殴りあえルビコン   作:フドル

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ちょっと悩みましたがいつも通りにしたほうがいいと判断して投稿。

感想などいつもありがとうございます。


その救助、ただの自己満。

 確実に追い詰め、そろそろイグアスにトドメを刺せるかなぁと思っていたら、ウォルターから621が苦戦しているため援護に行ってくれと頼まれた。621が戦っているのは恐らくこの依頼のボスであるエンフォーサー。

 個人的にはバルテウスの次くらいリトライを重ねたボスだったので、ある意味納得もあったのだけども人外みたいな命中率と操縦技術を誇る621が苦戦するなんてと思って急行したらまさかまさかの乱入者である。

 

 乱入者の名は殺し屋コールドコール。彼の情報は強制排除システムにも入っていたようだが、彼はエンフォーサーに一切攻撃しないことでヘイトを自身に向けないようにしていた。それでも強制排除システムが動かす無人機エンフォーサーなら彼を攻撃しそうなものだけど、その判断を後回しにしてしまうくらいレイヴンの名前が大きすぎた。

 

 つまりシステムはコールドコールを無視してでも先にレイヴンを仕留める判断を下したってことだ。コールドコールがエンフォーサーに攻撃してないってことも判断の一助になってるとは思う。

 

 流石にエンフォーサーとコールドコールのコンビは621でも厳しかったみたい。殺し屋と名乗るだけあってコールドコールの戦い方が上手かったのもある。

 

 というわけで苦戦していた621だったけど、オレが乱入したことで形勢逆転。オレがエンフォーサーを背後から強襲したことでエンフォーサーのヘイトを受け持ち、その間に621はコールドコールと1対1の戦闘にもつれ込んだ。しかし621と真面目に戦うコールドコールではなく、彼はエンフォーサーを利用しようとした。

 

 が、オレがエンフォーサーを不意打ちしたことでシステムの警戒レベルが上がり、さっきまでほぼ味方扱いだったコールドコールもシステムの攻撃対象になったお陰で彼の作戦は破綻した。

 

 実質1対2だったのがオレの乱入で2対1対1になったわけだ。こうなれば621が苦戦する訳がなく、オレがエンフォーサーの相手をしているうちにコールドコールを片付け、その流れのままエンフォーサーも2人で対応して破壊した。

 

 その後は色々と損耗していたため2人で一時拠点に撤退。補給シェルパで簡単なACの修理と弾薬の補給は出来るけど、パイロット自身の損耗を回復させることは出来ないからな。

 

 拠点に帰ってからはしばらくゆっくりと身体の疲れを癒すことに注力する。この探査に期限は無いし、慌てて攻略する必要もない、らしい。

 

 というわけで久しぶりにアリーナに篭る。いつものようにパイルバンカーとチェーンソーをブンブンさせて遊んでいたら、カーラからメッセージが届いた。

 

 内容は前にプレイしたゲームの改良版が出来たからやってみてくれとのこと。改良したということは、前みたいな空中分裂からの爆発死亡バグが無くなったということなのかな?

 

 これは楽しみだと好きなゲームの続編が出てきたかのような気分でプレイ。ゲーム内容は前とほぼ同じで操縦する機体も同じ。変わったのは敵ぐらいだった。それでもある程度無茶な動きをしても勝手に爆散しないから十分だけど。ただ気になったのは出てくる敵が全部過去に621が戦って破壊したボスってこと。

 

 バルテウスから始まってアイスワームまで。しかも動きを弄っているのかそれはリアルでは無理でしょみたいな動きも織り交ぜてくる。まぁクリアしたけどね!

