殴りあえルビコン   作:フドル

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ち、違う!予測変換が勝手に……ッ!!

はい、いつも誤字脱字報告本当にありがとうございます。投稿して1発目に届く報告は基本的に致命的な間違いをしているところを指摘してくださるので助かってます。


その虚言癖、動じない。

 花火大会は無事に終わり、お祭りが終わった時のような余韻を感じつつオレと621は拠点へと帰ってきた。

 

 しかも今回はお土産付きだ。腕ごと斬り落とした重四脚MTが装備していたチェーンソー。それが思っていたより遥かに損傷が少なく、ACに装備してもそのまま使えるとのこと。

 

 ACに接続するためのロック解除うんぬんは、あの場でカーラがささっとしてくれた。カーラ曰く、ドーザーらしいお粗末なロックだったらしい。

 

 所有権は腕ごと斬り捨てた張本人である621にあるので初めは譲ろうとしたのだけど、物欲しそうな目で見ていたことがバレたのか、621が使わないと言ってオレに譲ってくれたので有り難くいただいた。

 

 格納庫にACを駐留させてからウォルターに早口で報告を済ませ、早速アセンブルでお世話になったパイルバンカーからチェーンソーへと変更する。

 

 自分のACに装備されるチェーンソー。その自分好みな見た目に思わず奇声をあげそうになるが、621が見ている前なので気合いで耐える。

 

 しかしこのままだといずれ奇声をあげそうなので、足早にコクピットに乗り込んでこの気持ちを発散するためにアリーナを起動。適当な相手を選択し、オールマインドの開始の合図と共に動き出したデータの敵機に向けて唸りをあげたチェーンソーを突き刺した。

 

 敵機に侵入していく刃、回転する際に発生する振動が直に伝わっているのか震える敵機!パイルバンカーのように一撃必殺で仕留めるみたいなことは少しやり辛いけど、刃を回転させることで擬似的な盾として使用出来ることを加味すればチェーンソーも良いかもしれない。

 

 ここら辺はしばらく使ってみないとわからないかな。実戦で使ってみて初めて気付くこととかもありそうだし。それまではアリーナでチェーンソーの癖とかを確かめておこう。

 

 そうしてアリーナに篭ること数十分。フロイトから届いたここの基地を今から襲撃するから来いよという座標付きのお誘いメッセージを無視してACから出ると、丁度ウォルターが格納庫へ入って来たところだった。

 

 オレに用があるみたいなので急いでウォルターの前に行けば、企業から依頼が届いているらしい。差出人はベイラムで、その内容は封鎖機構に制圧された『壁』の奪還。

 

 今更ここを奪ったところでメリットなんてあるのかと疑問に思ってしまうが、ベイラムは『壁』を奪うことに固執しているみたい。前回の壁越えに失敗したからとウォルターはその理由を訝しむような表情で言っていたけれど、ベイラムが行った壁越えの内容を知っている身としてはウォルターと同じでベイラムに別の思惑があるように思えて仕方がない。

 

 これはお仕事中に何かあると思って取り組んだ方が良いかもしれない。いつもより辺りを警戒しながらお仕事を遂行しようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えー、今お仕事が終わったのですが……。はい、何にもありませんでした。

 

 初めは621も一緒に来るってことになっていたのだけど、その数時間後に解放戦線の方から封鎖機構の特務機体である『カタフラクト』の撃破依頼が届き、1時間ぐらい迷ってからそっちの依頼を選んで出撃していった。なので1人でお仕事をすることになったのだが、本当に何も無かった。

 

 作戦領域に入る前に遠くからコチラを監視しているACに気付き、何か用かと聞きに行けば621を排除するとか言う解放戦線の者がいたのでチェーンソーをぶっ刺して撃破。元の依頼に戻り、順調に排除対象を排除していると壁内部から2機のLCが飛び出てきたので隙だらけのうちに1機を破壊して、もう1機はショットガンを撃ってきたのでチェーンソーを盾にしながら強引に近付いて破壊した。

