殴りあえルビコン   作:フドル

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三人称視点の後半です。分けたのに長いなぁ……。


──空高く飛んだ鴉へ牙を剥く。

 ルビコン上空。コーラルによって赤く染まる空を、一つの巨大な船が悠々と通り過ぎていく。

 

 その船の名はザイレム。しかしそのザイレムの船上では、今後の未来が決まる戦闘が行われていた。

 

『戦友、君の呼びかけによって、地上の全てのルビコニアンが立ち上がった。』

『凄い、ね。』

 

 立ち向かってくるアーキバス勢力を返り討ちにしながらも、ラスティと621はそんな会話を行う。621がザイレムより下の景色を見れば、地上全てが戦場だと言わんばかりにあちらこちらから砲撃やミサイルによる爆発が起こっている。

 

 彼らにとってこの戦いはこの星を取り戻す戦い。様々な活躍を残し、絶大な戦力を持つあのレイヴンが呼びかけたことも一押しになっているのだろう。

 

 ただ、そのレイヴンの動きがいつもより少し精細さを欠いている。何度も共に戦ったことがあるラスティもそれには当然気付いており、さりげなく援護をしながら問いかけた。

 

『戦友、少し動きがぎこちないようだが……。』

『うん、ちょっ、とね。』

 

 その問いかけに621も返事を濁す。ラスティは察しが悪い鈍感男ではなく、ある程度だが621の元気がない理由を推測出来ていた。

 

 恐らく622のことで何かあったのだろう。彼女達が技研都市に辿り着く前にラスティはアーキバスから撤退し、解放戦線へ合流していたためアーキバスにいる時より詳しいことは調べられなかったが、それでもアーキバスに入り込んでいるスパイはラスティ1人ではない。なのでラスティは彼女達が一度捕まり、その後脱出していることも知っている。そしてその際に622が負傷したことも。

 

 そのことで何か気を病むことでもあったのだろう。ここで何か言葉をかけることが出来ればいいのだが、流石にそれはラスティでも無理だと理解している。621が言葉を濁した以上、悪戯に踏み込んで顰蹙を買う必要もない。

 

 だがどうにかして意識を戦場に向けて欲しい気持ちはある。レイヴンはいわば旗頭。墜とされれば地上で戦っている者達の士気にもかかわる。

 

 どうするべきかと悩むラスティ。そんな時だ、連絡用に開いていた回線から通信が届く。内容はザイレムに2機の不明機体が接近中、注意されたしとのこと。

 

 その通信を聞くなりラスティは621に情報を共有しようとする。しかしその情報は621へ共有される前にオープン回線で叫ぶ存在によって周知された。

 

《貴様ァ‼︎私は企業だぞ‼︎⁉︎》

《え〜?企業ぅ?それで?この程度の攻撃で揺らぐなんて弱々地盤すぎて笑っちゃう♡そんなので自分は企業なんて名乗って恥ずかしくないの?ざーこ♡》

《ぎ、ぐぅ! まぁ、いいでしょう。飼い主を捨てて逃げた駄犬の遠吠えと思えばむしろ滑稽です。》

《あははは、中々痛いとこを突かれたぞ。……殺す。》

 

 凄まじいスピードでラスティと621の頭上を通り抜けて戦う2機の機体。お互いにクリティカルな煽り合いをするその声は両者とも聞き覚えがあり、621は喜びを。ラスティはとうとう来たかと2機が通り過ぎていった方向を睨みつける。

 

『どうやら私の元上司も来たようだ。ここからは激戦になる。気を引き締めていこう、戦友。』

『うん、でも、622も来たか、ら大丈夫!』

 

 ラスティの言葉に先程よりも元気そうな声で621は返事を返す。動きも先程よりか良くなっており、ラスティが良く知るレイヴンの動きに戻っていた。

 

 621が本調子になってくれたことにラスティは内心で少し安堵しつつ、しかし別の不安が浮かび上がる。それは622のことだ。

 

『戦友、君の選択はハンドラーの意向に背いたものだ。だから彼女とは──。いや、何でもない。先を急ごうか。』

『……? 分かった。』

 

 だがそれを言う必要はない。622を味方だと信じきっている621に向けて言いかけた言葉を途中で中断し、ラスティは先を急ごうと621に促して先へ進む。621もその行動を疑問に思いはしても追求することはなく、頭に疑問符を浮かべながらついて行くのだった。

 

 そこからは順調に進んだ。ラスティと621にとっては立ち塞がる機体全てが雑兵。唯一手強かったスマートクリーナーも、壁越えの再現をするかのようにラスティがスピードで撹乱し、出来た隙を621が逃さず追撃したお陰で大した苦戦をすることもなく破壊することが出来た。

 

 その戦闘中にアーキバスの艦隊がザイレムに接近しているという情報が入った時には迎撃に向かおうとラスティは考えたが、続く報告で不明機の1機……恐らく622が次々と撃墜していると聞いて踏み止まった。だがそれはスネイルを相手にしながらでも他のことに手出し出来る余裕があるということと同義であり、この後のことを考えると素直に喜べなかった。

 

 

 

 

 

 

 

《レイヴン、そろそろ補給が必要でしょう。この先で補給シェルパを手配しています。活用してください。》

「ありがと、エア。」

 

 ジェネレーターの全てを破壊し、次の区画へ移動する途中、エアの手配によって621とラスティの前に補給シェルパがやってくる。解放戦線の者から連絡も無しにいきなり補給シェルパが来たことをラスティは訝しんでいたが、621が自信満々に友達のおかげといったことで特に何事もなく補給を済ませた。

 

 かすり傷程度のダメージを修復し、弾薬なども補充した2人は最後の目標であるラムジェットエンジンを破壊するために鉄扉へアクセスして開き、先へ進もうとする。しかし扉を開けてその先にある広間に足を踏み入れたところで頭上に影が差した。

 

《馬鹿な……、企業であるこの私が……墜ちるなどと……。 うわぁァァァアァァァァァァア‼︎‼︎》

 

 2人が頭上を見上げると、そこには両の手足をもがれ、炎と黒煙を撒き散らす機体が墜落している最中だった。その機体、アーキバス・バルテウスの搭乗者であるスネイルは、この現状を認められないと言いたげな様子だったが、コクピットにも炎が侵入して来たのか通信を聞いている者全ての耳を破壊しそうな大音量で断末魔を上げる。

 

 既に操作系統も指示を受け付けないのか、バルテウスはザイレムの外側へと高度を落としながら墜落していき、2人の視界から消えて暫くした後、大爆発を起こした。

 

『ここからか、先程補給出来たのは僥倖だったな。……来るぞ、戦友。気をしっかり持てよ。』

『ラスティ、それって──。』

 

『やっと邪魔な奴らを片付けられたぞ。』

 

 ラスティの言葉の意味を621が詳しく聞こうとするが、その問いかけは途中で割り込んできた言葉に中断を余儀なくされた。

 

 先程バルテウスが墜落して来た方向から別の機体が一機、621とラスティの前へと現れる。加速を止め、広間へ滑るように着陸した機体は各所に取り付けられた排熱機関から白煙を放出する。

 

