真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
この人がアニメの神様……!
写真で見たままだった。
ベレー帽。
ちょっと気になる大きさの鼻。
老人っぽい、黒いセーターと灰色のズボン姿。
「僕を呼び出したのは何故ですか?」
……何と言えばいいだろうか?
私はちょっと考えた。
だけど……
私、先生のことほとんど知らないな。
作品はいくつか知ってるけど。
どういえばいいのか……
そう、考えていたら。
「……先生もご存じかもしれませんが、今日本中が戦争中状態です」
夫が口火を切った。
先生は黙って聞いている。
「切っ掛けは科学実験。そのせいで、別の世界から怪物たちがこっちの世界になだれ込んできました。……そのせいで、日本は今ほぼ滅んだ状態になっています」
夫は静かに話している。
今の日本の現状を。
そして一通り現状を聞き終え。
先生はこう言った。
「それで、僕に何の用なんですか?」
先生は同じことをもう一回訊いてきた。
すると夫は
「ラーマーヤナは先生もご存じですよね?」
「それは当然でしょう。インドの英雄譚ですよね?」
知らないはずないよね。
偉大な漫画家なんだし。
夫はその答えを聞き
「今、どうしてもアニメになったラーマーヤナが必要なんです。理由はちょっと説明が大変なんですが……」
「ああ、別に説明は要りません。その説明が正しいのかどうかを判断する知識が僕にはほぼ無い」
説明しようとする夫を、先生は遮った。
言われてみればその通りだ。
例えば科学技術の基礎知識が皆無の人間に、科学の話題で説明をしても分かるわけない。
これは知性の問題じゃない。構造的に無理だから。
まず基礎の話をしなきゃいけないし。
そしてこの場合、語られた知識の正誤を検証するための他の資料も無いんだし。
確かに説明するだけ無駄かもしれない。
「だから、君を信じることにします」
……夫はその言葉に感激したのか。
少し、震えていた。
「そして君は、僕の百倍自分を信じて、必ずこの国を救ってください」
言って先生は、右掌を上に向け。
そこに何かを出現させる。
「……はぁ、今の時代はアニメの内容をこういうものに記録するんですね」
先生の手の中にあったのは。
1枚のケースに入ったDVD-Rだ。
多分、アニメのラーマーヤナのデータがそこに入ってる。
「さあ、持って行って下さい」
渡してくれる。
当然、このアニメを受け取る役目は……
「ありがとうございます」
夫の役目。
夫はそのDVD-Rを両手で受け取って。
「では、頑張って下さい」
そうして。
先生は言葉を残して消滅した。
「……これで、ラーヴァナが無敵化するという懸念を奴らに持たせることができるな」
明氏がポツリと言った。
それに対して
「……ああ。必ずこれで成功させる」
夫の言葉には、必ずそれを成功させるという決意が籠っていた。
この話を書くにあたり、色々調べましたよ。
なるべく「らしく」なるように。