 

 壁内部に侵入し、扉を開ければ出待ちしていた4機のMTが囲い込むように移動して赤熱した剣のようなものを振り下ろしてきたので、少し後ろに下がってからチェーンソーを掲げることで全て受け止めてそのまま回転する刃で刀身を破壊、こうやって対処されるとは流石に思ってなかったようで、驚いているうちにアサルトアーマーで4機を破壊。後ろにいた2機のMTは警戒したのか剣を使わずにマシンガンを撃ってくるだけだったので、コチラから近付いて剣を振らざるを得ない状況にしてからカウンターで破壊した。

 

 奥の部屋へ進むとMT3機が配備されていたけど、直後に奥の扉からこの依頼のボスであるHCが飛び出してくるのをゲーム知識で知っていたのでアサルトブーストを起動。MT達を飛び越えて奥の扉へ真っ直ぐと向かう。

 

 すると丁度いいタイミングで扉を破壊してHCが飛び込んできたので歓迎のチェーンソーを準備する。相手は驚き飛び上がって回避しようとするが、それは予測出来たのでオレも位置を調整して相手の真ん前に陣取り、唸りをあげるチェーンソーを突き刺した。

 

 だが流石ボス機体、装甲が厚いのかチェーンソーの侵入速度が他の機体より遅い。しかしチェーンソーが入る時点で迎える結末は変わらない。

 

 この段階で後ろに下がれたのならまだ助かっただろうけど、残念ながら相手のすぐ後ろには壁がある。まぁ、チェーンソーの振動のせいで操縦もままならないと思うけど。

 

 HCのパイロットの絶叫が通信を通してこの場にいる全員に届き、途絶えたかと思えばHCの背中からチェーンソーの先端が姿を現す。引き抜いてやればHCは重力に従って床へと落ち、行き場をなくしたエネルギーが機体を自壊させて爆発した。

 

 リーダーともいえるパイロットと機体が出落ちしてしまったことで残った3機が見て分かってしまうほど戸惑っている。そんな奴らなどオレの相手ではなく、間も無く殲滅は完了した。

 

 本来ならここで依頼は終わり。しかしオレはここからが本番だと気を引き締めていたのだけれど、何度も言うけど本当に何も無かった。ベイラムからの刺客とか、騙して悪いがとかも無かった。

 

 つまり……何というか……はい、完全にオレの勘違いです。勝手に伏兵がいると思い込んでバチバチに周囲を警戒していた馬鹿はオレです。後でログを確認したらこの依頼だけスキャン回数がずば抜けていた。

 

 警戒するのは恥ずかしいことでもないし、ウォルターには寧ろ良いことだと褒めてもらえたのだけど、その理由が勘違いからですなんて言えずに1人恥ずかしい思いをしながら帰還し、その日は不貞寝した。

 

 その数日後、すっかり立ち直ったので串に刺した丸焼きミールワームを食べながら格納庫へ行くと、621が次のお仕事のブリーフィングを見ていた。

 

 それを後ろから覗き見すれば、丁度画面が切り替わり、V.Ⅱスネイルが依頼内容を話すところだった。

 

 うーむ、これはルビコニアンデスワーム(アイスワーム)のお披露目依頼だな。このリアル基準だとどれだけの脅威になるか……。

 

 唯一オレがルビコン神拳チャレンジを達成出来なかった相手なのもあり、今ならどう動けば勝てるかと脳内シミュレートをしてみるが、かなりの確率で頭部にある3つの掘削ドリルに自分ごとACを粉々にされて終了する。アイスワームからすればわざわざ敵が近付いて来てくれるのだ、あとはちょいと前進して掘削ドリルを当てれば勝手に相手は粉々になる。

 

 そんなことを考えているうちにラスティが最後に621へ向けてカッコイイセリフを吐いてからブリーフィングが終了する。しまった、ヴェスパー隊員である彼に『フロイトをどうにかして』という伝言をスネイルに伝えてもらうようにお願いするのを忘れていた。今からメッセージを送ってもいいけど、残念ながらオレはフロイト以外のヴェスパー隊員と驚くほど接点がない。ラスティならいきなりの連絡でも対応してくれるかもしれないけど、無視される可能性の方が高そうだ。

