真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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既婚者に手を出すのは人に道に外れます。


05:NTRを狙う女

★★★(忍)

 

 

「何の御用ですか?」

 

 浴室の引き戸越しに声を掛ける。

 すると

 

「……お背中をお流したいんですけど」

 

 ……はぁ?

 

 ちょっと意味が分からない。

 

「えっと、お酒飲まれました?」

 

 とりあえず一番可能性の高いことを言っておく。

 正直意味が全く分からない。

 

 テングたち、悪魔秘蔵の酒でも振舞ってるんだろうか?

 それなら、今日は確実に泊まりだ。

 

「いえ、単に今日、たくさん働かれた佐上さんを労いたくって」

 

 それで背中を流す?

 文脈メチャクチャじゃないのかね。

 

 ……あ~

 

「まあ、とにかくいいです。部屋に戻っていって下さい」

 

 意味不明。

 せっかくいい感じで興奮していたのに。

 

 気分が乗らなくなった。

 

 ……このまま身体洗って、湯船に浸かって出てしまおう。

 

 んで。

 

 身体を石鹸つけたタオルでゴシゴシ洗っていたら。

 

 ガララ

 

 んん~?

 

「……えへへ」

 

 声だけ、聞こえる。

 留井さんだ。

 

 ……ちょっと、イラっとする。

 何? これ?

 

 女なら何やってもいいと思ってるわけ?

 こういうの、マジで腹立つ。

 

 ……さすがに殴るまではいかないけど。

 イライラするわ。

 

「……惚れ惚れする肉体美ですね。奥さんが羨ましいです」

 

「それはどうも……」

 

 嫌悪感。

 何? こいつ。

 

「……背中を流していいですか?」

 

「ダメです」

 

 拒否する。

 ふざけんな。

 

 すると

 

「……なんでですか? このくらいなら浮気にならないですよ。身体に触れるくらい。男性なんですから」

 

 声に悲しみがあった。

 何で許してくれないの? という。

 

 決めつけんな。

 このクソ女。

 

「俺はそういう価値観で生きてませんので」

 

 こういうのは曖昧が一番良くないハズ。

 それに。

 

 どうせ、この館を出たらサヨナラする関係だ。

 険悪になったって構うもんか。

 

 この女より、俺は嫁の方が大事なんだよ。

 この女が俺にどういう感情を持っていようと、知ったこっちゃない。

 俺が一生を保証して、ともに歩くと決めた女は一人しかいないんだから。

 

「……そうですか」

 

 そう、言い残し。

 

 クソ女は出て行った。

 ピシャン、という引き戸を閉める音だけを残して。

 

 ……生まれて初めて、心底嫌悪する女ってやつに生で出会ったわ。

 最悪な気分で、俺は身体を洗い、湯船に入り、風呂を出た。

 

 

 

「お食事も用意できております」

 

 ……ここまでしてもらうと、流石に悪い気がするな。

 

「ありがとう」

 

 配膳してくれるヤクシニーに、俺と真月は頭を下げた。

 ちなみに。

 

 風呂を出てから、俺はあのクソ女とは一言も口を利いていない。

 嫌悪感がすごいのと。

 仲を修復する意味が無いのと。

 ……それをすることが、嫁への侮辱に繋がると思ったためだ。

 

 あの女は真月の夫である俺に手を出そうとした。

 つまり、俺の嫁が自分より下位の存在であると身体で意思表示したんだ。

 

 ……ふざけやがって。

 

 絶対に許さない。

 そういう気持ちで俺はいっぱいだった。

 

 ……だけど。

 

 かといって、喧嘩を吹っ掛けるのは無いし。

 真月に風呂場であったことを報告する気もない。

 

 どっちも自分が気持ちいいだけの行為だからだ。

 風呂場では何もされなかったんだし。

 話しても真月の機嫌が悪くなるだけ。

 意味がない。

 

「あ、これ美味しい」

 

 隣で嫁が煮物の味をそう品評していた。

 メニューは仏教の神様の館だけあって、和食で。

 嫁は美味しい美味しいと言っている。

 

 幸せそうで何より。

 

 ……俺は味がちょっと分からなかったけどな。

 イライラし過ぎてて。

 

 

 

 その晩。

 何故か俺は、寝床の場所を嫁と一緒ではなく。

 一人寝にさせられた。

 

 真月が

 

「夫婦の寝室は一緒なのが宇宙の真理です!」

 

 って言って、えらく抗議してたが。

 布団の収納場所の関係で、3部屋に分けないと色々面倒だそうで。

 仕方なく、今夜は3部屋で。

 俺と真月は別の部屋で寝ることになった。

 

 ……いつぶりなのかね?

 だいぶずっと、同じ寝室で寝てきたからなぁ。

 

 ガラ吉さんのところでは別の部屋だったけどさ。

 家主の手前。

 

 ……6か月ぶり?

 いや、もう少し短いのかな?

 

 ……まぁ、いいや。

 まだイライラしてるけど、寝たらマシになるだろ。

 一晩寝てまだイラつくって、相当なもんだと思うし。

 さすがに、ね……

 

 おやすみ……

 

 寝具の上で、俺は目を閉じた。

 

 

✭★★(留井明日香)

 

 

 さて……

 若いのに予想外に身持ちの硬い男だけど。

 

 最終手段を使えばまあ、問題なく堕ちるわね。

 私は自分の姿を確認する。

 

 ……下着姿だ。

 少し考えたが、本格的な性行為を意識した衣装にするより、こっちの方が良いだろう。

 

 白いブラとショーツ。

 清潔感もあるし、そそるはず。

 

 ……風呂場であの男の嫁の裸を見たが。

 まあ、綺麗な方ではある。それは間違いない。

 だけど……

 

 ……私と比較すると、あの女は幼児だ。

 勝負になど、なるものか。

 

 私はそっと自分の寝室から抜け出し、あの男の部屋に向かった。

 

 場所は覚えている。

 伊達に長く生きてない。

 

 闇の中、特に問題も感じずに部屋に着いた。

 

 部屋は引き戸。

 襖だ。

 

 当然、鍵は無い。

 開けた。

 

 ……中で、あの男が寝息を立てていた。

 健康そうな男だから、寝つきが良いのか。

 

 さて……

 

 このまま、襲ってしまって本当の女の味を見せつけるのもいいのだけど。

 念には念を入れた方が良いわね。

 

 ……魅了魔法のマリンカリンを使用しよう。

 それも、サイコダイブを伴った、私の強力なマリンカリン。

 一生解けないレベルの強烈な魅了だ。

 

 そのためにも……

 

 私はこの場で、一度真の姿に戻ることにした。

 

 この、黒髪の美しい女の姿から……

 

 背中に純白の翼を生やし、角の生えた仮面を被った、全裸の美女の姿に。

 

 ……魔王アスタルテ。それが私の本当の名前。

 仕えた召喚士を倒され、契約書を破棄されたせいで契約を帳消しにされた。

 魔王として耐えがたい屈辱だ。一度結んだ契約を遂行できないとは。

 

 ……だから。

 

 あの女の、自分の男との仲を破壊してやろうと思ったのだ。

 それが、私の報復。

 

 ずいぶん意思の硬い男のようだけど。

 私の本気の魔力の前に、それがもつわけがない。

 

 ……思い知れ!

 

「佐上忍! 我が虜となれ!」

 

 宣言と同時に魔法が発動し。

 私の精神が、佐上忍の精神と接続された……。




どうなる!? 主人公!?
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