 

 確かな満足感と共にカーラに感想を送る。続編も期待しているとメッセージを締め括って送信すれば、次はリアルで楽しめるさと返信が届いた。

 

 その意味深なメッセージに次も作ってくれるんだとワクワクしつつ、クリアしたけどもう一周しようとコクピットに乗り込もうとすれば、丁度そのタイミングで621と共にウォルターがやって来て、仕事の続きだと言われた。

 

 今度は深度3、構造を把握しているのはここまででこれより先に行くには地下空洞を封鎖している超高出力レーザーを止める必要があるらしい。そのため621とオレの2人でレーザー障壁を発生させている巨大高炉の内部に侵入し、それを破壊して機能を停止させるのが今回のお仕事。

 

 装備を整え、忘れ物がないかを確認してからオレと621は再びウォッチポイント・アルファに侵入。そして不気味に思ってしまうほど誰もいない通路を通り過ぎて作戦領域に到着。内部に入る前にレーザー照射を受けたけど、障害物で防ぎながら進んだので特に問題にはならなかった。

 

 そのまま外縁部を沿って内部の入口を見つけるなり侵入。中に配備されていた無人機を排除していって、目標の装置を破壊。

 

 あとは脱出するだけとなったが、変圧チャンバーを壊されたことでエネルギーが暴走を開始。巨大高炉の各所が次々と爆発し始める。さらに防衛プログラムが道連れを選択したのか、一本道の隔壁を封鎖。オレと621は高炉内に閉じ込められた。

 

 そして足止めのために無人機がオレ達に襲いかかって来たけれど、閉じ込められた場所がそこそこ狭い空間だったのに加えて2対1だったのでササッと撃破。後は閉じた隔壁にアクセスして脱出……なのだけど、そのアクセスの進行が遅いのなんの。621はエアの計算でこの高炉が自爆するまでの時間を把握出来ていると思うけど、オレ側にそんなものはないので余裕があるとわかっていても次の瞬間には爆発するんじゃないかと気が気じゃなかった。

 

 とはいえ、無事に脱出は成功した。ウォルターから帰還命令が届いたので再びオレと621は拠点へと蜻蛉返りすることとなる。

 

 それからはそれなりに長い休暇を与えられた。何でも企業が待ったをかけたらしい。ゴールを前にしたので邪魔な競争相手を前もって排除しときたいのだろうとウォルターは言っていた。

 

 なのでしばらく621と遊んだり、歩く練習などをして日々を過ごしていたら、やっと状況が動いたのか企業から621へ依頼が届いた。

 

 差出人はアーキバス。内容はレッドガン部隊迎撃。しかし621はそれを蹴って同時期に届いた解放戦線の依頼を受けた。

 

 正直オレもその依頼を受ける気はないため、ウォルターがオレに視線を向けた時点で断っておいた。雑兵が多い多対1はどちらかと言えば得意な方だけど、何というか受けたくなかったのだ。

 

 

 

 次の日、621が依頼のために出撃し、ウォルターもいない格納庫で色々と考える。その内容は今から自分が取る行動でこの先自分達が不利になるかどうか。

 

 といってもオレの頭はさほど良くない。結局良い考えは浮かばなかったので、思い切ってウォルターに相談してみることにする。

 

 その結果、返ってきた答えは「好きにしたらいい」だった。何とも投げやりな返答だったけど、ウォルターの雰囲気的にしっかりとオレの質問の内容と、それを行なった場合の結末を吟味して出した答えがそれなのだとわかる。

 

 ならオレはウォルターの言う通りに好きにさせて貰う。ウォルターにお礼を言ってからその場を去り、静かな格納庫で鎮座する自分のACに乗り込んだ。

 

 そういえばこれは独自の行動だから作戦名がないや。うーん、そうだな。『レッドガン救出』なんてどうだろうか?まぁ、向こうからすれば味方を何回か殺されているのに急に自己満で助けに来られるのだから複雑な気分になると思うけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウォッチポイント・アルファ。現在その大穴に入るための入口付近では多数の銃声と砲撃音が鳴り響いていた。対峙している勢力は二つ。一つは大口を開けたウォッチポイントの入口を背にしているベイラム。そしてもう一つはそんな彼らを囲んで集中砲火をしているルビコン解放戦線だ。