 

 あ、そうだ。621からラスティに伝えてもらおう。そうすれば確実に伝わるでしょ。それでラスティからスネイルに連絡が届き、スネイルはフロイトが他所で迷惑をかけていることを知って胃を痛める。完璧だぁ……。

 

 まぁ、スネイルのことだから木っ端な傭兵からの苦情なんて気にしないと思うけどな!

 

 ってことで621にささっと伝言をお願いする。報酬は帰ってきてから渡すと言えば、まだ何も食べていないから今それが欲しいとミールワームの丸焼きを指差したので、それに了承して新しいものを作りに行こうとするが、621はオレが扉側へ視線を向けた隙を狙ってオレが持っていた丸焼きにかぶりついた。

 

 慌てて食いさしってことを伝えたけれど621は口を動かしながら首を傾げるだけ。どうやら621はそんなことを気にしないタイプのようなので、食べやすいように串から抜いて雛鳥みたいに口を開ける621にワームを細かく千切りながら開かれた口へと放り込む。やがて完食して満足した621はオレの手伝いを受けながらACに乗り込み、そのまま出撃していった。

 

 その後、ウォルターにお願いして邪魔をしないことを条件に通信室へ入れさせてもらって621の作戦行動を一緒に見ていたのだけど、やはり封鎖機構は621とラスティの2人を危険視し、アイスワームを起動させた。

 

 アイスワームはその巨体を使って一通り暴れまくった後、己に課せられた最上級命令に従い集積場を防衛するために撤退。

 

 突如現れたアイスワームにアーキバスとベイラムはお互いに争っている場合ではないと考えたのか一時停戦し、共闘する方針へ進む。まぁ、アイスワームを撃破しないことには目的を達成出来ないからね。

 

 ウォルターもアイスワームを片付ける算段を考えるために部屋に篭ってしまったので、オレはウォルターの分も含めて帰ってきた621を褒めまくる。

 

 ついでに621の髪もブラッシングしていると、カーラから連絡が届いた。621がまた技研の遺産に絡まれたことに対する呆れと、アイスワームに絡んだ話があるからブリーフィングを確認しろという短い内容だったが、それと同時にカーラから依頼が届く。

 

 依頼内容はアイスワームが展開しているシールドをこじ開けるために必要な秘密道具を持ち逃げした『オーネスト・ブルートゥ(掛け値なしのクズ)』の排除。説明中に何度も排除対象をクズ発言していたことから、カーラのブルートゥに対する評価がよく分かる。

 

 621に出した依頼だけれど、オレが来てもいいとのこと。ゲームでブルートゥがどういうキャラなのか知っているので今回は621へ譲ろうとしたのだが、その発言をする前に621から2人で行こうと提案された。

 

 ここで断るのは簡単だが、よくよく考えてみるとこんな純粋な621をエア付きとはいえ1人でブルートゥに会わせるとどんな悪影響を受けてしまうか判らない。ここは見守りを兼ねてオレもついて行ったほうがいいのでは?

 

 そんな考えが頭をよぎり、次に621が悪い影響を受けた姿を想像してしまったオレは、保護者として621へ同行することを決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ざぁこ♡ざぁこ♡』

『スロー、スロー、クイッククイックスロー。スロー、スロー、クイッククイックスロー。』

《……レイヴン、私達は一体何を見せられているのでしょうか?》

「えー、と。何、だろう、ね?」

 

 グリッド012、その最奥にて2機のACが互いにチェーンソーを起動させながら向き合い、ダンスでもしているかのような動きで右へ左へと行ったり来たりを繰り返している。それを少し離れた位置から見ているのは621とエア。思わず出てしまったエアの問いかけに、621も全く理解出来ていないので疑問で返した。

 

