真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

203 / 211
神器は返さないとね。
所有者に。


02:神器奉還

★★★(真月)

 

 

「……そうか。これからは東京は外国になるのだな」

 

 椅子に座って、ライドウさんは複雑な表情をしていた。

 草薙の剣の奪還について報告した後、口頭でガイア教徒たちと条約を結んだことを報告したために。

 一応、文書も作ったんだよね……

 今、それを見せてる。

 

「……普通に考えれば、これは君たちの越権行為。日本政府がこんなものを受諾する必要は無い……こうなるのだが」

 

 ここでライドウさんは沈黙し。

 苦い表情でこう、続ける。

 

「……日本の権力構造と照らし合わせて、全く問題が出ない方法で決定している以上、認めざるを得ん……」

 

 そう言って、書類を机に置き。

 

 私たちを正面から見つめて

 

「色々あるが、それは後で話そう。……まずはご苦労。こんなに早く神器本体の奪還を果たしてくれるとは思わなかった」

 

 ……それはまあ……自分たちで時間制限掛けて頑張ったことがありますので……

 全ては新宿のラブホがすごかったせいです……とは言わない。

 

「いえ。これは全て自分たちのためでもありますし」

 

 夫がそうライドウさんに返す。

 全くその通りだから、私も頷いておく。

 

 その反応が気に入ったのか、ライドウさんは私たちをじっと眺めていた。

 

 そして

 

「早速で悪いが、緊急で謁見してもらう」

 

 続いて出てきた言葉に、私たちは固まってしまう。

 え……

 

 謁見って……

 

「……陛下とですか?」

 

 思わず聞く。

 すると、頷かれてしまった。

 

「そうだ。神器の奉還を臣下間で勝手にやり取りするのは不敬だろう」

 

 子供の又貸しじゃないんだ、とライドウさん。

 

 ……思わず、今は夫の手の中にある鞘に納められた草薙の剣を見てしまう。

 これを……陛下に返すのか……直接……

 

 き、緊張する……!

 

「なので、今すぐ着替えて貰う。その公務員の制服を着替えてくるように。正装でないと謁見は無理だからな」

 

 今から職員を呼ぶから、指示に従ってくれ。

 なるべく急いで欲しいが、失礼の無いようにお願いする。

 

 ……そう、言われた。

 うおおおお……

 

 正装かぁ……!

 

 

 

 別室に連れていかれて。

 渡された衣装に着替えた。

 

 多分、ドレスなんだろうねぇ。

 女性大臣が着てそうなやつだ。

 認証式のときに。

 

 色は白。

 

 ……これはいくらくらいするヤツなんだろうねぇ。

 

 思いながら、袖を通した。

 

 

 

 着替えて、連れていかれる。

 多分玉座の間だと思うんだけど。

 

 途中で夫と合流する。

 彼の方は燕尾服。

 まぁ、予想はしてた。

 

 ……うん。

 

 彼が傷つくから言わないけどさ。

 

 ……全く似合って無かった。

 思わず笑いそうになった。

 

 うーん、でもこれはしょうがない。

 

 

 

「許可が出たら直接お願いします」

 

 多分、玉座の間の前。

 公務員制服を着た人たちに連れてこられた先。

 

 黒い木製の大扉の前で、待機を命じられた。

 

「あと、神器の奉還は貴女が行ってください」

 

 それも言われる。

 ……私が?

 

 まあ、そういう指示なら仕方ないし。

 草薙の剣が納められた鞘を、私は夫から受け取った。

 

 ……そういえば、神器の八咫鏡のお世話って、女官にしか許されてないんだよね。

 その辺の事情もあるんだろうか?

 

 神器は雑には扱えない。

 捧げるような形で、両手で持つ。

 

 ドキドキしてきた……

 

 すると

 

「入りなさい」

 

 声が、聞こえた。

 

 ……来た。

 

 同時に、大扉が開かれた。

 

 どうしよう……

 鏡を扱うときは膝で歩くらしいけど、そこまでやんないといけないのかな……?

 

 中をサッと見回す。

 

 ……公務員制服を着た人が結構いる。

 アームターミナルつけてる人とか、剣を帯びてる人も居る。

 この人たちはおそらく護衛だろうね。

 

 部屋は和室では無く、洋室で、奥にオブジェ……

 あれ、高御座だよね……?

 

 本来は即位の礼にしか使わないやつだよね……?

 それを今は玉座に使ってるんだ……

 

 その中に人影。

 そこで直視を避けた。

 

 多分、この人がそうだ。

 その存在を認識した瞬間から、ちょっと人間離れしたオーラを感じてしまった。

 そのため、許可なしに直視することが躊躇われてしまう。

 

 ……あまり中の確認ばかりしていられない。

 知りたいのはこのまま進んでいいのかだけだし。

 

 ……よし!

 

 私は歩を進めた。

 夫もそれに付いてきてくれる。

 

 向かう先は、あの玉座。

 確認はしてないけど、それ以外考えられないし。

 

 玉座にある人は直視しない。

 とてもできない。

 

 そして目の前まで進んで。

 

 膝を折って剣を捧げる姿勢をとる。

 確認はしてないけど、夫もそれに倣ってくれる気配があった。

 

 ……誰か降りてくる。

 

 その人の気配が、私の目の前に来て

 捧げていた剣を受け取ってくれた。

 

 そして

 

「ありがとう」

 

 その一言。

 私はそれに何も返すことができなかった。

 

 夫も同じみたいだった。




謁見だよ。

色々と考えながら書きました。
この作中世界の日本はどういう状況になってるの? と。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。