殴りあえルビコン   作:フドル

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名称の誤字が多くてヤバイ。何だよダリア多重ダムって……ガリアだよ。


そのダム襲撃、ALT。

 おぉ……ウォルターの頭撫でが効くぅ……。この状態で更に褒めてもらえるのだからもう自己肯定感が爆あがりよ。MTでもACでもなんでも来やがれ状態になる。

 

 そのハイテンション状態を維持したままで前に取ったベイラム部隊協働の依頼をしに行ったら苦情と賞賛が()い交ぜとなったお言葉をいただいた。なんでもやり過ぎとのこと。オレが突出してくれたおかげで部隊の被害が少なく済んだのは良いが、復旧が大変なレベルの破壊はして欲しくなかったらしい。

 

 殲滅した後はベイラムが奪って使うつもりだったと言われたが、それなら前もって説明して欲しかった。そう言えば、ブリーフィングで説明しているとかえってくる。ほんとぉ?と帰ってから確認してみれば普通に言ってた。すまない、ウォルターに褒められた興奮で話半分にしか聞いてなかった。

 

 そのせいで報酬は減額。となるところだったが、部隊の被害軽減の功績は大きいと共に行動したMT部隊の隊長が意見してくれたおかげで評価分だけ増額。結果としては当初予定していたぐらいの金額になった。

 

 その件で隊長さんにお礼をすれば、これからも仲良くしたいとのこと。流石にわかったと断言は出来ないので適当に濁しながら返事を返し、その場を後にした。

 

 拠点に帰ってくれば621が虚空を見つめながら椅子に座っていた。辺りを見渡してもウォルターが見当たらないので、彼は彼でお仕事をしているのだろう。

 

 ACを駐留し、621に帰ったよー!と伝えれば、虚空を見つめていた目がオレのほうに向く。オレを認識したみたいなので手を振りながら近付いてみるが、反応はない。

 

 ……そういえば621っていつから座っているんだろ?確か座り続けるのって身体に良くなかったよね?621からしたら今更感あると思うけど。

 

 ってなわけで突発的に621の歩行練習じゃあ!でも強制は良くないのでしっかりと621の許可は取る。

 

 へい621!ちょっとオレと歩かない?答えはイエスかノーで!頷いてくれればイエスと取るぞ!ん?これはイエスだな!?じゃあ、楽しいお散歩の始まりだ!

 

 621の脇に手を入れて立ち上がる補助をして、621が立ち上がれば脇から手首に手を移してゆっくりと後退する。

 

 倒れそうになればその度に支える。体躯は621が高いけど、膂力は圧倒的にオレのほうが上なので問題ない。っていうか621、滅茶苦茶細いし軽い。ご飯ちゃんと食べてるの?不安になってくるぞ。

 

 そんなことを思いながら掛け声をかけ続けて格納庫の道を行ったり来たり。途中掛け声のリズムのせいで虚言癖をもつ人格破綻者がインストールされかけたが気合いで耐えた。621に変人扱いされるのはお断りなのさ。

 

 格納庫を数回往復した頃、621の息が少し乱れてきたので練習をやめて椅子に座らせる。そしてオレも座るために椅子を探すけど、1番近い位置の椅子でもここからだと少し遠い。

 

 微妙にめんどくさいなと考えた時、ふとひらめいた。621には脚を開いてもらう必要があるけど、ACに乗っている時は常に開いているんだし問題ないでしょ。でも許可は取る。親しき中でもなんとやら、だ。621がオレのことをどう思っているかなんてわからないけど。

 

 許可を貰ってから621の脚を開き、出来たスペースに座る。621が休憩中は暇なので、近くの机に置いてあったタブレットを取り良さげなばら撒き依頼を探す。

 

 報酬が高いのは狙いどころ。でもしっかりと対象を指定していない依頼は避ける。はぐらかしてくる時があるからね。オレも一度やられた。

 

 タブレットを睨んでアレでもないコレでもないと依頼の選別をしていると頭……というよりケモミミに違和感。

 

 621よ、オレの耳に何か御用か?触りたいだけ?ならいいや。でも耳穴に指を突っ込むのはやめてね?フリじゃないからね?

