真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
「じゃあ次はテングとチェルノボクの合体か」
真月の話では。
造魔というものは、合体で他の悪魔を取り込むことで力を伸ばしていくものらしい。
この生まれたばかりの造魔フツコを、一級の、使える仲魔にするためには、合体で作った強力な悪魔をさらに合体させる必要があるんだとか。
なので、戦力外通告されたこの2体の悪魔を合体させて、それをさらにフツコに吸収合体させることにする。
で。
真月が館のコンピューターで、テングとチェルノボクの合体を行ったら何が出来るのかを軽く調べていたんだけど。
「あら」
……真月が突如、そんな声を洩らした。
なんかあったのか?
ひょい、と覗きに行くと。
合体結果として「神獣ナラシンハ」が表示されていた。
ライオンの頭を持った白銀色の獣人だ。
「……盲点だったなぁ。妖魔と破壊神でも神獣出来るのね」
神獣だから獣族を軸に合体計画を組み立てて、その他のパターンは全く考慮してなかった。
考えが浅かった、とひとりで反省する真月。
「いやでも、それは仕方なくない? 破壊神は簡単には作れない悪魔なんだし」
これ、もともと龍神キヨヒメと国津神スセリビメを合体させて作ったんだよな。
色々あって、仲魔のストック数が厳しくなってきたので、使用頻度が低くなってきたこの2体の悪魔を合体させてストックを1体分空けたんだ。
龍神も国津神も、なかなか手に入りにくい種族だから、破壊神自体がレア。
必然的に、破壊神を使った合体は考慮から外れやすくなる。
「まぁ、そうなんだけどさ。長年悪魔使いやってたら、こういうのは屈辱よね」
……真月的には情けなさを感じて、屈辱ってことなのか。
プロ意識だな……
ちと、俺は嫁さんに感心した。
でも
「ま、いいじゃん。これで1体分神獣作りの手間が省けた」
そう、言ったら。
真月はアームターミナルを操作して、テングを召喚していた。
素早いタイピングで、すぐに召喚が始まる。
「ワシをお呼びかな召喚士殿?」
目の前に魔法陣が出現し、そこから妖魔テングが召喚される。
そして、真月はこう言ったんだ。
「あなた、今からフツコと合体してもらうから」
しれっと。
んん?
テングはチェルノボクと合体させるんじゃないのか?
銀座から少し離れている場所に、広目天が封印されている館があるらしい。
それはちょっと聞き込みをしている過程で聞いてはいた。
で。
俺たちは今回、そんな場所に仲魔集めに向かっていた。
「前にさ、増長天の館に泊まったとき、四天王の館に常駐する悪魔って大体同じだってテングが言ってたじゃない?」
「言ってた言ってた」
四天王だけど、強さに差があるみたいな話になって、増長天は最も実力が低いらしい、と分かったとき。
フォローとして「館を守護する悪魔の面子に差は無い。それぞれの四天王の地位は対等だ」みたいなことを言われたんだ。
まあ、自分の仕えている鬼神が一番不遇だと思われたくなかったんだろうな。
でも、そんな雑談が今回役に立つことになるとは。
話はしておくもんだよな。
で。
例によって、今後品川に行く際に使うかもしれないので。
通りすがりの処刑ライダーにお願いして、サイドカーを譲ってもらった。
彼らは快く俺たちに譲ってくれたんだ。無償で。
他人の厚意は感謝しないとな。
「四天王を仲魔にできたら、フツコに吸収させるんだけどな」
ぼそ、とそういうことを言ったら。
「だよね。四門の玉ってどこにあるんだろうね」
そう、真月が返してきた。
まあ、所詮元々日本の神様じゃないしな。
「ごめんください」
そして。
広目天の館に到達したんだけど。
どういう顔で入るべきか少し悩んで、最終的に普通に入ろうということになった。
中は増長天の館同様、なんか明るくて。
廃墟って感じじゃなくて、綺麗だった。
……増長天の館にだいぶ似てるな。
それを、つくづく思ってしまう。
そして中に踏み入って。
「……悪魔たちはどこにいるんでしょうか?」
踏み入る前に召喚した造魔フツコがそう、戸惑いを含んだ声でそう言うんだけど
「まあ、すぐ来ると思うよ」
前もそうだったし。
そう、付け加えると
「くおらァ!」
ぞろぞろぞろ。
来た。
大量のテング。
予想通りだった。
「何しに来たぁ!? このハナタレがぁ!」
テングの罵声。
まあ、この辺も予想通り。
「仲魔集めです」
笑顔の真月が、そう正直に口にする。
すると
「人間なんぞの仲魔になるかぁ!」
「ふざけるんじゃないわぁ!」
テングたちからの激しいブーイング。
まあ、分からなくもない。
いきなりやってきて、仲魔集めと言われても。
テングとしては「こいつら俺らを舐めてる」としか思わないだろう。
基本的に悪魔にとって人間は下の存在だろうし。
しかし。
俺たちはちゃんと対策を用意していた。
この館限定の対策だけど。
ここで真月がフツコに指示を出す。
前に出ろ、と。
すると
フツコが指示通り、前に出て
こう言ったのだ。
「オイ、ワシじゃ! 分かるか!?」
……老人の声だった。
まぁ、テングの声なんだけど。
テングの声を聞いたテングたちは動揺する。
「あの声はテンノスケ!」
「人間の仲魔になったと聞いたが!?」
テングたちの間に広がる動揺。
……ヨシ。
フツコは続けた。
「今、ワシはフツコと一体化してとてもいい気分じゃ……すばらしいぞ! オヌシらもはやく吸収してもらうべきじゃ! たったそれだけで究極の悪魔になることができるんじゃぞ!」
声はまるっきし合体で吸収したテングのもの。
さて、これがどう出るか……?
すると
「おおお……」
「テンノスケがそう言うなら……」
同調するテングたち。
それだけでなく
「そういうことなら」
「ワシもワシも」
ぞろぞろぞろぞろ。
究極の悪魔に興味がある館の他の悪魔たちが、我も我もと、真月と契約しに姿を見せてくる。
「分かった。同種族間ではジャンケンして、勝ったヒトが代表で契約するということで」
悪魔使いである真月が、自ら仲魔になりにくる悪魔たちをまとめようと動いていた。
なるほど……
君は、こういう悪魔たちの対応を読んで、あえてまずフツコとテングを合体させたんだね?
セルが18号に使った手だ!