「あはは!やっぱり海って気持ちいいね!」
風間「いやっほぉう!!おうおう天上、お前いい走りしてんじゃねーか!」
天上「風間くんこそ、さすが元陸部!よーし、負けないよ!」
財前「……」
美冬「えっと…どうしたのリリちゃん?」
財前「…負けたわ。琴葉さんたら嘘をついちゃって、美冬さんのどこがちんまいのよ…」
美冬「えっと…リリちゃん?なんの話?」
財前「よろしくて?わたくしより胸が大きいからって調子に乗らないでよ!!いずれケダモノに襲われても文句は言えないのだから!」
美冬「えぇ!?べ、別に調子に乗った覚えはないよ!!」
花野井「み、美冬は変な男なんかに渡さないよ!!ねぇ美冬、美冬の体は汚らわしい奴らに汚させなんかしないから…何かあったら私を頼ってね…」
美冬「あはは…ありがとう。でも琴葉ちゃん、なんか重いよ…」
数森「わっ、うわぁっ!!」
セレナ「ガクト!?Are you Okay?」
蒼瀬「1センチくらいの浅瀬で足を取られる人、初めて見たよ…」
数森「うぅ…口に海水が入った…」
山手「当たり前ッスけど海水はしょっぱいッスからね。」
セレナ「じゃあ口をゆすいでくればどうカナ?ほら、海に水たくさんあるからそれで洗い流してくればいいヨ!」
数森「…セレナさん、話聞いてた?」
…みんな、思いのほかこの状況を楽しんでるわね。
花野井「明日海ちゃん!明日海ちゃんも早くおいでよ!」
風間「そうだぜ仮染!ぼーっとしてないで遊ぼうぜ!」
美冬「あみちゃん、一緒に泥団子投げ合戦やろうよ!」
財前「貝殻集めはどうかしら?ここには色々と綺麗な貝殻も多くてよ。」
やはり…楽しそうね。それなら…
私もあの中に混ざるべきなのでは…?
そうね。何を私は遠慮していたんだろう。私は水泳バッグを手に取って、もう片方の手を振り返事をした。
仮染「待ってて、今行くから!」
そう私が返事をした、その時だった。
突然、さっきまで晴れ渡っていた青空が、どこからともなく現れた黒雲に包まれて一気に暗くなる。
天上「わっ!急に何だ?」
数森「いきなり夜になった…?」
セレナ「Why!?そんなことありえないよネ!?」
財前「雲ひとつない快晴でしたのに…妙ですわね…」
美冬「な、なになにー!?どういうことなのこれ!?」
花野井「ね、ねぇ、あのテレビモニター…」
そういった琴葉はテレビモニターに向かって指を指す。
モニターからは不気味なノイズに混じって誰かの声が聞こえる。
「あーあー…聞こえますかー?聞こえてるよね。オマエラ、くだらない前座はおいておいて、そろそろメインイベントの時間ですよ!御手数ですが、ククルカン島自然公園にお集まりください!待ってるよ?うぷぷ…」
今の声はウサミのじゃない…それは誰の耳で聞いても明らかだった。
明るさの裏に悪意と狂気を含んだ声…聞き覚えは無いけど、聞いていてどす黒い不快感がにじみ出るような…
そんな声だった。
数森「今のはウサミの声じゃなかった。今度は誰だ?」
天上「変な声だったねー…」
蒼瀬「うん…でも、声だけじゃ正体が分からないね。」
風間「しっかしえらく不気味な声だったよな…何にせよ急ごうぜ。あの声のヤツが誰なのかわかんねーけど、海行かなかったアイツらも聞いたか確認しなくちゃな。」
矢野目「だね。そんじゃ行こっか。」
財前「嫌な予感がしますわね…」
花野井「…そうだね。」
美冬「うぅ…怖かったよぉ…」
皆は急いで着替え、未だに濡れている体をタオルで拭きながら自然公園に足を運ぶ。
私もそれに続いて自然公園に足を運んだ。
【自然公園】
自然公園に着く頃には16人全員が集まっていた。
黒木「よう。どうやら穏やかな状況じゃねーみてーだな。」
花野井「みんなも聞いたの?あの声を…」
草薙「はい…恐ろしうございました…」
山手「自分らも驚いたッス。ビーチで楽しく遊んでる所に聞こえたんスよ。」
景村「あの兎以外にも面妖な物がいたとはな…」
乃木「んだねぇ。なんだか怖いよぉ。」
神原「気をつけて。そいつがいつ現れるか分からないからね。」
「うぷぷ…心配しなくてももう現れるよ…」
風間「その声…さっきの変な声じゃねーか!」
黒木「…テメェ、何モンだ?」
黒木凶真が睨みをきかせた途端、その不気味な声の主は現れた。
モノクマ「お待たせしました!お待たせしすぎたのかもしれません!ボクはモノクマ…オマエラの、この明日守学園の…学園長なのだ!!」
山手「学園長…ッスか?」
学園長…?
