真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
神父を洗脳した。
さて、ここからだ。
「メイガスって地位の人はここに来るの?」
魔王マーラを帰還させながら。
真月はそう、彼に問いかける。
すると
「月初めの説法の日は、いらっしゃいます……」
……月初めか。
明後日じゃん。
「それは明後日ということで良いのか?」
「はい……」
なるほど。
ならば、どこに泊まるか、と言う問題があるよね。
だったら……
「あなたの家にそれまで泊っていい?」
そう、真月から。
先に言われてしまった。
「はい……」
「よろしくお願いします」
「お願いします」
そういうわけで。
メシア教教会で催眠に掛けて洗脳した神父の家にお邪魔した。
神父の奥さんはわりに美人な人で、娘が3人。
3人の母なのに、見た目がかなり若く、30代後半に見えた。
穏やかな感じの女性で、長い髪を後ろで括り、白いリボンをつけている。
この神父さん、メシア教徒だから、死別で無いなら再婚はありえんのだけど。
この3人の実母だよねぇ?
「どうぞよくいらっしゃいました」
上品な感じで微笑む。
責任ある男の妻と言う感じだ。
「ゆっくりしていってください」
「どうぞどうぞ」
「歓迎いたします」
ロングヘアと、ショートカット、ツインテールの娘たちが俺たちに挨拶してくる。
それぞれ20才、18才、16才、らしい。
全員母親に似ている。当たり前だけど。
「こちらこそありがとうございます」
「泊るところに悩んでいたので」
そう。
宿泊施設も見つけられなかったんだよね。
多分、旅行者を受け入れるという概念が無いせいだろう。
かといって、路上でキャンプしたら目立つし。
助かる。
ちなみに。
神父の家族には全員催眠を掛けた。
神父自身に協力させれば楽勝だったよ。
ちなみにその内容は……
俺たちの事は超敬虔なメシア教夫婦と考え、何も不自然なことなどあるはずがないと固く信じる。
仮にもし不自然に感じたとしても、それはただの思い込みであり間違いである。
……ちょっと良心が痛むが仕方ない。
あまり手段を選んでいられない状況だしな。
夕ご飯をご馳走になった。
神父の家族とテーブルを囲む。
食事自体はあまり上等では無かったけど、充分美味しかった。
グラタン。懐かしい味がした。
「ごちそうさまでした」
「大変美味しゅうございました」
手を合わせて、礼。
すると
「あなた方クラスの上級信徒でも、そういう遊びをされるんですね。……一気に親しみを覚えましたよ」
そういうのは、この家庭の奥さん。
「というと?」
俺が聞き返す。
「その風習は穢れた日本人の風習ですよ。敬虔なメシア教徒であれば、まずしない仕草です」
手を合わせるのは、と続いた。
……あ、あぶねー
俺たち、二人ともつい癖でやってしまったけど。
本来なら今のでアウトだったんだなぁ。
催眠様様だ。
「そうですよねぇ」
「そうそう」
……まあ、どうせ催眠で「見抜く」という行為ができないんだし。
取り繕う必要が無い。
俺たちふたりは一緒に微笑みながら、会話を続けた。
「神父さん……ええと、小石川さん」
「なんでしょう?」
神父の小石川さんと話をする。
明後日のこと詰めておかないと。
「メイガスの人がこちらにやってくる段取りなんですが」
「ああ、メイガスの松浦様なら、説法前日である明日の午後に我が家に泊まりにいらっしゃいますよ。いつもそうなんです」
……なん……だと?
それは好都合じゃないか。
「それは時間決まってるんでしょうか?」
真月が身を乗り出す感じで訊く。
すると
「ええ。16時きっかりに毎月いらっしゃいます」
……これはもう……決まりだな。
★★★(メイガス松浦)
私はメシア教団のメイガスとして、日々忙しく過ごしている。
メイガスは教団内でも、アークビショップ、ビショップ、アデプトに次ぐ第四位の位階。
この下に、プリースト、ネオファイトと続く。
教団内の実力組織であるテンプルナイトを絡めると、もう少しややこしくなるのだが、旧世界の会社組織で言えば、私は課長くらいだろうか?
