真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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主人公パート


遠慮しときます

★★★(忍)

 

 

 俺は僧侶風の男と対峙していた。

 男の体術の技量は多分、俺には及ばない。

 けれど

 

「炎よ!」

 

 男が手のひらを向けてきて、気合とともに言葉を叫ぶ。

 同時に、火炎の弾が俺に向かって打ち出されてくる。

 

 ……ファイアーボールって感じだ。

 マリオかよ。

 

 俺はこれを最小限の動きで避けて

 

 距離を詰めるんだけど

 

 すると

 

「雷よ!」

 

 指先を突き出してきて、そこから電撃を発射する。

 ものが電撃だけに、見てから避けるのは多分無理。

 気づいた瞬間、回避行動を取らないと間に合わない。

 

 俺は素早く跳びのきながら間合いを詰めた。

 

 そして3つ目。

 

 もう片方の手の手のひらを突き出して、呪文。

 

「波動よ!」

 

 同時に衝撃波。

 これは作用範囲が広い。

 

 多分、ゼロ距離でもらうと相当ヤバイ。

 俺は転がって避けて……

 

 一定の距離を取る。

 

 これ、多分魔法なんだろうな。

 詳しくないからどういうものかは分かんないけど。

 

「……なかなかやるな。青年」

 

 男が口を開いた。

 そりゃどうも。

 

「まあ、鍛えてるので」

 

 これしか取り柄無いから必死にやってますので。

 と、心の中で付け加える。

 

「……どうだろう? ガイア教に入信しないか?」

 

 ……えーと。

 いきなりの勧誘が来た。

 

「……遠慮しときます」

 

 それしかない。

 しかし、男はそれが意外だったようで

 

「何故だ? 青年ならガイア教での地位は良いものになると思うぞ? それでもか?」

 

「いやあ、別に偉くなりたいわけじゃないので」

 

 苦笑いが出る。

 何で俺、こんなところで宗教勧誘されてるの?

 

「偉くなることに興味なくても、間違ってるだろう、旧世界の法則は」

 

 男の何かに火が付いたようだった。

 男は続ける。

 

「……金を持つ奴が良い目を見、能力のある者が正当に評価されない。野生の動物の社会ではあり得ん状況。それが無いのだ、ガイア教では」

 

 男は力説している。

 

「クズはクズに相応しい扱いを受け、優れたものは正当な評価を受ける。最高の環境だぞ? どうだ? 入信してみた方がいいと思うぞ?」

 

 最後の方は諭すような響きすら混じっていた。

 

「……しんどそうな環境ですね」

 

 で。

 俺は思ったことをそのまんま返してあげた。

 

 男は理解できないようだった。

 だから、続ける。

 

「能力を落としたら、扱いが変わってしまうってことですよね? それ、息苦しいですよ」

 

「息苦しい、だと……?」

 

 男はただ、オウム返しに返すだけだ。

 

「人間、いつかは老人になって弱者に、役立たずになるんです。そうなったときに惨めに捨てられる社会って……果たして幸せなんですかね?」

 

 確かに。

 大破壊前の世界は悪いところもあったと思う。

 どう考えてもこれは権力があるから罪を逃れたんだよな? としか思えない事件とか。

 金を持ってる奴は得だよな、と思わざるを得ない状況とか。

 

 結構あったと思うし。

 でも……

 

 弱い者を助けようって人は普通に居たし、社会としても、一応そういう精神を備えていたんだ。

 大きく間違っている世界だったとは俺には思えない。

 

「……青年とはどうも話が合わないようだ。勿体ないが、このまま殺させてもらう」

 

 男は勧誘を諦めたようだった。

 

「そっすか。まあ、俺も殺される気はありませんけど」

 

 自慢の嫁さんを残して死ぬわけにもいかんしね。

 まだ子供も作ってないのに。

 

 で、どうしようか。

 

 少し離れると、マリオのファイヤーボール。

 接近すると、電撃攻撃。

 それを避けると、広範囲の衝撃波。

 

 ……どうするべ?

 

 もう少し分析を深めると、おそらく電撃攻撃は射程が短いんだと思う。

 でなければ、劣化版であるファイアーマリオを使う意味がなくなるというか。

 で、波動は近くなると威力がデカくなるが、離れると多分大したことないんだろう。

 

 と、すると……

 

 やるか……

 

 俺は、方針を決めた。

 

 俺は半身の構えで間合いを詰めていく。

 

 するとファイアーボールが来た。

 

 俺は最小限の動きでそれを躱す。

 そしてさらに間合いを詰める。

 

 電撃。

 

 それについても跳びのきつつ間合いを詰める。

 

 そして最後の衝撃波。

 

 ……これだ。

 

 俺は……

 

 さらに間合いを詰め、男が突き出している腕を左腕でカチ上げた。

 同時に

 

「波動よ!」

 

 衝撃波が来る。

 しかし、衝撃波が出る手のひらの方向が狂わされたので、狙った方向に魔法が出ない。

 けど、余波で俺は肩を負傷する。

 

「ッ!」

 

 痛いが、耐えられないほどじゃない。

 左手がまともに使えなくなってる予感はあったが。

 

 だが、俺はそれに構わず、右腕で鉤突きを男の脇腹に叩き込んだ。

 クリーンヒット。アバラをいただいた予感があった。

 

「ぐはっ!」

 

 男の頭が痛みで怯み、前に突き出される。

 俺はそこを逃さず、左足で上段蹴りを当てに行く。

 

 ……当たった!

 

 吹っ飛ぶ男。

 どうだ……?

 

 追撃を入れたいところだったけど。

 俺も、人の命を取るほど覚悟を決めていない。

 

 できればこれで意識を刈り取れていればいうこと無いんだけど。

 

 残心……。

 反応は……無い。

 

「忍!」

 

 ……真月が俺に駆け寄って来た。

 向こうも決着がついたらしい。

 

 ……良かった。

 これで、多分勝ちだよな。

 

 だから俺はこう言った。

 

「悪い真月……ハリティーを呼び出して欲しいんだけど。肩を少しヤってしまったから……」

 

 回復魔法をお願いするために。




ガイア教って、究極形がデビサバ2の「実力主義社会」だと思うんですよね。
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