 

『被害状況はどうなっている!?』

『現在約40%が損失!』

『何故今になってコイツらが出てくるんだ!』

 

 通信が入り乱れている様子から、隊員達の混乱がよくわかる。そんな中でヴォルタがこの現状の悪さに舌打ちをしながら少しでも有利になるためにグレネード砲を解放戦線のMTが密集している場所へ向けて放つ。しかしその砲撃は身の丈以上の盾だけを持った守ることに特化した四脚MTが割り込んで防いだことでほぼ効果無しという結果となった。

 

「はぁ、クソが。アーキバスの野郎、一体どうやって土着どもを抱き込んだんだ?」

 

 アレを仕留めるのは手間がかかりそうだとヴォルタは思わずため息を吐き、密集状態のMTを諦めて別のところへキャノン砲やミサイルをばら撒いていく。そして上空の戦況がどうなっているかを確認するが、今も2機のACが戦っている最中だった。

 

 戦っているACの1機はヴォルタもよく知っているAC、レッドガンの隊長であるG1ミシガンが搭乗するライガーテイル。もう1機はヴェスパー第4隊長であるラスティが駆るスティールヘイズ。

 

 未だに拮抗した勝負を続ける2機の姿を確認した後、ヴォルタはすぐに目の前の戦況に目を戻す。が、また暫くすると視線を2機のACへ向けた。

 

 本来ならそのような行動をヴォルタが取ることは滅多に無い。それは自分達の隊長であるミシガンが誰にも負けるわけがないという信頼があるからだ。しかし今回は状況が違う。ミシガンは機体の調整が万全じゃないのに加えて半壊している状態で戦闘に入ったからだ。

 

 そもそもこの戦闘自体が突発的に起こったものだった。ウォッチポイント・アルファの突入前、ミシガンのライガーテイルの調整が済み次第降下する予定だったが、調整中に索敵班が複数のミサイルの接近を感知した。勿論それを見逃すレッドガン部隊ではなく、ミサイルの迎撃を開始したのだが、それを隠れ蓑にして潜伏しながら接近してきた解放戦線の部隊から一斉砲撃をもらうこととなる。

 

 解放戦線のMTが近寄れば誰かしら気付きそうなものだが、恐らく放たれたミサイルは迎撃される前提で、その中に爆発したらレーダーを乱すチャフのような効果を持ったものが紛れ込んでいたのだろう。

 

 あり得ない事態にレッドガン部隊は混乱するが、その混乱自体はミシガンの一喝で即座に収まった。しかし問題なのは先の砲撃でミシガンのACを調整していた整備士達が纏めて消し飛んだことだ。幸いにもミシガンはACに搭乗していたため消し飛ぶことはなかったが、爆心地のど真ん中にいたこともあって機体は既にボロボロだった。

 

 だが流石はミシガン。調整不十分な上に機体がボロボロだというのに獅子奮迅な勢いで解放戦線の部隊を撃破していく。その活躍に味方の下がっていた士気が高まっていき、さぁ反撃だというタイミングで奴が現れた。

 

 V.Ⅳラスティ。彼はアサルトブーストでミシガンに向かって強襲。その強襲をミシガンは事前に気付くことは出来たが、機体が彼の操縦に付いていけなかった。

 

 そのせいでラスティの一撃を受け、ミシガンは更に不利となる。それを見た隊員がミシガンを援護しようとラスティへ攻撃するが、そちらへ注意を向けたことで隙だらけとなり、解放戦線から銃撃されて大破する。

 

 ミシガンはそんな隊員を庇うために気休めだがパルスプロテクションを展開した後で上昇。ラスティもそれを追いかけたことで上空で2機が対決することとなった。

 

「あの場で整備士が全滅したのが痛かったな。ミシガンの野郎が万全ならまだ状況はマシだっただろうに。」

 

