真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
01:はじめての贈り物
★★★(忍)
「さて」
スティーブン氏に、コンピューターにストックできる仲魔の数を増やしてもらったので。
俺たちは、銀座で一番したいことをすることにした。
……それは
「ダイヤ、持ってるよね?」
真月に言う。
管理は彼女に任せてたんだよな。
最終的に彼女の指に嵌るものなんだから、彼女に預けておいた方がいいだろうと思ったんで。
すると
「もちろん」
ニコー、と微笑みながらそう返してくる。
……俺は彼女にまともなアクセサリーを買ったことがない。
そんなに経済的に余裕があったわけじゃなかったので。
一応、バイトはしてたけど、そればかりやってるわけにもいかなくて。
勉強もしなきゃいけなかったし。
稽古もしなきゃいけなかった。
……どれかひとつでも落としたら、彼女からの愛を失うかもしれない。
そういう強迫観念があったんだ。
彼女の誕生日にどこかに行くのが限界で、そのたびに少し劣等感を感じていたことを思い出す。
彼女の方は、バレンタインにも、誕生日にも、クリスマスにも、心の籠ったものをくれたというのに。
彼女の方は「忍と一緒にいれて私は幸せだから」とは言ってくれてたけど、申し訳の無さは拭えなかった。
そんな俺が、今日、はじめて彼女にダイヤの指輪をプレゼントできるかもしれない。
これはとても嬉しかった。
……一体、いくらくらいかかるものなのか。
知らないから分からないけど、絶対に作ってもらいたかった。
彼女へのはじめての贈り物を。
『ラグの店』
今、俺たちの目の前にあるのが、サイコダイバーに言われた宝石を扱う店。
……いよいよか……
俺たちは顏を見合わせて、頷き合った。
そして
店のドアを開け、入店した。
すると
「よく来たねェ……ここが銀座じゅわいおくちゅーる・ラグ」
強盗避けか。
金網のフェンスの向こうに、禿げた店主が居て。
正面の店主席にデン、と座っている。
「用は何かな?」
表情はにこやかではなかった。
刺々しくもなかったけど。
店内を見回す。
何か、想像してたのと少し違う。
脇見の壺みたいな壺が多数並んでて、その他にも様々な見たこともないような骨董品が並んでいた。
……金網の向こうに。
もうちょっと、宝石店宝石店したものを想像してたんだけど。
「あの」
そこに、真月が切り出した。
おずおず、と言った感じで。
「……ここの店、宝石の店なんですよね?」
そのはず。そう聞いてた。
すると
「……厳密に言うと、ちょっと違うね」
店主はちょっとバツが悪そうに頭を掻きつつ
こう、言ったんだ。
「ここは宝石を通貨代わりに使う店なんだよ」
……え。
……どうも、誤解があったみたいだ。
この「ラグの店」は、宝石を精霊や道具と交換する店だそうで。
宝石を取り扱う店では無いらしい。
「……じ、じゃあ、宝石を持ち込んでそれを指輪やネックレスにしたりとかはしてないんですか?」
ちょっと俺は、ガッカリを隠せない口調でそう食い下がってしまった。
……我ながら、ちょっとみっともない。
すると
「んー、まあ、そういう技術が自分に無いことも無いんだが」
店主、ちょっと困った風に。
そしてこう言った。
「商売としてはさ、そういうの、やってないんだよね」
ゴメンネ、と言いつつ。
ええ……そんな……
サイコダイバーのあの言葉は、一体何だったのか。
宝石をくれて、俺に嫁さんに贈り物をする機会をくれたのは感謝するけど……
正直、夢を見た分辛かった。
だけど
「でもさ……ちょっといいかな?」
店主が俺たちにそう続けてきた。
……何なんだ?
意識を店主に向ける俺たち。
すると店主は
「ちょっとね、今、精霊のサラマンダーを切らしてるんだよね。作って来てくれたら、特別に加工してあげるよ」
……マジか!
一気に俺のテンションが上がる。
真月も口元に手を当てて感激していた。
「分かりました! すぐ作って持ってきます!」
店主の厚意に感謝して、俺たちはラグの店を後にした。
「……精霊サラマンダーって、どうやって作るんだ?」
店を出てすぐに、隣を歩く真月に俺は訊く。
すると
「神獣の2身合体。そして神獣は……悪魔ナンパで作るのを念頭に置くなら、まず妖精と魔獣で聖獣を作って、そこに天使を合体させる。天使は妖精と堕天使の合体で出来るわ」
……そうすると……
「神獣1体作るのに、悪魔が4体要求される計算ね。それが2体だから……計5体分の空きスペースが要求されるかな」
……結構大変だな。
「なぁ、天使は直接ナンパできないの?」
それを訊いてみたら
「うーん……天使は野良が居ないからね。無理なのよ。……まさか、渋谷の街を警備している天使をナンパするわけにもいかないし」
ああ……確かにあの街の天使のナンパは無理そうかも。
じゃあ、頑張るしかないのか……
そう、俺が気合を入れていたら
「その前にね……一個問題が」
真月が腕を組みながらそう洩らす。
……何かあるの?
すると
「空きスペースが今、4つしかないのよね」
……それは大問題だな!
精霊ウンディーネやシルフだったら、生意気なメシア教徒をふんじぱって合体ポッドに放り込めば作れたのに(おい)