 

 お互いに座れば621の胸辺りにオレの頭がくる。なので視界に入ってくるぴょこぴょこ動く耳が621の気を惹いたのだろう。

 

 別に減るものではないので触る許可を出せば、遠慮なしに触ってくる。しかしオレの横顔を撫でたあとは、不思議そうに自分の耳を触りはじめた。ふっ、オレは獣人だから顔の横に耳はないのさ。普段は髪に隠れているからわからないだろうがな!あっ、これ良い依頼じゃん!

 

 ニヤニヤと621の子供みたいな反応を楽しんでいると、報酬と労力が釣り合っていそうな依頼を見つけたので即座に受ける。

 

 他にもないかなと更にスクロールしようとした時、格納庫の外から杖をつく音が聞こえてくる。誰かは明白だ。

 

 飛び出して迎えに行きたいところだが、残念ながら知らぬ間にお腹に腕を回してきた621に捕獲されている。捕獲した本人はオレの耳の間に顔を嵌めて少しご満悦だ。

 

 仕方ないのでそのままウォルターを待つ。格納庫に入ってきたウォルターはオレ達を見ると目尻が気持ちちょっと和らいだ。わかるぞ!621可愛いよね!

 

 ウォルターが感じているであろうことに内心で共感しているうちに、近付いてきたウォルターは丁度良いと621に仕事と伝える。その内容を近くにいるのでついでに聞かせてもらうと、多重ダム襲撃と聞き覚えのある仕事だった。

 

 なるほど、今はそこら辺なのか。すぐに出撃ではないらしく、今日はそのまま休んでおけと621に伝えたウォルターは621から目を外して今度はオレを見る。

 

 まさかまさかとワクワクしていると、期待通りの言葉がきた。つまり、待ちに待った621と一緒に出撃だ!

 

 ふぅー!待ってたぜ!この時をよぉ!それでいつ出撃するんですかウォルターさん!

 

 ふんふん、明日ね。了解……あれ?さっき受けた依頼って明日実行だったような。

 

 念の為確認。するとタブレットに映る依頼は、しっかりと明日が実行日になっていた。

 

 ……ミ゛!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《621、お前が選べ。》

 

 ウォルターが621に選択を委ねる。その言葉を聞きながら、621は思考する。

 

 今回の敵であるルビコン解放戦線からの暗号通信。報酬を提示されている2倍出すのでこちら側に付き、現在味方である2機のACを撃破して欲しい。そんな交渉だった。

 

 それを最初に聞いた時、621が思い浮かべたのは違う依頼を受けたせいでついて来れず、キャンセルすると騒いでいたがウォルターに論されて泣く泣く出撃して行った622の言葉だった。

 

『お金がない〜、お金がない〜。』

 

 少し前に欲しかったパーツを購入し、喜んでいた622が自身の貯金を見た直後に発した言葉だ。その後、622はお金の大事さを621に説いた。そのおかげで621はお金の大事さを知っている。

 

 だからだろうか。

 

『……っ!? てめぇ、誤射じゃねぇな?』

 

 621は交渉を受諾。コチラを味方と油断していたG4、ヴォルタのACに背後からパルスブレードで斬りかかった。しかし完璧な不意打ちだったそれはタイミングが悪く、621がしっかりとついて来れているか、損傷具合はどうなのかを確認するために丁度ヴォルタが振り返ってきたおかげで発覚され、後退されたせいで盛大に空振りした。

 

 ヴォルタしか周りにいない状態でブレードを振ったのだ。ヴォルタの問いかけにとぼけた返答をしても帰ってくるのは弾丸だけだろう。それがわかっているから621は返答代わりとしてリニアライフルを向けた。

 

 その621の返答にヴォルタはグレネードキャノンを放って応えた。マニュアル射撃の不意打ちだったが、621は飛び上がって回避する。

 

《G4!G5!どうやらG13はお前達と遊びたいようだ!》

 

 通信から彼らの親玉であるミシガンの声が響く。早いところヴォルタを戦闘不能にしなければ別ルートから進行中のG5のイグアスが合流してしまう。そうなれば621が圧倒的に不利になるだろう。味方となった解放戦線のMT部隊もそれを察したのか部隊を分けて火力のある兵装を持つものは621の援護、それ以外はイグアスの足止めに動く。

 

『はぁ、面倒を増やすなよ。殺すぞ?』

 

