真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(真月)
「ガイア教徒が攻めてきました!」
職員さんが御所の賢所の前で待機していた私たちにそう連絡して来た。
なんでも御所の入口で悪魔使いが悪魔を呼びだして、その場にいた人々を追い散らしつつ乗り込んで来てるらしい。
……正面から?
ものすごく意外だった。
御所なんて、お堀も無いし。
侵入し放題なんじゃ?
そう思ってたから、昨日「明日襲撃があります」って予告されたとき。
色々想定して頑張ったのに。
「……公務員として初任務だな」
忍がそう言って、行こう、と言い残し席を立つ。
私も慌てて追いかけた。
私の中では予感があった。
ずっと。
あのガイア教徒の悪魔使いを倒したときに、予想したことなんだけど。
ガイア教徒の中に、人間と悪魔の悪魔合体に成功した奴が居る。
その可能性について。
もし居たら、どんな感じのやつなんだろうか?
少なくとも、忍とはまるで違うのは予想できる。
……私の仮面ライダーとは違う、別の仮面ライダー。
もし、襲撃者がそうだったら。
その場合を私はずっと考えていた……
★★★(夏子)
私の夫が召喚した悪魔に指示を出して周囲の人間を威嚇してくれてる。
どうしても倒さないといけない相手以外はなるべく殺したくないもんね。
……赤ちゃんを産んだ女としては、人殺しはなるべく避けたい。
夫は2体の悪魔を使役していた。
1体は、牛頭の巨人。ただし6本の腕と4つの目を持つ。
そしてそれぞれの腕に、戦斧、盾、剣、槍、弓矢を装備している。
夫に教えてもらったこの悪魔の名前は……軍神シユウ。中国産の戦争に関係する神らしい。
もう1体は、薄緑色の狛犬。厳密に言えば違うのかもしれないけど、狛犬が一番近い。
夫に名前を聞いたら、霊獣コウって教えてくれた。これも中国産。神仏が乗り物として傍に置いておく霊獣らしい。
グオオオオオ!
コウが吼えて、威嚇に火炎を吐き出した。
逃げ惑う人々。
逃げろ逃げろ。
これからここは戦場になるんだ。
人は散って貰わないと私が困る。
そんなときだった。
女の声がした。
「御所の守り手・公務員参上!」
同時に御所の奥から、一組の男女が飛び出してきた。
男の方は、決して美男子では無いんだけど、全体的に強さが伺える風貌だった。
でも、動きがキビキビしてて。全体的にはかっこいい。
もう一人は女で、日本人形をイメージさせる上品な長髪。
クールな印象を受ける美人だった。体型はシュッとしてる。私とは別の方向で、綺麗な子だ。
そして男も女も、黒い色の制服みたいな衣装に身を包んでた。
男はズボン、女はスカート。
さっき街を歩いていたとき、同じような格好の人間がいたから、今言った「公務員」も間違いじゃあ無いんだろう。
★★★(真月)
調子に乗ってやり過ぎだ、と思ってしまった。
何なの? 公務員参上って。
ちょっと恥ずかしかったが、私はそれについては考えないようにして。
襲撃者を観察した。
そして思ったのが
……これがガイア教徒?
これだった。
私がこれまで見てきたガイア教徒は
いかつい
汚い
ハゲてる
モヒカン
……こんなのばっかだったのに。
この襲撃者のガイア教徒。
ちょっと、目の保養レベルに感じる美男美女だ。
男の方は、勘だけど、成人してない。
だけど、なんか大人びているというか。
そういう美少年だ。背もわりと高め。
女の方は文句なしの美人。
スタイルも相当いい。
胸なんか女性が全員憧れるレベル。
そんな、ポニテの美女。
……こいつら、カップルだろうか?
ものすごく絵になるんだけど。
服装もセンスあるし。
二人とも、デート衣装で問題ない綺麗な格好をしていた。
「アンタたちが私たちの敵なのね」
ガイア教徒の女の方がそう言った。
憎しみとか、嫌悪とか、そういう負の感情が無い声。
私はそれを聞いてすかさず
「ここから先に行きたければ、私たちに勝ってもらいましょうか!」
胸に手を当てて。
相手が動き出したら即座にアームターミナルを操作する意識を持ちつつ。
すると
「……それじゃ、そうさせてもらうね」
そう言って、女が一歩踏み出した。
そこで、変化が起きる。
女の腰に、ベルトが出現したのだ。
バックルに描かれているのは、髑髏。
……!
そのまま、女は足を肩幅に開いた姿勢で
身体を捻りながら腰を沈めていき……
バッ、と天を掴む勢いで伸びあがりつつ
宣言した。
「変身!」
その瞬間だった。
女の身体が蒼い光を放ち、輝く。
……そして光が消えたとき。
そこに居たのは……
全体的なフォルムは、青いライダースーツを着た女性ライダー。
胸のラインやら、お尻のラインが隠せてない。
だけど……
プロテクターみたいな感じで、昆虫の外骨格みたいなものが肩、腕、足についている。
そして顔。
変身後のウチの人みたいな感じだったんだけど。
目の色が、深紅だった。
そして口の部分に突起物が出てる。
あれはなんだろ……どこかで見たことあるような……?
そして首には、虎柄のマフラーが巻かれていた。
変身を終えた女は、腕を天に伸ばしたままそのまま停止していたけど。
その伸ばした腕を戻し、腰だめに構えたとき。
背中に、四枚の羽根が生える。
……あれは昆虫の羽根だ!
それは、髑髏のマークが描かれた羽根だった。
★★★(明)
あの日ほど、俺が自分の妻を誇りに思ったことは無い。
夏子は、俺の妻は……伴侶として俺のためにさらに尽くしたいと考え……
ガイア教団が手に入れた魔王の分霊との2身合体に名乗りを上げたんだ。
そして……合体を成功させた。
俺が知ったのは全てが終わった後。
俺は怒った。なんて真似をするんだ、と。
殴りはしなかったけど、怒鳴りつけた。
だけど……同時にこうも感じた。
なんて女なんだ、と。
夏子が魔王の精神に勝てたのはきっと家族のため。
俺たち家族のより良い未来を掴むための心だ。
その一心で魔王に勝ち得た妻を、俺は尊敬する。
あとは夫として、俺は全力で彼女を支える所存だ。
だから安心していけばいい。
俺が見守る中、彼女が身を屈めた。
背中の羽根が羽ばたくために震え始める。
踏み切る。敵に向かって。
俺はその背中に言葉を投げかける。心で。
行け……仮面ライダーベルゼブブ!
仮面ライダーベルゼブブ。
ネタ自体は学生時代に考えていたんですけどね。
そのときはちゃんと男性が変身するライダーでした。