真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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バトル開始!


10:魔王の涙

★★★(ベリアル)

 

 

 ネビロスは我に六本木で待っていてくれと言ってはいたが。

 到底、同意はできなかった。

 

 アリスが攫われたのだ。

 

 アリスは六本木の外では生きていけない。

 だから、じっと待っていることなど出来るはずがない。

 

 我はアリスの絶対の守護者になるために、六本木から出ない限り誰にも倒されないという魔術を自分に掛けた。

 そのお陰で、そこが六本木であるならば、攻めてきたのが大天使ミカエルであろうと、ルシファー様であろうと、退けて見せる自信があった。

 しかし。

 

 そこが六本木でないのであれば、私の力はガクンと落ちる。

 それを今、実感していた。

 

 それでも。

 たかが人間のひとりやふたり、捻り潰すのにフルパワーである必要などない。

 これで十分だ。

 

 そう思っていたのだが。

 

 ……こいつ、これを計算に入れて、あえてこの状況を作った。

 

 我はこの、人間の女にそういう感想を持っていた。

 

 何故なら。

 

 こいつらの先回りをするために、ネビロスが結界を解除し。

 地下道を使うとそれなりに時間がかかる距離を、我らがひと飛びでやってきたことを、こいつは全く驚いてなかった。

 怯えていなかったのだ。

 

 そりゃこうなるだろう。当然想定していた。

 そういう顔だったのだ。

 

 それに気づいた瞬間。

 私は、とてつもない恐怖を感じはじめていた。

 

 ……我らは、とんでもない者を相手にしているのかもしれない。

 そういう、予感めいた感想持ったがために。

 

 そして

 

「あなたたちを、排除するッ!」

 

 女はそう吠えて、アームターミナルを操作した。

 それと同時だった。

 

 地面にひときわ大きな魔法陣が出現し、我と同じく4メートル級の大きな悪魔が召喚される。

 ……男性器に似た緑色の異形の魔王。

 

 あれは……

 

 魔王マーラ……!

 

 あの女、一体なんでそんな大悪魔と契約を結んでいるのだ!?

 

「ヌァーハッハッハッハ! 真月召喚士今日は何用じゃ!?」

 

 マーラの叫び。

 それに対して、あの女は……

 

 隣で、事態が呑み込めずにいるアリスを。

 

 ……マーラに向かって、突き飛ばした!

 

 あ……

 

 ああああああああああ!!?

 

 

★★★(アリス)

 

 

 階段を登ったら、赤おじさんと黒おじさんがいて。

 いきなり、おねえちゃんと喧嘩をはじめてしまった。

 

 ……どういうことなんだろう?

 おねえちゃん、赤おじさんと黒おじさんが嫌いなのかな?

 

 私は……どうしたらいいんだろう?

 

 そう、色々と迷っていたら。

 

「あなたたちを、排除するッ!」

 

 そう、おねえちゃんが言って

 

 次の瞬間。

 

 巨大な、緑色のキモチワルイお化けが現れたんだ。

 

 動けなくなった。

 どうしたらいいか分からなくなって。

 

 そんなときだ。

 

 私はおねえちゃんに、ドンッ、ってされた。

 

 ……あの緑色のお化けに向かって。

 

 

★★★(フツコ)

 

 

 そこから先は一瞬だった。

 

 私の主の真月様が、アリスを緑色のオ〇ンチン悪魔に突き飛ばした後。

 

「アリスゥゥゥッ!」

 

「貴様よくもぉぉぉぉっ!」

 

 2体の悪魔が逆上。

 突っ込んで来た。

 

 それを

 

「マーラ! 衝撃魔法! イザナミ様! 電撃を!」

 

 全く怯えもしないで、冷静に指示を出し

 

「承知!」

 

「了解じゃ!」

 

 マーラと呼ばれた異形は、触手の先をあの2体に向け。

 イザナミもその掌を2体の悪魔に向けた。

 

 そして

 

「吹き飛べ!」

 

「黒雷じゃ!」

 

 マーラからは強力な衝撃波。

 イザナミからは真っ黒い雷が迸る。

 

「ギャアアアアアア!」

 