 動きを止めたことで正確に見れるようになった機体の姿をラスティは素早く確認する。サイズは自分達の機体より2回り程大きく、外見は全体的にゴツい。そのため一見鈍重な防御型のように見えるが、過剰と言えるレベルで各所に取り付けられたスラスターがスピードを確保しているのだろうと予想。最高速は不明だが、あのバルテウスに追従出来る速度を出せることは確定している。

 武装は両肩部に同じものが2つ。だがこれは現在折りたたまれているため詳細不明。両腕は無手だが、腕が異様に太いため袖部分に何かを仕込んでいてもおかしくない。そして両脚。これも同じく太く、膝の少し下の部分から斜め上方向に向けて穴が空いている。何かを射出する兵装が仕込まれている可能性がある。

 

 全体的な所見としては、近付かなければそこまで脅威には感じない。それがラスティの出した答えだった。

 

『622!』

『ごめん、待たせたぞ。』

『ううん、私は、大丈夫。622は、もう大丈夫?』

『うん、もう大丈夫。だから621──』

 

『協力して外敵を排除して、オレ達で火を点けるぞ。』

『……えっ?』

 

 ラスティが622の機体構成を確認している間に621と622の間で和やかに話は進んでいた。しかしその話も和やかな空気も、622の言葉で凍りつくこととなる。

 

『オレはウォルターの意志を継ぐぞ。託されたから。だから621も手伝って欲しいぞ。』

 

 621へ向かって手を差し出す622。それを見たラスティは予想が当たってしまったことに舌打ちをする。そして先制攻撃をするべきかと機体を動かそうとするが、動くなと言わんばかりに622の頭部を向けられたことで止まることとなった。

 

 本来なら無視して動くべき場面、しかしラスティ自身の直感がここで動くべきではないと判断した。そのため動きかけていた自身の機体であるスティールヘイズ・オルトゥスの体勢を元に戻し、カメラだけは未だに動かない621へ向ける。

 

 声明を出した戦友がここに来て敵に回るとは考えづらいが、622の言葉に対する戸惑いから622の考えを理解出来ていなかったのは明白。その622の誘いならもしもがあるかもしれない。

 

『622、駄目だよ。それは、駄目。』

『戦友……。』

 

 しかしそのもしもは、621が否定した。そのハッキリとした言葉に、ラスティはコクピットの中でフッと口角を上げて軽く笑みを浮かべる。

 

『どうして?ウォルターの最後の依頼だよ?』

『でも、死んじゃう、みんな。大切な私の友達も、ラスティも。』

『今までだって誰かの大切を沢山殺したのに?』

『それは、そう、だけど──。』

『それにこの星の人達だけでコーラルが漏れ出た際の被害を無くせるんだぞ?』

『それでも──』

 

 622の問いかけに、621は子供の我儘みたいな答えになっていないが、言いたいことは大体伝わるような言葉を返していく。

 

『ウォルターの、ことは確かに大切、だけど、私は、人とコーラルの可能性を、信じたい。だから、622も手伝って欲しい。』

 

 そして今度は621から622へ向けて手を差し出した。

 

『……それは、お友達の言葉?それとも……。』

『私の言葉。私が決めた、私の意志。』

《レイヴン……。》

『そっか、そうなんだ……。』

 

 621から確固たる意志の籠った声が返ってきたことで、622は納得したかのように呟きながら、621に差し出していた手を下げた。その後でとある操作をコクピットで行う。

 

『残念だぞ、レイヴン。』

『……えっ?』

《レイヴン‼︎》

『戦友‼︎』

 

 いつもの聞き慣れた声で呼ばれた違う名前。レーダーに映っていた味方識別は赤という敵対を示すマークへと変更された。

 それに素早く反応したラスティは呆ける621を庇うように前へと飛び出て、エアは呼びかけることで状況を飲み込めていない621を我に返そうとする。

 

『構えなよ、レイヴン。道が衝突するのなら、武力を持って無理矢理退けるしかない。今まで何回もやってきたことだぞ。カーラ達にやっておいてまさかオレ相手だから出来ませんなんて言わないよな?』

『だって……。』

『それとも自分で決めたその意志は、その道は、オレと戦う理由としては役不足な、そんな小さなものなの?』

『違う‼︎』

『ならやるしかない。行くぞ、レイヴンにラスティ。このザイレム(火種)墜とさ(消さ)せない‼︎』

 

《ハウンズ622!機体名クラッシャーファング!来ます‼︎》

 

 エアの叫びと同時に622は各所のスラスターを起動。馬鹿げた速度でラスティへ接近し、それを読んでいたラスティは事前に展開していたレーザースライサーを振るう。

 

 損傷を嫌った622は一時後退。仕切り直しとなり、再び両者の睨み合いとなった。

 

 

 

 

『戦友、今の君の気持ちを私が推し量ることは出来ないし、それをする時間もない。しかしこれだけは断言出来る。奴を倒さなければこのルビコンに夜明けは来ないと。』

『うん、分かってる。手を貸して。』

『それはコチラのセリフだ、戦友。あいにく今回はスピードで撹乱は出来そうにない。仲良く肩を並べて戦うとしよう。来るぞ‼︎』

 

 ラスティの声と共に2人は散開。先程まで2人がいた位置を622が通り過ぎたが、622は各所のスラスターを調整して即座に向きを調整、ほぼ最高速を保った状態で未だに自身に背中を向けているラスティへ襲いかかる。

 

 左拳を構え、そのまま手首の機構が回転する。それによって貫通力が増したスクリューパンチをラスティへ放つが、直前で振り返ったラスティは右腕で622の腕を叩いてパンチを逸らす。

 

 そしてお返しとしてニードルガンを構えようとするが、ニードルガンを622の右手に掴まれたため銃口を622へ向けれない。それならばとフリーとなっている右肩のニードルミサイルと左腕のレーザースライサーを展開。どちらもこの状態の622では防ぐのは難しいタイミングだ。

 

 しかし622は冷静に両肩部の折りたたまれて盾のようになっている武装を展開。左側はそのまま前に動かすことでニードルミサイルからの盾として運用し、もう片側は本来の役割を果たすために展開。盾のような武装が変形し、巨大なペンチのような姿へと変貌した。ペンチは今にも622の右脇腹を斬り裂こうと迫るレーザースライサーを武装ごと挟み込み、そのまま凄まじい威力で圧し潰そうとする。

 

 これを見たラスティはスネイルが駆るバルテウスの姿を思い出した。四肢が欠損したのは取り付かれ、このペンチによって圧し潰された後に千切られたのだろうと理解。そして自身の現状の悪さに歯噛みする。

 

 機体の状態を知らせる画面からアラートが響く。場所は勿論掴まれている左腕。先程まで緑色だったのが、黄色を飛び越えて真っ赤に変化している。このままだと左腕は潰されてしまうだろう。

 

 それを嫌ったラスティは左肩部のドローンを展開。ラスティの左上に陣取ったドローンは、好き勝手に622へ向けて銃弾を叩き込む。だがラスティを逃す方が嫌なのか、622は離れることなくその弾を受け続ける。

 

『フッ、我慢比べといこうか。』

『嫌だぞ。オレが不利だ。』

 

