真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
「……いよいよか」
「うん。そうだね」
昨晩、桃井家に宿泊し。
明くる日の正午。
私たちはひとつの高いビルの前にいた。
上野ビル。
正式名称は知らない。
このビルがガイア教団の総本山。
ここで私たちは今日、ガイア教の幹部たちに会うんだ。
「……ボクも一緒に行っていいんでしょうか?」
「もちろん。むしろそうして欲しいわ」
「うん。そうだね」
ケイスケくんが不安そうにそんなことを言ってきたので、慌ててこちらからお願いする。
ケイスケくんは戦力として頼りになるし、警戒の面でも十分頼りになる。
居てくれないと困るよ。
「……そろそろ行くぞ」
桃井夫婦がそう私たちを促した。
うん、そうしよう。
桃井夫婦について、私はビルの自動扉を開き、上野ビルの中に入った。
桃井夫婦は迷いなく進んでいく。
途中、出会うガイア教徒たちが彼らに頭を下げる。
……本当に彼は幹部なんだ……
それを実感してしまう。
だいぶ長く歩く。
進むほど、廊下の豪華さが上がっていく。
そして。
大扉。
装飾がすごい。
絶対に、ここだ。
「……入りますよ」
その扉の前で、強い声で明氏が入室許可の言葉。
すると
ゴッ……と音を立てて。
大扉が自動で開いていく。
そして桃井夫婦が入っていったので。
私たちも続く。
中は天井がすごく高くて、明るかった。
そしてそこには
大きな円卓があり。
そこに多数の人間が座っている。
これがガイア教徒最高幹部13人……!
色々な人がいて。
パッと見、女がほとんど居なかった。
やっぱ、こういうところに上がってくるのは男性なのか。
それを感じて、ちょっとだけ……悔しかった。
幼稚だとは思うんだけどね。
2人くらいなのかな……?
13人中、2人か……。
まぁ、それはそれとして
あまり今はじろじろ見るのは失礼なので見れてないんだけど。
ホント色々な人が居る。
明らかに日本人じゃない人までいるし。
自由だ……
「……アナタが佐上真月さん?」
すると、突如たった2人の女の片方……ブランド物っぽい服を着た栗色のロングヘアの女性が私に話しかけてきた。
美人だけど……キツイというか、優しさが全くない女性だ。目つきで分かる。
この人、他人に同情したことが無いんじゃ無いかな? そんな気がする。
ずっと強者でやってきて、弱い人を見下してきた人……。
第一印象は、厭忌……。
顔は綺麗な人だけど、嫌だ。
友達になりたくない。
でも……
「ええ、私が佐上真月です。あなたは……?」
「私は橘千晶。よろしくね、佐上さん」
ニッコリ笑いながら。
さすがに笑い顔は少しだけ愛嬌があったけど、この人から伝わってくる邪なオーラはそれじゃ薄まってこなかった。
「ええ、できれば平和的な関係を築きたいですね……」
私も笑顔を作った。引き攣っていたかもしれないけど。
……なんかね。この人、人外だな……。
そう思ってしまう何かが、あったんだよね。
この、橘千晶って女性には……
「そう! 嬉しいわ……そこで提案なんだけど、アナタ、13人幹部のひとりになる気、無い……?」
……いきなり、とんでもないことを言われてしまう。
えっと……ガイア教徒の幹部にならないか?
……ならないよ!
と、即答したかったけど。
「……突然ですね。どういう理由ですか?」
それじゃ交渉にならないしね。
話は聞かないと。
★★★(橘千晶)
一目見て、気に入ったというか。
ああ、この女は要らないモノじゃないな。
それが即分かったのよね。
聞いていた女……佐上真月は綺麗で、素晴らしい人間だったわ。
見た目は和風の清楚で知的な美人。
暫定政府の黒い制服が良く似合ってて、美しかった。
腰には鞭を下げている。
あと、アームターミナルをつけていた。
……武装しているのね。
まあ、別にいいけど。
こっちは13人いるわけだし。
それよりも、彼女のことよ。
全体的に伝わってくる精神力、知性。
そして歩き方、体型から伝わってくるその運動能力。
あと、感情制御。
この子、私のことを嫌ってるなとまあ、それもすぐに分かったけど。
それを目的のためにしっかり抑えてるんだな。
それが分かるから。
イイわね。要るモノよ。
直接見てそれを確信した。
要るモノである以上、是非とも仲間に欲しいという結論になるから。
私は即座に言った。
仲間にならない? って。
敵にしておくのは惜しいわよ。
すると、理由を聞いてきた。
私としては「あなたは有能な要る人間だから」と言ってあげたかったけど。
それよりも、こっちが良いわよね。
「……無敵のベリアルとネビロスを、自力で討伐方法を考え出して実行し、完遂できてしまう強さと知性が気に入ったのよ」
実績の方が納得もするし、感じも良いでしょ。
さて、返答はどうかしら?