 整備士が生きていれば自分を含めた隊員が盾になってライガーテイルの調整を完了させることも出来た。しかし全滅してしまった今、それはただのタラレバだ。

 

 さらにキツイのはこの位置。背後はウォッチポイントの入口で、そこを降下してしまえば上から撃ち下ろされるポジションになる。奥へ逃げることもできるが、今のウォッチポイントにベイラムの隊員は誰1人いない。いるのはアーキバスだけだ。

 

 そのことから降下してしまえば解放戦線とアーキバスに挟撃されて余計不利になる可能性がある。まぁ、そもそも50機程いるベイラムの部隊が全員降りれるわけがないのだが。仮に降下を決行しても降下途中で数十機単位の被害が出るはずだ。

 

 取れる選択肢はどれも厳しい。何も今思い浮かぶものだけが選択出来る範囲ではないはずだとヴォルタは思考を回す。

 

 その時だった、ヴォルタのACに一件のメッセージが受信された。ヴォルタはそのメッセージを後にしようとするが、差出人と件名を見てリスクを承知でメッセージを開く。そして内容を読み終えた時、無意識に自身の口角が上がっていくのを自覚した。

 

『おいミシガン!この状況でコチラに加担しようとする馬鹿な狼が来るらしいぞ!おめぇが許可を出せばいつでも噛み付くそうだ!』

『G4!何を寝言を言っている!噛み付き癖のある狼に許可の有無など必要あるか!好き勝手に噛み付かせとけ!ただしコッチに噛み付かせないように誘導は怠るなよ!』

 

 ミシガンの返答を聞くなりヴォルタは即座にGOサインと味方シグナルを送る。するとレーダーの範囲外から猛スピードで味方反応が現れ、直後に解放戦線の後ろ辺りから爆発が巻き起こる。

 

『やっほ〜、ヴォルタ。生きてる?……って壁の時と同じ反応で返してみたけどどう?』

『ハッ、なら俺も丁度いい時に来たなって返してやろうか?残念だがあの時よりまだ余裕があるぜ。』

『なんだ、ならもうちょっと待ったほうが良かった?』

『いや、今でも十分だ。仕事内容の説明はいるか?』

『いらないぞ。こんな風に……MTを破壊してヘイトを稼いでおけばいい。でしょ?』

『あぁ、満点だ。』

 

 乱入してきた622によって今度は解放戦線の部隊が混乱に陥る。その間に622のチェーンソーが唸りを上げながら敵機を切り裂いていく。

 

 一見すると無謀な突撃。だが臆さずにどんどんと突っ込み、味方を破壊していくその姿は確かな恐怖を解放戦線の隊員達へ与えていく。

 

『何だコイツは!?ひぎゃぁぁぁぁ!?』

『おい!返事をしろ!おい‼︎』

 

「あーあ、敵ながら同情するぜ。」

 

 今も断末魔をあげながら両断されて爆散したMTを見ながらヴォルタは同情するような声を出す。622と対面して必要なのは、確かな精神力とそれを操縦に反映させる強さ。それがなければガン詰めしながら当たれば即死レベルの攻撃をブンブンと振り回してくる癖に回避力が化け物レベルの622の相手は出来ない。そのうち操作が狂って攻撃が当たり、無意味に死ぬだけだろう。

 

『おら、おめぇら。怖い狼が敵に噛み付いている間に反撃するぞ。』

『ですがあの味方にも当たるのでは?』

『どうせ躱す。故意でしつこく弾が来るならコッチに来るかもしれないが、そんなヘマをおめぇらはしないだろ?てかするなよ?マジで。』

 

 なんてことを言いながら見本としてグレネードをぶち込むヴォルタ。それを622は当たり前のように躱したので、ベイラムの隊員達は若干戸惑いながらだが攻撃を再開する。

 

