真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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上野ではこんなことが


12:五味山の不始末

★★★(明)

 

 

「……五味山のやつが、渋谷で奴隷狩り戦争を仕掛けて、敗戦して捕まり、処刑された?」

 

 その話を小耳に挟んだ俺は、すぐに渋谷に飛んだ。

 別に五味山がどうなろうと知ったことでは無い。

 ガイア教団の13人の間には、力関係による牽制、妥協、提案はあっても、仲間意識と言うやつはないから。

 自分のやらかしで自分が致命的な代償を払うことになっても、それは全て本人の力不足のせい。

 空いた席を別の誰かで埋めるだけであり、その際に「報復」しに行くという発想は無い。

 

 負けた奴が悪いんだ。

 

 だが。

 ガイア教団では女は基本的に男の持ち物だ。

 所有者である男が死んだ場合、残された持ち物の運命はどうなるんだ?

 

 五味山が所有していた11人の女たちは?

 

 ……普通に考えて、まともな運命が用意されないのは容易に予想がつくことだろう。

 だから、助けに行った。

 それはいくらなんでも酷過ぎる。

 

 最悪、五味山と一緒に処刑されてる可能性も考えたが。

 行ってみると、メシア教教会で働かされていた。

 どうやら妊婦だったのが幸いしたらしい。

 

 そこで少し思案したが。

 

 やっぱり、ここに置いておくと何か理由をつけて処刑という可能性も無くは無い。

 奪おう。

 

 そう考えた。

 

 なので、そこでコウとシユウを召喚し、力で脅して11人を差し出させた。

 

 そこから連れて帰ってくるのが大変だったのだが……

 シユウの力で兵員輸送用の馬車を作らせた。

 ……だが古代のヤツだから、どうにも使いにくそう。

 

 ……でも、これしか作れないって言うんだよね。

 

 しょうがないから、それでいくことにした。

 

 途中で悪魔をナンパして、合体させて馬車を引くのに適した悪魔作ったりしたよ。

 

 ホント、大変だった。

 

 そしてなんとか上野まで帰って来て。

 ガイア教団本拠地である上野ビルまで戻って来た。

 

 一番上野でデカいビルだ。

 正式名称は知らん。

 

 皆上野ビルと呼んでるから俺も呼んでる。

 

「桃井」

 

「あ、神取さん」

 

 ビルの休憩所で、11人の妊婦の傍で今後のことを悩んでいたら。

 がっしりした黒スーツ高身長男性……ガイア教団13人の1人の神取さんに出会った。

 

 神取さんはコーヒーを片手に俺に声を掛けてきた。

 

「しばらく見なかったが、何かあったのか?」

 

「ええと、ちょっと見過ごせないことがありまして」

 

 俺は自分が起こした行動を説明した。

 すると

 

「……放っておけば良かったのではないか?」

 

 自分の所有する女を危機にさらしたのは五味山の落ち度だ。

 女たちがどうなろうと、お前が気に病む必要など無いだろう?

 

 それに、本当に優れた存在であるなら、どんな環境でも立ち上がってくるものだ。

 それが出来ないのは、そいつが劣っているからだ。助ける必要などない。

 

 ……それが淘汰というものだ。

 男も女も、淘汰に耐えられない存在はそれまで。

 

 そういうのを無理矢理残そうとしたから、旧世界は駄目になったんだ。

 お前なら分かるはずだと思うんだがな。

 

 ……なんか説教された。

 この人、能力高いし。

 頑張ったら褒めてくれるし。

 俺にとっては良い人なんだけど。

 

 ……弱い奴らにはホント辛辣だわ。

 

 ……この人も、一応2人娘がいるんだけどね。

 それでこんな辛辣なことを言ってしまうんだから。

 

 どういう教育してんのかね。

 ちょっと怖くなる。

 

 でも、そんなことを言ったら機嫌が悪くなるだろうから、俺は

 

「そう思ったんですけどね。ちょっとウチのが気に病むから、渋々、です」

 

 困り顔でそう答えた。

 ……すまない夏子。

 

「……それがお前の家の在り方なら私の踏み込むことではないな」

 

 言ってコーヒーを飲み干し、神取さんはコーヒーを淹れていたカップを持って去っていった。

 ……紙コップ無いんよね。だから皆、コーヒーは陶器のカップで飲むのがデフォ……。

 

 

 ふう……マジでどうしよ……

 

 また悩む。

 メシア服を着た、妊婦11人を前にして。

 

 すると

 

「桃井」

 

「あ、氷川さん」

 

 ……また13人の1人に出会った。

 紫色のスーツの男性。今度は氷川さんだ。

 

 この人は元々通信会社の重役だった人だ。

 で、あまり激しい人じゃ無いんだよな。

 賢い男性ではあるんだが。

 ホント、なんでガイア教団に居るんだ?

 

 体型は痩せ体型。

 身長は決して低くない。

 ……で、ちょっと髪の毛生え際が怪しい。

 額がM字なんだよね。

 

「……また瞑想ですか?」

 

「私の日課だからな」

 

 無表情でそんなことを言う。

 この人、欲望無いんか? 修行僧ですか? みたいな生き方してる。

 ちなみにこの人、女を所有してない。

 その気になれば美人ばかりでハーレム作れるはずなのに。

 

 そこで、ふと

 

「……氷川さん」

 

 ちょっと、出来心で

 

「氷川さんは自分の子供を持つ気は無いんでしたっけ?」

 

「無いな。自分の血を引く者をやっきになって作るということに関心が無いのだよ」

 

 つまらんことを訊くな、というような声音。

 うん、そうですよね……

 

 でもさ

 

「でも、後継者が欲しいとは思わないんですか?」

 

「もしそういう気持ちになったら、養子をとるつもりだ」

 

 ……ですよね。そうくると思ってましたよ。

 養子の方が確実に後継者を得られる。血縁に拘る意味は無いだろう。

 あなたはそういう人ですよね。

 

 だったら

 

「……ちょっと今、妊婦11人を拾ってきてしまいまして。始末に困ってるんですよ」

 

「うむ」

 

 無表情。

 

「氷川さん、所有してみる気はないですか? すでに孕んでるから11人の子供が、いや、2回目なんで合計22人いるんですけど」

 

「……ふむ」

 

 氷川さん、顎に手を当てて考え始めた。

 そして

 

「22人いるなら、ひとりくらいは私に感化されて、私が手に入れたものを学ぼうとするのがいるかもしれないな。まぁ、22人養育するくらい、大した負担では無いし」

 

 ブツブツ言いながら

 

「……うむ。悪くないかもしれないな。もし後継者が欲しくなったとき、教育する時間も残されていないとなるとそれは良くない」

 

 そして俺を正面から見つめて、真顔で

 

「引き取ろう」

 

 ……おお!

 

 さすが氷川さんだ!




氷川って仏教徒の暗黒化だと思うんよね
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