真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
明日、全てが決定する。
まぁ、ひょっとしたら今日かもしれないんだけど。
俺たちは都庁の前に居た。
ガイア教徒の連中は、現在都庁内部で行われている魔王ラーヴァナ召喚の儀式を警備するため、周囲をずっと警戒している。
……ちなみに、その儀式が一体どんなものであるのかは聞いていない。
わざと聞かなかった。
それは……
魔王ラーヴァナを召喚しないことには、この作戦が成り立たないからだ。
ガイア教徒。
彼らは奴隷を平気で使うし、役に立たなければかつての同志も平気で奴隷に堕とす。
しかも要らなくなったら躊躇い無く放り出し、その結果死んでも全く気にしない。
そういう人間たちの集団だ。
ラーヴァナの召喚で一体何が行われているか、想像もできないし。
あまりしたくもない。
でも、召喚が成されないと俺たちは目的を果たせないんだ。
だから聞かなかった。
……これは卑劣な行いかもしれないが……
俺はどうしても、平和なあの世界を取り戻したいんだ。
ちなみに真月に「絶対に召喚方法は確認するな」と命じたのは俺だ。
責任は全部俺にある。
「ねぇ」
俺の隣で座っている真月が、俺に話しかけてきた。
二人並んで座っている。
都庁の入口が見える道路沿いに。
生き残ってる植え込みの木があったので、根元に並んで腰かけていた。
「……ん、何?」
そちらを見ると、彼女はお腹に手を当てて
「……新宿に入って、あとちょっとで5週間過ぎると思うんだよね」
……ああ、RTAの話……。
ちょっと、気分が塞ぎ込みそうだったから、そういう話題は嬉しいかもしれない。
「……あなたに抱かれて、ものすごく興奮したから、男の子の疑いが強いと思うんだよね。もし、出来ていたら」
彼女はそう、恥ずかしそうに言う。
……なるほど。
ちょっと嬉しい。
興奮した、ってところが。
そして次に彼女は、真顔で言ってきた。
「そこで問題がひとつ」
「問題?」
問題とは?
それは……
「息子の名前をどうするか問題」
息子前提で話をしだした。
「定番だと、父親の名前から1字取るのがあるあるだけどさ……」
私の夫、名前1文字。
取りようがない。困った。
……どうしよう?
そう思ったんだけど、忍のお父様の名前って何だったっけ?
う~む、なるほど。
そういうことね……
「佐上刃太郎」
教えた。
すると彼女は
「……ああ、だからお父様はあなたのお父様を”ジン”って呼んでたのね」
納得された。
……ついでだから、俺の名前のルーツも話しておくか。
「ウチの家は、発祥は良く分からないんだけど、長男の名前に”刃”の字を入れるのが習わしでさ」
実際、親父の代まではそうだったんだけど。
「第二次世界大戦が終わったときに、自分は若者に過剰に命を捨てることを美徳と教え過ぎたんじゃないかって、当時の……ひい爺ちゃんが思ったらしいんだよ」
で、思い詰めて一時期空手道場を畳もうかと思ったらしい。
そういう逸話を親父は爺ちゃんから聞いてて
「だったら、俺の代から子供の名前に刃の下に心を入れて、忍にしようって……」
「なるほど……」
彼女は俺の話を食い入るように見つめながら聞いていた。
そして腕を組んで考える。
「……そうすると……どうしよう……正直……」
ブツブツ言って考えている。
そして
「……正直さ、あなたの名前って1文字で完結してる感強すぎて、次に繋がらないと思うのよね。悪いけど」
……自分の名前の駄目だしを嫁さんにされてしまった!
「なので……お義父さんの志を無にして申し訳ないけど、忍の次の代からは長男に心の字を入れるってことでどうでしょ?」
そう、人差し指を1本立てて訊いてくる。
……とすると……
「例えば……月心げっしん、とか?」
「そうそう」
候補を挙げると、彼女は嬉しそうに笑った。
「月心……良い名前ね。絶対に平和な世界を取り戻して、一緒に育てようね」
彼女の言葉。
そのためにも……
「必ず2人とも生きて帰る。そして、絶対に勝つ」
「……うん」
これに関しては、妥協は無い。
……譲れないことなんだ。
次回、戦争開始。