真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
「魔王召喚!」
真月の鞭が振るわれ、新しく召喚される仲魔。
真月の一軍メンバーの悪魔。
魔王マーラ。
「ヌオオオオオオ!」
魔法陣から呼び出される凶暴な姿。
その姿に、気圧されるクルセイダーたち。
「……くっ、これが魔王マーラか!」
アイツはそう、焦ったように言い
……今度は真月の姿に変化した。
完全に真月だ。
身長も、体型も、髪型も、顔つきも。
ただ、表情があまりにも、爬虫類を思わせるものになっている。
その表情が……
ハッ、と驚愕と追い込まれた表情に変わり、そして叫んだ。
「ギリメカラ! まずい耳を塞げ! マーラの発する言葉を聞くな!」
……え?
どういうことだ?
その言葉……
マーラ自身、言ってたんだよ。確か。
自分の催眠術の言葉は、ほぼ全ての人間をロボットにする、と。
でも、悪魔相手には下位の存在には通用しても、上級悪魔にはまず効かない、期待するな、と。
……あれ、上級悪魔だろ?
あのクルセイダーの素材になってる悪魔は。物理反射なんていうとんでもない相性を持ってるのに。
あれが下位であってたまるか。
そうであるなら、マーラの催眠が通用するはずが無いんだよ。
耳を塞げなんてアドバイス、出るわけが無い。
だとすると……
一個、考えられることがあり、同時にその考えがこれまでの不自然さへの回答であるように思えた。
……いや、確信した。
そういやあいつは、俺が悪魔と合体したことに気づいていた。
しかもそれが魔王であるということを。
何故種族まで特定できるんだ?
そしてメシア教徒の前で使った覚えのない魔反鏡についても知っていた。
最後に。
多分、あいつは真月が考えていたアイディアを知っていた。
だからあんなことを言ったんだ。
……耳を塞げってな。
そこから導き出されるのは……
俺はニセ真月を指差し、本物の真月に伝えた。
大音量で。
「真月! あいつは人間の心が読める!」
いや、心だけじゃない。
思考……いや、記憶を読むことができるんだ。
……おそらくは、変身した人間の記憶を。
★★★(真月)
「真月! あいつは人間の心が読める!」
……あの人も同じ結論に到達したみたい。
ということは、私が今思ったことも間違いじゃないね。
アイツ、人間の記憶が読めるんだ。
そう考えれば、アイツの不自然なアドバイスに全て説明がつく。
……たった今考えついた作戦
「ギリメカラはスリランカの悪魔の名前で、魔王マーラの乗り物だった悪魔だ。ということは、ギリメカラにはマーラの催眠術が通用するかもしれない」
……確信は無いけど、試す価値はある作戦だと思ったんだ。
それをいきなり見抜かれたんだから、もう確定だよね。
分かった。
そういうことなら……
手はあるよ
「女神召喚!」
そして私は女神ヘラを召喚し。
「造魔召喚!」
続いて造魔フツコを召喚した。
「……ようやく話せますね。真月召喚士」
「真月様、御用件をどうぞ」
物憂げな美女と、青いボディコン少女が私にそう召喚の挨拶をする。
ヘラに関してはホント、ようやく話せたと言うしか無いね。
「詳しい挨拶はまた今度! ヘラ! フツコ! それぞれの思う方法であの2体の敵を拘束して!」
「分かりました」「了解です」
……さあ、できるもんならやってみるがいいさ!
★★★(ドッペルゲンガー)
私はクルセイダー・ドッペルゲンガー。
外道ドッペルゲンガーの要素で調整されたクルセイダーだ。
私は物理反射の相性を持つ以外は攻撃的能力が特にない。
……使えるのは、魔法反射魔法のマカラカーン。
そして、人間限定だが変身した対象の全ての記憶と能力、技能のコピー。
これだけだ。
……だが、私は決して無能ではない。
この能力を持つが故、この品川大聖堂の警備を任されている。
どんな奴でもその素性を確実に暴くことができるから。
そして、異端審問で裁かれる罪人の罪状を、包み隠さず調べ尽くすことができるのだ。
全ての嘘を見抜く能力を持つが故。
そんなこの私に……こいつは……!
悪魔2体がギリメカラとランダを拘束しようと接近してくる。
何をするつもりか。
あの女……私の能力が判明した途端、具体的な指示を止め、仲魔の裁量に任せて動かしやがった!
そうなると私の結果的な読心能力は全く意味を持たない。
具体的な指示なしで、どのようにヤツの仲魔が動くかなど、私には分らんからだ!
……どうすればいい?