 それらが直撃し、2体の悪魔がその感電と衝撃で停止する。

 

 それだけでは終わらない。

 

 イザナミが真の姿を現したのだ。

 幼女の姿から、身長10メートルを超える、腕が何本もある巨大な赤黒い骸骨に。

 

 その姿で、イザナミは腕を振り回す。

 その腕は、悉くが黒く帯電をしていた。

 帯電した腕が、ベリアルとネビロスを直撃する。

 

 それぞれが、吹き飛ぶ。

 

 そして

 

 倒れ伏したネビロスに、魔王マーラの触手が伸びて。

 

 その触手で、ネビロスの手足を拘束した。

 暴れるネビロス。

 

 そこに

 

 これまでの間に、真月様は手を打っていた。

 霊鳥アルゴスを引っ込め、代わりに妖魔ヴァルキリーを召喚していたのだ。

 

 拘束されたネビロスに、妖魔ヴァルキリーが剣を構えて突っ込んでくる。

 腰だめに剣を構えた、突きの姿勢で。

 

 そして。

 

 その剣が、ネビロスの胴体を貫いた。

 

「ウギャアアアアアア!!」

 

 決定的な悲鳴。

 

 そのまま

 

「あ……アリスはどうなってしまうのだ……」

 

 その言葉を残し、彼はマグネタイトに還っていった。

 

「……ネ、ネビロス……」

 

 ダメージから回復しきれないベリアル。

 

 そこに追い打ちで、魔王マーラからの衝撃魔法の雨が降り注ぐ。

 木の葉のように翻弄されるベリアルの身体。

 

 大ダメージを負い、仰向けに転がる。

 その4メートルはある、巨体。

 

「今日を持って死の街六本木は終了よ」

 

 無表情でそう、真月様は仰られた。

 

 そう、口にしながら。

 真月様が歩いてくる。

 

 肩に掛けている、御愛用の銃を構えながら。

 

 ベリアルが、最後の力を振り絞っているのか、その手を真月様に向けてきた。

 

 だが

 

 地面から無数の細い腕が生えてきて、そんなベリアルの腕や足、胴体に巻き付いて。

 

 全身拘束され、身動きが取れなくされる。

 吊り上げられる4メートルの巨体。

 

「ぐうううううううう!! お、おのえええええ!!」

 

 抗おうと暴れるが、もうそんな体力は残っていないのか。

 とうとう……

 

「ぐ、ぐううううううう……!」

 

 ベリアルの目から、涙が零れはじめた。

 

 そんな彼に

 

「いい格好ね。これまで沢山の人々の命を奪い、ゾンビを作って来た報いを受けるときが来たのね」

 

 真月様の冷たい言葉が飛ぶ。

 それにベリアルは

 

「愛する者のために尽くすのがいけないというのか……?」

 

 そう、訴えたけど

 

「悪魔の分際で愛を語るのやめてくれる?」

 

 全く表情を変えない真月様に

 

「イザナミ様、こいつの頭の位置が高いので下げていただけますか?」

 

「了解じゃ。これで良いかの?」

 

 ぐぐぐ、と。

 頭の位置を下げられて。

 

 真月様のすぐそばに、ベリアルの頭が来るように固定された。

 

「我らは愛を語ってはいけないと言うのか!?」

 

 処刑秒読みであるにも関わらず、ベリアルは吼えた。

 吼えたけど。

 

「ええ、そうよ」

 

 真月様は全く動揺せず、自分の銃の具合を確認する。

 

「何故だ!?」

 

 最期の言葉。

 真月様はそれに答えず。

 

 ベリアルの口の中に、銃の筒先を突っ込んだ。

 そして

 

「そんなの決まってるじゃない」

 

 そして、こう言ったんだ。

 とても、綺麗で透明な笑みを浮かべながら

 

「あなたたちが悪魔だから。それ以上に理由は要らないわね」

 

 そして引き金を引き。

 

 ベリアルの後頭部から、血飛沫が飛んだ。

 

 六本木を支配した魔王の、あまりにも惨めな最期だった。




NEUTRAL-NEUTRAL(ヒロインの属性)
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