真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(クルセイダーロード)
「グオオオオ!」
私と斬り結んでいる青い悪魔が苦鳴をあげた。
魔王ラーヴァナ。
仏像の阿修羅によく似た、三面六臂の青い魔人。
髪の毛は緑色で、その3つの顔は鬼そのもの。
歯は牙で、目は深紅に燃えている。
6本の腕にはそれぞれ片刃の長剣が握られ、私はそのうちの1本を今、斬り落とした。
「この我が手も足も出んとは……」
「何故だ、何故なのだ……?」
「その奇妙な鎧のチカラか……?」
ラーヴァナのみっつの口が、代わる代わる言葉を吐き出す。
人間相手では無敵では無いものの、この戦況はおかしいと。
そういう気持ちだろうか?
……その鎧……。
この鎧のことか。
この鎧は……そうだな。特別なものだよ……
ジーザスアーマー。
本来はメシアのために用意された特殊な神聖防具。
そのデザインは雄々しく、そして神聖なもの。
背中に天使の翼の様な飾り。
そして肘と膝に獅子の顔の彫刻。
胸部装甲は逞しい男性を意識したもの。
その全体的な光沢はプラチナを思わせ、着装した者がメシアであることを視覚的にも理解させることができる意匠だ。
ただ……
この防具は、本来男性しか着装を許されない。
女の私が着装することは、出来なかった。
そのままでは。
最初は、さらしを巻けば多少窮屈なだけで着装はできる、と思っていたら。
……そういう問題では無かった。
無理矢理着てみたら……とても重いのだ。
こんなものでは絶対に戦闘などできない。
一考し、私は特別製の筋力増強剤を注射した。
精神が凶暴化するという副作用があったが、信仰心で耐えた。
そして再着装してみた……無理だった。
再度思考し、次に出した考えは……男性ホルモンの注射。
相当量身体に入れたら……いけるのか?
やってみた。結果は……無理だった。
そこから、私は悩んだ。
ジーザスアーマー着装無しでこの決戦に挑むのは危なすぎる。
ありえない。
必死で考えて……
私は最終手段として
本来は断種の刑に処された女の重罪人に注射する特別製。
一度注射したら回復不能。そういう薬。
すると……着装できた。
ようは、結局。
この鎧は女には着れないのだ!
女を辞めれば着れるのだ!
やった! やったぞ!
これでもう、私は子供を産むことはできない!
その代わり、最高の戦士になれた!
いや……メシアになれたのだ!
ジーザスアーマーを着ることができたのだから!
私が剣を振るう手にも力が籠る。
それはこの鎧に込められた神の力だけでは無いはず。
その斬撃の鋭さと速さは凄まじい。
ラーヴァナの腕を軽々と斬り飛ばせたとき、私は自分の力に高揚し、喉の奥から湧き上がる喜びの声をそのまま解放する。
歓喜。
ああ……この戦いの場、最上階ホール……。
天井が吹き飛ばされて、吹き抜け状態になっている。
そこから差し込む陽光が私を祝福している……!
だから、私は
「お前を倒した後は表のガイア教徒を皆殺しにし、そしてこの東京中のメシア教徒以外の者を全て地獄に送ってくれる!」
高揚した気分のまま、吼えた。
獅子の如く。
そのときだった。
「そんなことはさせないわ!」
……聞き覚えのある声。
いや、忘れようもない声だ。
この声は……!
「佐上真月ィィィィィ!!」
私は振り返る。
そこには
魔王マーラと、悪魔人間に変身した夫を引き連れた長髪の穢れた女……佐上真月が立っていた。
厳しい表情を浮かべて、私に強い視線を向けながら。
キサマだけは……もはや許さん!
お前に生贄の名誉はもはや与えん!
お前に生きる資格はない!
作者としては、わりとくるものがあった。
クルセイダーロードのこの選択。
親さえまともなら、この子はこうなって無いんよな。