真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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造魔に剣術を教える


05:人型戦車の苦悩

★★★(真月)

 

 

 道場にやってきた。

 

 多分、柔道をやるためなんだろうけど、畳敷きの部分がある。

 そして、剣道用なのか、板間の部分も。

 

 忍がアイギスを連れてやってきたのは、当然板間スペース。

 

「じゃあさ、この木刀でやってみようか」

 

 言って、アイギスに木刀を持たせて、相手の喉元に切っ先を向ける中段の構えを取らせた。

 

 ……まず、基本という事で、正眼の構えから教えるみたい。

 まあ、基本だよね。私でも知ってるもの。

 

 構えにおける気をつけるポイントを、メッチャ詳しく話してる。

 ……将来的に素手で倒す予定の相手が振るう技だから、よく知ってるんだよね。

 実際、所謂達人と呼ばれる人の動きなんかも見て、学んでるわけだしさ。

 

「今はこれだけ覚えておけばいいけど、この構えも変化があるからね?」

 

 ……どうしよう。

 なんだかちょっと、ムカついてきた。

 いや、理不尽なのは分かってるんだけど。

 

 懇切丁寧に夫がアイギスに、正眼の構えについて教えている姿を見て、イライラ。

 ……この感情の正体は分かってるんだ。これは嫉妬。

 夫には別にそんな、浮気の意思なんて欠片も無いのは理解してるんだけど。

 別にあの子巨乳じゃないし、人間でも無いし。

 それでも、なんというか、構図的に面白くない。

 

 構えを一通り教えたら、今度は剣を振る方法を教えている。

 

 まずは素振りをさせてて。

 そしたら

 

「真月、すまないけど、妖魔ヴァルキリーを呼んでくれないか?」

 

 ……夫に呼ばれてしまった。

 まあ、何をさせたいのかは大体分かる。

 

「……分かった。ちょっと待ってて」

 

 すばやくアームターミナルに指を滑らせて。

 

『妖魔召喚』

 

 黒い甲冑の翼ある乙女……妖魔ヴァルキリーを召喚した。

 

 夫はヴァルキリーに

 

「この子の切り返しに付き合ってあげてくれ」

 

 と言い、それを受けて

 

「承知しました」

 

 ヴァルキリーはそう答え、同じように木刀を持ってアイギスと対峙する。

 

 で、アイギスの打ち込みを、カンカンカンと木刀で受け止め、切り返しを受けて応えた。

 

「……なんかすごく呑み込みが早いね。君」

 

 夫はアイギスの剣捌きを見て感心していた。

 アイギスはそれに

 

「私、元々人型戦車……アンドロイドであります。覚えるのは非常に得意であります」

 

 そう、打ち込みをしながら答えたのだった。

 

 

★★★(アイギス)

 

 

 私の名前はアイギス。

 今の正式名称はガルガンチュア・アイギス。

 元々は人型戦車。アンドロイドであります。

 

 最初は自衛隊の基地で「悪魔使いのテロリスト、侵略軍対策」として開発された、最新鋭のメカでありました。

 そしてメカでありながら、兵装として魔法を搭載することを目的とし、私には疑似的な人の心のようなものを与えられたのです。

 その心の訓練という事で、私はとある学生寮に預けられたでありますが……それが私にとって最悪でありました。

 

 そこに居た、どうでも良いが口癖の、線の細い中性的な美少年。

 

 その名も水木君に、私は堕とされてしまったのであります。

 メカなのに。

 

 そこで散々弄ばれた上、最終的に「やっぱ孕まないヒロインはつまらないな。どうでも良い」と言われ、私は捨てられたのであります。

 とても悔しかったであります。

 悔しくて悔しくて。

 自衛隊に「アイギスは本日付で自衛隊を辞めて自分探しの旅に出るであります」と電話連絡を入れたでありますが。

 

『いや、お前自衛隊の備品だから! 備品が何勝手に自衛隊を辞めるとか言うのよ!?』

 

 自衛隊まで私をモノ扱い……

 

 絶望した私は何もかも捨てて、逃げ出したであります。

 

 そして逃亡先で、人造悪魔「造魔」の研究をしていた天才科学者ドクター・スリル様に出会ったのであります。

 

 私が一人河原で「何で私はマシンでありますかー!?」と嘆いていたら

 

「アンタ自分が機械なんがそんなに悲しいんか? だったら限りなく生き物に近い存在になる方法あるで?」

 

 と言われ。お話を聞いたであります。

 

 曰く「ドリー・カドモンと合体して造魔になれば、機械の身体を辞められる。人間と交配して孕むことも可」ということでした。

 

 それで「なるほどなー」と理解した私は、その日の晩にすぐさまドリー・カドモンとの2身合体に臨んだであります。

 それで念願の孕む身体を手に入れたのでありますが、マシンだったときに持っていた

 マシンガン、バルカン砲、ロケットランチャー等の、近代兵装を失ってしまったのです。

 

 急遽、新しい戦闘手段を構築する必要がありました。

 私は元々人型戦車なのでありますから……。

 

「呑み込みが良いな。じゃあ、次はこの構えと、そこから派生する技を覚えようか」

 

 ……そんな私に、こんな先生が現れてくれたことは、本当に感謝であります。

 こうして正統派の剣術の指導を受けることが出来、私は人型戦車としての自分の存在意義を取り戻すことが出来たのです。

 

 佐上忍先生。

 本当にありがとうございます。

 

 私は、このガルガンチュア・アイギスは、今とても充実して幸せであります。




この世界線でのアイギスは自衛隊製。
アイギスの口調は「~であります」の方が良いと思うのよ。
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