あの白黒のクマが…?
ウサミと似たような雰囲気はあるけど、ウサミと違って片方の顔は邪悪な顔つきをしている…
いったい、あのクマは何者なの…?
景村「絡繰人形か?妖怪変化の類か?面妖な…ウサミに引けを取らぬ面妖さだ…」
モノクマ「ウサミ?ボクをあんなボロクズと一緒にしないでよ!可愛さも強さも憎たらしさもボクの方がウサミよりも遥かに上だからね。」
ウサミ「こらー!!誰かと思えばあんたでちゅか!!」
モノクマ「…あ、噂をすれば何とやら、ブサミが現れたね。」
ウサミ「やいやいモノクマ!あんたは何を企んでるんでちゅか!」
モノクマ「はぁ?何って、決まってるじゃん!この修学旅行が退屈だから、それをめちゃくちゃにしてやろうと思ってるんだよ!!」
花野井「修学旅行を…めちゃくちゃに!?」
セレナ「Wh,What!?」
数森「…どういう理由でかは知らないけど、このクマが底知れぬ悪意の持ち主だってことは間違いなさそうだね…」
天上「天気を操れる能力も持ってるわけだしねー。」
モノクマ「その通り!もちろんそれだけじゃないよ…出でよ、エグイサル タイプネクスト!」
モノクマが手を上げると、突然どこからともなく巨大なロボが5体も現れた。
漆黒に塗られたボディと赤い目はロボットアニメの悪役の機体を彷彿とさせ、禍々しい造形を感じさせられる。
モノクマ「どう?びっくらこいたでしょ。こいつらは昔のエグイサルのデータを元に改良して作った新型のエグイサルなんだよ!」
モノクマ「ガトリングやビームナイフは標準装備、巨大な斧や大剣をブンブン振り回して、オマエラをズタズタに引き裂けるんだよね。」
財前「な、なんということですの…!?」
蒼瀬「ひぃぃぃ!!!こ、殺されちゃう!!!」
モノクマ「うぷぷ…もちろんまだオマエラは殺さないよ。この新型エグイサルの餌食になる見せしめ役は…オマエだ、ウサミ!!」
ウサミ「ほわわっ!?」
花野井「う、ウサミちゃんが!?」
その瞬間、私たちに緊張が走る。
モノクマ「さぁどうする?オマエラがウサミの代わりに殺されてもいいんだよ?」
美冬「に、逃げてウサミちゃん先生!!このままじゃ殺されちゃうよ!!!」
ウサミ「いえ、ミナサンのためにもあちしはここで逃げる訳にはいきまちぇん…ミナサン下がってくだちゃい!!」
草薙「ですが…貴方の身が危ないのでは…」
ウサミ「大丈夫でちゅ、生徒のミナサンの安全はあちしが保証しまちゅ。ミナサンの命をここで散らす必要はありまちぇん!」
風間「相手はフル武装した凶悪なロボ5体だぜ…?お前が戦うって言っても流石に分が悪すぎねーか?」
ウサミ「もちろんでちゅ。なんてったってあちしにはこのマジカルステッキがありまちゅから。倒せはしなくても攻撃してダメージを与えることは出来るはずでちゅ!」
乃木「そ、そんなこと言われたって…あの機械のおっきな足で踏まれたりしたら…」
財前「それこそ一溜りもありませんわね。」
矢野目「じゃ、じゃあ不味いじゃんどっちにしても!!」
天上「あれれー、ひょっとしなくてもこれって大ピンチってやつだよね?」
数森「…やっぱり戦力差は厳しいね。計算しなくても明らかだよ。」
ウサミ「そ、その通りでちゅね…でも、どんなに自分がピンチだろうと、ミナサンのためにもあちしは立ち向かわなくちゃならないんでちゅ!だからミナサンは…」
