真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

127 / 211
そして指導


06:修行の完成

★★★(真月)

 

 

 正眼の構えを教えた後に、夫は他の構え……八相だとか、脇構え、なんかを教えていく。

 

「佐上先生質問であります」

 

 正座して、黙って説明を聞いていたアイギスが手を挙げる。

 

「何かな?」

 

「八相の構えは、剣士が疲労しづらい以外に何か特徴があるでありますか?」

 

 まるっきし教師と生徒の関係だ。

 

「上段からの斬撃がすぐ出るね。つまり、敵の急な動きに対応しやすい。それはどういうことかというと……」

 

 ……自分が斬り付けられる側なのに、というか、そうさせないために、普通に剣道をやってる人よりも剣術に詳しいのよね。

 この人。

 

 ちょっと、誇らしくなってしまった。

 私の夫はこんなにも優秀なんだぞ、みたいな。

 

 ……ううむ、こういうの、不健全なんだろうか?

 

 概ね、スムーズに技の伝授が進んでいく。

 夫は多分教え方が上手い。

 夫自身は剣士では無いけど、剣士と戦うために、剣の知識は並の剣士よりもあるんじゃないのかな。

 そしてアイギスは、おそらく生徒として優秀なんだろう。

 

 でも

 

「多人数の敵と対峙するときには使いにくいけど、1対1のときの選択肢としては充分実用的なので、居合も教えておく」

 

「居合でありますか。それは所謂、抜いた斬撃がものすごく速いという、アレでありますね?」

 

 これを言われたとき、夫の表情が少し震えた。

 

「……それは漫画の中だけの話だから、二度と口にしないように。いいな、絶対だぞ」

 

「はいであります」

 

 ……あ。

 正しい知識があるせいで、間違った知識をしたり顔で語られるとイラついてしまう、アレだ。

 彼の表情の変化でそれを私は読み取ってしまった。

 

 私も学生時代に、夫相手に空手の話題をしてイラつかせないように、色々な空手の本は読んだもんだけど。

 やっぱ自分でやってみないと分からない部分ってあるのよね。

 結局、読みはしたけどあまり意味はなかったような気がする。

 夫をイラつかせるのが怖くて、自分からは話を振ることが出来なかった。

 空手自体はちょっとだけ教えてもらったことあるけど、それで同列に並べたなんてとても口にはできないし。

 

 ……また、青春を思い出してしまった。

 

 

 

 そして2日くらい、夫とアイギスの剣術の技伝授の日々が続いたんだけど。

 最終日には、色々な流派の技の性質について学んだ結果

 

 彼女は特に示現流に興味を示して

 

 道場を離れて、警視庁ビルの外。

 

 アイギスの手には、木刀ではなく、ドクター・スリル秘蔵の合体剣「夢想正宗」が握られていて。

 

 目の前には

 

「キサマ、人間カ……?」

 

 身長5メートルに達しそうな巨大な鬼。

 単眼の一角鬼。

 

 邪鬼サイクロプス。

 

 肌の色は青銅の色で、一つ目に牙を生やした恐ろしい姿。

 

 ……試し切りにうってつけ。

 近隣を徘徊する悪魔で、一番強そうなやつをチョイスした。

 

「いくであります」

 

 アイギスは八相に剣を構えて。

 

「タルカジャであります!」

 

 言って、魔法発動。

 この内容の発声は、確か筋力増強魔法だったはず。

 

 魔法が発動し、アイギスの身体が赤く発光する。

 

「逃ガサヌ!」

 

 そこに、サイクロプスが両手を翳して、電撃の範囲魔法を放って来た。

 稲光がアイギスに殺到するが、アイギスは動じず……

 

 跳躍した。

 筋力増強魔法を掛けたおかげか。高く、高く跳躍していた。

 

 さっきまでアイギスが立っていた場所を、電撃の渦は直撃するが、そこには誰も居ない。

 

 跳躍したアイギスは背中の翼で羽ばたき、宙を舞った。

 その状態で左掌をサイクロプスに向け

 

「ヒートウェイブであります」

 

 同時に、巨大なハンマーで一撃を加えたような威力がサイクロプスの頭部を襲った。

 痛みと衝撃で悶絶するサイクロプス。

 

 そこに、大きく羽ばたいたアイギスが、超スピードで突っ込んでいく。

 剣を大上段に構えた姿勢で。

 

 そして。

 

 サイクロプスがヒートウェイブの衝撃から立ち直ったときには。

 

 目前に、刀を振り下ろすアイギスがいた。

 それは、ただの振り下ろしではなく、その斬撃に全力を込めている必殺必中の斬撃。

 防御があっても、それごと潰す勢いの斬撃。

 

 刃が食い込み、サイクロプスの首を斜めに斬り落とす勢いで切断していく。

 

 そして刃が通り抜けた後。

 アイギスは勢い余って、縦にくるりと一回転した。

 

 ……一回転するとき、スカートだったので中が見えてしまったが、スパッツを履いていたので大丈夫だった。

 

 そのまま姿勢制御のため、大きく数回羽ばたく。

 

 そして、どう、とサイクロプスの死体が仰向けに地面に倒れ伏したとき。

 

 アイギスは地上に降りた後、夢想正宗を腰の鞘に納めて、こう言うのだった。

 

「これぞ、武者車……私の剣術は完成したのでありますね?」

 

 ……自信満々に見えた。あまり表情の動かない子ではあったのだけど。

 

「自分で自分の技を完成したと言ってしまうと、もう成長は無いよ」

 

 そんなアイギスに、夫はすかさずツッコミを入れていた、

 やっぱり、弟子の成長は楽しかったのだろうか?




武者車は偽典の技。
シェルター出たときにダンタリオン相手に連発して倒すのです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。