メイガスを名乗ることができれば、品川大聖堂に自分の住居を与えていただけるのだ。
これだけでも私の偉さが分かるはずだ。
さて、今日は少し楽しみがある。
親友のプリーストの小石川の家に泊まるのだ。
これが毎月の楽しみ。
小石川の家は娘ばかりの三姉妹で、この子たちが生まれたときから私は知っている。
ウチの家の子は男しかいないので、小石川の家が珍しく、その成長を一緒に喜びと共に見守って来た。
さて、今日はどんな話が飛び出すのだろうか?
……そうこうしていたら、小石川の家に到着。
時間を確認。
16時。
うむ。ぴったり。
インターホンを押した。
電気は品川大聖堂以外でも来ているから、問題ない。
ピンポーン。
「はーい」
どたどたという音。
「松浦のおじ様! いらっしゃい!」
ツインテールの末娘の則子ちゃんが玄関ドアから顔を出した。
満面の笑みで。
この子は他の2人と違って、赤ちゃんのときから私に対する警戒心があまり無い子だった。
はじめから私に懐いていた。
「お茶の準備は出来てますから」
私の手を引いて引っ張り込もうとする。
「いやいやいや、別にそんなに急がなくても」
靴くらいキチンと脱がせてくれ。
「お鞄をお持ちしますね。おじ様」
次女のショートヘアの理枝ちゃんが私の鞄を持ってくれた。
にっこりと微笑みながら。
この子はわりと勇気のある元気のいい子で。
リーダーシップを発揮できる子なのだ。
女性だが、将来はテンプルナイトを目指せるかもしれない。
「おじ様、毎月ご苦労様です」
同じく笑みを浮かべながら挨拶してくれたのは、長女のロングヘアの葉子ちゃん。
この子はとても優しい子なのだが、赤ちゃんのときは酷かった。
両親以外の全てを敵視し、私にも懐かなかった。
あのときは寂しい思いをしたものだ。
私が靴を脱いで家に上がると、私の腰に則子ちゃんが抱き着いてきた。
「おじ様、私もそろそろ適齢期よね! 結婚相手を紹介して欲しいな!」
葉子姉さまみたいに!
……そうだったな。
もうそろそろ17才か。
そのぐらいから結婚相手を世話するのがメシア教の在り方だ。
葉子ちゃんにはテンプルナイトの知り合いに頼んで、若手で一番優秀な男を紹介した。
上手くいってるようではあるが、なかなか子供が出来ないのがな。
こればかりは運か。夫の男が優秀過ぎて出張が多いのも原因かもしれないな。
今日、こっちにいるということは、また出張なんだな。可哀想に。
「おじ様、こちらにどうぞ。父が待ってます」
理枝ちゃんに案内される。
かなりの広さのリビングに。
……理枝ちゃんは、結婚を約束した相手がすでにいるという話だから、早く紹介して欲しいのだが。
いつになるのかなぁ?
そんなことを考えながら、リビングのドアを潜り……
リビングに入ると。
全長4メートルはある、緑色のチ〇ポの化け物が居た。
そいつのすぐ傍に、日本人形みたいに綺麗に髪を切り揃えた、長髪の美しい女が、腕を組んでの仁王立ちで立っていて。
言ったのだ。
「マーラ、催眠術」
「ワシの言葉は否定できない! ワシから目を離せない!」
……私の意識はその瞬間無くなった。
★★★(忍)
はい、いっちょあがり。
これで品川大聖堂への道が繋がった。
そうと決まればもうここに用は無い。
「行くか」
「ええ」
俺と真月は頷き合った。
そして
メシア教徒とはいえ、散々世話になったのだからお礼を言うべきだと思った俺は、さっきのマーラの言葉で停止状態になっているメシア教徒の家族に頭を下げていたのだが……
そんな俺を他所に、真月が家のテーブルに金貨を……つまりマッカを並べていた。
結構な額だ。
それは……?
「何をやってんの?」
思わず、聞いてしまう。
すると
「……昨日から今日にかけての宿泊代金」
そう、お金を置きながら言う真月。
「ええと、それは……」
俺は何かを言おうとした。
言おうとしたけど。
遮られた。
こんな風に
「……私、この人たちに貸しを作りたくないの。だから、お金を払っていく。……一人分2000マッカもあればいいよね?」
真顔で言っていた。
……俺はそこに彼女の性格の高潔さと、彼女のメシアへのスタンスが良く出ていると思った。
せいぎのためだ!