真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
「……高城様は私をヤマの目に採用するとき、ヤマにこう言いました。彼女は死すべき人間か? と」
虚ろな目をしたおばさんが、そう真月の質問に答えていた。
あの後。
真月が物凄い演技力を発揮し、こう言ったんだ。
「えええ!? 高城様!? 大変! あなたはヤマの目の人だったんですね!? 失礼しました!」
……真っ青な顔で。
……この演技力、怖ええ。
で。
「……その通りだ分かったか小娘! ウザいんだよ! 自分には相手が居ることを見せつけやがって! 少しは遠慮しろ!」
調子に乗ったおばさんが、薄笑いを浮かべながらそう畳みかけるように言う。
真月は平身低頭で謝り倒す。
「すみませんでした! どうしたら許してくださいますか!?」
ああ……哀れっぽい声。
まるっきし怯え切った感じ……。
ホントはそんなことないの分かり切ってるんだが。
俺の嫁さん……頼もしいけどちょっと怖い。
「そうね……土下座してもらえるかしら?」
土下座……
この人、まともじゃないんだな。
奴隷の行為だからね、土下座は。
それを要求するって、まともな人間の言動じゃ無いよ。
でも……
俺には分かってしまった。
真月が今、心で冷笑を浮かべたのを。
計画通り、って感じで。
「……往来でやるのは勘弁して貰えますか? できれば、人目が無い場所で……」
彼女は震え声で、そんな提案をした。
で。
人目の無いところに連れ込んで。
俺がおばさんの口を手で押さえて。
真月がCOMPでマーラを召喚。
そして洗脳。
情報全部出し。
いつものコンボ。
「……ありがとう。全部分かった。もういいわ。表通りに出た後は、私たちに会ったことを全部忘れて普通の生活に戻りなさい」
「……はい」
フラフラと、おばさんは表通りに出て行った。
そしたら
「……終わったか?」
そこで明とその嫁さんが現れた。
どこか目の届く範囲で俺らを見守っていたのかな。
「ええ。全部分かった」
真月は彼らに向かって頷いて見せる。
そして語った。
「まず、高城少年はサンシャイン60にいるらしいわ。最上階で住んでるんだって」
……元々あの巣鴨プリズンがあった場所。
そこに高城少年の住処があるらしい。
……何もそんなところに住まんでも。
そう思わないことも無いんだけど。
どうやって生活しているんだ?
めちゃくちゃ不便じゃないか?
そう思うんだけどさ。
「あと、ヤマの目の採用基準は……」
面接と、ヤマによる判定。
まずヤマの目志望の人間を、高城少年が面接し。
悪を許さない人間であるかを確かめ。
その上で、ヤマ自身の目で「死すべき悪人であるか」を判定する。
その二つをクリアして、晴れてヤマの目になれる、らしい。
「ふーん……」
それを聞いた明は
「それで、杓子定規に道徳持ち出して正義面する人間性を持ち、加えて権力を悪用する度胸が無い人間を選出する、というわけね」
半眼でそんな辛辣な言葉を吐いた。
それを聞いた真月は
「……あら、そこまで予想するとは流石ね。確かにヤマの目をやってる人間に、実際に高城少年に告げ口したヤツは一人も居なかったらしいわ」
感心した声音でそう返した。
……告げ口を持ち出すという嫌がらせで他人を不安がらせる度胸は合っても、本当に告げ口して罪のない相手を死に追いやってしまう度胸は無い。
ま、本当にやれるやつよりはマシなんだろうが、誇れることでは無いよな。
「まあ、色々分かったな。……行くか」
そう、半眼のまま言う明。
真月はそれに頷き
「ええそうね。とっとと行きましょう……サンシャイン60に。それで問題を片付けて、とっとと上野に向かいましょう」
そう言って、歩き出した。
途中、俺の肩を押し
「行きましょ、忍」
そう、囁いて。
巣鴨プリズンは今はビル。
調べて驚いたよ。