 そう言って片足で立って片膝を構える622。4方向へ伸びる足の指は片足立ちでもしっかりと安定しており、倒れることはない。この状況で片足立ちになるということは膝下の穴に隠されている武装を使うとラスティは予想し、出てくるもの次第では即座に左腕とニードルガンを捨てて離れるしかないと考えたが、その考えとは裏腹に622は何もせずにラスティから離れた。そしてその直後に622がいた場所へ621のパルスブレードによる袈裟斬りが振るわれる。

 

『ごめん、遅れた。』

『いや、助かった。』

 

 軽く言葉を交わせ、ラスティは621と共に攻勢へ移る。馬鹿げた加速で飛び回る622を的確に狙い撃っている621は流石の一言だが、相手もそれを予想出来ているのか、両肩にあるペンチの盾で的確に弾をガードしており、有効打にはならない。

 

『分かっていたが、敵に回ると厄介だな。』

『うん、622は強いよ。』

 

 コチラの弾は防ぐか避けられ、接近戦は向こうが上手な上に特化構成。さらに一度近付かれるとスピードの差から離れることが出来ず、捕まれば終わりのペンチが二つ。厄介極まりない。

 

『でもあのペンチ、接続部の負荷が、凄いはず。』

『あぁ、狙い目だ。しかし──』

 

 どう狙う?相手のペンチは肩から伸びるアームの先端に付いている。それがあるお陰で機体前方にも攻撃を繰り出せるようだが、機体前方まで向けようとすればアームにそれ相応の負荷がかかるのは確実。アームに損傷を与えれば自重で自ずと自壊するか、アーム側にトラブルが発生してマトモな運用は出来なくなるはずだ。

 

 621の狙撃で壊せそうなものだが、相手は622。来ると判っていれば避けるのは容易いはずだ。621の狙撃は確かに正確無比だが、今回はそれが悪い方向に向いている。要は弾道が非常にわかりやすい。

 

 そうこう考えているうちに突っ込んでくる622へ621がミサイルを放つ。そのミサイルを622は躱さず、ペンチ盾で全てを防いで強引に突破。回避前提で動いていた622が強引に突破してくるという622を知るものからすれば虚を突かれる動き。だが爆炎を突っ切って突き進んでくる622へ621はまるでこう来ると判っていたかのようにチャージ済みのリニアライフルを向け、発砲。弾は寸分違わず622へ向かって飛んでいき、前方に構えていた盾と盾の隙間を潜って命中する。

 

 バルテウスの加速と同じスピードで向かって来ていた状態での直撃。それなりのダメージが期待出来るはずだが、盾の内側で反応し、腕で防いでいたのが見えていたため621は油断なくパルスブレードを展開。そのままタイミングを合わせて622へ斬りかかる。それと同タイミングでラスティは622の背後に回り込んでおり、前面に伸びた両肩部のアームに向けてニードルガンとニードルミサイルで狙いをつける。

 

 しかし622は即座にペンチ盾を戻して背中をガード、621に向けては拳を構えた状態でそのまま対応する体勢だ。ならばと構わずパルスブレードを振るう621だったが、直前で嫌な予感を感じたため、パルスブレードを振り切らず、途中で止めて後退する。

 

 その予感は正しく、当たるタイミングで622は前面のスラスターを起動し、ブレードの範囲外へバックしていた。あのまま振り切っていれば、隙だらけな姿にカウンターを貰うハメになっていただろう。

 

『ちぇっ、引っ掛からなかったぞ。』

『模擬戦で、見たからね。』

 

 カバーに入ってきたラスティの相手をしながら残念そうに呟く622。それに対して何でもないように621は答えながらリニアライフルを放つが、ステップを踏むだけで躱される。

 

《レイヴン、このままでは……。》

「うん、かなり不味い。」

 

 ミサイルなどを放ちながら、エアの言葉に頷く621。このままいけば、間違いなく弾薬が尽きる。622の機体にはまだこれといった損傷がなく、唯一弾を受けているペンチ盾も相当頑丈に作られているのか、細かい傷や煤は付いていても壊れるには程遠い。そして仮にペンチ盾を破壊しても、622はその気になれば弾を見て躱せるため、そこまで痛手ではない。

 

『戦友、少し賭けに出る。援護頼む。』

『……任せて。』

 

 そんな中、ラスティから通信が入る。ここで問いかけをする時間もないため、状況打破の一手になると信じて返事を返しながら援護に適した位置につく。

 

 621が通信を聞いて動いている頃には既にラスティも行動を開始しており、ニードルガンを撃ちながら622へ突貫。その姿を622は訝しみながらも好都合と考えたのか、ペンチ盾でニードルガンを防ぎながらも迎撃の体勢に入る。

 

 ラスティはそのまま622の攻撃圏内へ侵入。それと同タイミングで622は右肩のペンチ盾を展開。ラスティを潰そうと試みる。

 

 迫るペンチ。だがラスティは逃げない。レーザースライサーを起動させ、622を斬り裂こうとする。

 

 しかし届かない。振るわれた刃は、622に腕を掴まれたことで呆気なく止められる。そしてお返しとしてペンチがラスティに襲いかかり、ラスティの胴体を挟み込んだ。

 

『ラスティ⁉︎』

『戦友、慌てるな。策の一つだ。』

『まず一つ。』

 

 音を立てて軋む機体。胴体の状態が悪化していくなか、622のカウントをコクピットの中で聞いたラスティは笑みを浮かべる。賭けに勝ったと。

 

 異変が起こったのはその直後、622が掴んだままのラスティの腕、そこに取り付けられているレーザースライサーが、徐々にスパークを撒き散らす。ラスティは未だに出力を上げ続けており、レーザースライサーが耐え切れなくなっているのだ。

 

 それは本来なら起こり得ないこと、しかし一度ペンチに挟まれ、壊れかけているために耐えれるはずの出力に耐えきれない。

 

 大きくなるスパーク、だが622はまだ気付かない。何故なら放たれた621のミサイルに対処しているからだ。いつもなら回避しているのだが、今回はラスティの排除を優先しているのか対応が雑で、数発程度はモロに命中している。その際に発生した黒煙がレーザースライサーの異常を覆い隠しており、さらにラスティの意図に気付いた621が622の左側に回り込むことで視線も誘導している。

 

 そしてその時が来た。

 

『なッ‼︎』

『気付いたか。だが遅い。』

 

 先程よりも大きく光るレーザースライサー。流石にそれだけ光を放てば見ていなくても気付くのか、622は驚愕の声と共に手を離して反射的に距離を取ろうとする。だがそれはあまりにも遅く、レーザースライサーは622の至近距離で爆発を起こした。

 

 爆発の衝撃で緩くなったペンチから抜け出し、リペアキットを使用しながら距離を取るラスティ。しかし爆発のほぼ中心点だった左腕は爆発の際に吹き飛んだのか、半ばから損失している。

 

 機体も主に左側のあちこちが異常を訴えているが、動くのだからヨシとアラートを消し、相手を確認する。

 

 622は突然の爆発に怯んだものの、既に立て直したようで追撃を仕掛けてきた621と戦闘を再開している。その姿は先程の影響を受けていないようにも見えるが、距離を離した場所からでも装甲にダメージが入っていることがわかる。それに621と戦闘の最中に右手を盛りにグーパーと動かしていることから、そちらにも何らかのダメージが入っていることは明白。

