真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
「なあ」
鴨志田という男性を見送った後だった。
夫が、こんなことを言い出した。
「あの人さ、この街の支配者に取り次いでもらうためにヒランヤを買って来た、あの子のために、って言ってたよな?」
うん。言ってた。
私は頷いた。
「……ここ、糸口だよな。そのあの子って言うの、この街の支配者たちの養女のことなんじゃないのか?」
……確かにその可能性高いね。
私は頷く。
「じゃあさ……」
夫は言った。
「その養女にどうやったら接触できるかを調べてみよう」
……そうだね!
「支配者たちの養女? アリスちゃんのこと?」
「アリスちゃんなら、ディスコの外でよく遊んでるわよ。ゲームセンターによく居るらしいよ」
ゲームセンターか……。
多分、復興したばかりの街だから、ゲームセンターは何軒も無いと思うんだよね。
多分、大きなのが一個あるだけなんじゃないかな。
じゃあ、そのゲームセンターがどこにあるのかを訊くべきか。
そして、ゲームセンターの場所を聞き込みしているときだった。
「あ、そっち行くのはよした方が」
奥に進もうとしたとき、いきなり止められた。
何故に?
そしたら
「そこの先に、悪魔のせいで他人を罵倒して傷つけずにはいられなくなった可哀想な子を隔離してるの。行かない方がいいよ。何を言われるか分からないし」
……この先に、他害性癖を持ってしまうに至った不幸な子を隔離している?
それはそれは……面白そうだ。
心配そうに言ってくれるのは嬉しいけど。
情報が少しでも欲しい私たちにとっては、魅力でしかない。
「行くか?」
夫が言った。
もちろん!
忠告を無視して、先に進む。
奥に牢屋があった。
そこに……
青色の髪をした、ショートカットの女の子が居た。
一見、ミキサヤカーって感じだ。
着ている服は、ボディコン。
赤いボディコンだ。
えっと……
「これ、屍鬼ボディコニアンだよね?」
夫が言った。
うん。そうだね……
東北で散々殺してきた、ボディコニアンだ。
すると、そのボディコニアンが口を開いた。
「……誰?」
ん?
私は、何か違和感を感じてしまった。
このボディコニアン、ちょっと違う気がする。
なんていうの……?
人の心が残っているような……?
「あなた、精神を病んでるって聞いてたけど、どうなのかな?」
……この言い方いいのかなぁ?
ちょっと、不安になりながら聞いてみた。
すると
「……私は何も問題ない。頭がおかしいと言えば、その通りだけど」
えっと……?
すると、彼女は三角座りだったんだけど。
ゆらり、と立ち上がって。
こう言ったんだ。
「私、死人です」
……うん、そうだよね。
どうみてもボディコニアンだし。
「どういうこと?」
そう、返したら。
「……この街にいる住人は全員死人。そう見えないかもしれないけど」
衝撃の発言が返って来た。
え……?
じゃあ、あの人も、あの人も、あの人も。
全員、ゾンビだったって言うことなの?
そこまでは想像してなかった。
だって、死体に見えなかったんだから。
「……どういうことなのかな?」
何故、そういう状況なのか。
それを知りたかった。
すると
「……この街は、魔王ベリアルと堕天使ネビロスの力で作られた街。ネビロスの力で蘇った死人を、ベリアルがその見た目を魔力で操っている。だから……」
この街の死人はゾンビなのに、生者と見分けがつかない。
私もその一人だった。
でも、私は生前の記憶が強すぎて、前世を忘れられなかったから、ネビロスの魔法もベリアルの魔法も完全には掛からなかった。
そのせいでこの2体の悪魔たちは私の扱いに困り、こうして幽閉している、と。
……私は可哀想になった。
「待ってて。この程度の牢屋なら破れる仲魔がちゃんといるから」
私はアームターミナルを起動させて、悪魔召喚を行おうとした。
だが
「待って」
……止められてしまった。
「……私は自分の意思はあるとはいえ、ボディコニアンなの。……ボディコニアンの主食は何?」
あ……
私はそこに思い当たる。
すると……この人は、あれなのか。
「……外に出ると人間の肉を求めてしまう。だから幽閉して欲しいの。私、そこまで堕ちたくない……!」
言って、さめざめと泣いていた。
そっか……
大変だね。
ボディコニアンの定義って何なんだ一体。