真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
野良悪魔の襲撃も、野盗の襲撃も無いから平和だなぁ。
俺は、バイクを走らせながらそう思った。
真月の様子も至って落ち着いてて、とても平和。
このまま、家に帰ってガラ吉さんに結果報告して。
報酬貰ってそれを貯金するだけ。
今回も無事に終わって何より。
今回の仕事は、少しだけ仕事が出来たから、俺としても嬉しい。
いっつも、真月に任せっきりで、俺、寄生虫の気分で辛いもの。
今日は真月を助けられた。
彼女の夫として、恥ずかしくなかった。
嬉しいよ。
「ねえ忍、眠くない?」
後ろの真月がそんなことを聞いてくる。
「いや、そんなことないけど、何で?」
「今回の戦闘、緊張感あったと思うし」
気疲れ。
それを心配してくれてるのか。
「だから、しんどくなったら一時休憩でもいいよ。持ってきた食糧、少し余裕あるしね」
……そういう気遣い、嬉しいなぁ。
そして……
そういう平和な会話は、そこで……
……終わりを告げてくるなんて、思いもしなかった。
後ろの方から、多数のエンジン音が響いてきた。
気づくのに、だいぶ時間が掛かってしまった。
……これ、何か変だな。
そう思うのに、だいぶ掛かった。
後ろをミラーでチラ見。
……どうみても、装甲車に見える。
一般人じゃない。
さっそくガイア教徒が報復に来たのか?
それは……ちょっと早すぎる。
ぐんぐん、追い付いてくる。
向こうの方が速いみたいだ。
……どうしよう?
今なら、何かできることが……
「忍、ちょっとだけスピードを落として」
……?
言われた通り、少し減速する。
すると、追い付きが酷くなるわけだけど……
一瞬、俺の腰に巻かれていた彼女の腕が外れる。
そして素早く、キーボードを叩く音が聞こえた。
同時に、後ろの方に魔法陣が出現するのを目の尻で捉える。
「スセリビメ、道を凍らせて!」
再び俺に掴まって真月の指示。
……二人乗りなのに、一瞬俺から手を離して、その一瞬で召喚したのか……
彼女のやること、すごいと思うんだけど……
なんとも、劣等感が刺激されて辛い。
理不尽な思いなのは分かってるんだけどさ。
後ろの方で、スセリビメが魔法を使う音が聞こえた。
同時に複数のスリップ音。
これで、俺たちは逃げられる。
……と、思ったその瞬間だった。
ビュルルルッ!!
何かが、バイクに巻き付いてきたんだ。
まずい!
このままじゃ転倒する!
俺は必死で体勢を立て直し、ブレーキをかけてバイクを停止させた。
……これは一体……?
俺たちのバイクには、白いもの……いや、糸が巻き付いていた。
それで、強引に止められた……
「……逃がしませんよ。超マグネタイト体質のお嬢さん……」
事態が飲み込めていない俺たちに。
そいつが話しかけてきた。
そこでそいつの存在に気づく俺たち。
そこには……
形容すると、直立した蜘蛛。
顔も、蜘蛛そのもの。
後ろ2本の足で立って、残りを腕に回したような……
つまり、6本腕の蜘蛛怪人が立っていた。
糸はそいつの腕の1本から出ているようで……
そういうところだけ、アメコミヒーロー仕様なのかよと。
少しだけツッこんだ。
「……何なんだ、お前?」
俺は聞いた。
聞くしかなかった。
理解不能の存在。
悪魔にも見えなかったし。
悪魔は車なんか使わない。
こいつ、絶対にあの車の中から出てきたやつだ……
すると、ヤツは言ったよ。
自己紹介をしてくれた。
こう、名乗ったんだ。
「我こそはメシア教団テンプルナイトの一人。その中でも選ばれし者……」
メシア教団……こいつ……メシア教徒!?
そいつはさらにこう続けた。
「クルセイダー・アトラクナクア!」
はい。怪人です。