 

「だが手が足りない。」

 

 今回はラスティという餌に加え、一回限りの不意打ちだったから通じた。しかし今ので622の警戒度は跳ね上がっただろうし、2度も同じ手をくらうとは思えない。

 

 人手が欲しい。それも雑兵ではない、自分達クラスの人手が。

 

『ラスティ‼︎』

『……‼︎』

 

 思考が別に向いていたとはいえ、ラスティは油断しているつもりはなかった。しかし現実は622の機体がラスティのすぐそこまで接近しているところであり、そこまで来て漸くラスティが気付いた形だ。

 

 622がやったことは単純。621との戦闘中に突然最高速でラスティに向かって突進しただけ。直前まで戦っていた621からすれば、蹴りが来たので後ろに下がって躱したら、そのままの体勢でいきなり訳の分からない方向へすっ飛んでいったように見えただろう。

 

 蹴りの体勢を維持したままラスティの方向へ突進する622、その足先はそれぞれの指の先端がピッタリと合わさり、ドリルのように高速回転している。狙いはコクピット。レーザースライサーの意図返しついでに確実に仕留めるつもりだろう。

 

 ラスティの視界に映る景色が全てスローとなる。ゆっくりと迫る622の足ドリル。だが自分が見る景色がスローになったところで、自分が速くなるわけではない。機体を傾けて回避を試みているが、どうやっても命中するだろう。

 

 だからと言って諦めるほどラスティは諦めのよいタイプではない。回避が出来ないなら身を削って生き残るまで。具体的には右腕を犠牲にして相手の軌道を変える。

 

 そんなこと出来るのかと内心で呟くが、出来なければ死ぬだけだ。ならばやるしかない。大切なのはタイミング、ラスティは狙いを見極めるように迫り来る622を睨み付ける。

 

 が、それは横から割り込んできたグレネード弾によって妨害された。グレネード弾は622の横面に命中。爆発によって体勢を崩した622は転倒。しばらくは呆けていたようだが、チャンスと見た621の追撃で我に返ったのか倒れた体勢のままスラスターを起動。機体をザイレムの装甲に擦り付けながら強引に加速し、一時的にザイレム外へ逃亡した。

 

『アイツにこれが当たるって初めてなんじゃねぇか?』

『ケッ、これで死んでれば世話がねぇのにな。』

 

 一体何が起きたのかとラスティと621が考える前に、聞き覚えのある2人の声が聞こえてくる。

 

『イグアス!ヴォルタ!』

『よう、G13。久しぶりだな。』

 

 621は嬉しげに声をあげ、それをヴォルタが返事する。イグアスは返事をする気がないのか、メインカメラは622が飛び去った方へと向けられていた。

 

『レッドガンの2人が何故ここに?』

『悪いが俺達はもうレッドガンじゃねぇ。しみったれたミシガンの顔面をやっと殴れたからな。今は独立傭兵だ。だからこの先俺達が何をしようがベイラムは関係ねぇ。』

『そうか、一先ずおめでとうと言っておこう。』

『あぁ、それとここにいる理由はRaDの動きがきな臭いとミシガンが気付いてな。丁度様子を見に行けばこの船が飛ぶところだったから密航した。』

 

 あっけらかんと言っているが、実は一度余裕ぶっこいた癖にACの出力が足りずにヴォルタが乗り遅れてイグアスのツッコミが入ったり、そのせいでヴォルタをベイラム総出で送り届けたりと裏でわちゃわちゃとやっていたのだが、それを言う必要はないとヴォルタは判断。だって恥ずかしいし。

 今の今まで出てこなかったのもザイレムが広くて迷っていたからだ。一応通信の傍受は少し前からしていたので今の状況は理解出来ているのだが、何とも締まらない2人である。

 

『ここでネームドが2人来てくれたのは心強い。悪いが手を貸して貰いたい。奴を相手するのには、我々2人だと些か手が足りなくてな。』

『狂犬を相手にするのは俺達も同じだが、俺達は俺達で勝手に戦う。てめぇらもてめぇらで勝手にやれ。』

『それで十分だ。』

『お喋りはそこまでにしとけ。戻ってきたぞ。』

 

 ささっと協力体制のようなものを築いていると、ザイレム外へ一時退避していた622が帰ってくる。4人と対面する位置に着地した622は頭部を動かし、乱入してきた2人の姿を収めた。

 

『イグアス、それと……ヴォルタ。』

『よう、クソ犬。宣言通り、首を獲りに来たぜ。』

『久しぶりだな、狂犬。あの時はミシガン共々世話になった。』

 

 イグアスの言葉にいつ宣言したんだと622の脳内で疑問符が浮かぶが、とりあえず無視して622はヴォルタの方へ顔を向ける。

 

『ヴォルタはこっちに来てくれる……わけないよな。』

『あぁ、俺も本当はお前を手伝いに来たんだがなぁ……。流石に焼かれて死ぬつもりはねぇ。』

『脱出艇はあるよ?』

『それでもだ。そもそも俺は脱出艇のスペックを知らねぇ。独立傭兵になった以上はリスク管理も自分でやらなきゃならねぇ。』

『そっか、わかった。』

『おい、無視してんじゃねぇよ!』

 

 ヴォルタの言葉に622は当たり前だよなと思っていそうなサッパリとした声で了承した。そのタイミングで無視されたと憤ったイグアスが攻撃を仕掛けてくるが、わかりきっていたので622は余裕を持ってそれを躱す。

 

 622だって自身のやろうとすることはわかっている。誰だって星系を巻き込んだ大量殺人の片棒は担ぎたくないのだ。それも自分が巻き込まれる可能性があるとわかっているなら尚更。

 

 きっとおかしいのは自分の方。そう622は理解しながらも、断られてチクっと来る気持ちに気付かない振りをしてウォルターの障害となる4人へ襲いかかるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『こいつ本当に人間か?』

『イグアス、狂犬は獣人だぜ?』

『あぁ!?わかってんだよ!俺が言いたいのはな──!』

 

 戦闘は長引き、赤かった空は徐々に黒くなっていく。そのことからザイレムは大気圏を突破し始めてることがわかる。

 

『戦友!来るぞ!』

『うん!』

 

 ヴォルタの冷静なツッコミにイグアスが噛み付く最中、622が621へ襲いかかる。だが何度も見れば慣れるもの。621は冷静に622の攻撃を躱し、パルスブレードを振るう。それを622はペンチ盾で防いで反撃を試みるが、他の場所からそれぞれの武装で攻撃してくる3人によって回避を強要される。

 

 622の機体はスピードが脅威だが、慣れてしまえばそこまでで、ペンチ盾もその重量から挟み込むまでが遅く、展開を見てからでも回避出来る。さらにスピードを得るために各所に取り付けられたスラスターによって機体自体はACと同程度の耐久性なため、集中砲火に耐えきれない。

 

『ぐぅ……⁉︎』

 

