真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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また視点移動。
京都の主人公たち


メシア教聖典

★★★(忍)

 

 

 俺が運動場でベンチに横になり、足でミットを打つような動き……体幹を鍛えるトレーニングを一通り終わらせたとき。

 ふと、運動場脇の別のベンチを見ると、ウチの嫁さんが、つまり制服姿の真月がそこで腰掛けて本を読んでいた。

 

 ちょっと気になったので見に行ってみると。

 

「何読んでるの?」

 

「えっと……あ、汗すっごいよ? 着替えたら?」

 

 本から少し目を離して俺を見て、真月はそう言ってきた。

 ……そんなに汗かいてるかな?

 俺はタオルで汗を拭って、ちょっと言われたことを気にしてしまう。

 

「……で、何を読んでるの、だったよね」

 

 そんな俺が気にしているモードから冷めやらぬうちに、質問されたことに答えるモードに入る嫁さん。

 まぁ、話が早くて助かるけどさ。

 

 真月は本の背表紙を見せてくれた。

 

 そこにはこう書かれていた。

 

『メシア教聖典』

 

 え……?

 マジでか。

 というか、どういう風の吹き回しで?

 

 俺が絶句していると。

 

「……何でそんなものを読むのかと言いたい顏だよね、忍」

 

 クスクスと少しおかしそうに笑いながら、真月。

 

 ……うん。その通りだが?

 

 なんであんなイカれた連中の出した本を読まないといけないのかと思うよ?

 真月、ちょっと物好きが過ぎやしないか?

 

 ……と思ったんだけど

 

「敵の事はさ、知っておくべきだと思うのよ」

 

 懐かしそうに、彼女。

 こう、独り言を言いながら。

 

 ……よく、お父様に「聖書を読んで、将来白人が敵になったときに備えておけ」って言われたなぁ……って。

 

 すっごい、懐かしそうな顔で。

 それで思ったこと……

 ……お金持ちの家の教育方針、レベル高すぎ。

 それが俺の真月の独り言への感想だった。

 

「うん。そこまでは分かった」

 

 敵と戦うには、相手を理解しないといけない。

 そこまでなら俺でも分かるし、今の説明で納得はいったと思うんだが。

 なんというか……ウチの嫁さん、こういうところ偏見なしでフラットなところあるよなぁ。

 嫌な連中でも何を考えているんだろう? ってそこだけ気にしてしまう、みたいな。

 

 まあ、聞こう。

 

「で、何か分かったのか?」

 

「うん。かなり分かったというか」

 

 言って、淡々とこう教えてくれた。

 

「メシア教、彼らが世界を握っても、別に問題ないと思うな。無論それは絶対に嫌なんだけどね」

 

 ……?

 これも正直意味が分からない。

 追加の説明が欲しい……

 

「どういうこと?」

 

「あ、つまり……」

 

 地獄が出現する要素が無いというか。

 メシア教の支配で地獄を見るのはマジでほぼ悪人のみだから、別に問題は起きない。

 そういう意味で言ってるの、と。

 

「でも私は日本人だから、そんなものに取って代わられるのは嫌。だから絶対に拒否する。そういうレベルの話」

 

 言いながら、真月は見せてくれた。

 付箋を貼ったページを。

 

「ここ、読んでみて」

 

 言われたから読んだよ。

 そしたら……

 

十罪:

1.涜神の罪(神を敬わない罪。神の前でした誓いを破ること、聖典の内容を間違えることも含まれる)

2.不信心の罪(信仰を積極的に行わない罪、布教しないことも含まれる)

3.遺棄の罪(モノを勝手に捨てる罪)

4.侮辱の罪(他人の名誉を破壊する罪、上の立場の者に従わないことも含まれる)

5.殺傷の罪(殺人、傷害を行う罪。死体損壊も含まれる)

6.姦淫の罪(伴侶以外と性交する罪。恋人は伴侶に含まれない)

7.他人の財産を欲っする罪(他人のものを自分のものにする罪)

8.偽る罪(他人を騙す罪)

9.裏切りの罪(他人を裏切る罪)

10.破約の罪(契約を守らない罪)

 

十徳:

1.孝行

2.信頼

3.愛情

4.友情

5.謙虚

6.慈悲

7.向上心

8.献身

9.遵法

10.勇気

 

「メシア教徒はこれを組み合わせて、社会のルールを作ってるのよ」

 

 真月の言葉。

 確かに、パッと見で問題が起きそうに思えない。基本的に悪いことは書いてないし。

 無論、少数「例外」が出ることを無視することと、国民全員敬虔なメシア教徒であることが前提条件になるけど。

 

 で。

 

 ……これを読んで俺が思ったのは。

 連中は連中で、自分の正義があるのかもしれないな、と。

 そういうことだった。

 

 ……だけど

 

「……でもまあ、彼ら、刑罰が苛烈で、死刑にも段階あるのが怖いけどね」

 

 聖典を自分の手元に戻しながら、真月にこう言われた。

 ……死刑に段階?

 

「……例えば?」

 

「一番軽いのが斬首刑。一番重いのが凌遅刑」

 

 ……凌遅刑?

 知らなかったので聞くと

 

 真月はサバサバとした感じで教えてくれたよ。

 

「生きたまま体を少しずつ切り落として、規定期間激しい苦痛を与えながらゆっくり死に至らしめる処刑方法よ」

 

 ……うわあ。

 それは嫌だな……。




十罪、十徳はオリジナル設定。
現実のそれ関係を参考にしてはいますけど。
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