モノクマ「ミナサンのため、ねぇ…じゃあ逆に聞くけど、オマエの言うミナサンを修学旅行と題してここに『拉致してきた』のはなんの目的があってのことかな?」
ウサミ「ほわわっ!そ、それは…」
モノクマ「それも『2年間の記憶を失わせた上で』ね…」
「「えぇっ!?」」
その瞬間、みんなが一斉に驚きの声を上げる。もちろん私も例外じゃない。
私たち自身の記憶が…2年間分も失われてる…!?
ウサミ「……それは…えっと…」
風間「お、おいウサミ、それって本当なのか!?」
蒼瀬「せ、説明してよ!」
美冬「…私たちが2年間の記憶を失ってる…って?どういうことなの…?」
モノクマ「ま、適当に謎を仄めかしといたとこで、そろそろ始めますか!ウサミ、覚悟は出来てるよね?」
ウサミ「く、来るならかかってきなちゃい!!あちしは逃げも隠れもしまちぇんよ!!」
モノクマ「うぷぷ、カッコつけちゃって…ま、いいや。」
モノクマ「『彼』に、よろしくね。」
モノクマは呟き終えると同時にエグイサルを一斉にウサミにけしかける。
エグイサルのガトリングガンやビームナイフがウサミに牙を向き、一斉に襲いかかる。
ウサミはステッキに力を込めて魔法を放つ。しかしそれではエグイサル5体の同時攻撃を捌き切れる訳もなく、ウサミの放った魔法は鋼鉄の身体にあっけなくかき消された。
そして、反撃と言わんばかりにエグイサルの一斉掃射がウサミ目掛けて直撃する…
爆風と砂煙で目を開けられず顔を拭い、煙が晴れた頃には…
ウサミの姿形はもはやなく、後にはウサミの身につけていた衣装の残骸が辺り一面に散らばっていた…
風間「な、ななななななんだよこれぇぇぇ!!!」
花野井「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
美冬「う…うそ…ウサミちゃん…先生…!!」
景村「何だと……こ、これが現実だとでも…言うのか…?」
モノクマ「当たり前じゃーん!!オマエラもこれで分かってくれたかな?ボクの恐ろしさがね…」
私たちはここに来て初めて痛感した。
圧倒的な絶望、迫り来る恐怖、自分たちの無力さ…
ありとあらゆる負の感情が、私たちを押し潰した。
モノクマ「そんじゃあ邪魔者を片付けたところで本題に入るよ。ただ今からこの修学旅行は、予定を変更して『コロシアイ修学旅行』に変更させていただきまーす!!」
神原「コロシアイ修学旅行…?コロシアイって、名前の通り…殺し合うって…ことかな?」
モノクマ「もちろんその通りだよ!ルールは至ってシンプル、このククルカン島で殺人が起きたら、その中で殺人を犯した『クロ』をオマエラの中で見つけ出してもらうよ。オマエラはクロだと思った生徒に投票して、正解ならクロだけがおしおきされて、間違いならクロ以外の全員がおしおきされて、この島から脱出できるんだよ。」
蒼瀬「ね、ねぇ…そのおしおきっていうのは…何なの?」
モノクマ「平たく言うと…処刑だね!」
矢野目「しょ、処刑…!?」
モノクマ「そうそう!首吊りで絞め殺したり薬品でデロンデロンに溶かしたり火炙りで焼き殺したり…まぁ色々だね。色んな方法でクロもしくは不正解したオマエラをぶっ殺しちゃうってことだよ。」
