真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

148 / 211
主人公パートに戻る


15:上野への誘い

★★★(真月)

 

 

 私たちを助けてくれたのは、ガイア教徒の夫婦だった。

 

 ……何? 何なの?

 

 ひょっとして、お前たちを倒すのは俺たちだ! 的な少年漫画のような理由?

 

 色々と考えてしまったけど

 

「公務員夫婦! 説明は後だ! 天使を全滅させるぞ!」

 

 ガイア教徒の夫婦の旦那の方……確か名前は桃井明……が私にそう呼び掛けた。

 そこで、私は無駄な思考を中断する。

 

 ……分かった!

 

「妖魔召喚!」

 

 鞭を振るい、私は妖魔ヴァルキリーを召喚した。

 

 

★★★(ヴァーチャー)

 

 

 主をこの世に召喚するための鍵である「生贄の巫女」を追って来たのですけれど。

 追いついたと思った矢先、大量のテンプルナイトどもの妨害に遭いました。

 

 ……なんと嘆かわしいのですか!

 

 何があったかは知りませんが、信仰を捨てたというのですか!?

 

 容赦はしません!

 

 私は大きく羽ばたき、即座に火炎魔法を使う決意を固めました。

 邪魔立てするなら、焼き払うまで!

 

 一切の容赦、躊躇い無く!

 

 ……その直後。

 どうも、生贄の巫女の言葉を聞く限り、あと6分でこの者たちが元に戻ること、そもそもが魔王マーラの催眠能力でこうなったのだということ。

 それが分かったのですが。

 

 ……一考に値しません! どんな理由であれ、立ち塞がったならばその責は問われると心得るべき!

 

「火炎よ!」

 

 一直線に生贄の巫女を追いながら、進行方向を塞ぐテンプルナイトたちを私は躊躇なく焼き払いました。

 

「グアアアアアアアッ!」

 

 火達磨になり、悶え倒れるテンプルナイトたち。

 ……生きていれば、正気に戻った後治療してあげます!

 

 生贄の巫女! 逃しません!

 

 私は目標しか目に入らない状態で、一直線に突っ込んでいきました。

 そのときです。

 

 突如、私の視界が紅蓮の炎で包まれてしまいました。

 高熱。発火する私の身体。

 

 ギアアアアアッ!

 

 私は特段火炎が弱点ではありません。

 そのせいで深刻なダメージは負いませんでしたが、追跡は阻まれました。

 

 ダメージに悶えながら、私は相手を見たのです。

 

 ……狛犬に似た魔獣に乗った、若い男でした。

 顔立ちは整っており、背丈もある。

 男はアームターミナルを装備しており、悪魔使いであることが即座に分かりました。

 そして。

 

 ……あの魔獣は……

 

 霊獣コウ……!

 

 東洋の、大陸の方の、凶悪な魔獣です!

 そんなものを使役しているですって……?

 

 言葉を失ってしまいます。

 そのときを狙ったように

 

「妖魔召喚!」

 

 あの、生贄の巫女の掛け声で、別の悪魔が仲魔として呼び出されました。

 黒い甲冑に身を包んだ、剣を持つ有翼の乙女。

 

 妖魔ヴァルキリー。

 

 ……それが私に向かって剣を掲げ、羽ばたき突っ込んで来たのです!

 まずい!

 私はそれを避けるため、大きく羽ばたきます。

 私の身体の中に、あれを受ける力はまだ出来ていないから!

 

 その私の後ろに

 

 いつの間にか、接近していたあの緑色の戦士が、背中の翼を羽ばたかせてついてきていたのです!

 

 ……しまった!

 

 翻弄されたというのですか、この私が!?

 

 緑色の戦士は、私の背中に背後から左フックのようなパンチを打ってきました。

 踏ん張りの無い空中で、信じられない重さを伴ったパンチでした。

 防御性能の高い背中で受けて、威力が浸透してくる。

 

 そして二撃目の右のストレートパンチ。続く衝撃。

 最後に全部の体重が乗った薙ぎ払うようなキックが私の脇腹に食い込みました。

 

 そのまま私は吹き飛び、住宅の壁に叩きつけられます。

 そしてそのまま家の庭に落下しました。

 

 ……なんという連撃でしょう! その完成度……!

 

 そんな風に、頭を振りながら起き上がる私。

 それが遅すぎたことを、次の瞬間知ることになります。

 

 上から降って来たヴァルキリーが、その剣で私の腹部を背中から下の地面まで串刺しにしたからです!

 

 そ……そんな……!

 

 

★★★(忍)

 

 

 グアアアアア……

 

 向こうの民家の庭で、ヴァルキリーの剣でトドメを刺された天使が、断末魔の叫びを残して消えていく。

 良い感じで気を散らしていたから、一気にいかせてもらった。

 

 ……さて、どうする?

 

 羽ばたき、宙に留まった状態で。

 そんな意味を込めて、生き残った天使たちあと4体を見入った。

 すると……

 

「引くぞ……この戦い、継続する価値が無い」

 

 白い天使がそう言って、残った三体の天使を従えて去っていく。

 ……良かった。

 

 すると

 

「……今のうちに地下鉄まで逃げよう!」

 

 地上から、俺の嫁が俺を見上げ、手でメガホンを作ってそう言ってきた。

 そうだな。

 

 こうしてはいられない。

 あと数分でテンプルナイトの洗脳が解除されるんだったよな。

 

 ……急ぐか!

 

 俺は地上に向かった。

 

 

 

 そして

 

 地下鉄に入り、その線路に入り込んだあたりで。

 立ち止まって俺はこう言ったんだ。

 

「助かった。ありがとう」

 

 ……事実、彼らの乱入が無かったらヤバかったと思うから。

 

 ガイア教夫婦……

 

 前に、御所に攻め込んで来た時は、デート衣装と言って差し支えのないセンスのある服を着ていたけど。

 今日はそれが違ってて。

 

 夫の方の明は、黒いジーンズに黒パーカーという、部屋着かそれ、という格好で。

 嫁の方の夏子は、青色のジャージだった。ご丁寧に、胸のところに「桃井」という刺繡がある。

 

 ……これはどういうことなんだろうな?

 どう受け止めればいいのか……?

 

 ……まあ別に、どうでもいいことかそれは。

 大切なのは助けてくれたことで、これが意味するところを知りたいと思うから。

 

 ……何で助けてくれたんだろうか?

 

「……なぁ」

 

 それを訊こうとしたら

 

「ちょっと、上野に来て欲しいんだが」

 

 明にそう、言われてしまう。

 ……上野?

 ガイア教の本拠地だな?

 

 そこに、何で?

 

「……ちょっと、話が見えない」

 

 そう言うと

 

「幹部会の奴らが、お前らに会いたいって言ってる」

 

 ……は?

 何でガイア教団の幹部が?

 理解が追い付かなかった。

 

 ああ、でも。

 そういう理由で助けてくれたのか。

 

 まあ、それは運がいいというかなんというか……

 

「そうなのか。しかし……」

 

 なんでまた、俺らに会いたいんだ? と続けようとしたときだ。

 

 真月にこう、遮られるように言われてしまう。

 

「ちょうど良かった。私たちもアナタたちの指導者たちに用事があるの」

 

 思わず俺は横に立ってる嫁を見た。

 彼女は、向こうに強い視線を向けて、堂々とした様子だった。

 そんな様子で、そんなことを言い放ったのだった……。




行かないか?(上野に)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。