真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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六本木の悪魔たちを討伐して


11:私の契約主の話

★★★(フツコ)

 

 

 ヤッバ!

 

 私の契約主の真月様、ヤッバ!

 

 ……たった1人で、ネビロスとベリアルを抹殺した!

 ほぼ無傷で! 一方的に!

 

 これは戦闘じゃない! ただの処刑だ!

 

 ……私は、ベリアルの頭を撃ち抜いた後、マグネタイトに還っていくその姿に一瞥もくれないで、泣いているアリスに向かって歩いていく真月様に、畏れに似た感情を込めた視線を送り続けた。

 

 真月様はアリスの傍まで歩いていき、そこで立ち止まった。

 

 アリスは、泣いていた。泣きじゃくっていた。

 

「赤おじさんと、黒おじさんが! ウエエエエーン!!」

 

 ……どうやら、ベリアルとネビロスを処刑されたことを悲しんでいるらしい。

 これまで、六本木を訪れた人々を騙して魂を奪い、ゾンビにして街の住人にしてきた2体の悪魔に、アリスも愛情を持っていたということなのか。

 

 真月様の仲魔になったとき、私はアリスの遊び相手を務めていた時代に得た、この六本木の情報は全てお伝えしている。

 だから、私の主の真月様は全てご存じなのだ。

 

 ……そんな真月様は、このアリスの涙をどう見るんだろうか?

 

「……何を悲しんでいるの? 死ねばずっと一緒にいられるんでしょう?」

 

 全く慰めず、謝らず、ただアリス自らが主張していたことをそのままお伝えになった。

 

 その言葉に、アリスがキッと睨むように顔を上げた。

 それに対して

 

「……何を怒っているの? あなたたちが今まで他人に対してやってきたことでしょう?」

 

「おねえちゃんは友達だと思ってたのに!」

 

 アリスの怒声。

 だが、真月様は

 

「だから、これがあなたたちの友達への流儀なんでしょ?」

 

 全く表情を変えないで、そんな言葉を叩きつけた。

 ここで、アリスの表情が変わった。

 

 絶句、文字通り、そういう表情になった。

 

「私の仲魔になったフツコから、全部聞いているわよ。六本木を訪れた普通の人をあなたの友達にするために殺し、死体はゾンビに、魂はあなたの活力と街を運営するエネルギーに転換していた、ってことをね」

 

 真月様は止まらない。

 

「それがあなたの友達に対する流儀なら、友達の親代わりの存在に、同じ流儀で対応して何か問題あるの? ホラ、答えてみなさいよ? ベリアルとネビロスだけは別なんだ、っていう意味不明の甘えの極みみたいなふざけた回答以外で」

 

 ……真月様は幼女に対して全く容赦されなかった。

 アリスは、言葉が出なくなり、震えていた……

 

 そして

 

「ウエエエエエエーン!! 酷い! 許せない!」

 

 何も言えなくなり、泣くしかできなくなった。

 

「泣けば許されると思ったら大間違いよ」

 

 そんなアリスに、真月様は冷たい。

 そして……

 

 アリスの身体から、光の粒子が立ち上りはじめた。

 

 ……これは……?

 

 アリスも、その出来事に、涙が止まる。

 

「……やはりそうなるのね。あなたの命は、ネビロスとベリアルの命と連動していたのか」

 

 そして、それを見つめていた真月様は冷静だった。

 

「え……え……?」

 

 ただのゾンビなら、活力として他人の魂のエネルギーを要求されたりしない。

 現に、私がそうだ。

 私はその存在の存続に、他人の魂なんて必要としない。

 

 アリスはそうでないのだから、むしろこうなるのが自然なのかもしれない。

 

「あなたは消えるのよ。可哀想だけど」

 

 ……可哀想だ、がつくだけマシかもしれない。

 真月様としては。

 

 アリスの身体から立ち上る光の粒子は増えていく。

 同時に、どんどん、アリスの身体が透けていくように薄くなる。

 

 自らの手を見つめながら、アリスはそれを思い知っていく。

 

「やだ……怖い……助けて……赤おじさん……黒おじさん……!」

 

 声が震えている。

 アリスの恐怖……それが感じ取れる。

 

 そんなアリスに真月様は

 

「あなたに友達にされた人たちも、きっと同じように怖かったはずよ」

 

 全く同情せずに

 

「さよならアリス。……私のお友達」

 

 そう、言い放った。

 真月様のそのお言葉は

 

「……お前なんか」

 

 怒りの表情を浮かべた、アリスの顔を上げさせ、そして

 

「友達じゃない!」

 

 立ち上がらせ、拳を振り上げさせて

 

 殴りかからせた。

 

 真月様は……

 その拳を見切って躱された

 

 ……後で聞いたら「空手家の妻をしてるのに、素人以下のゴミパンチを喰らってたら沽券に関わるわ」なんて仰ってたんだよね。

 

「そう、残念」

 

 そう仰りながら、躱され続けた。

 そして

 

「うあああああああ!」

 

 アリスの輪郭は薄くなり続け。

 最後の一撃を放った後、弾けるように光の粒子を撒いて。

 

 ……消え去った。

 

 ついに一撃も真月様に入れることができないまま。

 

 真月様は

 

「……」

 

 しばらく無言で立ち尽くされて。

 そして

 

 アームターミナルで不要な仲魔を帰還させ。

 必要な仲魔を呼び直し。

 

「真月!」

 

 地下鉄から。

 真月様の旦那様が、仮面ライダーのお姿で現れたときには。

 

「……終わったよ。忍」

 

 何でもないみたいな、普通の顔で。

 夫をお迎えになって、微笑まれていた。

 

 ……私はそんな真月様に王者の風格を感じたのだった。




気高く尊く咲いて散る魂。
正しいから、死なない。
(現人鬼か)
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