 パルスブレードによって距離を取らされた622に621を除く3人からの攻撃が襲いかかる。ラスティのニードルミサイルをクイックブーストで躱してから即座に上昇してヴォルタのグレネード砲を爆風ごと回避。イグアスのミサイルはペンチ盾を使うことで受け切るが、その間にチャージを済ませた621のリニアライフルを躱しきれずに直撃する。

 

 衝撃で揺れる機体に思わず声を漏らす622。このままだとジリ貧であり、そろそろ攻勢に出ないと不味い。今更機体損傷などを気にしている場合ではない。

 

「ごめん、ウォルター。プレゼント、ボロボロにしちゃうぞ。」

 

 そう呟くと同時に622は4人を睨み付け、ペンチ盾を展開。アサルトブーストを起動させ、一気に突っ込んだ。

 

『コイツ、動きが!』

『ははっ、やっと元に戻ったか!』

『喜んでる場合か⁉︎」

 

 飛んでくる射撃を盾で受けるのではなく、クイックブーストなどを織り交ぜた動きで躱して接近する622。当たる弾が回避されるという気持ち悪さにイグアスは声を上げ、やっぱり622はこれだよなぁと何処か嬉しそうに喜ぶヴォルタにツッコミを入れる。

 

 狙われたのは既にボロボロなラスティ。至近距離に接近した622のスクリューパンチを躱し、次いで振り下ろされるペンチを半身に逸れることで回避。その間にもニードルガンで攻撃を仕掛けるのだが、622は意にも介さず膝を曲げた。

 

 膝の穴から姿を現したのは杭。飛び出た杭はそのまま高速回転し、脚についているスラスターの加速を受けて、強烈な膝蹴りをお見舞いする。

 

 それをラスティは姿勢制御を切って倒れ込むことで回避。膝蹴りが空振りした622は浮かんだ足の先端を合わせ、ドリルにしてラスティに追撃をしようとするが、突如向きを変えて別の方向へ加速する。その先にいたのはグレネード砲を構えているヴォルタだ。

 

『なっ、ぐぅおおお⁉︎』

『ヴォルタ‼︎』

 

 この不意打ちに狙いを定めていたヴォルタは対処出来ず、直撃。ただタンク型ということで622も目算を誤ったのか、蹴りはコクピットより少し上の頭部へと命中する。

 

『クソが……! 舐めんじゃねぇぞ!』

『むっ‼︎』

 

 ヴォルタの頭部が抉られ、吹き飛ぶ。だがヴォルタは吼え、構えていたグレネード砲と追加でショットガンを向ける。頭部がやられて一時的に何も見えなくなったが、622が前方にいるのは確定なので狙いをつける必要はない。しかしそれらが放たれる前に両腕を2つのペンチに挟まれ、強引に銃口を逸らされる。

 

『だから舐めるなって言ってるだろうがぁ!』

 

 その状態でヴォルタはアサルトブーストを起動。622を轢き潰すつもりで加速を始める。622も各所のスラスターを噴かして対抗するが、地に足をつけた馬力勝負ではタンク型であるヴォルタに軍配が上がるらしく、徐々に押し込まれ始める。

 

 それに対して622は勝負を捨てて距離を取る。頭部を壊せた以上、ヴォルタの射撃力は落ちるだろうし、欲張る必要は無いと判断したからだ。離れる際にグレネードキャノンの接射を受けたが、やはり正確な狙いはつけれないようで弾は622とは別の方向へと飛んでいった。

 

 着地した622はその場でターン、背後に回り込んでいた621と対面し、同タイミングで振るわれたペンチとパルスブレードがぶつかり合う。拮抗は一瞬、鍔迫り合いなどはせず、622が即座に621を蹴り飛ばす。

 

 蹴られた621は抵抗せずにそのまま後ろに跳び、スラスターでふわりと着地。ミサイルを放って追撃にくる622を牽制する。だがミサイルはこれで弾切れ。重荷にならぬようミサイルコンテナがパージされた。

 

『……皆、悪い情報だ。たった今、V.Ⅰフロイトがここに向かっているという情報が入った。』

『あぁ?いくら一位でもコッチに加勢するだろ?』

『そう言えれば良いのだが、彼は俗に言う戦闘狂だ。ドッグ・ウルフとサシで戦いたいがために一時的に協力して我々を排除しにくる可能性が高い。』

『はぁ?馬鹿じゃねぇのか、そいつ。状況わかってんのか?』

『わかっていてもと言うことだろう。すまないが私が彼の迎撃に出よう。』

『なら俺も行くぜ。頭部が壊れた以上、そっちの方が役に立てそうだ。』

『助かる。戦友、ルビコンの夜明けを君に託す。』

『イグアス、あの馬鹿にキツイ1発を入れてやれ。』

 

『任せて、ラスティ。』

『ケッ、誰にもの言ってんだ。』

 

 さらに悪いことは重なるようで、ラスティの元にフロイト接近の報告が入る。アーキバスにいた頃からフロイトの情報をある程度集めていたラスティは、フロイトなら622と共闘する可能性があると判断。その足止めに立候補する。

 

 そしてそれにヴォルタも加わった。一応サブカメラを起動したので現在は前が見えているが、メインに比べれば精度は明らかに悪い。そんな状態で撃った弾が622に当たるとは到底思えないため、まだ置き撃ちが通じそうなフロイトを相手にした方がマシという判断だ。

 

 ラスティも異論は無いらしく、2人は残る2人にそれぞれ言葉を残して離脱した。

 

 離れていく2人を見送り、イグアスの射撃を躱しながら622はコクピットに映る一つの画面を見る。そこにはカーラが定めた阻止限界地点までの時間が映っており、残り2時間程でこの星の運命が決まる。

 

 だが622はそれを鼻で笑う。だって自分がウォルターから受け継いだ意志を遂げることは不可能だからだ。

 

 その理由は単純で、エアが本気になれば即座にこんな茶番は終了する。衛星砲をジャックして撃てばそれで終わりだ。流石に一撃でザイレムが落ちることはないが、それでも軌道を変えることは簡単だろう。

 

 レイヴンの火ルートのエアはあくまでも自分の手で621との決着を望んだ。だからザイレムが撃墜されることは無かった。

 

 負けは決まっている。例えレイヴンを墜としてもエアは死なない。彼女は生きるために衛星砲を撃つだろう。

 

 なら何故戦うのか。それも単純。ウォルターの意志を継いだからだ。負けが決まっているから「はいそうですか」と諦めるほど622は生半可な覚悟でその意志を受け継いでいない。

 

「……よし。」

 

 自分の意志を再確認したからか、622は阻止限界地点を映す画面を閉じた。

 

 そしてイグアスがリロードに入ったタイミングでアサルトブーストを起動。攻勢へと移る。狙いは621で、距離を詰めて蹴りを放つ。

 

 だが621も学ぶ。622がアサルトブーストを起動したタイミングで自身もアサルトブーストを起動。622と同じように距離を詰め、同タイミングで蹴りを放つ。

 

 蹴りと蹴りがぶつかり合い、衝撃が機体を揺らす。だがそれは向こうも同じで、機体サイズからすると622側の方が有利だ。

 

 なら追撃するのみ。レーダーが背後にイグアスが回り込んでいることを知らせるが、622はチラリと一度視線を向けるだけですぐに621へ視線を戻す。

 

