真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン 作:XX(旧山川海のすけ)
★★★(忍)
『……おい、ちょっと良いか?』
俺が女の攻撃の対処に全力を尽くしていると。
アモンが口を挟んで来た。
何だ!? 話しかけないでくれ!
『……まぁ、待て。この女、魔王ベルゼブブの分霊と合体しているな。おそらく』
……ベルゼブブ?
聞いたことはある気がする。
結構有名な悪魔だよな?
『七つの大罪の暴食を司る魔王であり、大魔王ルシファーの右腕とも称される存在』
淡々と、アモンは言う。
そして続く言葉で、俺は……
『平たく言うと、我より数段上、いやそれ以上の存在だな』
肝が冷えた。
そして、納得した。
……だからここまでの強さなのか。
完全に素人であるのに……!
俺は女の、がむしゃらに打ってくるがその強さは侮れない拳を受け流すように受けて
「夏子! スパーク!」
「はい!」
しまった、と思う前に。
電撃の一撃を喰らってしまう。
女の放電。
ギリギリで躱すか、普通に受けるか。
それをやるたび、これが来る。
……不味い!
俺の身体にダメージが蓄積されていく……!
★★★(真月)
あの女、男の指示を聞く速さが脊髄反射レベル……!
あの男をどうにかしないと本当にマズイ……!
私は必死で考える。
どうすればいいのかを……
「ヴァルキリー! 行って!」
私の指示を受け、ヴァルキリーが舞い上がった!
同時に、私はアームターミナルを操作する……
★★★(忍)
激しい攻撃を受けながら。
ひとつだけ、気づいたことがあった。
……蹴り技が来ない。
正直、どうかしてた。
これに気づかなかったのは。
こいつに圧倒されていたのと
自分の中では当たり前の技術だったからだ。
でもな。
本当は蹴りというのは普通の技じゃないんだよ。
習熟に手間がかかる。
繰り出すとバランスが悪くなる。
だから。
素人なら選択肢に普通は上がらないんだ。
そこに気づかなかった自分の迂闊さ……
俺は大きくバックステップした。
追いすがってくる女。
そこに……
俺は前蹴りを叩き込む
女にとっては未知の攻撃。
それが来る……
……ように見せかけて大きく踏み込み。
急に攻撃内容が変わったことに混乱したんだろう。
俺の接近を許し、ゼロ距離まで迫っていた女の腹部に、渾身の鎧通しを叩き込んだ。
瞬間、女の身体がくの字に折れ、吹っ飛んだ。
……ようやく決めた有効打。
ここで決める!
倒れている女。
俺がそれに追撃を掛けようと飛び出そうとしたとき。
「忍! 避けて!」
真月の声。
俺は反射的に横へ飛んだ。
さっきまで俺が居た場所を、何かが飛んで行った。
……なんだ?
訳が分からず、停止しそうになる俺。
そこに、アモンが言った。
『あれには、呪殺のチカラを感じる。命中したら運気が低下するぞ』
運気……?
運が悪くなるってことか?
『そうだ』
……そんなの……
大したことない、と言おうとしたら。
『勝負は時の運、という言葉を知らんのか』
アモンはやや呆れ気味に言う。
そして
『それ以前に、運気がゼロになると人間は確実に何かで死んでしまう。覚えておけ』
……有無を言わせぬ何かがあった。
分かった……
俺は頷いた。
★★★(明)
アイツ、俺の夏子の腹を殴った。
俺は瞬間的に冷静さを失い、思わず蟲毒をアイツにぶつけようとしてしまった。
ここに持ち込んだ蟲毒皿から取り出した、複数の蟲毒を……!
霊獣コウは屍鬼キョウシが進化した姿。
なので、キョウシが習得できる特殊能力は全て使用できる。
だから、進化したキョウシが習得する念動力を、こいつも持ってるんだ。
俺はそれを活用した。
それを活用し、某アニメに出てくるファンネルのような感じで、ヤツの周囲に蟲毒を宙に舞わせた。
本来はこういう使い方をするために。
「これは全て蟲毒だ! 当たれば命は無い!」
……こうすることで、アイツは俺の動向を気にしなきゃならなくなる。
その間に夏子が。
やれ!
そう、思った時だった。
俺がいる高みに、翼の生えた黒い甲冑姿の乙女が舞い上がる。
……妖魔ヴァルキリーか!?
ヴァルキリーは俺に向かって剣を振り上げながら突っ込んで来た。
甘い!
「コウ! 焼け!」
ゴアアアアアアッ!
コウが吼え、その口からファイアブレスを放射する。
それが戦乙女を巻き込んで……
撃ち落とした!
と思ったそのとき
ボッ!
俺の頭に、何かが激突し、割れて……
中身を俺はまともに被ってしまう。
同時に、頭の芯がぼやける感覚……
これは……睡魔?
俺は必死で意識を保ちながら、下を見下ろす。
そこには……
あの公務員を名乗った女悪魔使いが居た。
傍に水色の、赤ん坊大クラスの人形……
幽鬼ポルターガイストを従えて。
手に持っているのは……
何か丸い物体を持っている。
ここに来て、それが何なのか気づくのに数瞬を要した。
……デビルスリープか?
女はそれを投擲姿勢に持っていき、投げる。
俺に向かって。
同時に、ポルターガイストがそれを煽るように腕を動かす。
投げ放たれたデビルスリープが、物理的にあり得ない加速度と放物線を描かない軌跡で俺に向かって飛んでくる……!
幽鬼ポルターガイスト。
騒がしい霊という意味の幽霊の一種……
家具を動かしたり、皿を舞わせたりする霊……
低レベルで、成りたての悪魔使いが練習で仲魔にするようなしょうもない悪魔。
だけど……
……こいつも、念動力を持ってるんだ!
★★★(真月)
弱い悪魔だから価値が無いなんてことは無いのよ。
ようは使い方。
私の400マッカが命中してくれて嬉しい。
で、2発目の400マッカは……
これは避けられた。
残念。
もう、当てられないと思うけど。
しばらくは睡魔に襲われて、判断力が低下する。
この間に……
「シユウ! その女をやれ!」
その前にあの男からの指示が出た。
声が切羽詰まってる。眠いんだろう。
私を直接狙わせる。
まあ、それも予想の範疇だけど。
私はそのままアームターミナルを操作して
『全仲魔強制帰還』
『女神召喚』
私の虎の子、女神ヘラを召喚した。
魔法陣の閃光の中から召喚される1体の物憂げな表情の女神。
私は突進してくる牛頭多腕の巨人を指差して命じる。
「ヘラ、あいつを止めなさい!」
同時に走る。
忍に向かって。
……見てしまったから
男は叫んだ。
「夏子! 究極合体魔法を使え!」
鎧通しのダメージから回復したのか。
女が立ち上がってくる。
……体中に吹雪を纏いながら!
ポルターガイスト、持ってる能力見たら超有能だと思ったんで、活躍させてみました。