真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
「こっち、片付いたぞ」
桃井さんからそんな言葉が。
私たちはそちらを見る。
するとそこには、マグネタイトに還っていくアヒルを残してこちらに歩いてくる2人が見えた。
(夏子は私の夫と同じく、すでに変身を解いていた……)
「楽な相手だったよ」
……確かに余裕そう。
「そっちも片付いたみたいね」
「ええまあ。こっちはこっちで」
……楽だった、のかなぁ?
だいぶ危なかったと思うんだけど。
「今は悪の気配は無いです。行きましょう」
私たちが雑談に興じていると、ケイスケくんがそう言って割り込んで来た。
……まあ、そんなことしてる場合じゃ無いし、これはケイスケくんが正しいけどさ。
「そうだね。今のうちに行こう」
目指すはシンデレラ城。
どこから入るか分からないけど、まあ、周りをぐるりと見れば分かるんじゃないかな。
シンデレラ城の傍に来た。
さて、どこから入るのか……?
ぐるぐると見て回ったんだけど……
結果として、正門から入るべきでは?
という結論になった。
……当たり前すぎるかもしれないけどさ。
「……小細工する意味、あると思えないし……」
「まぁ、ねぇ……」
「確かに」
「ずっと放置されてきた場所ですしね……」
今回私たちが来たのは手塚氏の召喚のため。
普段、誰も来ない場所のはずなんだよね。
そんな場所なんだから、正門だからとか裏口だからとか。
そういう警戒、あるんだろうか?
そもそも、警戒してるの?
なんだか、そういう気持ちになって来て。
……私たちは正面から乗り込むことを選択した。
「こんにちはー」
正門を開けて、私たちはシンデレラ城に侵入した。
……そして、言わなくてもいい挨拶を思わずしてしまうが。
多分、大丈夫だよね。
中は静まり返っていて。
幻想的な作りになっていた。
アニメそのままの、お城の風景。
平和な時代なら、ここに恋人たちや、親子連れが訪れて。
きっと、幸せを生み出していたんだろう。
「ここ、来たんだっけ?」
忍がそんなことを口走る。
「いや、来てないよ。時間が足りなくて、入れなかった」
私のせいで。
ゲームコーナーで古いゲームにちょっと熱中してしまったのが原因で。
……いやもう、ごめんなさい。
一時の快楽で、思い出をひとつ失った。
私に計画性の大切さを教えてくれた出来事だったけど。
彼には本当に申し訳なかったな。
反省してしまう。
侵入口を潜ってエントランス。
そして豪華な廊下を通り、王の間……つまり謁見の間にまで進んでいく。
その途中。
「アノコロハシアワセダッタ……」
「ナンデコウナッタノ……」
「クルシイ……」
「ツライ……」
男とも女ともつかない声が聞こえた。
……これが……負の感情。
大破壊が起きたせいで、当たり前に平和があり、人権が守られていた世界が失われ。
甘えの一切許されない無法の世界に投げ込まれた。
そんな人々の、無意識の嘆き、怨嗟。
それがここ、東京ディスティニーランドに集まっている。
夢の国だったから、その反動なんだろうか?
「……これが穢れなんだな」
隣を歩く私の夫は、そんな声を聞きボソリとそう言った。
この声は日本に住んでる人、住んでいた人の心の声。
何とかしてあげたいけど……
おそらく、意思の疎通は難しいのでは?
そう思わざるを得ない。
誰が発したか分からないような、そんな無意識の集まりだから。
これを真の意味で晴らすのは、私たちが使命を果たすこと。
だから、この先で頑張るしかない。
歩いていくと、謁見の間の大扉の前まで来た。
「……この先でしょうか。悪は感じませんけど……」
ケイスケくんがそういうけど。
多分、居るのが穢れだから。
穢れ自体は敵じゃない。
敵=自分にとっての悪と捉えれば、そういう反応になってもおかしくないよね。
でも……
私はアームターミナルを操作し、女神ヘラを召喚する。
魔法陣から現れる、物憂げな白人美女。
出現した彼女は
「今度は何の御用ですか? 契約主真月様」
そして優雅に一礼。
私はそんな彼女に命令する。
「ヘラ、この扉を開けて」
「分かりましたわ」
言われて彼女は、目の前の大扉を勢いよく開け放った。
バン、って感じで。
謁見の間。
そこには2体の悪魔が居た。
それぞれ、2つの玉座……王と王妃の席のように見える……に腰掛けている。
2体の悪魔は、水晶で身体が出来ていた。
1体は黒水晶。もう1体は緑水晶。
黒い方は見た目男性の身体をしていた。
鍛え抜いた男性という見た目。顔は目鼻口が無く、頭部から三日月みたいな形で、2本の角が生えている。
そして反対に、緑色の方は女性。
普通の健康的な女性の体つき。黒い方と同じく目鼻口が無く、同じように頭部に繋げると三日月になるような形で、2本の角を生やしている。
「……何の用だ? 人間よ?」
「ここは人の来ること許されぬ穢れの吹き溜まり。命惜しくば帰るが良い」
2体の悪魔がそれぞれ喋る。
男、女の順番で。
会話は可能みたいだね。
だから言ったよ。
「……あなたたちが穢れの象徴ですか?」
すると
「いかにも」
「その通りだ」
さっきと同じ順番で、返事。
そっか……
「そうですか。分かりました。ありがとうございます」
私は答えてくれたことにお礼を言い。
……意を決して、言った。
「……ここを浄化するには、あなたたちを倒すしか無いんでしょうか?」
その答えは……
「その通りだな」
「手加減はせぬぞ」
2体の悪魔が玉座から立ち上がる。
私たちは、それを合図に戦闘態勢に入った。
元ネタはデビルサマナー