真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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09:池袋の支配者

★★★(真月)

 

 

 サンシャイン60にやってきた。

 例によって……

 

「最上階は60階……」

 

 高いな……。

 案内板を見て、素直に感想を述べた。

 

 パッと見て回ったんだけど、エレベーターは生きてるんだよね。

 ここまで高いと、もうエレベーターを使うのは確定事項というか、避けられないんだけど……

 

「どうしよう?」

 

 振り返って夫の意見を求める。

 

「エレベーターしかないだろ」

 

 夫は即答した。

 まぁ、そう答えるだろうなと予想はしてたんだけど。

 前の警視庁ビルのときのことを考えるに。

 

「……別にエレベーターでいいよ」

 

「それでいいです」

 

 ガイア教徒の方も異議はないみたいだ。

 じゃあ、そうしよう。

 

 ただし……

 

「直接60階に行くのはいくらなんでも無謀だから、途中下車で階段使おうね」

 

 そう、言いながらエレベーターに向かって歩き出した。

 待ち伏せ怖いものね。

 

 

 エレベーターに乗った。

 ……偶然だけど、このエレベーター59階までしか行かないや。

 

 じゃあ、そこから階段でいけばいいんだね。

 

 まあ、途中でエレベーターを停止させられる恐れはゼロじゃ無いんだけど。

 そうすると、エレベーターをこのご時世に、ひとつ失うことになる。

 

 ……ここの居住者としては、それは痛いはずだから。

 無いと踏んでるんだけど。

 

 だから、直接60階に行くことを避ければ比較的安全、のはず。

 

「行くよ」

 

 全員乗ったので、私はエレベーターの扉を閉めるボタンを押した。

 さて、59階まで数分くらいかかるのかな?

 

 なんせ、59階だし。

 

 その間、話でもしようかと思い

 

「上野ではどういう生活をしているの?」

 

 ガイア教徒の夫婦の奥さんの方……夏子にそう訊いた。

 

「どうって……」

 

 ジャージ姿の彼女はモジモジしながら

 

「毎日ご飯作ったり、道場に通ったり、保育園に娘を迎えに行ったり……」

 

「え? 保育園あるの? ガイア教徒の街なのに!?」

 

 思わず食いついてしまう。

 すると

 

「あるわ……百合子ってガイア教の幹部の人が鬼女郎認定試験脱落者を集めて作った"鬼女郎保育園"が」

 

 ……ほ、保育園があるなんて。

 でも、ガイア教徒の保育園だから、ミスがあると保母さんの命が無いんだろうね。

 ……相当、手厚い保育環境になってると私は予想した。

 

 健全では無いけど、利用者的には安心の環境なのかなあ……?

 

 その辺の話を詳しく聞こうと思ったら

 

 チーン、って感じで。

 

 59階についてしまった。

 

 ……早。

 

 大破壊前の世界の技術って、すごかったんだね。

 この世界を、可能な限り取り戻したい。

 

 そのためには……

 

 私はそう、決意を新たにしながら、エレベーターの外に出た。

 

 

 

 59階はレストランフロアだった。

 大破壊前はきっと利用者で溢れていたんだろうけど。

 今は誰も居ない。

 

 ちょっとだけレストランの中を覗いたら、うわぁ……高級……って感じで。

 こういうところで、夫とデートしたかったなぁ、と少し思った。

 

「階段は……」

 

 案内板を探す。

 すると

 

「非常階段だろ。この場合」

 

 ガイア教徒夫婦の旦那の方……明が、ずいっと歩き出して。

 フロアの端へ進んでいく。

 

 そして

 

「ここだな」

 

 ……らしいのがあった。

 

 

 

 階段を上がり、60階に到達する。

 上がり終えると、フロアに通じる扉が見える。

 

 ここを開けたら60階……

 

 つまり、高城少年のテリトリーに入るわけだ。

 高城少年が私たちに敵対的な感情を持っていたら、即座に攻撃されるわけで……

 

 この場合は

 

「……俺が行くよ」

 

 ……夫が前に出てくれた。

 こういうときに、名乗り出てくれる人なんだよね。

 こういうところも好き。

 

「変身」

 

 ……ドアを開ける前にしっかり変身。

 抜かりはない。

 

 仮面ライダーに変身して、夫はドアを開けた。

 そっと、ではない。

 バン、って感じ。

 

 そして飛び出す。

 

 何も起きてない。

 

 私も出た。

 無論、それなりに警戒しながら。

 

 そして見回す。

 

 ……ここは展望台か。

 こんな、何も無いところで生活してるの?

 高城少年は?

 

 どういう気持ちなのか。

 それを少し想像していたら

 

「……ボクに用ですか? ヤマの目をやってる人じゃ無いですよね?」

 

 男の子の声が聞こえてきた。

 若い。

 まぁ、私たち夫婦も若いんだけど。

 

 声の方を見た。

 

 そこには……

 

 眼鏡の少年。

 黄色いポロシャツに、黒いジーンズ。

 ……破壊後のダボダボローブじゃない姿。

 

 背丈は普通。

 夫は高い方だけど、そこまで行かない感じ。

 決して低くは無いんだけど。

 

 体型は、瘦せ型。

 

 髪型は自然な感じのショートヘア。

 染めて無くて、黒。

 

 掛けてる眼鏡はスクエアタイプ。

 特に上等じゃなさそうだった。

 知的な感じで、加えて大人しそう。

 というか、優しそう。

 

 ……メシア教徒たちとバール信者という連中を皆殺しにしたような人間には見えなかった。

 

「あなたが高城さん? 私は佐上真月。こっちが私の夫の佐上忍」

 

 まぁ、とりあえず名乗らないと。

 傍に立っている仮面ライダーの夫を手で示して、名乗り&紹介。

 

「桃井明だ」

 

「その妻夏子です」

 

 ガイア教徒の方も自己紹介。

 

 すると

 

 彼は私たちに一礼して

 

「ボクは高城圭介。……この街を支配してます」

 

 そう言って、彼は微笑んだ。

 影のある微笑みだった。




サンシャイン60のエレベーターは速いらしい。
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