 その攻撃に反撃する解放戦線だが、先程に比べるとそれは余りにもお粗末だった。近くで即死攻撃をブンブンさせる622がいるので気が散っているのだろう。共有している通信で仲間の断末魔とチェーンソーの唸りが聞こえてくればそれも仕方ないが。

 

 それに加えて、622は解放戦線が展開した戦列に食い込んでいる。ベイラムの反対側から挟撃という形なら、解放戦線の数機を反転させればまだ何とかなっただろう。しかし食い込まれたことで解放戦線は622を攻撃するために同士討ちのリスクを背負わされた。そのせいでパルスブレードなどを装備した四脚MTは622へ強く出られない。

 

 これがアーキバスなら味方の被害も織り込んで攻撃させたのだろうが、同族意識が強い解放戦線にはその選択肢は取れない。奇しくも622の戦闘スタイルは解放戦線にとって天敵になっている。

 

 そんなこともあり622がドンドン解放戦線の包囲に穴を開けていく。ある程度被害が出たところで味方諸共攻撃するものも出てきたが、モーションが味方にも今から攻撃すると分かりやすい動きをしているせいで楽々と躱されてお返しにチェーンソーを突き刺されている。

 

 622の乱入によってベイラムが盛り返し、若干有利かとベイラムの隊員達が思い始めた時、もう一つの戦場にも変化が訪れる。

 

『おいおい、ミシガンの野郎!やられるんじゃねぇぞ!』

 

 上空にて戦っていた2機のAC。その内のライガーテイルが右腕を失い、さらに四脚のうち前脚の二脚から炎が噴き出して墜落を始める。なんとかコクピットは守っていることから死んではいないだろうが、アレでは墜落地点によってはこちら側に参戦することは難しいかもしれない。

 

 そんなミシガンを相手していたラスティは追撃をせずにその場で反転。勢いよく降下し、そのまま今なお暴れている622へ攻撃を開始する。

 

『独立傭兵ドッグ・ウルフ。戦友の仲間であろうが容赦はしない。』

『必要ないぞ、むしろ容赦をして来たならそのコクピットを食い破ってやるぞ。』

 

 ラスティの射撃をチェーンソーで受け流しながら、放たれたプラズマミサイルには爆散して散乱していたMTの腕部を放り投げて身代わりにする622。

 

 ミサイルの爆発によって発生したプラズマ空間を潜り抜けるようにして近付いてきたラスティへ622はすかさずチェーンソーを突き出すが、ラスティは自身のACであるスティールヘイズのスピードでそれを回避。そして隙が出来た622へ左腕に装備されたレーザースライサーを振るおうとするが、展開した刃が622へ当たる前に右腕で左腕を押さえられたことで不発となった。

 

 互いに至近距離で見合い、次の瞬間にはお互いに蹴りを放ちぶつけ合う。しかしその蹴りは軽量機であるラスティが押し負け、後退。後ろに下がった勢いそのままにジャンプして距離を取り、仕切り直しとなった。

 

『なかなか良い蹴りだぞ。』

『最近一位様が近接戦闘にハマっていてな、その練習に付き合わされれば自然と身に付く。』

『えーと、なんかごめんだぞ。』

『謝る必要はない。そのお陰で君を狩れるとなれば、身につけた甲斐はある。』

 

 ラスティの発言で622の脳内にとある人物のACがサムズアップしている姿が浮かび上がるが、ラスティが攻撃してくるのですぐに頭を振ってそれを振り払い、迎撃をするためにチェーンソーを振るう。

 

『うーん、なかなか当たらないぞ。』

『いや、これはスティールヘイズのスピードがあってこそだ。並の機体なら既にその刃で切り裂かれていただろう。』

 

 振るわれるチェーンソーをヒラヒラと躱していくラスティ。その回避力に思わず622が思ったことを口にすると、それを拾ったラスティが謙遜する。しかし622が振るうチェーンソーの速さにラスティが慣れてきた辺りで突如クイックブーストなどを混ぜていつもより数段加速した突きを622が放った時は、今言った通りスティールヘイズの速さでなければ何処かしらに当たっていた可能性は高いとラスティは考えている。

