真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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本人の話を聞いて


11:一緒に来ないか?

★★★(忍)

 

 

 まあ、とりあえず分かった。

 その「悪人探知」の能力で襲撃を予測し、返り討ちにしてきたわけね。

 よほど正確なレーダーらしいな。

 

「……なるほど。まあ、そこまでは分かったわ」

 

 真月も納得したらしい。一応は。

 

 色々納得いってないけど、どういう状況でヤマの裁判とやらが行われたかは分かった。

 結論から言うと、裁判ごっこではなく、結果的にそう見えただけだな。

 

 でも、まだ2つほど確かめたいことがある。

 

「あと2つほど、確かめたいことがあるんだが、いいか?」

 

 俺はそれを彼に確認する。

 すると彼は

 

「ええ。どうぞ」

 

 快く頷いた。

 ならば……

 

「……どうして、こんな何もないビルのてっぺんの展望台にいるんだ?」

 

 不便だし、楽しくも無いだろ。

 何も無いんだから。

 

 さっきの話を聞くに、襲撃を警戒しての選択かと思ったけど。

 そのわりには自分のこと度外視で、人間らしい場所の選択では無いと言わざるを得ないと思った。

 

 このビル、オフィスの入ってる階もあるから。

 そういうところをねぐらにしたら、もっと住みやすいし、楽しいものだってあると思うんだが。

 会社に置いてある書籍を読むこともできるし、来客用のソファだって使えるんだぞ?

 

 そこらへんが分からなくて、訊いたんだ。

 

 すると、彼の顔が曇って

 

「……ちょっとそれについては答えるのが嫌でたまらないので、避けますね。すみません」

 

 そう、言われてしまった。

 

 ……こんな時代だから、色々あるよな。

 なんとなく察して、俺もそれ以上の追及はやめることにした。

 気にはなったんだが。

 

 そしてその後

 

「……あとひとつ。何でヤマの目なんてものを作ったの?」

 

 俺が訊こうと思っていた項目のあとひとつ。

 ヤマの目について、真月が訊いてくれた。

 ナイス、俺の嫁さん!

 

「ボクの代わりに、池袋の街を監視して欲しいからですが」

 

 返って来た言葉はそれだった。

 その言葉。

 言い方に迷いが無かった。

 ……これは本心だ。確信した。

 

 そしてその言葉を受けて、真月はこう言ったんだ。

 

「……そのせいで、あなたの名前を使って脅迫をしてくる奴らが出てきているんだけど?」

 

 彼自身は悪い人間では無いと思う。

 そんな人間に、意見する。

 ひょっとすると、罪悪感があるかもしれない行為。

 それを迷いなく行う真月。

 

 だが

 

「それで何か実害出てるんですか?」

 

 返って来た言葉にも迷いが無かった。

 

 

 

「出てるでしょう!」

 

 ……真月、ちょっと声が荒くなる。

 まぁ「脅迫してる奴」の話をしてから「実害あるのか?」だからな。

 話聞いてるのか? と一瞬思うよな。

 

 ……俺はちょっとだけ彼の言い分が理解できるんだが。

 

「出て無いですよ。処罰するのはボクなのに。ボクはこの街の悪を叩いた後は誰も裁いてないんです。実害なんてあろうはずがない」

 

 ……ほらね。多分そういうことだと思った。

 脅迫の内容がどういうものか、彼は予想し、その上で「その脅迫内容が実現していないんだから実害は無い」と言い切ったんだ。

 それに対し真月は

 

「脅迫は実害でしょう!?」

 

「実力行使があればね」

 

 高城少年、怯まない。

 真月が機嫌悪くなると、男でも怯むときあるのに。

 

 彼は続けた。

 

「何でも行動起こしたらメリットデメリットがあるのは当然では? ヤマの目のメリットは、常時ボクの依頼を受けて街を見張る人間が多数潜伏しているってことなんです。そうすることにより、何かまずい存在がこの街にやってきたら、ボクに誰かが報告に来る。そうすれば、すぐにそいつらに対処できる」

 