なまじ、ずっと読めるのが基本だったせいで、不安と恐れで私の思考が停止する。
そのときだった。
「参ります」
女悪魔が突っ込んで来た。
ランダに向かって。
あの女の記憶を読んだ。
……あの悪魔、女神ヘラはまともな魔法攻撃方法を持たない。
フィジカルだけの女神……。
ということは、ランダの敵では無い!
放っておけ!
接近したところで毛針で攻撃だ!
そう思った私は、そちらを捨ておくことにした。
もう1体、造魔フツコ……
使用魔法・特殊魔法トラップ……トラップって何だ?
よく分からんが、発動までにチャージ時間が要るのか。
ならば
「ギリメカラ、そこから動いて放電攻撃をかけろ! 決して立ち止まるな!」
そのときだった。
フツコを警戒して移動し、放電攻撃をかけようとしたギリメカラの背後に。
飛び込んでくる影があった。
……あの女の夫であり、奴らのいうこところの仮面ライダーアモン……佐上忍だった。
背後でヤツは拳を振り上げる。
馬鹿め! 物理反射相性を忘れたか!?
そう、私はヤツを嘲笑したが……
違う……! ヤツはそんな馬鹿な男ではない!
この女のヤツへの信頼と記憶がそう言っている!
とするとあれは魔法攻撃か!?
究極合体魔法……
そんな言葉が頭を過る。
変身しないと今のヤツの思惑は読めない。
しかし、この女の姿を捨てると、この女の能力である「気づき」が失われる。
それはまずい。不利になる。
それが感覚として理解できていた。
その迷いが、致命的な采配ミスを産んだ。
ヤツがギリメカラの背中に掌底を打ち込んだのだ。
そして
「燃えろ!」
ゼロ距離でのトリスアギオンを叩き込んだ!
「グアアアアアアアッ!」
炎上するギリメカラ。
悶えるギリメカラから、佐上忍は跳躍して間を開けた。
……その右手に、何か持っている。
それは……ギリメカラの青龍刀。
それをどうするつもりなのか。
言っておくがそれはギリメカラの魔力で、いくらでも生み出せるものだ。
奪っても何の意味も……
そのはずだった。
なんと、ヤツは間を置いて、腰を落とし、剣を構えたのだ。
なんだろう、あの構えは……?
下段斜めに、刀を構えた奇妙な構え。
私は座学ばかりやってきた。武道には詳しくはないが……
……この女の記憶を探る。
何か分からんか……?
……脇構え?
刀身を身体で隠し、剣の間合いを見誤らせる、本来はある流派の秘伝だった構えだと……?
それを今やって何になるんだ?
ギリメカラには剣は効かんのだぞ?
間合いもクソもあるものか。
大体ヤツは空手家だろう?
何故そんなことが……?
何? あいつは剣術も研究している?
素手で侍を倒すために?
あ……!
炎上から立ち直ったギリメカラが、佐上忍に向かって新しく生み出した青龍刀を掲げて突っ込んでいく。
相手が刀を構えたのを見て、ダメージを受けない確信を持った故か。
ここで、私は決断し。
佐上忍の姿に変じた。
ヤツの記憶から、ヤツの思考が読み取れる。
……脇構え。
本来の間合いを錯覚させて、胴薙ぎを決める構え。
間合いを見誤らせるとは、相手からすれば斬撃の範囲が想像よりも広かったということ。
それはつまり、相手にすれば斬撃範囲が延長されたようなものだ。
ということは、これを拡大解釈し、脇構えを斬撃射程を伸ばす構えと捉え。
そこに範囲攻撃魔法メギドフレイムを乗せる。
同じ範囲を攻撃する技。
そこを共通項にし、範囲を増強。
胴薙ぎの必殺性を加味し、威力も増強する。
……この魔法効果で増強された攻撃範囲は、実体の斬撃では無い。
よって、物理反射相性は全く何の意味も持たない。
あの男が組み上げた、魔法の論理が頭の中に展開される。
あの男、この僅かな間に別の究極合体魔法を創っただと……!
驚愕し、そして戦慄した。
その距離に。
……ま……マズいッ!
突進していくギリメカラ。
そんな相手を待ち受ける佐上忍。
その距離はッ!
ヤツの究極合体魔法の範囲だ!
「止めろ奴に近づくなァァァァァッ!!」
私は叫んだ。
……だが、遅すぎた。
「メギドスラッシュ!」
ヤツの気合と共に炎の斬撃が放たれ、ギリメカラの胴体を通過。
突進していくギリメカラ。
その身体が後ろに傾き。
前後にずれ。
2つになった。
そして2つのギリメカラは分断されながら燃え上がり。
2つの炎の塊になった。
「そんなバカなぁぁぁぁっ!?」
……私の絶叫が木霊した。
2つめの究極合体魔法