真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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当方に迎撃の用意あり!


05:その言葉、宣戦布告と判断する!

★★★(圭介)

 

 

 ……この人たち、全く奥さんを手伝おうとしないなぁ。

 

 一緒のテーブルについていたんだけど。

 佐上忍さんに、桃井明さん。

 奥さん方が夕飯の寄せ鍋の準備をしているのに。

 器と箸を出すくらいで、他に何かをしようとしない。

 

 二人とも食器の準備をした後は、動かないで椅子に座ったまま。

 

 佐上さんはひたすらお茶を飲んで何かを見てて。

 桃井さんは、何かの文庫本を読んでいた。

 

 ……これ、どうなんだろうか?

 

 旧世界なら間違いなく叩かれている旦那の態度のような気がするんだけど。

 

 ……どうなんだ?

 

 ちょっと、ボクは魔が差して

 

「あの……お二人とも、実質夫婦共働きなんですよね?」

 

 すると

 

「うん、そうだけど?」

 

「ああ、今はそうだな」

 

 ……ふたりとも全く躊躇なく認めた。

 えっと……

 

 ちょっと決断力が要ったけど

 

「ご飯の準備をしようとは思わないので?」

 

 すると

 

「えーと」

 

「……」

 

 ふたりとも、どう答えるかを迷っているように見えた。

 佐上さん、なんだか狼狽えている。

 桃井さん、どう答えたものかと悩んでる風。

 

 そしたら

 

「しょーがないだろ」

 

 先に桃井さんが口を開いた。

 

「向こうがやりたいって言うんだから」

 

 全く悪びれないでそう言い切った。

 

 ……んー。

 桃井さんのところはそうなのか。

 でも……

 

 いや、でもなぁ

 他人の、それも夫婦間のことに口を出すのはどうなんだ?

 

 それって良くないのでは……?

 マナー的に。

 そのあたり、今の時代だと、そういう経験が少なすぎて、さっぱり判断がつかないぞ……?

 

 ……それに。

 なんか、ここで何か言ったら

 

 他人の家庭の在り方に口を出すのはどうなんだ?

 お前の人生じゃ無いよな?

 

 ……そう斬られて終わってしまう気がするな。

 うん……きっとそうだ。

 

「そうですか」

 

 そう、答えておくことにした。

 

 ……佐上さんはどうなんだろうか?

 ボクは彼を見る。

 

 彼はどういう答えを出すのか……?

 

 

★★★(忍)

 

 

 明の子供を観察しながらお茶を飲んでいたら、いきなり高城くんに胸に突き刺さることを言われた。

 

 ……夏美ちゃんを観察し、自分の子供を持つときのことをシミュレートしていたら、いきなりだ。

 それは……

 

 俺は正直ね……家族に振舞える料理が作れない。

 自分一人で食べる分なら出来るよ?

 でも、それは「料理」とは呼べないんだよな。

 

 なので……

 

 嫁さんと一緒に暮らすようになってから、料理をしたことは一回も無いんだよね。

 ……それが正直、負い目になってるんだよな。

 

 役に立ってねぇなぁ、って。

 ……だから、すっげえ痛いところを突かれたんだ。

 

 だから……

 

「俺は料理したこと無いんだよね」

 

 かなり迷ったが、正直に言った。

 

 これは事実だ。

 

 実家に居たときは母親が作ってくれたし。

 大学入ってからも、下宿だったのでご飯が出た。

 大学に行けば学食あったし。

 食事が無い日も、よく真月に作って貰ってたし。

 ホント、数えるほどしか作ってない。

 

 ああ~。

 

「……何で?」

 

 不思議そうな目で見てくる。

 最近の子はそうなのか?

 

「家庭科の授業で習ったら、興味持って自分でもやってみようと思ったりしなかったんですか?」

 

 純粋に理解できないという目で見てくる。

 チクショオオオオオオー!

 

 俺はな! そんな暇なかったんだよ!

 ほとんど勉強しなくても、学年トップに余裕で立てる女の恋人やる男の苦労がお前に分かんのか!?

 

 俺は中学から大学に入るまで、フリーの時間のほとんどを勉強と稽古にしか当ててねぇんだ!

 俺の娯楽と言えば、暗記科目をやるときの、合間に読む「父親の蔵書の昔の漫画」くらいしか無かったんだ!

 

「料理なんてしてられなかったんだよ……」

 

 思わず、思考が口に出る。

 すると

 

「……旧世界では男のそういう態度、問題になってた気がするんですけど。夫婦共働きでも女性に全部家事を押し付ける男、って」

 

 佐上さん、見損ないました。

 あなた、料理を馬鹿にしているんですね。

 

 ボクだって、料理くらいできるんですよ?

 池袋で支配者してたときは、色々どうでもよくなって、缶詰ばかり食べてましたけど。

 

 くどくどくどくどくど

 

 年下の少年が、俺の思わず洩らした一言をやり玉に挙げて、俺を叩いてくる。

 気にしてることを……

 

 すると、ぷつん、と何かが切れた。

 

「おい……」

 

 信じられないほど低い声が出た気がする。

 そして続けた。

 

「そこから先は殺し合いになると思うんだが、その覚悟はあるんだな?」

 

 

★★★(圭介)

 

 

 ゾッ、とした。

 ボクは思わず言葉を止めてしまった。

 

 佐上さんの顔が、無表情になっていたのだ。

 これは……危険なものだ。

 

 ボクは言葉を止めた。

 いや、恐怖に負けたわけじゃ無いんだ。

 断じて違う。そこは断っておく。

 ボクだって男のプライドがあるし。

 

 だけど

 

 このまま佐上さんを責めることを言い募ると、何か良くないことを引き起こす。

 そんな事態にしてまで、持論を展開する必要が、果たしてあるんだろうか?

 そういう思考。

 

 それにさ。

 

 ……多分なんかあるんだろうなぁ。

 佐上さんがさ、お嫁さんを奴隷みたいな扱いしてないのは見てれば分かるし。

 絶対、なんかあるんだよ。きっと。

 

 だから、こう言ったんだ。

 

「すみませんでした。言い過ぎました」

 

 ……頭を下げながら。

 こうしておかないとマズいよね。

 佐上さんとの関係を壊すのは本意じゃないし。

 

 すると

 

「お待たせしました~」

 

 鍋を二つ、佐上真月さんと、桃井夏子さんが運んできたんだ。

 途端に空気が変わった。

 

 笑顔の奥さんが料理を運んでくるのを見て

 

「ああ、ありがとう」

 

「ご苦労さん」

 

 ふたりとも、自分の奥さんを労っている。

 それを見て、ボクは思ったんだ。

 

 ……うん。

 やっぱボクの理解が浅かったのかな……?

 双方合意みたいなんだし。

 

 うん……多分、そうなんじゃないかな。




ヒトにはいろいろ事情があるのだから、上っ面だけで判断しないように。
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