真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
イザナミ様が激怒している。
何があったのか分からないけど。
……あの男、不信心ってレベルじゃないだろうし。
相当な事をしたのかもしれない。
……確かめるのはイザナミ様の怒りの火に油を注ぐことになるし。
私は訊きたい気持ちをグッと堪え、考えた。
どうやれば、あの男を倒せるのか。
★★★(五味山葛夫)
ハハハッ!
あの悪魔、相当にブチ切れているな。
霊的な守護を歪めるために、聖域を汚す行為は散々にやってきたし。
やり過ぎて忘れてしまったからな。
正直、何に怒っているのか分らん。
しかし……マーラとイザナミか……
すごい悪魔と契約しているな。
悪魔の格で言えば、俺たち13人と遜色ないレベルだ。
……これは、言っておくか。
「なぁ?」
走りながら俺は問う。
返事は無い。
だが、続ける。
「……俺たちの仲間にならないか?」
勧誘。
強い者を見つけたときはしておくのが基本だ。
女は答えない。
……ふむ。
やっぱり、生け捕りの選択肢は残しておきたいな。
あの女、さっきから魔法は使ってこないから。
ということは、コンピューターと銃器類を取り上げたら、ただの女だ。
抑え込むのは楽勝、という話だ。
女が銃を構えている。
……あれはちょっと警戒すべきだな。
雰囲気で分かる。
俺も修羅場は散々潜ってきているし。
タタタ、という発砲音。
跳躍する。
一瞬前に居た場所に、突き刺さる銃弾。
……すごい腕前だ。
回避行動を取らなければ、確実に当たっていた。
気に入った。
ますます欲しい。
「なあ、俺のものになれ」
言っておく。
まあ、色よい返事はもらえないだろうが。
一応。
「嫌よ!」
……無視かと思ったら、はっきりとした拒絶。
ゾクゾクするじゃないか。
女は、銃を構えるのを止め、銃を投げ捨てた。
……もう弾切れか?
代わりに、鞭を取り出して……
思わず、吹き出しそうになった。
そんなもんが銃器の代わりになるかよ、と。
この瞬間、女は俺にとって脅威ではなくなった。
この2体の大悪魔だけ何とかすればいい。
……そのときだ。
「勇気ッ!」
女が強くそう言い放ったんだ。鞭を振るいながら。
それに関して、俺は
ああ、そういうことか。
……もう、後が無いんだな?
銃器が無くなったから。
だから、後は俺に捕まらないように。
それを真剣に考えないと、終わる。
だから、気合を込めての
勇気、なんだな?
そう、俺は女の発言を分析する。
さて……
悪魔2体の魔法攻撃。
流石に召喚者を巻き込む位置に来れば止むはずだ。
そしてこの位置取り。
突っ込めば、もうあの女は手の中。
俺は、スッと息を吸い
……行くか。
気合を入れた。
地を蹴る。加速する身体。
みるみる縮まっていく間合い。
「しょーかん!」
女が叫んだ。
しょうかん?
それと同時に。
地面に魔法陣が出現し、そこから何かが召喚される。
それは……
幽鬼ポルターガイスト
クソつまらない、ゴミのような悪魔。
新米悪魔使いが練習で仲魔にする屑悪魔。
……どうやって召喚したんだ、とちょっと思ったが。
そのポルターガイストが、俺に向かって突っ込んで来たので
やるのか……?
一応、ハルパーを構えて斬り捨てる用意をした。
したが……
ポルターガイストが突如空中停止。
直角に上空に舞い上がり、俺の視界から消える。
俺はそれを目で追いそうになったが……
女が、鞭を構えて突っ込んで来た!
……あれは目くらましか!?
だが、甘い!
俺の伴侶のひとりに、合気道を極めている女がいるが、この女の体術はそこまで行ってない。
運動音痴というわけではないのだろうが、甘すぎる。
それで俺とやり合おうなんて、百年早い!
こちらからも間合いを詰め、女の腕を押さえる。
そして
そのまま正面から抱きしめるようにして、捕獲する。
「……捕まえた」
女は、悔しそうな顔して俺を見上げている。
色々知恵を絞ったようだが、無駄だったな。
「……もう一度言う。俺のオンナになれ」
「嫌」
屈辱と、肉体的苦しさが入り混じった表情。
……拒否する顔がすげえそそる。
これは……イイな。
屈服させてぇ……
しかし……
……さすがに強情だな。
まあ、この場で強姦してやれば、少しは大人しく……
いや、さすがにそれはまだキツイか?
戦場だしな。こいつの呼び出した悪魔もまだ居るし。
だったら……
などと、色々とこれからを考えていたときだった。
ガシャン!
俺の後頭部に、何かが直撃した。
硬い、何かだ。
同時に、濡れる。
何かが浴びせかけられた。
その瞬間だ。
身体が……痺れ始めた……!
「ウグッ……お、お前……!」
必死で首を捩じって、何がか飛んできた方向を見る。
そちらには、青白い人形みたいな人影……
幽鬼ポルターガイストが存在していた。
あれは……
「さすがに催眠術が効かなくても、薬物は効果あるみたいね」
俺の脱力を見逃さず、俺の腕の中から抜け出した女。
数歩離れて懐から何かを取り出し、口に含み、飲み下す。
「ディスパライズ……予防しなきゃね。悪魔も麻痺するデビルパライズの飛沫を浴びたんだから」
そう言って、女は不敵に笑った。
こ……この女……!
そこで俺はようやく気付いた。
ポルターガイストを突っ込ませたのは、囮の囮だったんだ。
そして自分の突撃も囮。
武器が非殺傷の鞭なら、相手が自分を欲しがっている以上殺されはしない。
おそらくそこまで計算の上での突撃。
本命は……俺の死角からのデビルパライズの投下……!
ちくしょう……女の癖に……女の癖に……!
だんだん痺れが強くなる。
畜生……どうすれば……!
「マーラ! イザナミ様! 衝撃魔法と電撃をお願い!」
女が叫ぶ。
俺から離れながら。
しまった……!
痺れる身体で回避行動を取ろうと試みる俺。
だが……間に合わない……!
「浴びろッ!」
「黒雷じゃ!」
2体の悪魔の魔法攻撃。
それが俺を直撃する。
身体を吹き飛ばす衝撃と、全身を焼き尽くすような黒い電撃。
がぁ……!
そのふたつの衝撃に、俺の身体は打ち流されズタズタになり。
同時に……俺は意識を手放した。
悪鬼必滅!