 間合いに踏み込み、拳を振るう。それを先程までと同じように621は後ろに下がって躱す──ことはなく、半身を逸らして踏み込んでくる。そしてリニアライフルを投げ捨てて両腕を広げ、622の機体に張り付いた。

 

『えっ?』

『いいぞ野良犬‼︎そのままそいつを押さえとけ‼︎』

 

 あり得ない行動に622の思考が止まり、イグアスの声で即座に再稼働する。

 

 意図は読めないが、距離を詰めてくれるなら好都合だと622は621が逃げないように掴んで捕まえ、その状態で両膝の杭を展開させてペンチで挟みにかかる。

 

 出現した杭が621の機体の腰辺りを削り、ペンチが621の肩と頭部を挟み込んだ。なのに621は一切逃げる素振りを見せない。

 

『さっきからわざと俺のことを無視しやがって。前の分と合わせて覚悟しろよ。』

 

 普段の621では絶対にしないその行動を622が訝しむなか、背後についたイグアスの通信が響く。だがイグアスは機体構成からして一撃で大きなダメージを出せる武装は持っておらず、そこまで警戒に値する存在ではない。

 

 そこまで考えたところで、622は自分の思考に待ったをかけた。そして今回のイグアスの機体を思い浮かべる。

 

 浮かび上がるイグアスの機体構成はいつも通りのもの。ただ、いつもすぐに展開している目立つシールドを今回に限っては一度も使用していない。流れ弾の危険性があるにもかかわらずだ。さっきだって初めて共闘するラスティと連携が上手くいかず、何度かは彼のニードルガンの弾が流れて当たっていたはず。

 

 イグアスなら絶対にシールドを使用する場面。なのに使っていないということは、今回はシールドを装備していない?

 

 なら、シールドの代わりに何を装備している?

 

『やっと俺を見たな?だが遅ぇよ‼︎』

 

 621から顔を背け、622は背後にいるイグアスを初めてしっかりと見た。それに対してイグアスは獰猛な笑みを浮かべ、シールドの代わりに装備していた武装を左手のマシンガンと入れ替えて装備する。

 

 その武器を見た622は目を見開いた。そして即座にその場から離れようとするが、機体が上手く動かず、そこで621に張り付かれていることを思い出す。

 

 イグアスが溜めるような体勢になり、武器を構える。狙いは622のコクピット。背後からそこへ狙いを定め、勢いよく武器を突き出した。

 

 突き出された武器は撃鉄を落とし、炸薬の爆発によって鉄杭を打ち出した。

 

『パイル……バンカー!』

『チッ、軽いか。てめぇの大好きな武器の威力はどうだ?』

『最高だよ!』

『なっ!ぐぅお⁉︎』

 

 決め手となり得たパイルバンカーの一撃は、622がギリギリで621を引き剥がして身体を傾けたことによって有効打で終わった。コクピットには当たらなかったが、鉄杭は左肩辺りを破壊。それによって左腕と左のペンチが使用不可となる。

 

 622は即座に左ペンチをパージ。少し身軽になった身体をターンさせ、パイルバンカーの使用直後で硬直しているイグアスの頭部を右腕で掴み取る。

 

『離しやがれ‼︎』

『いやいや、お返しをあげるぞ。存分に受け取って欲しい…ぞ‼︎』

 

 そして膝の杭を再展開。スラスターで加速をつけ、イグアスへ叩き込んだ。

 

 杭はイグアスの機体の腰辺りに命中。掘削音と共に機体を蹂躙しながら侵入していく。しかしコクピットには当たらなかったのか、杭が根元まで入ってもイグアスの叫び声が響いている。

 

 杭を引き抜き、今度は頭部を潰すために腕部に仕込まれた武装を使おうとするが、それは動かず代わりに武装画面にエラーの表記が出現した。そこで622はラスティの一撃を思い出し、舌打ちをしてから胴体にスラスターの加速をつけた回し蹴りを繰り出す。それも無防備で受けたイグアスは壁にぶつかり、項垂れるように倒れて動かなくなった。恐らく気絶でもしたのだろう。

 

『余計な一撃をもらったぞ。だけどレイヴン。あとはお前だけ。』

 

 右手でただの錘となった左腕を引きちぎり、ザイレムの外へ捨ててから621を見つめる622。621は先程リニアライフルを放棄したためパルスブレードしか武装が残っておらず、接近戦を行うしかない。対する622はイグアスのパイルバンカーによって左腕と左ペンチを失っているが、まだ武装は残っている。

 

『レイヴン、こうやっていると模擬戦を思い出すぞ。』

『そう、だね。このまま、模擬戦で、終わりたいね。』

『それは無理だぞ。今回はお互いに譲れないものがある。だから最後に立っているのはオレ達のどちらかだけ。』

『……うん、分かってる。』

 

 懐かしむような声で話す622に、621は応えながらパルスブレードを振るう。

 

 お互いに付かず離れずの距離で戦う2人。621は常に622の左側に回り込んで戦い、622はスラスターで向きを調整し、621を正面に捉えて蹴りやパンチで攻撃する。

 

 放つ雰囲気は真剣そのもの。しかしどこか模擬戦と同じような雰囲気が戦場に広がっていた。

 

 いつもなら621は622の技術などを見て、こんな手があるのか、ここはこうするのかと楽しみながら戦っていた。ただ、今回はそれが出来ない。この戦いはお互いの意志のぶつけ合いだからだ。

 

 が、622の口角は上がり、笑みを浮かべている。それでも笑うのさ。そう、彼女(カーラ)は言っていたから。敵に回った621の行動を批判することはなく、自らの道のために戦い、道を決めかねていた622の背を後押ししたそんな彼女の言葉だからこそ心に残っている。

 

 その言葉に込められた意味は違うだろうが、この戦いはどちらが勝っても心に残る。なら後悔はしないようにと笑い続ける。

 

 そのまま2人はあの時はこんなことがあった、この時は中々ヤバかったなどと思い出話をしながら戦う。ただ、技研都市に話が近付くにつれ口数が少なくなり、アイビスの話が終わるとお互いに口を閉ざす。そして622は自ら距離を取った。

 

『語ることも無くなったし、そろそろ終わりにするぞ。レイヴンとウォルターの2人と過ごした日々は、とっても楽しかったぞ。』

 

 その言葉と共に突進の体勢をとり、各所のスラスターが起動し始める。あと少しで推力によって機体が前方に進むそのタイミングで、622は片目を閉じた。

 

《レイヴン、彼女は──。》

「エア、分かってる。でも、こっちももう時間が無い。」

《ご武運を……。》

 

 それを見た621も、迎え撃つ体勢を取る。リスクを考えるならこの突進は受けないのが一番。しかし彼女達にはザイレムを墜とすという目的がある。

 

『『行く‼︎』』

 

 お互い同タイミングで飛び出し、機体間の距離があっという間に縮まる。先手は621、パルスブレードを展開し、踏み込んで622へ振るう。その一撃は……あっさりと622へ命中した。

 

『……えっ?』

《レイヴン‼︎》

 

