真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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再度言います。
グロ注意。


02:隔たり

★★★(真月)

 

 

「おおああああおあおあお!」

 

 ……そこでは。

 若い女が切り刻まれていた。

 

 多分スタイルのいい女だった。顔立ちも整っていた、肩にかかるくらいの長さの髪を、後ろで括っていた。

 そんな女が、血まみれの白装束を着せられて、椅子に拘束されながら、チェーンソーで刻まれていた。

 

 チェーンソーを持っているのは覆面の男。

 ニコニコ笑顔のマークの覆面を被っている。

 身体は筋肉質。

 そんな身体で、繊細にチェーンソーを振るっている。

 

 ブチッ!

 

 ……繊細にチェーンソーを振るい、女の右の人差し指を切断し、切り飛ばした。

 ちなみに手の指は、それが最後の一本だった。

 

「ああおおおあおあお!」

 

 仰け反りながら女は奇妙な絶叫を上げる。

 

 ちなみに。

 欠損しているのは指だけじゃない。

 胸の肉が、つまりおっぱいがごっそりなかった。

 

 さっき「多分スタイルがいい」って言ったのはこのため。

 

 こっちは血が止まっていたけど。

 

 ……多分、回復魔法を併用しながらやってるのか。

 

「ハハハハハハハ!」

 

「いい気味よ!」

 

「十罪女め!」

 

 そしてその周りでは。

 多くのメシア服を着た一般信者が、女の壮絶な拷問風景を純粋に愉しんでいた。

 

 ……これ……なんなの?

 

 私の思考は停止する。

 あり得なさ過ぎて。

 

 女の人が酷い拷問を受けているのを大喜びで見ている民衆。

 それを誰一人として疑問に思わない。

 

 ……これ……なんなの?

 

「……あの人、何をやったんだ?」

 

 私が半ば放心状態になってしまったのに。

 夫が私の代わりに質問をしてくれた。

 

 ……この状況で平常心を失わなかった夫に、私は尊敬の念を持ってしまう。

 

 すると、周囲を囲んでいたメシア教徒の一人が言った。

 

「え? 不倫だけど?」

 

 さも、当然でしょ? というように。

 

 不倫……?

 不倫であんな目に遭わされるの……?

 

 私の中でだって、不倫はありえないと思ってるけど。

 だからと言って、実際にあんなことをするのは違う……

 

「なるほど、不倫か。それで拷問なのか」

 

 ……夫が、多分自分を抑えているんだろう。

 平静を意識してるなと読み取れる声音でそんなことを言った。

 

「拷問じゃないよ。凌遅刑」

 

 何言ってるの? そんなことの区別もつかないの? と言う風に。

 

「……聞いてないの? 全く」

 

 そりゃ、ただの不倫だったら斬首が相場だけどさー。

 今回それが凌遅刑になったのはちゃんと理由があるんだよ。それぐらい調べてから処刑場に見物に来るべきでは?

 

 メシア教徒はやれやれ全く、という風に続ける。

 

「いい? あの女はね……」

 

 所謂「信仰成分不良」の女なんだよ。

 何? 信仰成分不良も知らないの? 頭悪いね、君。もっと勉強しなよ。全く。

 

 信仰成分不良ってのはさ、浄化の日以降に、メシア教の教えに触れてメシア教徒になった人間のことを指すのね。

 そういうやつらは、メシア教のインフラを使いたいだけで改宗した疑いがあるから、信仰成分が低いの。

 ここまでは分かるよね?

 

 ……メシア教徒の言葉から。

 私は戦慄に近いものを感じてしまう。

 

 つまりだ。あの女性、本来は斬首で済むところを、昔からの信徒では無いという理由で、罪の重さを増加させられてしまったんだ。

 酷い……酷すぎる。

 

 どこが平等なの!? 昔から信仰してなかったのは本人のせいじゃないはずでしょ!

 

「ホント馬鹿だよね。教団のメイガスの地位にいる男性に見初められて改宗、そのまま大聖堂の居住区で住まわせてもらってたのに」

 

 渋谷への夫の出張に付いて行ったときに、昔の恋人に出会って獣愛が燃えた?

 アホかっての。結局、改宗しても下劣な異教徒の穢れが払われてなかったことの現れだよね。

 じっくり凌遅刑になって罪の重さを自覚しな!

 くだらねえ泣き言をほざいてたけど、舌を抜かれてそれが発せなくなったのは最高に愉快だったなぁ!

 

 ゲラゲラ笑いながらそのメシア教徒は言い切り、また見物に戻っていった。

 

 

★★★(忍)

 

 

 処刑場を離れて。

 ちょうどお茶屋があったから、二人で入った。

 そこで

 

「……忘れた方が良いと思うよ」

 

 俺はそう言って、彼女にお茶を勧めた。

 

「……ゴメン。ちょっと今は、飲み物を飲む気分じゃない」

 

 真月は俯いていた。

 

 ……そうか。

 本で読む知識と、実際に見るものは違うからね。

 君がショックを受けるのはしょうがないと思うんだ。

 

 ただ。

 俺が思うのは……

 

 ここの人たちとは絶対に分かり合えない。

 それが確信めいた気持ちで言えるんだよね。




次回、今回の件を受けての語り。
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