数森「悪趣味だね…君はどうかしてるよ。」
モノクマ「いやいや…ボクは本気だよ。さっきもウサミの無惨な死を見たでしょ。ボクが本気を出せばオマエラなんかこんなふうに蜂の巣に出来たりズタズタに引き裂いたりするのもわけはないんだ。」
山手「…マジでやる気みたいッスね、こいつは…」
景村「むぅ…おのれ…」
セレナ「So scary…震えて来たヨ…」
乃木「あぅ…殺すなんて、そんな、ダメだよぉ…」
みんなは狼狽え震えている。それはもちろん当たり前だ。私だって得体の知れない恐怖感で身がすくんで、呼吸がはやっている。
美冬「いやだよ…なんで…こんなことしなくちゃいけないの…?」
花野井「美冬…私も同じだよ。だって、こんなの馬鹿げてるよ!どうしてこんなふざけたゲームに私たちが付き合わされなくちゃならないの!?」
風間「そ、そうだそうだ!!俺らになんの恨みがあってこんなイカれたことなんかやらされなくちゃなんねーんだよ!!」
蒼瀬「そうだ!!ボクも絶対殺しなんかやらないもんね!!」
騒ぐ人ももちろんいた。あの場で取り乱さない方がおかしいくらい、怒りと悲しみで辺りが満ち溢れる。
黒木「馬鹿げてようがなんだろうが、こうなりゃやるしかねぇだろ。」
その言葉に、一瞬で沈黙が走る。
仮染「本気なの…?黒木凶真。」
黒木「ハッ、当たり前だろ。こうやって疑い疑われる状況で誰かを信じるなんてのが無理な相談だ。」
黒木「ここから出たけりゃ殺すしかない…死にたくなけりゃ他人を疑うしかない…そんな死と隣り合わせの状況で仲良しごっこするなんてのが異常だろ。」
その言葉を聞いて一瞬で口を噤む。
事実、みんながみんな、誰かが誰かを殺すんじゃないかと疑いの目を向ける。
口は開かず、みなじっとして見つめ続けていた…
天上「…それは言えてるかもねー。」
花野井「…天上くんも、そう思ってるの?」
天上「まーね。疑っていても何も始まらないし、信頼を利用して殺しに走る人もいるかもしれない。誰かが口火を切りに走るのも時間の問題でしょ。」
天上「ショーの幕開けを決めるのは結局ぼくらの中の誰かになっちゃうわけだし。もちろん、ぼくも含めてね。」
神原「どう足掻いても疑いの目や殺人への恐怖は逃れられないね。とにかく、今この場で間違いなく言えることは…」
神原「おれたちはこの絶望から逃れられない…誰1人として、この地獄から抜け出せないということだね。」
美冬「……!!」
そうだ…
私たちは突如として絶望の渦に呑まれ、圧倒的な底の深さを思い知らされ、今こうして無力に打ちひしがれている。
誰もこの狂ったショーから降りることはできない。
既に舞台の準備は整っているんだ。
もう、後戻りはできない。
あとはただただ…進むしかない。
プロローグ ようこそ失楽園へ 〜今世紀最後のコロシアイ〜 END
この小説で1番好きになったキャラは誰ですか?
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仮染明日海
-
花野井琴葉
-
新城美冬
-
財前梨利佳
-
草薙縁
-
乃木亜久里
-
セレナ・イーストレイク
-
矢野目由美奈
-
神原耕一
-
山手環太郎
-
蒼瀬成海
-
風間烈也
-
景村才蔵
-
数森学人
-
黒木凶真
-
天上理人