真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
「えっと、俺のことですか?」
もう、ダメかもしれない。
そうは思いつつも、もしかしたらただのカマ掛けの可能性を考慮し。
あくまで惚けることに固執する。
正直、みっともないかもしれない。
しかし。
……ここで正体が明らかになることよりは、はるかにましだ。
みっともないくらい。
すると
「……あー、そういうの良いから、異教徒」
俺に異教徒認定を下してきたのは……
ほぼ白装束に蒼い帽子という、テンプルナイトの制服を着た3人組の男女。
その一人。
そして。
この階にいる以上、おそらくクルセイダー。
眼鏡を掛けた、糸目の中年男性だ。
年齢は30才くらいか?
髪の毛が長くて、それをオールバックにして、後ろでおさげにしている。
この男から受ける印象は、爬虫類。
その左右には、同じく眼鏡の知的な男と、派手目の印象を受ける、やたら肉感的な女が控えていた。
見た感じ、中央の男より年が若く、男を立てる立場のようだ。
糸目の男は言う。
「……名前、佐上忍。既婚者。幼少期からの幼馴染と浄化の日のあった年に結婚。その後ずっと一緒に居る……と」
……え?
俺は完全に絶句した。
何で知ってんだこいつ?
そんなことまで……?
「……異教徒、驚いたか?」
ニヤァ……と笑う。
そのときに男の糸目が開き、その瞳が見えた。
……典型的な四白眼だった。
そして。
次の瞬間だった。
糸目の姿が変わったのだ。
……俺の姿に。
「!」
完全に俺の姿だった。身長も、体型も、服装も、顔も……
俺の姿になった糸目は、俺の顔で俺とは違う笑みを浮かべて
「……クルセイダーロード様を狙って入り込んで来たのか。残念だったなぁ? 品川大聖堂には私が居るんだよ。この私が!」
そう宣言し。
左右に呼びかけた。
「ランダ! ギリメカラ! 変われ!」
「はい!」
「承知です!」
言って、女が漆黒の長い髪を持ち、赤紫色の肌と長い爪を持つ異形の女に変身。全体的なフォルムはまるで山姥のよう。
男が一つ目の象の頭を持つ、暗青色の肌の怪人に変身。身体の大きい怪人だ。
「飛んで火に居る夏の虫だ! 探し求めていた生贄の巫女が、自らこの品川に出向いてくれるとはな!」
ハハハハハハ! 俺の顔で嗤うアイツ。
……どういうことなんだ!? 理解できない!?
「やれ! ランダ! ギリメカラ! そいつ、魔王と合体して自我を残すことに成功した悪魔人間だ! 変身する前に倒せ!」
……なんだとッ!?
クルセイダーロードからそこまで情報漏れてるのか!?
なんという情報収集力と共有力なのか……!
俺は戦慄した。
メシア教徒たちは……なんて奴らなんだ!
男の指令を受け、クルセイダー2体は地を蹴った。
「ははぁ!」
「任せて下さい!」
クッ……!
襲ってくる2体のクルセイダーたちに、俺は変身のポーズを取り、即座に変身を果たした。
緑に発光し、俺は仮面ライダーへと変わる。
「ちぃ! 変身しやがった! いいかランダ!? ここからは魔法の使用は禁止だ! こいつ、見てから魔法反射を合わせる技を持ってる!」
「分かりました!」
……え?
何でそこまで……
なんでこいつら、魔反鏡のこと知ってんだ?
魔反鏡を見た相手は、もうこの世に居ないはず。
ガイア教夫婦の奴ら以外は。
それなのに……
そのとき。
俺がその指示にショックを受けた隙を突かれる
「くたばれ!」
ギリメカラと呼ばれた方の象怪人が、その手の中に両手持ちの青龍刀のようなものを作り出した。
そしてそれで斬り付けてくる。
大上段。
示現流を思わせた。
回避して、振り落としきったところを狙う!
「ギリメカラ! お前の頭に蹴りだ!」
アイツからギリメカラに指示が飛ぶ。
だがもう遅い!
もっと早く言うべきだったな!
俺の半身での振り下ろし斬撃回避に合わせて。
最高のタイミングで廻し蹴りがギリメカラの頭部に飛んだ!
そのときだった。
ヤツの頭に蹴りが決まったと感じたとき。
俺の頭に物凄い衝撃が襲って来たんだ。
……まるで、蹴りを喰らってしまったような。
突然の攻撃に、俺の動きが一瞬止まる。
そこに
「っもらったぁぁぁぁっ!」
ギリメカラの下からの逆袈裟切りが飛び。
……俺はその斬撃を浴びた。
「忍ッ!?」
俺の耳に真月の声が届く。
信じられないという、悲痛な声。
これは……どういうことなんだ?
「ランダッ! 前言撤回!」
「承知!」
そのときだ。
混乱とダメージで動けなくなっている俺に。
ランダからの衝撃魔法がまともに俺に飛んできて。
それを浴びた俺は吹き飛ばされて
大聖堂の廊下に倒れ伏した。
……だが
俺はまだ立てる。
力を込めて、立ち上がる……
そのときに
ようやく、アモンが口を開いて、こう言ったんだ。
『……まずいな。あれは我の知らぬ悪魔だが、あれは物理反射の相性を持っているぞ』
……ちょっと待て。
俺には最悪の相性じゃないかそれは。
……だからか。
だから、アイツの頭を蹴っ飛ばしたら、俺の頭が蹴っ飛ばされたのか。
……ようやく、理解した。
魔法で攻撃するしか無いのかよ。
まずいな、これは……!
あのギリメカラというクルセイダー、物理攻撃を反射する。
見た感じちょっと太った感じだから、あの手が使えるかもしれないけど……
反射だからな。どこまで有効か、分からない。
じゃあ、先にあのランダとかいうクルセイダーを先に倒すべきなのか……
いや、その前に、何でアイツ、魔反鏡のことを知っていたんだ?
クルセイダーロード戦のことを慎重に思い出してみても、まるで心当たりがない。
何故、知ってるんだ?
ありえない……!
ぐるぐる回る思考。
そのときだった。
「黒雷じゃ!」
幼女の声。
同時に、黒い雷撃がギリメカラとランダを襲った。
「グワッ!」
「ぎゃああっ!」
電撃で感電し、停止する2体のクルセイダー。
そこに、飛んだ。
「……私だっているんだから」
鞭型COMPを構えた、真月からの声が。
真月の横には、両手を突き出した姿勢のおさげの幼女が居る。
落ち着いた雰囲気のワンピースの幼女……つまりイザナミが。
「ほっほっほ。えらい局面に呼び出されたもんじゃのう」
……なんだか、落ち着き過ぎて不安になる具合に。
物理反射をどう攻略する?