 時間は少し巻き戻る。621と622は作戦領域に到達し、カーラの案内でブルートゥが居る場所へ向けて移動を開始した。その道中でブルートゥ本人からも広域放送で勝手にご友人認定をされたりもしたが、かねがね順調に進んでいた。

 

 2人を迎え撃つ防衛機体には当たり前のようにカーラ達『RaD』のMTが使われており、そのことにカーラの機嫌が低下するが、ふと思い付いたかのように2人へ提案する。

 

 あのクズにあんたらのあの話術をお見舞いしてやりな、と。

 

 あの話術、と言えば確実にメスガキのことだろう。確かにカーラからすると2人のメスガキにイラつくか怒るブルートゥを見れば愉快な気分になるのかもしれない。

 

 そんな依頼主からのリクエストが届き、さらにブルートゥ本人からも期待していると返事が届く。ならやろうと621が乗り気になったが、621がブルートゥから悪影響を受けないようにするために同行した622がそれを阻止し、代わりに自分がやることを宣言した。

 

 そんなこともあり、チマチマと敵機の破壊や各所に置かれていたコンテナの中身を回収し終えた2人は最奥へと辿り着く。

 

 ここにいるはずの排除目標であるブルートゥをパッと見渡す限りでは見つけられず、警戒しながら吊るされていたカーラの秘密道具であるレールキャノンに接近する2人。だがある程度進んだところで近くに隠れていたブルートゥから奇襲を受けることとなる。しかしブルートゥがそこに隠れていることをゲーム知識で知っていた622が危なげなく対処して2人の戦闘が開始、621は622から事前に言われていた通りに少し離れた位置からいつでも乱入出来る体勢になりつつも観戦する構図となった。

 

 目的の人物との戦闘が始まったので早速と言わんばかりに622がカーラのリクエストに応えてブルートゥの細かなミスを見つけてはメスガキ口調で煽るのだが……、効かない。ブルートゥにはメスガキが全く効かなかったのだ。むしろ話せば話すほど感激し、喜ぶ始末。例えば──。

 

『チェーンソー空振りダッサ〜イ♡この動きの相手にすら当てれないなんて恥ずかしいぞ♡』

『あぁ……そのステップ、素敵だぁ。あなたの魅惑のステップについつい私は惑わされてしまう……。』

 

『射撃下手♡ほらほら、こっちだぞ?♡』

『ご友人、あなたはまるで妖精のようだ……。その輝きをもっと私に見せてほしい……。』

 

『えーと、えーと、ヘボヘボ機体!』

《……ほぉ?私が組んでやった機体が何だって?》

『ヒェッ!?ち、違うぞカーラ!今のは、その……、とにかく違うんだぞ!』

 

 などなど、一つは別の人物に飛び火していたが、こんなやり取りを数十分単位で繰り返し、思いつくものを一通り話した622は何も思いつかなくなったようで、メスガキとは?と言いたくなるような言葉を繰り返すだけとなった。

 

 罵声や煽りの効果が無いとわかったのならサッサとブルートゥを仕留めてしまえと思うだろうし、実際に622も破壊するために動いたのだが、ブルートゥのACが装備している右腕の武装が天敵だった。

 

 その天敵、火炎放射器が撒き散らす炎によって622はブルートゥへ肉薄出来ない。レーダーをあまり使用せず、己の優秀な目と耳で周囲の状況を把握している622にとって視界を炎で防いでくる火炎放射器は無視できないのだ。

 

 火炎放射器がある限り622はブルートゥに近寄れない。しかしブルートゥも622に攻撃を当てれない。その結果生まれたのが冒頭の互いにチェーンソーを向け合って何も進展せずにひたすら右へ左へと移動を繰り返す2機のACだ。

 

《はぁ、私は頭が痛くなってきたよ。ビジター、加勢してやりな。》

『いいの、かな?』

《大丈夫でしょう、レイヴン。それと私からもお願いがあります。早くあの人を静かにさせてもらえないでしょうか。》

《いいんだよ、ビジター。早くあいつを黙らせてやりな。》

 