 ドスの利いた声を発したヴォルタのACがアサルトブーストを使用。一気に621へ接近する。それを先程と同じように621は飛び上がって回避するが、それ以外の者はそうはいかない。反応が遅れた解放戦線のMTが弾き飛ばされ、倒れたものはキャタピラにすり潰される。1人のMTパイロットが通り過ぎたヴォルタを狙おうと振り向きざまにキャノン砲を構えれば、目の前にグレネード砲の砲弾が迫っていた。

 

 直撃し、爆散するMT。それを横目で見ながら621がリニアライフルを放つ。その弾は寸分違わず狙った箇所に命中するが、ヴォルタが怯む様子はない。

 

『なんだぁ?その生温い弾はよぉ……。その程度の衝撃で俺が怯むわけねぇだろうがァ!』

 

 ヴォルタが吼え、ACが凍りついた水上を走り回る。頭上から621が射撃を続けるが、堅牢な装甲が弾を弾き、チャージし威力を向上させた弾が命中しても中のヴォルタは怯まない。その間にも暴れ狂うACのグレネードキャノンやグレネード砲が解放戦線のMTを破壊する。ヴォルタを止めるために近付くMTはショットガンで蜂の巣にされ、その中で運良く生き残ったものはヴォルタ直々に轢き潰される。ダメ押しと言わんばかりに放たれたミサイルが、僚機を続々と破壊されて戸惑っているパイロット達に均等に命中する。MT部隊はあっという間に殲滅され、ヴォルタと対峙しているのは621だけとなった。

 

『残すはてめぇだけだ。覚悟しろよ?』

 

 621の前方で横向きに止まったACが溜まった熱を排熱し、頭部が着地した621を捉えた。

 

《流石レッドガンの隊員なだけはある。だが、間に合った。》

 

 戦闘が再開される。その瞬間にウォルターの通信が入り、レーダーに新たなACが感知される。そのAC反応はだんだん近くなり、すぐにその姿を現した。

 

『間に合ったぁぁ!!まだ終わってないよね!?ねぇ!?』

 

 ブーストの炎が尾を引き、621の隣に滑り込むように着地したのは622。出撃前に絶対に後で合流するからと言っていたのは嘘ではないようで、依頼を終えるとすぐに多重ダムへ向けて飛んできたのだ。

 

『てめぇ!?狂犬か!』

 

 それに驚愕するのはヴォルタ。来ると思っていない奴が来たのだ、驚くのは当たり前だろう。

 

『……で、この状況って何なの?今回は一緒に行動するって聞いたぞ?』

 

 そんなヴォルタをよそに、状況を理解出来ていない622はウォルターに問いかける。622からすると共に行動しているはずの人物達が何故か対峙してお互いに武器を向け合っているのだ。疑問に思うのは仕方ない。

 

《詳しい話は後だ。622、目の前のACを排除しろ。》

『……分かった。壊す?殺す?』

《……ミシガン。》

《どちらでも構わん!G4!直近に自殺の予定がないならいつでも脱出レバーを引けるように握っておけ!》

《だ、そうだ。622、お前の判断に任せる。》

『冗談じゃねぇぞ!?』

 

 ウォルターの指示に、即座に622は了承した。声も先程の暖かさを感じるものから感情の起伏がわからない、平坦な冷たい声に変化する。知り合いであろうと関係なく殺すかどうかの是非を問いかけてくる622にウォルターはミシガンへ問いかけ、ミシガンは遠慮なくやれとも取れる言葉を返す。

 

 その言葉に焦るのはヴォルタだ。その理由は622が持っているパイルバンカーにある。自社が製造しているだけあって、その威力は知っている。前みたいな殴り合いならともかく、パイルバンカーを持ち込まれれば確実に無理だ。近付かれた際に両手の武器を捨て、近接戦闘を挑んだところでコクピットに鉄杭をぶち込まれるのがオチだろう。

 

 どうする?額から冷や汗を垂らしながらヴォルタは思考する。そんな時、ヴォルタの背後から別のACが621達のほうへ飛び出した。イグアスだ。

 

『おい!イグアス!止まれ!!』

『ハッ、ヴォルタ。何を怖気ついてやがる。こんな野良犬程度、サッサと片付けろよ。』

『……馬鹿野郎が!』

 