 ……言ってることに一理あると思うんだよなぁ。

 確かに、普段から密告する体制が出来上がっていたら、街にとってまずい存在がやってきた場合に、速やかに彼が街に来た悪に対処することができそう。

 

 でも、色々洒落にならない脅迫内容もあったわけで。

 

 無銭飲食くらいなら可愛いけど。

 

 女性に対して身体の要求から、堕胎の要求まであったよな。

 真月が彼の言い分に珍しくキレ気味になってるの、最後のが原因として大きいだろ。

 自分というか、俺たちに重なるもんな。

 

 ……でも、彼にとってはそんなの知ったことではないだろうし。

 

 あ~!

 

 だいぶ迷ったけど、俺も口を開くことにした。

 

「あのさ」

 

「……なんですか?」

 

 彼が俺を見つめる。

 俺はそのまま続ける。

 

「……脅迫を甘く考えているのを見ると、君は強い人間なんだね」

 

「……それはどうも」

 

 彼は俺の言葉に頭を下げる。

 ここは褒めておいた方が後を続けやすいだろ。

 そこに続ける形で、こう言った。

 

「脅迫なんて言葉だけだ。勇気をもって無視すればいい。その程度のことも出来ない弱さにまで責任持てるか。それが君の言い分だ」

 

 そう言い切ると、彼から返答が無かった。

 ということは、言った通り、その通りのようだ。

 俺は続けた。

 

「でもさ、他人に恐怖に耐える強さを強制するって傲慢なんじゃないのかな?」

 

「それは……」

 

 すると。

 彼の声に僅かに動揺が宿る。

 

 少し、響いているのかな。

 

「それって、究極”弱い奴のことなんて知るか”って言ってるのと同じだぜ?」

 

 ……ちょっと反発あるかもな、と思いつつ。

 少し強めの表現で、彼の主張を斬った。

 

 さあ、どう出る……?

 

「ですが! 街の平和を守るためには!」

 

 彼は……少し興奮している。

 そっか。多少は響いたんだな。

 

 達成感を感じ、俺はさらに続けた。

 

「その平和だけどさ……君が死んだらそこで終わりだよね」

 

 ちょっと誤解を与えかねないと思いつつ。

 頼む、誤解しないでくれ。

 

 すると

 

「……悪意を感じないから、別に宣戦布告の言葉じゃ無いんですね。すると……その通りですね」

 

 ……彼の特殊能力に「悪人探知」があって良かった。

 それに感謝して

 

「ハッキリ言って、東京のこの現状、旧世界の方が遥かに良い……というか、天国だと思わないか? 昔の世界は」

 

 こう、続けた。

 

 彼は答えないが……否定している様子は無い。

 ま、そりゃそうだよな。

 こんな地獄の時代を経験して、前の世界より今の方が良いなんて言えるヤツ、絶対におかしい。

 

「……実は俺たち、旧世界の暫定政府、つまり昔の日本の政府の公務員なんだわ……。前の世界をいくらか取り戻すために仕事してるんだが……」

 

 ここがポイントだと思ったから、俺は彼の目を見た。

 そして声に力を籠める。

 

「……俺らと一緒に来ないか? 俺らの仕事が成功したら、きちんとした政府がある世界がいくらか戻ってくるんだ」

 

 そして再び右手を出した。

 勧誘と契約の意味を込めた右手。

 

 ……どうでる? 高城少年?

 

 彼は色々と考えているようだ。

 自分はどうすればいいのか、と。

 

「受けてくれたら、将来的に池袋の人々も救われるわよね」

 

 真月が、追い打ちを掛けるようにそう言葉を発する。

 それが決定打になったのか

 

「……よろしくお願いします」

 

 彼が俺の手を取った。

 

 真月が、やたっ、と声をあげる。

 俺もまあ、同じ気持ちだった。




再度言いますが、ケイスケはわりと好きなキャラ。
暴走イベが好きなのよ。正当な理由があって正義が暴走するのが好き。
(デビサバで他に好きなのはユズとアツロウ、あとナオヤ)
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