 味方陣営から満場一致でブルートゥを黙らせろという要請が届けば622から悪い影響を受けるから手出し厳禁と言われていた621も流石に動くしかない。

 

『ッ!? ご友人!あなたも参加するのですね! ……あぁ、あなたのそのステップも素敵だ。』

『むぅ、もっと早く仕留めれていれば……。』

『参加、するね?』

『素敵だぁ。今日は素晴らしいステップで踊るご友人が2人も訪れた。しかもカーラも見ている。観客がいて私達のダンスを見せる様子はさながら舞踏会のよう……。さぁ、ご友人達!私と心ゆくまで踊りましょう!』

 

 突如後ろからミサイルを放ってきた621にブルートゥは驚きはするが、それは奇襲されたことに対してではなく621が戦闘に参加することに対してだ。しかもすぐに歓迎を意を示している。聞こえてくる声からでも充分理解出来るその喜び様に、対峙している女性陣は思わずみんなドン引きしているような表情を浮かべた。

 

『……うん、早く黙らせるぞ。出来るなら621は火炎放射器を破壊して欲しいぞ、そしたらオレがすぐにアイツを片付ける。任せろとか言っといてこの始末だから、挽回したいぞ。』

『じゃあ、任せる、ね?』

『あぁ……あなた達の素晴らしい踊りに私の踊りは釣り合うでしょうか?しかしこんな楽しみを逃すのはいけない。ご友人!リードは私にお任せてください!共に楽しみましょう!』

 

 ブルートゥが火炎放射器から炎を撒き散らしながら621と622へ接近するが、2人は同時に後退。622はチェーンソーを起動させ、621はリニアライフルである一点に狙いを定める。

 

『……そこ!』

 

 放たれたチャージを済ませた弾丸は炎を掻き分けながら突き進み、狙い通りの場所へ命中した。火炎放射器の銃口を通り抜けた先にある内部へと。

 

『何と!?』

 

 詰まった様な炎を数回ほど銃口から吐き出した後、火炎放射器は銃身のいろんな箇所から炎を噴き出して自壊する。621の神技のような射撃にブルートゥは驚愕し、その隙を突くように622が突撃する。

 

『見えてるぞ。』

 

 622に気付き、ブルートゥが咄嗟に振るったチェーンソーを622は機体を逸らすことで躱す。コクピットのギリギリを通り過ぎたチェーンソーの刃を見送れば、622の目の前にあるのはブルートゥの胴体だ。

 

『じゃあね。』

 

 確実に殺すために右腕で一度コクピットを殴り、すぐさまチェーンソーを突き出した。あとはコクピットに突き刺さったチェーンソーが中にいるブルートゥを挽肉にして終わり。だがブルートゥは粘る。

 

 殴られた振動からギリギリで復活し、ブルートゥはクイックブーストを使用して右に移動する。しかしギリギリだったので完全な回避は出来ず、左腕にチェーンソーが命中。そのまま左腕は切り落とされ、床へと落ちた。

 

 パイルバンカーならここで一度攻撃は終了。再び攻撃に使用するなら突き出された鉄杭を元の位置へ戻し、排熱を済ませてからだろう。だが622が今回装備しているのはチェーンソー。排熱は、まだ必要ない。

 

 確殺のつもりで繰り出したチェーンソーがコクピットに当たらなかった時点で622はコクピットへ向けて追いかけるようにチェーンソーを薙いでいる。クイックブーストで移動したとはいえ、左腕が622のチェーンソーに当たって思っていたより距離を稼げなかったブルートゥにこの一撃を回避する術はない。

 

 横腹にチェーンソーが命中し、火花を散らしながら鉄の身体を切り裂いてコクピットへ向けて刃を通していく。ブルートゥの最後の抵抗として622へ狙いを定めた肩兵装の拡散バズーカは、油断なく様子を見ていた621の狙い撃ちによって破壊されて不発となった。

 