 イグアスには碌に当たらないパイルバンカーを装備したACが弱く見えたのだろう。その判断にヴォルタは思わず言葉を吐き捨ててイグアスに追従するべく突撃する。しかし621が行かせないと言わんばかりにリニアライフルを頭部のメインカメラに向けて放ってきたことで足止めを余儀なくされた。

 

『あれは?』

《排除しろ。》

『了解。』

 

 短いやり取りを終えた622が近付いてくるイグアスに向けてパイルバンカーを構えた。イグアスの戦闘距離は近距離〜中距離。わざわざ自分から近付いてくれるのだ、622からすればやりやすいことこの上ない。

 

 アサルトブーストを起動。622にイグアス自身が近付いて来ているので距離は瞬時に縮まる。リニアガンは向けられる銃口から弾道予測をして躱し、マシンガンは距離が縮まるほど躱せないのでそのまま受ける。右肩のミサイルは左へクイックブーストを使用するだけで追尾しきれずに通り過ぎていった。

 

『……アァ?』

『死ね。』

 

 懐に潜り込んだ622がイグアスのコクピットを狙いパイルバンカーを構える。それに対してイグアスは反射でクイックブーストを使用しながらパルスシールドを展開。

 

 突き出された鉄杭は、シールドが最大で出力されるイニシャルガード時に命中する。一瞬の拮抗。しかし鉄杭は容易くシールドを貫通した。

 

 だがその一瞬の拮抗で鉄杭の狙い先であったコクピットは逸れていく。622は強引に狙いを修正しようとしたが間に合わず、イグアスの左腕を破壊することしか出来なかった。

 

『グァあああ!?』

 

 鉄杭が左腕を破壊した衝撃でコクピットが揺れ、イグアスが怯む。ACの姿勢制御システムが一時的にスタンし、動けなくなる。しかしカメラは生きているので周囲の様子を確認するが、すぐに目の前から拳が迫っていた。

 

 放ったのはもちろん622。コクピットを殴ることで相手の身動きを止め、パイルバンカーの排熱が済めば即座にトドメを刺しにいくつもりだ。しかしそれは叶わない。真横からヴォルタが622を轢き潰すために突進してきたからだ。ヴォルタからすれば本当はグレネード砲などを放って援護したいところだが、622が相手だと目の前で怯んでいるイグアスを盾に使用する可能性が高いため、ヴォルタには突進しか取れる手段がなかった。

 

 そんなヴォルタの背後からミサイルが降り注ぐ。放ったのはヴォルタの足止めを行っていた621だ。本来なら躱すところだが、622のパイルバンカーが排熱を済まし、再装填されたことでヴォルタは時間がないと判断。走る方向を622に向けたまま胴体だけ反転させ、右手のキャノン砲を追尾してくるミサイルへ投擲。即座にその弾倉に向けて左手のショットガンを撃ち、破壊する。

 

 弾倉を撃ち抜かれたキャノン砲は爆発し、それに巻き込まれたミサイル達も誘爆する。背後の脅威がなくなったことでヴォルタは即座に胴体を正面に戻し、目前まで迫っていた622へタイミングを見計らいタックルした。

 

 が、案の定622はそれを躱し、それどころかタンク脚に乗ってきた。コクピット目掛けて拳を放たれるが、ショットガンを捨てた左手でそれを受け止める。

 

『ヴォルタ!』

『イグアス!狂犬の相手は俺がする!おめぇはサッサとG13を片付けてコッチに合流しろ!ぐぅお!?』

 

 素早く指示を出して通信を切る。イグアスはよく噛み付いてくるが決して状況がわからない馬鹿ではない。今自分が何をすればいいのかはわかっているはずだ。

 

 イグアスが合流する。それまでヴォルタは622の相手をしなければならない。ヴォルタの拳を意に介さず、コクピットへ構えられたパイルバンカーを上から殴りつけて向きを強制的に変える。打ち出された鉄杭が装甲を突き破り、キャタピラを車輪ごと破壊する。

 

 片輪をやられ、その場で回転することしか出来なくなったが既にコチラに取り付いている狂犬相手に動いたところで意味はない。さて、一撃必殺を得た狂犬相手にどこまでやれるか。操縦桿を握り直し、ヴォルタは狂犬のコクピットを目掛けて拳を振るった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『クソッ!なんでお前の攻撃を躱せねぇ!?』

『…………。』

 