彼女はしばらく考えて……
そして顔を上げて私をじっと見つめて
こう、答えたわ。
「……なってもいいですよ。条件付きですが」
あら……?
意外にあっさり同意してくれたわね。
もうちょっと悩むか、揉めるものと思っていたけど。
ああ、まだ「条件」を聞いてないわよね。
それ次第か。
「条件は?」
面白いわね。
何を要求してくるつもりかしら?
お金?
地位?
そんなわけないわよね。
あなたみたいなタイプはそういうことを考えないのよ。
それは知ってるから。
すると
「2つあります……」
彼女は言ったわ。
その2つの条件は
①今後、三種の神器を破壊しようとすることを止めること。
②メシア教徒に奪われている草薙の剣の本体の奪還に協力すること。
この2つ。
「……地位やお金じゃないのね」
分かってたけど、言ってしまった。
自分のことをひとつも条件に挙げてこなかったのが意外だったから。
すると
「そんなもの、もう充分持ってますから不要です」
即答された。
……それで満足できちゃうんだ?
実働部隊としてこの東京に暫定政府に送り込まれるくらいだから、そりゃ暫定政府内で良い扱いを受ける上層の人間なのは予想つくけど。あなた。
それでも最重要トップじゃないのに。
それでいいんだ? へええ。
……まあ、そんなの人それぞれだから、私の関知するところじゃないけどね。
どうでもいいか。
「神器破壊をしないと、また旧世界の政府が復活してしまい、俺たちの敵になる可能性が出てくるのだが」
そこで。
私たちの話に、13人の1人の桜井直哉が口を挟んでくる。
彼は熱弁してたしね。
旧世界の政府に止めを刺そう、って。
すると
「敵にならなければいいんですね? じゃあ?」
ん……?
ちょっと、彼女が変なことを言った。
今確かに、いち公務員の権限を越えたことを。
ひとつの政府がある勢力と今後敵にならないことを約束する。
それって……
国家元首にしかできないことよ。
何なの? 彼女、東京に派遣される前に全権を委任されて寄越されたってわけ?
んな馬鹿な。
彼女は優秀かもしれないけど、ほとんどやらされてることは特攻隊員。
そんな権限を与えられるはずがないわ。
だとしたら……
そのとき。
彼女が「ちょっと失礼」と言いながらアームターミナルのキーボードに右手を伸ばした。
その瞬間、場がざわつく。
「日本政府の名誉に賭けて、この行為は攻撃行為ではありません!」
それに合わせるように、彼女は誓ったんだ。
攻撃する気はないって。
私はそれを信じることにした。
もし、これが偽りなら、先ほどまでに与えていた「要る人間認定」を取り消すくらいの勢いで。
……自分の思いつく最大の名誉に賭けた行為でペテンをする。
そんな人間はどんなに有能でも「要らない」
そんなのは有害な獣よ。
すると……
この13人幹部が集まる円卓の間の床に、魔法陣が浮かび上がって。
そこに、ひとりの小さい女の子が出現した。
ピンクのワンピースを着た、おさげの女の子。
年齢は7才くらい?
……アームターミナルを使ったってことは、この子は悪魔なんだろうけど……
一体、どんな悪魔……?
そう、思っていたら。
その子は、彼女……佐上真月と握手をして。
次の瞬間だった。
ずもももも……という音が聞こえる勢いで。
その女の子の身体が膨れ上がり、巨大化していったのよ。
………青ざめてしまったのが、自分でも自覚できた。
他の面子も、軒並み驚いている。
大きさはおよそ10メートル。
結構巨大なこの円卓の間の天井に、つっかえる大きさ。
身を屈めながら、そこに在った。
それは赤黒い巨大な骸骨で、腕が何本もあった。
そして、本来頭蓋骨があるところに、ミイラのような上半身が生えている。
それは、こう言ったわ。
「……我こそは天津神イザナミ。かつて我が民であったものたちよ。我が契約主である真月の要請により、この場に立ち会おうぞ」
……イザナミ……?
日本の創造神……!
ここから先がかなり悩んで決めた展開ですわ。