真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(夏子)
ヴィシュヌは死蝿の葬列を避けられなかった。
そのまま、呑み込まれる。
「なんだとッ!? おのれッ!」
呑み込まれる寸前のヴィシュヌの言葉。
……終わりよ……!
そう思っていた。
だが……!
「フハハハハハッ!」
ヴィシュヌの笑い声がその場に響く。
無数の蠅たちに覆われながら。
その姿は見えないけれど
その声には、何の恐怖も無かった。
そしてそこに侮蔑の印象を受ける。
「……これは呪殺魔法だなッ!? この我にそのようなものが通じるはずが無かろう!」
……なんですって……?
私はヴィシュヌの言葉に驚愕する。
私の最後の、最後の奥の手だったのに……!
「うっとおしいだけだッ! 見ていろ、今すぐ貴様に我が天罰を……」
「イヤ、コレデ充分ダ」
そのときだった。
激しい炎が、無数の蠅に包み込まれたヴィシュヌごと覆い尽くして焼き尽くした。
「ギャアアアアアア!」
ヴィシュヌの苦鳴。だが、目隠しされているせいで、どこからその猛烈な火炎の吐息が来たのかが分からないのか
「お……おのれ! 不浄なるモノたちめ……!」
その場を動けない。
……私の死蝿の葬列が、意図とは別の効果を齎していた。
コウのファイアブレス……これで決められるかも……?
そんな見通しをし始めたとき
「ヴィシュヌ殿!」
地上から、よく通る声がした。
見ると、そこには……
30才くらいの、丸い眼鏡を掛けた糸目の中年男性がいた。
長髪のオールバック、それを後ろでおさげにしてる。
男は言いながら、目を見開く。限界まで。
四白眼の瞳が露わになる。
男が続ける。
「私の肉体を捧げます! あなたは人間に転生する能力がある! 私の肉体を使用し、人間になって下さい! そしてその後、ハニエル様との合体に合意して下さい! そうすれば……」
……続いた言葉に、私は戦慄した。
「あなたなら悪魔人間に必ずなれる!」
★★★(ドッペルゲンガー)
……マズい!
ガイア教徒にヴィシュヌが倒されそうだ!
どうすれば良い!?
私は目の前で展開している光景について、打開策を必死で考えた。
ヴィシュヌが倒されるのはマズい!
そんなことになれば、ハニエル様も危なくなる!
なんとか……なんとかしないと……!
私は自分の頭に右手を当て、考える。
これまで得た知識、そして経験。
見聞きした情報……
そこでふと、品川大聖堂で出会ったあの……
佐上真月の夫である、佐上忍のことを思い出す。
……そうだ……悪魔人間。
悪魔人間は、究極合体魔法を使うことができる。
なることが恐ろしく難しいわけだが。
ヤツは、佐上真月の記憶から得た情報からすると、悪魔合体システムを使用して合体を成し遂げたようだが……
……人間と悪魔の悪魔合体は、果たしてそれ以外方法が無いのだろうか?
これは悪魔から得た情報ではあるのだが……過去の高名な宗教家たちで、神の奇跡を起こせた者たち……
そういう手合いは、実は悪魔人間だったらしい。
悪魔人間だったからこそ、可能だったのだ。究極合体魔法が。
無論、そんな過去に現在の様な悪魔合体システムは存在しない。
……なのに、何故そんなことが可能だったのか?
これは、あくまで予想なのだが……
悪魔と人間が、双方合体に合意する精神状態であれば、合体ポッドを介さない悪魔合体が可能なのではないか?
ふと、そう思った。
だったら……
試す価値がある!
★★★(明)
……何だって?
正気か……? あいつ……?
俺は、自分の今聞いたことが信じられなかったのだ。
ヴィシュヌを自分の肉体に転生させるだと……?
死ぬぞ……?
いや、それだけじゃない。
自分の魂が消滅する可能性すらある。
それでもやると……?
イカれてる……!
信じられない……!
あまりの驚愕に手が止まる。
精神が停止した。
それが、致命的に不味かった
「……良く言った。ありがたく使わせて貰おう」
黒い蠅の群れに埋もれているヴィシュヌの声。
次の瞬間、そこから輝く球が出現し、あのメシア教徒の男に直進していく。
「素晴らしい献身です。神はお喜びになるでしょう」
ハニエルは羽ばたき、同じ男に直進する。
……マズイ!
俺はそのときにようやく金縛りが解け、合体が始まる前に、男の首を斬り落とそうと突進したのだが
間に合わなかった。
輝く球は男の身体に直撃し、融合。
そこにハニエルが舞い降りる。
……その瞬間、眩い輝きが辺りを包んだ。
俺は思わず足を止める。
そんな光。
そして光が消えたとき。
そこに立っていたのは……
赤い6枚の翼を背中に持つ純白の騎士。
兜は面頬を下ろしており、目の部分に赤い輝きがあった。
そいつは、自分の身体を見下ろしながら
「……リチャードの魂は維持たなかったか……まあ、その残滓は力になる。ありがたく、使わせていただこう」
純白の騎士は左手を振った。
その手の中に、純白の大弓が出現する。
そして羽ばたき、舞い上がる。
宙を舞いながら、騎士は弓を引き絞る。
きりり、と。
その手の中に、1本の燃え上がる矢が出現する。
「……お前たちはこの状態の悪魔人間を、”仮面ライダー”と呼んでいるらしいな」
……そして、そいつはこう続ける。
「ならば私はこう名乗ろうか……」
そいつは、言った。
「……仮面ライダーメシア!」
ガイアのラスボス出現