 ヴォルタが622と殴り合いを始めた時。イグアスと621の戦闘も始まっていた。お互いに損傷はしているが、状況がどちらに傾いているかと言えば、621のほうだ。

 

 621がリニアライフルを放つ。その弾丸は寸分違わず狙った箇所に命中した。それに対してイグアスはミサイルを放つが、それを621はクイックブーストで回避する。先程までは数発程度は掠っていたが、今では完璧に回避していることから完全に慣れたようだ。

 

 自身の攻撃は躱され、相手の攻撃はほぼ確実に命中する。その事実にイグアスは苛立ち舌打ちする。そして不服だが認めた。621の射撃の腕は自身より遥かに上だと。

 

 だがイグアスが考えているほど最初から621が今みたいな百発百中の射撃の腕を持っていたわけではない。なら何故そんなに射撃が上手いのか?それは練習したからだ。

 

 621は時間がある時、622の真似をしてシミュレーターモードでACを動かしていた。しかし621のACにデータが登録されているのは一機しかいない。分かりきっているだろうが、その一機は622だ。

 

 622を相手にした戦闘は、一方的だった。射撃は撃つ前に回避され、気付けば壁際に追い込まれて戦闘不能とシステムが判断するまで殴られ続ける。それの繰り返しだった。途中からはパイルバンカーが取り付けられ、敗北回数は軽く2桁を越えた。

 

 しかし621は戦い続けた。観察力を磨きに磨き、相手の回避を予測して回避先に弾を放つ。それの繰り返しだった。そして様々な試行錯誤を行い、とうとう621は622に勝利した。

 

 そんな622と比べれば、イグアスの回避は非常にわかりやすい。クイックブーストを使用する時には重心が少し下がる。動きも相手の周囲を回るように左か右かの一辺倒で、方向転換をする時はまた重心が下がる。放たれたミサイルなどの攻撃は622との対戦では一切経験していなかったのでそれなりに受けてしまったが、慣れた今では難なく回避できる。イグアスの左腕が残っていたなら話は変わっていたかもしれないが、それは622が破壊してしまった。

 

『クソッ……!脱出する!』

 

 的確に命中する621の攻撃についにイグアスのACが大破。イグアスは悔しさが滲み出たような声を発して脱出した。沈黙したイグアスのACを少しだけ眺めた後、621は622の援護に向かおうとするが。

 

『機体がイカれちまった!!脱出するしかねぇ!……っ!?危ねぇ!?』

 

 何度も放たれたであろうパイルバンカーが、脚部が穴だらけになったヴォルタのACの胴体接続部を穿ち、破壊する。脚部と胴体が分かれ、胴体が氷上に落ちる前にヴォルタは脱出を選択。脱出レバーを引いて射出された直後に622がそれを掴み取ろうと腕を伸ばしてきたが、ギリギリ間に合わず、その手は空を切った。

 

《AC2機の撃破を確認。ミシガン、修理費は俺にまわしておけ。》

《ふざけた遠足にしてくれたな、ウォルター。だが授業料分は引いといてやる。》

 

 戦闘終了。武装を畳んだ621の元に、数箇所が凹んでいるがまだまだ余裕そうな622が歩み寄った。

 

『帰ろっか。』

 

 その言葉に返事を返せないが、コクピット内で621は頷く。その頷きが見えたかのように622はタイミング良くアサルトブーストを使用して空を飛び、621もそれを追いかけるべくアサルトブーストを起動させた。




オリ主(あれぇ?621が初期アセンなのになんで2周目展開になってるの?やっぱりリアル基準だから?とりあえずヴォルタの相手は辛そうだしオレがするか!)

621……見てから回避が余裕でしたと言うオリ主に猛特訓の末、射撃を当てれるようになった化け物。でもまだリニアライフルのような弾速が速いものじゃないと躱される。未だに初期アセンだけどジェネレーターはオリ主のアドバイスで、右手のライフルはオリ主攻略のために変更している。

ヴォルタ……着々と強化されている。多分ブレードで斬りかかっても見ているなら普通にカウンターを入れてくるようになる。オリ主のパイルバンカーを何度も逸らしたが、敢えなく脱出。脱出時に最後まで殺意たっぷりのオリ主に真剣に焦った。

 シミュレーターの622は近接戦闘の練習と射撃を当てる練習にはもってこいだけど射撃兵装が一切ないので撃ち合いの練習にはならないという。
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