『新しいご友人、贈り物を……くれるのですね……。素敵だ……。』

 

 最期にブルートゥの言葉が届き、その直後にチェーンソーが胴体を通り抜け、ブルートゥのACを両断した。

 

《敵AC、機能停止しました。》

《死んだみたいだね、良かったよ。さて、ビジター。吊られている秘密道具を回収するとしよう。化け物退治には欠かせない代物さ。》

 

 621だけエアからの報告が届き、次にブルートゥが生きていた時はイラついた様子などを見せていたカーラが2人へ淡々と指示を出す。

 

『どうし、たの?はや、く行こ?』

『……いや、なんか目を離したらコイツのことだから動き出しそうだぞ。』

『気持ちは、わかる、けど、流石に、動か、ないと、思う。』

 

 指示を聞いた621が吊るされているレールキャノンの方へ向かおうとするが、622が動かないことに気付いてそちらを見れば、疑い深く両断されたACを眺めている622がいた。

 

 622の言い分には621も思わず頷きかけたが、流石に燃え盛るACが動き出したらそれはもはやホラーの領域だ。

 

《レイヴン、彼女の気が済むまで好きにさせれば良いと思います。》

「そう、だね。そっと、して、おこう。」

 

 警戒するかのように撃破したACを見つめる622に最初はどうやって連れて行こうと考えていた621だが、エアからの提案で戦闘の大半を622に任せていたことを思い出し、休憩の意味を兼ねてそっとしておくことに決めて自分は先に作業を進めるべく吊るされているレールキャノンへと移動する。

 

 その数分後、流石に動かないと確信した622が621へ声をかけようとして振り向くと既に621はレールキャノンを降ろす作業に入っており、サボリ認定をくらってカーラに怒られる可能性に気付いた622は顔を真っ青にしながら621の作業に合流するためにアサルトブーストを起動するのだった。




オリ主(確実に殺したと思うけどコイツなら動き出しても不思議じゃないんだよなぁ……。ハッ!?そういえば621のcom音声ってブルートゥと同じ人だったはず!その声を聞いて621がブルートゥを思い出すかもしれない!修正しなければ……!)

621……人の食いさしとか気にしないタイプ。この度ブルートゥによってドン引きする感情を覚えた。拠点に帰ってくるなり工具を持ったオリ主が修正だぁー!と叫びながら621のコクピットに顔から突っ込んでいったのでウォルターを呼びに行った。

エア……多分ウォルター陣営で1番言葉が鋭い。オブラートに包んでいるようで包んでいない言葉は対峙者の心を抉るかもしれない。

ウォルター……621に呼ばれたので休憩がてら様子を見に来たらハマって抜けなくなったのか脚をバタつかせているオリ主がいたのでため息と共に引っこ抜いた。

com……いきなりなんか突っ込んできたけどハマって動かなくなったので助かった。

カーラ……ブルートゥがメスガキに為す術なくやられて慌てる様を見たかったのに全然効いてなかった。622とブルートゥのやり取り中はずっと無の表情だった。

ブルートゥ……621に初めてドン引きさせた人。だがそれ以外は全てダメ。

ラスティ……戦友からの頼みだったのでキチンと伝えた。

スネイル……ラスティ経由で伝言が届き、木っ端な傭兵風情がと最初は鼻で笑ったが、直後にフロイトのメール爆撃シーンが脳裏に浮かび上がり、アレの被害者かと頭を押さえた。胃は痛めなかったが頭を痛めた。

フロイト……基地を壊滅させてからかれこれ1時間ぐらい待っているけど目当ての人物が来ない。





 ブルートゥ、思っていたより難しかった……。一度書いてから読み直してみたらこれブルートゥというよりボンドルドじゃんとなり、再び書き直すことに。



 ちなみにこのミッション、何故か622はブルートゥに攻撃しないのでそのまま見守っていると、622の機体がやられて隠しボイスで622が621に泣きついてきます。メスガキをわからせたような気分になり、大変心地良かったです(存在しない記憶)
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