真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
……これしかない。
この方法しか……
(人間に異形の力を取り込む……仮面ライダーみたいだろ?)
この言葉を、私は思い出した。
人間と悪魔との合体。
忍は瀕死の重傷を負っている。
放っておけば死んでしまう。
だけど……
魔王クラスの悪魔と合体すれば、助かるんじゃないだろうか?
幸い、そのための道具、材料はこの手にある。
魔王が封印された脇見の壺。
試作品の悪魔合体機能が追加されたアームターミナル。
これなら……できる。
これなら、助かるんじゃない?
……成功すれば。
私は、知ってる。
人間と悪魔の合体は、ほぼ成功しないことを。
多くの場合、悪魔に取り込まれて終わってしまうことを。
ハッキリ言って、やるだけ無駄の可能性が高いことを。
それでも……
やらないと、確実に終わってしまう。
忍が死んでしまう。
だったら、やらなきゃ。
……私は覚悟を決めた。
「待って!」
あいつが忍にとどめを刺そうとしている。
それをまず止めた。
「その人は最愛の人なの。愛してるの。自分より大切なの」
……別に噓泣きじゃない。
本心だから。
忍がいなくなったら、私は生きていけない。
「……せめて、最期くらいは看取らせて。そしたら、あなたたちに付いていくから……」
そこまで言って、私は背中の鞄を降ろした。
この中のものに用があるから。
「はやくなさい。死んでしまいますよ」
……許可が出た。
急がないと。
待っててね、忍。
私が助けるから、死なないで。
歩み寄る。
急がないと。
忍は虫の息だ。
私は跪き、アームターミナルのキーボードを叩いた。
悪魔召喚プログラムには、使用者の本人確認機能がついている。
当たり前だけど。
何故って、悪魔と契約するのは個人であって、アームターミナルじゃないから。
だから本人確認は必須なんだ。
だけど……
合体機能は追加であって、正式機能じゃないから、ひょっとしたら使用可能かもしれない。
私は、その可能性に賭けた。
……すると。
『警告。この機能は試作品です。成功率およそ30%。本当に使用しますか?』
……ゴーグルからやたら大きな合成音声が響いてきた。
いつもは起動音しか鳴らないのに。
……ガラ吉さん、よっぽどこの機能を間違えて使うことを恐れていたんだろう。
そりゃそうだよね。普通に考えて欠陥品。使う状況が思いつきにくい機能だし。
じゃあ削除すればいいのに、と思うけど。
……画期的な機能なのは間違いないから、どうしても残しておきたかったのか。
でも、そのお陰で今、希望が繋がっている。
私は「イエス」のコマンドを打ちこんだ。
すると……
目の前に、ポウ、と光の輪が浮かび上がった。
ひとつは忍の身体の上。
もうひとつは、何も無い地面。
……ゴーグルをつけたら、ディスプレイに何か出てる?
でも、そんな余裕は今は無い……!
蜘蛛男の妨害が今のところないのは、おそらく何をしようとしているか分からないからだ。
だから、そんな真似はできないよ。ゴーグルを確認のためにつけるなんて……!
推理しろ……考えるんだ……!
私は必死で知恵を絞って……
思い当たった。
ここには合体ポッドが無い。
なのに、どうやって悪魔合体を実行するのか。
どの悪魔を合体させるのかをどうやって判別するのか。
……その答えが、これだ!
きっと、この光の輪の中に、合体対象を入れるんだ!
そこに思い至った私は、もう片方の光の輪の中に……
魔王を封印した脇見の壺を置いた!
そして、コマンドを打ちこむ。
devil fusion
すると……
『悪魔合体、実行します』
また、合成音がゴーグルから鳴った。
はじまった……
目の前で、忍の身体が分解されて消えていく。
ああ……
そして脇見の壺も……
分解されたものが、空中に巻き上げられ、一塊のものになっていく。
そして激しく明滅し、何がが起こっている。
私は、祈った。
この世に人間の味方をしてくれる優しい神様なんて、本当はいないのかもしれないけど……
どうかお願いです。
忍を……
仮面ライダーにしてください。
ここの設定はかなり練ったです。