真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
01:東京の雨は避けたい
★★★(忍)
「六本木って死の街だって、渋谷のテレビで言ってたけど」
真月がサイドカーから俺にそう話しかけてきた。
俺は運転しながら
「……らしいね。あの放送、信憑性は高いから……」
イザナミを召喚して、見張ってもらおうか。
そう、言おうとしたときだった。
ポツ……ポツ……
空からの水滴。
一般で言うところの、雨。
これは……
このサイドカーには屋根が無い。
当然だけど。
なので、雨に降られると非常に困る。
……六本木まではまだ相当掛かりそうだし。
それに、六本木で雨のことを気にする余裕があるのかという問題あるしな。
何せ「死の街」なんて謳われる場所なんだし。
濡れたーとか言ってられないわけで。
……というかさ。
一個、非常に気がかりなことがあった。
死の雨ってあるじゃない? 核兵器が使われた後に、その現場に降る雨の話。
……2年ってどうなんだ? ここ、ICBMが使用されてから、まだたった2年しか経ってないんだぞ?
まぁ、冷静に考えたら。
放射能って、ウイルスでも細菌でも無いから、増えないし増殖しない。
物質だから、拡散してどんどん薄くなる。
つまり、無害になる。
そこは分かってるんだけど。
一応理系の大学通ってたんでね。
……でもさ
ここで、ちらりと真月の腹をみた。
……俺の子供が入ってるかもしれないんだよな。
新宿でかなり濃厚に色々悪いことしたから。
……こういうの、呪いみたいなもんだろ。
そして2年は、呪いが解けるには短すぎる。
迷信だ、ありえん話だと言われようと。
俺は嫁を今の東京の雨に晒したくないんだな。
ものすごい抵抗がある。
……どこか雨宿りができるところは……
必死で回りに視線を投げる。
すると……
少し離れたところに、赤い屋根の建物が見えた。
日本家屋に見える。
日本風のお屋敷。
これは……
ラッキーかもしれない。
俺はそっちにサイドカーのハンドルを切った。
そして、言う。
「あそこの建物で雨宿りして行こう」
「あの赤い屋根の建物……?」
真月がちょっと疑問形の言い方で返答してくる。
何でその程度で寄り道するの?
と言いたげな感じ。
俺はそれに対して
「……東京の雨は気分的に当たらせたくないから」
「誰に?」
「君」
即答の会話。
最後の言葉を発すると、真月はちょっと黙って。
「……どうして?」
……こう、聞いてきた。
どう答える? 俺?
……東京の雨は放射能汚染の呪いがあるから、なんて言ったら彼女の愛を失う可能性なくないか?
あまりにもアホ過ぎる。知性レベルが釣り合わないじゃん、って。
……そう言われると返す言葉が無いんだよなぁ。
自分だけだったら、喜んで雨を浴びるけど。
他人には、特に愛する人にはなかなか別問題だろ。
だったら本当の本音の一番地は避けた方が良いよな。
……だったら
「雨に当てて身体冷やさせたくないの。その……分からない?」
……これだ。
これならどうだ?
すると
……意味が彼女にも伝わったようで。
「うん……」
それきり黙ってしまった。
……顔を少し赤らめながら。
赤い屋根の建物……
道場でしょう