真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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メシア教徒と関わるからだよ


06:異教徒

★★★(圭介)

 

 

 その日、ミドリちゃんがなかなか帰宅しなかった。

 不安だったことが的中してしまった。

 

 ……やっぱ止めれば良かったんだ。

 

 いてもたってもいられなくて。

 ボクは家を出た。

 

 ……どこに行けばいい?

 

 ミドリちゃんはメシア教徒の女の子と言った。

 だったら……

 

 メシア教徒の居る場所に行くしか無いのか。

 絶望的な気分になる。

 

 ……彼らは協力してくれるのか?

 

 

 

「ここに眼鏡の華奢な女の子は来ませんでしたか?」

 

 メシア教徒の教会周辺にある、彼らの居住区に来て。

 通行人に聞いたり、家のドアを叩いたり。

 

 必死で、自分で考えられる方法全てで呼び掛ける。

 

「小牧翠って言うんですけど!」

 

 だけど。

 

 誰もボクの相手をしてくれなかった。

 まるで見えていないように。聞こえていないように。

 

 ドアを叩いた場合は出てきてくれたが。

 

「煩い異教徒! 去れ!」

 

 ボクを見るなり、そう言われたんだ。

 誰もボクの話を聞こうとしなかった。

 

 ……しばらくそんなことを続けていて。

 気づいたんだ。

 

 ……あ、そうか。

 彼らの仲間になれば、話を聞いてもらえるじゃないか。

 

 だからこう叫んだんだ。

 

「ボクをメシア教徒にしてください!」

 

 ボクには一応信仰はあったけど、そんなことどうでもいい!

 もう、家族を失うのは嫌だ!

 

 だから、即座に決断した。

 

 すると、通行人の一人が足を止めてくれたんだ。

 そして

 

「……それを教会で言おうか。それで入信できる。正式に」

 

 ……今まで見れなかった、優しいメシア教徒の笑顔だった。

 

 

 

 ボクは教会に連れてこられて、入信の儀式を受けた。

 といっても、教団のシンボルみたいなオブジェの前で、さっきボクが言ったことを言うだけなんだけど。

 

「おめでとう。これでキミはメシア教徒だ」

 

 笑顔のメシア教神父が、そうボクに言った。

 

 そんなことはどうでもいい!

 

「ここに小牧翠っていう女の子が来たはずなんです! どうなったのかを調べて欲しいんです!」

 

 ボクはメシア教徒になると同時に、自分の真の目的を切り出した。

 この話を聞いてもらうためにボクはメシア教徒になったんだ!

 

 だけど

 

「……その娘はメシア教徒なのか?」

 

「ち、違います!」

 

 返って来た返事は、質問だった。

 ボクは焦りと怒りでどうにかなりそうだったが、その質問に正直に答える。

 嘘がバレるとどうなるか分からないという予想が頭を過ったからだ、

 すると。

 

「ならば我らの関知するところでは無い」

 

 その一言だった。

 

 え……?

 

 神父はそのまま、スタスタと歩き、何か他の仕事をしに行こうとする。

 そんなッ!?

 

「若い女の子の居場所がこんな時代に分からないんですよ!? 助けて欲しいんです!」

 

「……何故我らがそんなことをしなければならないのだ?」

 

 神父は不可解な事を言われている、という顔でそう答える。

 ……一瞬自分が間違ってるのか? と疑ってしまいそうなほど、自然に見える反応だった。

 

「救われるべきはメシア教徒。その他は地獄に堕ちる者たち。どうなろうと知ったことでは無いのだ」

 

 いいか? 良く聞けよ? という調子。

 

「救われたければメシア教徒になればいい。ドアは常に開け放たれているのに、入らない異教徒が悪いのだ。知ったことでは無いよ」

 

 ……そんな。

 

 

 

 神父は駄目でも、戦士の人なら違うかもしれない。

 だから、ボクはテンプルナイトの詰め所に向かったんだ。

 

 すると

 

「異教徒の救出に何故俺たちが血を流さないといけないんだ?」

 

 そして意味不明だな、とボソリと言われた。

 ……ボクは放心していた。

 

「そんなどうでもいいことで時間を使わせないでくれ。俺たちは今、忙しいんだ」

 

 言って、そのテンプルナイトはくるりと背を向けて、他の仲間のもとに向かって行った。

 こう、言いながら。

 

「オイ、さっき入った仕事の”バール信者に拉致された少女たちの救出”はどうなった?」

 

「ああ、あの少女2名が異教徒と一緒にスーパーの跡地に向かって攫われたという、アレか。……それなら大丈夫。もう解決した」

 

 ボクの話など聞いてなかったみたいな調子で、彼はそう言った。

 

「彼女たちの純潔はどうだ? 大丈夫だったか?」

 

「そんな暇も与えずに解決できたらしい。無事だよ……」

 

 そうか。良かったな。

 じゃあ仕事完了、と。

 

 そんな、聞こえてきた会話の内容で。

 

 ……異教徒と一緒……

 そこに、ボクは引っかかった。

 なので

 

「……異教徒と一緒に、スーパーの跡地になんてなんで行ったんですかね?」

 

 そう、思わず口にしていた。

 それを、ボクの相手をした男性が拾ってくれて。

 

「砂糖の在庫が倉庫に大量にあるのを見つけたから、だそうだ」

 

 気を付けてくれないと。

 そういう調子で教えてくれた。

 

 砂糖……!

 

 朝の会話が蘇る。

 

(砂糖を分けてもらいに……)

 

「……その子たち、どこに居ますか!?」

 

「……こっちだけど?」

 

 案内してくれたので、従った。

 

 

 

 小さな部屋で、落ち着かせるためなのか。

 机と、丸椅子2脚と。

 それのみ。

 

 そこでメシア服を着た少女たちが座って、青い顔でお茶を飲んでいた。

 そこに、普通の服を着た子は居ない。

 

 ……え?

 

「あの、異教徒の子はもう帰ったんですか?」

 

 ここから去ろうとしている連れてきてくれたテンプルナイトの男性にそう訊くと

 

「……は?」

 

 お前何を言ってるの?

 顔がそう言っている。

 

 そして、こう言ったんだ。

 

「知らん。メシア教徒を救ったら俺たちの仕事は終わりなんだから」

 

 この子たちと一緒に居たなら、自力で逃げてない限りバール信者に拉致されたままなんじゃないか?

 知らんけど。

 

 ……それが、テンプルナイトからの答えだった。

 

 ぷつん。

 

 ボクの中で、何かが決定的に切れたのをそのときボクは感じ取った。

 そして、言ってしまった。

 

「ふざけるなッ!」




我ながら

メシア教徒で無いのが悪い

は良い言葉だと思いました。
別の意味で。
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