真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
その検討。
★★★(忍)
「まぁ、まず候補を定めましょう」
……リストラ候補を定めるんだな?
まあ、それしかないか。
真月は手帳を広げて、空きページに今現在契約している仲魔の名前を書き出していった。
それは以下のようなものだった。
01妖魔ヴァルキリー
02地母神ハリティー
03女神ヘラ
04幽鬼ポルターガイスト
05霊鳥アルゴス
06魔王マーラ
07天津神イザナミ
08破壊神チェルノボク
09妖魔テング
10屍鬼ボディコニアン(フツコ)
……計10体。確かに空きスペースたったの4……。
この中で、どいつを切るか、か……。
俺は腕を組む。
そして頭を可能な限り回した。
ヴァルキリーは役に立つし、切るのは無いよな。
マーラ、イザナミ、ヘラは絶対にありえない。
アルゴスも使ってるし……
フツコは……
そう、知恵を巡らせていたら
「チェルノボクとテングが不要ね。他は要るかな?」
ええっ!? そうなの!?
「……ポルターガイストも?」
フツコが外せないのは分かるけど。
そしたら
「何言ってんの! ポルターガイスト役に立つよ!? 身体小さくて弱いから、誰の注目も浴びないし、それなのに、飛行能力と念動力持ってるからね」
全力で否定された。
……なるほど。
そこの有用性を見出すあたりが、俺の嫁さんなのよな。
さす嫁。
……とすると。
やっぱリストラ候補はチェルノボクとテングなのか……。
そう、考えていたら。
「そして……ついでにリストラ前にやることも、やっぱりあるのよね」
嫁さんがそう言って手帳を閉じ、歩いていく。
向かった先は……
銀座の邪教の館だった。
★★★(フツコ)
真月様の召喚を受けて呼び出されたのは、邪教の館だった。
……え?
私はそれに戸惑いと、僅かに恐怖を覚えた。
ここで召喚される意味合い。
私にはそれが分からなかったから。
屍鬼ボディコニアンは真月様にとっては低レベルな悪魔。
真月様レベルの悪魔使いは、合体ネタにすらされない悪魔のはずなのに。
「真月様、本日はどのような……」
私が契約主にその目的を尋ねると、真月様は腕を組んだ姿勢で宣言した。
所謂、ベガ立ちで。
「……単刀直入に言うわ。フツコ、造魔になりなさい」
ぞーま?
……何なの? それ?
すると、真月様は仰られた。
造魔とは、人工悪魔のこと。
その身体の維持にマグネタイトを必要とせず、限りなく生物に近い存在であること。
そして
私がそれになれば、厄介な食人衝動が完全に消える可能性があること。
……最後の話はもう、私に同意させるしかない強さがあった。
造魔になれば、心穏やかに生きられる……!
「分かりました」
私は真月様をまっすぐに見つめて言った。
「私を造魔にしてください」
私のその言葉に、真月様は満足そうに頷いて下さった。
そして。
私は合体ポッドに入った。
もう片方の合体ポッドには、何か人形のようなものが入っている。
造魔の素「ドリー・カドモン」だ。
心臓が高鳴るはずなのに、私の胸は静か。
それは、私は死人であるからだ。
でも、生者であったなら、きっと私は興奮していただろう。
……これで、また生きた肉体を取り戻せる……!
万物に勝る真月様がそう仰るのだから間違いなどあるわけがない。
シュワシュワシュワと音を立て、まずドリー・カドモンが分解液に分解される。
……次だ。
私は緊張した。
流石に、大丈夫だとは言え、身体が分解されるのは少し不安があるから。
だけど、逃げるわけにはいかないし、そもそも真月様の仲魔である私は、逃げる選択肢が無い。
シュワシュワシュワ……
……来た!
呼吸をしてない私だけど、今回ばかりは息を止める行為をしてしまう。
液体で満たされるのが分かってるのに、しないはずが無いよね。
そして合体ポッド内が分解液で満たされ、私の身体が分解されていく。
痛みは無かった。
手足の末端から、感覚が消失し、それが胴体、首筋、そして頭に至る。
……頭の感覚が無くなった瞬間、私の意識は消失した。
★★★(真月)
フツコが分解されて、その情報が中央の魔法陣が描かれた台座へを送られる。
いよいよ……来る!
魔法陣が唸りを伴いながら、明滅している。
これから生み出される、特殊な悪魔に興奮しているみたいに。
私は、見守った。
私の造魔になった、フツコが出現するその瞬間を。
そして……
台座から、大きな光の柱が立ち上る。
そしてその光の柱が消えた後。
そこに立っていたのは……
ブルーのボディコンみたいな衣装を着た少女。
そのボディコンは背中が大きく開いており、そこに何かの紋章が書かれていた。
まるで刺青のような。
首回りを革鎧のようなパーツで保護し、同色の革ブーツと、茶色のタイツを履いている。
で。
顔はフツコのまま。
ミキサヤカヘアー。ショートカット。
ただし色は黒。
髪は黒いのに、目の色が赤くなっていることと。
肌の色が青白くなっていることが特徴的である。
……予感として。
この造魔は強い。
そういう想いが湧いてくる。
これは期待できるわね。
フツコにとっても、私にとってもWinのWin-Winの関係。
それが期待できそう。
そうやって、私が見守る中で
彼女はこう言った。
「……私は造魔フツコ……今後ともよろしくお願いします」
影牢。刻命の姫。
好きなので。