真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(明)
「……流石にデタラメだな……」
俺は焦っていた。
俺の仲魔と嫁は無事だが、処刑ライダーたちが危ない。
ヤツの「ゾンビ・タイム」で放たれた矢の雨に、バタバタと倒れて行っている。
ゾンビ・タイムは……だいぶ昔のとある映画で、主人公と敵対する吸血鬼ハンターの長兄が使って来た弓の技だが、それを再現してしまうハニエルの技量……。
ハニエルが使ったときはただの矢だったが、この仮面ライダーメシアが撃つゾンビ・タイムは……電撃の魔法が乗ってやがる。
それが……
「ハハハッ! 喰らうがいい! もう一度ゾンビ・タイムだ!」
燃え上がる矢を無数に出現させ、それを数十本纏めて弓に番え、天に向かって放つ。
そしてその矢の落下を天からの雷に見立てることにより、矢に付与した電撃魔法の威力を増大させる……
確か、そんなことを言っていたな。アイツ……。
即死級の技じゃないが、合体魔法なんだな。これは。
空を舞うメシアは天に向けて弓を構え、無数の矢を射出した!
放たれた矢は帯電し、広範囲に降り注ぐ……
俺と夏子は己の腕と剣で矢を打ち落とし、シユウはその6本の腕に持つ武器で叩き落とす。
そしてコウとキュウキは空を舞い、その身で躱した。
そんな中、シユウが装備している強弓で、空を舞うメシアを射抜こうを矢を発射した。
だが
「……私に矢と銃は効果を持たない……それを理解しておらんな?」
シユウの放った矢は、メシアの目の前で見えない壁に弾かれたように跳ね返される。
……大天使ハニエルには、炎と銃器と弓矢が効果を持たない。
メシアは、その相性を引き継いでいるようだ。
つまり、こっちの遠距離攻撃がほぼ通じない。
……現状、夏子の魔法だけか?
厄介な奴だ。
……考えろ……頭脳を回せ……!
「明さん……」
そんな俺に、夏子がそっと傍に来る。
そして俺に囁いた。
★★★(仮面ライダーメシア)
ゾンビ・タイムの連続で、だいぶ数が減って来た。
……そろそろ次の技か……
雑魚散らしはそろそろ終わりだ。
そろそろ次の段階に進もう。
『私の電撃魔法ジオダインと、ヴィシュヌの天罰、そしてインド神話のブラフマーストラを組み合わせ……』
私と合体しているハニエルの言葉。
この悪魔、長年人間に化けて人間社会に潜んでいたせいか、人間社会に詳しい。
そこから私に色々教えてくれる。
『……究極合体魔法・神罰の矢というのはどうだろうか?』
……なるほど。
それを採用しよう……
ハニエルの提案に従い。
電撃魔法ジオダイン
天罰
ブラフマーストラ
3つの力を1つに纏めるイメージ。
稲光、神力、そしてブラフマーの矢。
その3つが融合した、輝く矢が右手に出現する。
……よし。
私はその矢を番え、限界まで弓を引き絞った。
……ハハ、感じるぞ!
これは、当てれば必殺だ! 誰も耐えられん!
そして。
この作業をする間、性懲りもなく弓による射撃、火炎の息による火炎放射。
それが私を襲っていたが。
さきほど宣言した通り、私にはそれは何の意味も持たない。
「うっとおしいわ……!」
私はまず、牛頭六臂の巨人……軍神シユウを標的に定めた。
「喰らえェェッ!」
高らかに叫びながら
「神罰の矢!」
引き絞った弓を、解き放つ。
その瞬間、巨大な波動を纏った矢が、シユウの胸を貫いた。
矢が命中した箇所に、巨大な穴が開いている。
神罰の矢の威力に、消し飛んでしまった証。
次の瞬間、軍神シユウは一瞬でマグネタイトに分解して四散した。
「スバラシイイ!!」
思わず叫ぶ。
これが本当の究極合体魔法か!
これが……悪魔人間の力かッ!
もう一度! もう一度だッ!
私はさらに、神罰の矢の錬成をする。
奴らの無駄な攻撃……矢が無くなったから、火炎放射……を喰らい続けながら。
そして
「神罰の矢!」
再び放たれた波動の矢。
それは、神仏の乗り物を務めるという、凶悪な霊獣……コウの胴体を貫き、風穴を開けて四散させる。
……これでコウも倒した。
ふふ……
面白い。あの悪魔使い、打つ手無しか……
お前の最も頼みとする2体の悪魔を消滅させてやったぞ……!
もう、残りの悪魔はいないらしいな……
ならばそろそろ、お前の番……
私は、あの悪魔使いの絶望に打ちひしがれた顔を見ようと姿を探した。
それはほどなく見つかったが、続いて別のことに気づいてしまったのだ。
ん……?
そういえば、あの青い悪魔人間はどこにいるのだ?
見当たらんが?
私は周囲を見回した。
私を害することができるものなど居ないのだ。
何を恐れるものか。
そして、振り返ったとき。
……もう1体のヤツの仲魔がいた。
有翼の虎。妖獣キュウキ。
他2体のイメージが強すぎて、失念していたが、こういうのもいたな、確か。
そいつは私の頭上を飛んでいて。
羽ばたき、静止していた。
……背中に、白い衣装を着た、西洋人形の様な美しい女を乗せながら。
なんだ……あの女は?
見覚えが無いが……?
しばらく考え込みそうになるが……
まあいい……。
先にあの男だ。
眼下を見下ろす。
あの男が、死の恐怖を必死で押さえつけ、戦士であろうとしている表情を見つめる。
……いいな。
ああいう顔の男を殺すのはとても気分が良い。
何とも言えない達成感がある。
……さぁ、出来た。
あの男の命を奪う、神罰の矢。
私はその矢を番え、大弓を引き絞り……
狙いをつけようとしたとき。
……そのときだった。
「……ウソブキ」
「オオオオオ!」
突如響いて来た声に、同時に来た強い脱力感。
……な、なんだと……?
私は今、何をされた……?
必死で探す。
今度は違うぞ!
……私にダメージを与え得るもの……!
生かしては……おけん!
見回す 見回す
……居た!
少し離れた位置に、背広姿の中年男。
その背後に、人面豚とでもいうべき、奇妙な、灰色の醜い悪魔を召喚していた。
……誰だあいつは……?
ほぼ直感なのだが、私はそいつが今の攻撃をしたのだと判断し……
神罰の矢を、そいつに向けた。
「……何だか分からんが、死ぬがいい!」
その叫びを魔法の発声に代えて。
引き絞った弓を、解放しようとしたときだ。
声が、聞こえた。
「アイスエイジスマッシュ!」
頭上だった。
え……?
その声に、振り返った瞬間に
そこにあの蒼い悪魔人間が居て。
そいつの繰り出した飛び蹴りが、私の胸に食い込んで
そこから放射状に広がっていく、とてつもない冷気。
凍り付いていく私の身体。
そ、そんな……!
なんなんだ……?
一体何なんだァァァァァッッ!?
……墜落していく。
食い込んだ蹴りをそのままに。
大地に向かって。
そして
私の身体が大地に激突したとき。
凍り付いていた私の身体が、木っ端微塵に砕け散った。
ブラフマーストラのストラって、矢って意味らしいね。