 予想していなかった事態に、次の手を考えていた621の思考が一瞬停止する。622ならこの一撃は必ず躱す。そう考えていたからこそ、あっさりと当たった事実に驚愕を禁じ得ない。

 

 逆に622は、自身のコクピットを斬り裂くパルスブレードを眺めていた。621を捕まえるには自分も何かを犠牲にしなければならないと622は判断。621の油断を誘うという理由もあり、わざとパルスブレードで機体を斬らせた。勿論、自分には当たらないように寸前で調整して。

 

 コクピットに侵入したパルスの光が目を焼くが、それでも622は目を離さなかった。もし621が更に一歩踏み込んできたりすれば即座に後退する必要があるからだ。

 

 やがてパルスブレードが通り過ぎると、見えなくなった目と入れ替えるように閉じていた目を開く。モニターごと斬られたため目視になるが、それでもしっかりと大きな隙を晒す621の姿が見えた。

 

 そのコクピットに向けて、即座に貫手を放つ。貫手は621のコクピットを貫き、しかし直前に背後へクイックブーストをしたせいか本体へは届かない。

 

『逃すかぁ‼︎』

 

 離れようとする621に一歩踏み込み、ペンチで挟みにかかる。前もって後は挟むだけといったところまで準備をしていたこともあり、すんなりとペンチは621の胴体を挟み込んだ。

 

『このまま潰れろぉ‼︎レイヴン‼︎』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ?ここは……?ッ……‼︎」

 

 アラートが響き渡るコクピットの中で、イグアスは目を覚ました。そして状況を把握するために辺りを見渡そうとした時、頭に痛みが走り、思わず手で痛む箇所を押さえる。手を離せばそこには血がついており、どうやら出血しているようだ。

 

 ガンガンと痛みが響く状態に舌打ちをした後、暗くなったコクピットを再起動させる。システムの起動によってメインカメラが周囲の景色を映し出し、イグアスは映った景色に目を見開いた。

 

 映った景色は622がペンチで621を捕らえている姿。621も抵抗しているようだが、パルスブレードごと挟まれているようで、抵抗らしい抵抗が出来ていない。

 

「あの馬鹿犬……!」

 

 慌てて機体を動かそうとするが、それに反してACはうんともすんとも言わない。苛立ちと共に機体の状態を確認すれば、下半身が全て真っ赤になっている。恐らくあの膝蹴りの際に下半身の操作系統を根こそぎ破壊されたのだろう。

 

《あーあ、動けないねぇ。このままだと、あの子やられちゃうよ?》

「うるせぇ、少し黙っとけ。」

 

 そんなイグアスの脳内に響く声。あの時から勝手に人の脳内に住み込んだ生命体─本人曰くCパルス変異体であり、姿を持たないルビコニアン─へ適当な返事を返しながらイグアスは自身の機体を確認する。

 

「チッ、動くのは上半身だけかよ。」

 

 確認した結果、自力での移動はほぼ不可能ということが分かり、舌打ちを一つ。強引に動けないことはないが、それをしたところで事態が好転することはないだろう。

 

 幸いにもリニアライフルなどは手放していなかったため、ここからでも攻撃は出来る。622も最大の敵であるレイヴンに王手をかけているからか、イグアスが目覚めたことにはカケラも気付いていない。

 

 どうする?そう何度も脳内で考え、イグアスは次はどういった行動をするのが最適解なのかと敵の姿を見ながら思考を回す。その結果、レイヴンを掴んでいるペンチのアームにスパークが走ったことに気付く。

 

 カメラをズームにして確認すれば、戦闘で装甲が損傷したのかその箇所だけ中のケーブルが露出していた。後一押しすれば破壊することが出来るかもしれない。

 

 自身のやるべきことは分かった。イグアスはリニアライフルのチャージを済ませ、銃口を622へ向ける。だが構えたリニアライフルは震えており、そのせいでいつまでも狙いが定まらない。

 

 腕部にも異常が出たのか?そうイグアスは考えたが、操縦桿を握る自分の腕が震えていることに気付き、自分の考えを撤回した。

 

「らしくねぇ……。俺ともあろうものが、ビビっちまってる……‼︎」

《だよねー、これ外したら、星ごと火葬が決定するし。》

 

 1発。それが残されたチャンス。撃ってしまえば622は確実に気付く。そうすれば動けないイグアスが何をしても622には届かないだろう。むしろ今の状態で未だに気付いていないのが奇跡と言ってもいいほどだ。

 

《どうする?やめちゃう?》

「くだらない冗談を言うんじゃねぇ。おい、手ェ貸せ。お前が好きなカッコイイ瞬間を見せてやるよ。」

《……良いねぇ。》

 

 試すような問いかけに、イグアスは吐き捨てるように答え、援護を要請する。

 

 イグアスは自身と勝手に交信するこの生命体と、それなりの交友を積んでいた。毎回向こうから絡んでくるし、夜中であろうと関係無しに騒ぐので最初の頃は不愉快でしかなかったが、そのおかげかこの姿なきルビコニアンの人間性とやらを理解出来た。

 

 ガキだ。自分のやりたいこと、好きなことしかしたがらない。そしてその好きなこともイグアスはここまでの付き合いで把握している。

 

 なので自信満々に言ってやれば、案の定このルビコニアンは乗ってきた。仮にここでお前も燃やされるんだから手伝えと言ってもこの馬鹿は協力しなかっただろう。コイツはそういう存在だ。

 

「点の部位を一撃で射抜いて破壊。野良犬を解放する。」

《あー、ピンチのエースを狙撃で救助かぁ……。うん、大好物! 狙撃が決まった後でニヒルな笑みも見たいなぁ〜?》

「期待はすんなよ?」

《テンション上がってキタァ!》

 

 その言葉を最後に、イグアスの思考は冴え渡る。あの時と同じでイグアスの身体を弄ったのだろう。本人曰く機械類を弄るのは不得意だが、交信する相手を弄るのは得意なのだそうだ。

 

 イグアスはこの状態が嫌いではない。何も聞こえず、何も感じず、ただ狙うべき敵だけが視界に映る光景。

 

《いつも通りの集中セットだよ〜。》

「あぁ、透明だ。気分が良い。……これなら。」

 

 まだ弾を撃っていないのに、弾の飛ぶ道が線となって見える。気付けば手の震えは止まっており、しっかりと操縦桿を握りしめる。そして──。

 

「呑気に捕まってないで、早く終わらせやがれ野良犬ぅ‼︎」

 

 叫びながら、弾を撃ち出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ッ‼︎』

 

 その一撃は、622からすれば予想だにしない攻撃だった。しかし幸いにも弾はペンチのアームに命中したようで、被害は軽微。

 

 思考を621に向けすぎたと反省しながら、弾が飛んできた方向を睨む。そこにいたのは既に無力化したと考えていたイグアス。だがイグアスは622と視線が交差するなり銃口を下げた。

 

 交戦の意思なしとも取れるイグアスらしくない行動を622は訝しむ。彼なら最後の最後まで立ち向かってくるはずだ。

 

 気味の悪い行動の理由を推察しようとするが、それは機体上部で爆発音が響き、視界の端でレイヴンがペンチから脱出したことで消し飛んだ。

 