 

『作戦変更だぞ。まずは邪魔な周囲を片付けるぞ。』

 

 あまりにもチェーンソーが当たらないため622は決定打を持たないラスティから視線を外し、近くにいたMTを不意打ち気味に切り裂き始める。当然ラスティはそれを止めに入るのだが、射撃は近くの解放戦線のMTを盾にして防ぎ、ラスティがある程度近寄ったところで待っていたかのようにチェーンソーが振るわれる。が、その程度は簡単に予測出来たし、622もそこまで本気で当てるつもりが無かったためラスティはその刃を容易く回避することに成功。

 

 次はどう攻めるか。そうラスティが思考を回し始めた時、彼に通信が届く。

 

「私だ。……何?あの2人がやられた? ……こちらはミシガンの無力化に成功。……いや、独立傭兵が乱入してきたので排除にまでは至っていない。しかし最初の一撃で整備士達を全て排除した。ベイラムの本隊が丸ごとここに来ている情報が真実ならば、パーツを揃えたところでミシガンはもうマトモに戦えないだろう。……了解、撤退する。」

 

 アーキバスからの通信にほんの少しの嘘を混ぜつつラスティは言葉を選んで応えていく。その甲斐あってか、任務は成功扱いとなって撤退指示が下された。そしてもう一つ、秘匿回線から届いた解放戦線のミドル・フラットウェルからも目標達成につき撤退指示が届く。そのためラスティがこれ以上ここにいる必要は無くなった。

 

『私はこれで失礼するが、少し君に聞きたいことがある。』

『何だぞ?』

『君はその強さで何を求める?何を望む?君はこのルビコンで何を為しに来た?』

 

 解放戦線が後退を始めるなか、ラスティは622へ問いかける。

 

『……オレの望みはただ一つ、恩人であるウォルターに報いることだぞ。』

『そうか、君のそれはあまりにも振るう力に釣り合わない脆いものだ。崩れ去らないように目を離すなよ。』

 

 最後にそう言い残し、ラスティは解放戦線を追いかけるように飛び去っていった。

 

 その姿が消えるまで622は彼を見届け、その後で背後を振り向けば既にベイラム側は救助活動に入っているようだ。依頼内容は戦闘支援だけなので去っても問題ないのだが、622がこちら側を見ていることに気付いたヴォルタが手を挙げて挨拶でもするようにショットガンを掲げたため、622はそちらへ歩いて行くのだった。




オリ主(ヴォルタに呼ばれたし、救助に参加しようかな。)

621……ヴェスパー隊員2名の排除を完了。戦闘中はずっとミドル・フラットウェルに見られている感触がしたが、見られても困ることはないので特に気にしていない。

ウォルター……オリ主からラスティと戦うであろうレッドガンを手助けしたいけど、ウォルター的にはどう?と聞かれ、オリ主が珍しく自分の意思を示してきたことに嬉しさを感じながらも調整すれば今後の予定に影響はないため好きにさせた。

ヴォルタ……イグアスとオリ主が戦ったことは傭兵とはそういうものだと考えているため特に何とも思っていない。やっぱコイツがいたらすげぇ楽だわと考えながらも遠慮なくグレネード砲をブッパした。

ミシガン……ライガーテイルが破損したので戦線離脱。整備士達も今回の襲撃でいなくなったため、ライガーテイルの修復がほぼ不可能になった。

ラスティ……今回のセリフは全て本音。スティールヘイズじゃなければ一度はチェーンソーに当たっていたと考えている。どこぞの一位様のお陰で近接戦闘が少し上手くなっている。

以上です。そういえばシュナイダーのパーツが来ましたね。とある人の画像を見たせいでシュナイダーの人が赤い人型につぶらな瞳で固定されてしまった……。
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