真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
スティーブンさんのおつかいの依頼を受けた俺たちは。
警視庁へのルートについて、地図を貰った。
で、見て思ったんだけどさ。
……一回銀座にまで行かないと行けないじゃん。
警視庁。
警視庁でおつかいを終えた後、またここまで戻って来るのか?
……それはちょっと、骨だろ。
だったら……
「すみません、スティーブンさん」
「……なんだい?」
手を挙げた。
ちょっと、これは訊いておきたい。
「この先銀座に行くご予定は?」
すると
「……無いこともないけど。ちょっとラグの店に宝石を持っていきたいからね」
おお……
これはこれは、俺たちに好都合。
……提案してみるしか無いな。
「先に銀座に行ってもらえませんかね? 俺らはこのご依頼の案件を終えたら、銀座の方に元々用があったんで」
「……なるほど」
スティーブンさん、頭の中で色々と予定の組み換えでも行っているのだろうか?
しばし黙って、考え込んで
「……分かった。銀座のラグの店の近くの喫茶店で君らの帰りを待つとするよ」
……ありがとうございます。
こちらの要求したことを受け入れて貰えたんだ。
俺は頭を下げる。
真月もそれに習う。
お礼は言わないとな。
「……だいぶ歩いたよね。かなりしんどかったよ」
で。
俺らは貰った地図を頼りに、銀座まで地下鉄を踏破して。
そこから地上に出て、今、警視庁の前にいる。
真月は元々体力が無い方じゃないけど。
日々ロードワークしてた俺よりは、体力は無いわけで。
俺基準になってないかと不安になったけど、なんとか付いてきてくれた。
「……休憩しようか?」
ムチャさせたくないし。
そう、提案。
すると
「いや、そこまでじゃないから」
辞退してきた。
そっか。
ちょっと不安だけど、本人が良いって言ってるんだし。
じゃあ、行ってみるか。
中は静まり返っていた。
当然だけど。
……誰も居ないんだし。
入口のところ、本来はカードか何かを提示しないと通れないようになってたことが伺える機械が設置されてる。
まあ、こんなもの今は何の役にも立たないので、無視するだけなんだけど。
奥の方には受付みたいなもんがあって、総合相談センターだとか、情報公開センターだとかが書いてる表示があった。
……もう、何の意味もない表示類。
「最上階って何階なのかな?」
入口の機械を二人で乗り越えて。
1階のエントランスに入り込んだ。
内部を見回し。
見つける。
『フロア案内』
それによると……
「最上階は17階だな。……メインコンピュータールームなんて書いて無いけど」
「んー」
そう。
スティーブンさんの依頼は、メインコンピューターからメモリーボードを持ってきて欲しい、ってものだった。
でも、書いてない。
……これは……?
「……ちょっと、想像で喋るね? いい?」
ちょっと悩んでると。
横で真月が、俺の嫁さんが意見を述べてくる。
……聞くしかない。
すると、嫁さん曰く
「……メインコンピュータールームなんて、こんな誰でも見れる一般表示の案内板に書いてどうするの? って思わない?」
あ……
そりゃそうだな。
納得せざるを得ないわ。
俺も想像で喋るけど、暴力団から押収した覚醒剤の類、警視庁で保管してても別に不思議じゃないけどさ。
それをこういう、誰でも見れる案内板に「押収覚醒剤保管所」なんて書くか? って話なのよ。
ありえんよな。誰に案内するのよ。
犯罪者が喜ぶだけじゃん。
普通の人は押収覚醒剤に用事があったりしないんだし。
それと同じで、警視庁のメインコンピュータールームも重要な情報だろうし。
普通はそういう表示はしないだろう。それが自然な発想だと思う。
「さすが真月」
そう言ったら、手を振りながら「いえいえ」と返される。
うむ。
「電気は止まってるかもしれないし、仮に止まってなくてもエレベーターは色々不安だから、階段で17階まで上がってみようか」
嫁さんからの提案。
俺もそれは同意見だし、異議は無い。
けど
俺の手を引っ張って、階段を探そうとする彼女を、俺は両手でひょいと抱き上げる。
彼女は、真月は最初キョトンとした表情で
「えっと……これは?」
ちょっと理解できない、という顔で俺に抱えられる彼女。
所謂お姫様抱っこだ。
そこで俺は言う。
「……階段を素で17階も上がったら、君の身体に影響出るかもしれんよね」
なんか忘れてるようだから言っておくけど。
俺らRTAしてんだからな?
君が言い出したんだぞ? 俺も同調したけど。
5週間で東京を制覇して使命を果たそう、って。
あの日、新宿で二人で散々悪いことをやったときに。
「君の身体は君だけのもんじゃないかもしれないんだけど」
そう言ってあげたら、俺の意図するところが伝わったのか。
顔を真っ赤にして黙ってしまった。
……やっぱ可愛いよな。俺の嫁さん。
実際のゲームでは最上階5階なのよね。