 着地した621が即座にパルスブレードを展開して突きの構え。それを迎え撃つようにして622もペンチを動かそうとした。

 

 だが動かない。そこで622はイグアスの一撃を思い浮かべ、彼の行動を理解した。しかし諦めるわけにはいかないと拳を振るう。

 

『レイヴンッ‼︎』

『……ッ‼︎』

 

 ペンチに意識を向けた分、622に遅れが生じる。だけど剣と拳。一瞬程度の遅れなら622が速い。勝った。確信と共に622は621のコクピットに向かう己の機体の腕を見て自身の勝利を確信した。

 

【622、621を頼む。】

 

『ッ‼︎』

『ァァァッ‼︎』

 

 だが一瞬、ほんの一瞬だけウォルターの言葉が頭をよぎり、622の動きが硬直した。それはこの状況では致命的で、その隙を逃さないと言わんばかりに621が叫びと共にほんの僅かに機体を傾かせ、拳の直撃を避けて突進する。

 

『……あっ。』

 

 腕を躱し懐に潜り込んで自身へ迫る621、それを見た622は無意識のうちに言葉を漏らし……その直後にパルスブレードが機体に突き刺さった。

 

 今までのものとは比にならない衝撃。固定しててもなお身体を揺らされ、コクピットの椅子などに頭を強くぶつける622。貫かれたと同時に脱出しろと言いたげなアラートが鳴り響き、うるさくなるコクピットの中で呻き声を上げる。

 

 それでも622の闘志は消えていない。ぶつけた際に切ったのか、頭から流れる血を乱雑に拭い、621を睨みつける。

 

 幸いにも今は密着状態。ここから膝蹴りをすれば仕留めるには十分。そう考え、行動に移そうとした時──。

 

 大きな爆発音と共に、杭を出そうとした脚が爆発して吹き飛んだ。

 

 それと同時に622はこの機体が既に限界を越えたのだと理解した。今まで何度も見てきた機体が爆発する兆候。それが自身の機体に起こっている。考えるまでもなく621の最後の一撃が原因だろう。

 

 そう考えると同時に、他の部位も限界が来たのか爆発を始める。既に自分に残されている時間は短いのは明白。

 

「負け……か。」

 

 口ではそう言いつつも諦められないのか622は機体を動かし拳を作る。621は抱きつくように622に密着しているため、この一撃は必ず決まる。

 

 ただでは死なない。最期に道連れだ。そんな考えと共に622は拳を振る──おうとした。

 

 しかし622は見てしまった。破壊されて内部が見えるようになったコクピットの奥で、両目から涙を流す621の姿を。

 

 それを見てしまった瞬間、622は硬直した。あの621が泣いたとか感情を出せたのかなどの様々な思いが浮かび上がる。

 

 彼女が何故泣いたのか、その理由はわからない。だけどその涙は622の戦意を失くすには十分だった。

 

『621……。』

『622‼︎』

 

 声をかけると621はハッと弾けたように622を見つめた。そんな彼女は達観したかのような622の表情を見て、何かを察したのか息を呑む。

 

 そんな中、622は残った腕がまだ爆発しなくて良かったなどと思いながら、621の機体を突き飛ばす。操縦桿を握っていなかった621の機体にその突き飛ばしを抵抗する力はなく、しかし姿勢制御システムがあるためタタラを踏むだけに終わる。

 

 そして622は621を突き飛ばすと同時に後ろへ跳んだ。腕は621を突き飛ばしてすぐに爆発し、残った脚も跳んだ瞬間に同じように爆発した。そんな622の姿に体勢を立て直した621が手を延ばす。

 

『再手術を受けて……幸せに……生きるんだぞ。』

『待っ──‼︎』

 

 最後にニッコリとコクピット内で622は笑みを浮かべ、身体が爆発の炎に包まれて消えた。

 

《……機体反応、消失。》

 

 躊躇うようなエアの報告を聞き流し、621は炎を吐き出すだけの残骸へ近寄る。彼女は622の頑丈さを知っているため、もしかしたら空いた穴から飛び出てくるかも思ったのだ。

 

 ただ、いつまで経っても622は出てこない。メラメラと吹き出る炎は、目の前に立ち尽くす621を照らすだけだ。

 

《レイヴン、そろそろ宇宙空間に出ます。一度機体の修復をしましょう。……貴方には休息が必要です。》

 

 エアの言葉に621が動くことはなく、フロイトをザイレムから突き落としたラスティ達が戻ってくるまで、ずっと立ち尽くすのだった。




621……オリ主が敵に回ったことはショックだったが、無力化すればいいと考えていた。その割には容赦なく銃撃していたが、それはオリ主ならどうにでもできるという信頼があったからこそ。今回のことでメンタルに大ダメージ。

イグアス……自身と勝手に交信するガキにそれなりに苛ついていたが、あの時の621とオリ主に比べれば全然可愛い部類だと思い直し、コツコツと信頼関係を築いた。パイルバンカーはオリ主に対する意図返し。本当はチェーンソーを使いたかったが、手に入らなかった。

ラスティ……オリ主が敵に回ることは早々に気付いていた。仮にオリ主を無力化して確保しても、解放戦線で彼女に恨みを持つものは少なくないので庇うのは難しいと考えていた。フロイト戦で機体が達磨になったが、もう動けないという思い込みの油断を突いて背後からタックル。ザイレムから突き落とした。

ヴォルタ……初見だったのでオリ主のいきなり方向転換キックを躱せなかった。621が企業相手に戦っているなら近くに622もいるだろうし、アーキバスに嫌がらせも出来るから手伝いに行くかぁと乗り込んだらヤバイことをしようとしていたため敵対。オリ主の死亡報告を聞いてコクピットで静かに恩を仇で返したなと呟く。フロイト戦では622のスピードを知っていたのでフロイトの高速移動を問題なく対処。ラスティのタックルでザイレム外へ飛ばされたフロイトに全弾使い切るつもりで弾幕を張り、フロイトをザイレムへ近寄らせないようにした。

フロイト……ラスティの言葉通り、このまま乱入していたらオリ主と存分に戦いたいがために一時的にオリ主と協力する未来があった。ラスティとヴォルタの2人と対峙し、戦闘になっても意識がオリ主側に向いていて集中出来てなかったのでその隙を突かれて無力化したと思っていたラスティにザイレム外へ突き飛ばされた。戻ろうとしてもヴォルタの弾幕で近寄れず、やがて高度を維持できなくなって落下した。ちなみにこの時の装備はスタンダガーとマシンガンだけ。





 ……最初は機体の爆発前にあの時の仕返しとヴォルタに背後から襲われてコクピットを抜かれる生存ルートだったんですよ。でもこんな状況で来ないわけがないフロイトの相手を誰がするってなって、機体に損傷があるなら二機は派遣しないと押さえ切れないだろってなって、ヴォルタがそれに選出されて……。知らない間に生存ルートが消えてたんだ。
 一応フロイトはオリ主が艦隊を襲った情報を聞いて予定を変更、戦うためにザイレムに来た設定です。

 っていうか621敵対ルートで火ルートの難易度おかしいよ。頑張って621を倒しても先に衛星砲潰しておかないとエアが撃ってくる理不尽。
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