真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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必殺技炸裂?


それじゃ勝てないよ!

★★★(忍)

 

 

 俺は女が吹雪を纏いながら立ち上がる様を見続けている。

 これから何が行われるのか、うっすらと悟りながら。

 

 あの男、究極合体魔法と言った。

 多分、あの男は人間と悪魔が人間優位で合体したときに可能になる魔法の存在について気づいてる。

 

『ほぉ……氷結魔法の極大魔法アイスエイジだな。それを儀式で底上げしている』

 

 それを見てのアモンの言葉。

 

 アイスエイジ?

 

『我らのトリスアギオンと同類の魔法よ。耐性を無視して全てを凍らせる究極の氷結魔法』

 

 ……なるほど。

 

 俺の弱点である氷結属性で、かつ耐性無視か。

 ……当たればおそらく、死ぬ、な……。

 

 ごくり。

 

 俺は仮面の裏で固唾を飲んだ。

 

 

★★★(明)

 

 

 俺の妻の夏子は、格闘技の経験などまるで無い。

 運動神経は決して悪くは無かったが、そういう女なんだ。

 

 だから「悪魔の魔法に、人間の持つ技能を足して威力を増大する魔法」の存在を知ったとき。

 どうするべきか考えた。

 

 そして出た結論が……

 

 物語の英雄に準えて、彼らの強さに肖ることで、威力の増大を図れないか……?

 

 そういうことだった。

 そこで考え出したのが、これなのだ。

 

 ああ……いい感じだ。

 

 夏子がゆっくりと、羽ばたきながら浮き上がっていく。

 荒れ狂う吹雪に守られながら。

 吹雪はどんどん増大していく。

 

 浮き上がる夏子。

 

 高く、高く浮き上がり……

 

 ……そして頂点に達したとき、彼女は右足を伸ばし、所謂ライダーキックの体勢を取る。

 

 目標は……奴ら!

 

 いけ! 夏子!

 

 増大した吹雪が収束していく。

 伸ばした右足の先端に。

 まるで、槍の穂先の如く。

 

 ……見守っていると、あの男の背後に、あの男の相棒のあの女が駆け寄って来て。傍から動かない。

 

 ……何故だ?

 これから究極合体魔法を放つんだぞ?

 

 その余波で、男だけじゃない。

 傍にいる者も巻き込まれる。

 

 ……死にたいのか?

 

 いや……

 

 違う……

 

 俺は、女の顔を見て分かった。

 

 あの女……

 全く疑っていない!

 自分たちの勝利を!

 

 そこに思い至った瞬間だ。

 

「アイスエイジスマッシュ!」

 

 気合の籠った夏子の宣言。

 同時に矢の速度で吹雪と共に撃ち出される。

 奴らに向かって。

 

 見せ技?

 子供だまし?

 

 関係ないな!

 

 発動させてしてしまえば、誰にも止められない。

 勝利が確定する技。

 そう思っていた。

 

 ……そう思っていたんだ!

 

 ……ガラスの砕けるような音がした。

 

「ああああああっ!」

 

 閃光とともに。

 はじき返された体勢で、夏子が投げ出されていた。

 ……変身が解けていた。

 

 そして……右足を膝から下、失っていた……。

 

 

★★★(真月)

 

 

 氷結攻撃という弱点の克服。

 それを、ふたりで考えた。

 

 私の仲魔のスセリビメが、氷結魔法を使うことが出来る。

 なので、それで二人で一緒に練習をして、研究をした。

 

 そこで

 

「ねぇ忍、何かアイディアというか、有用そうな魔法は無いの?」

 

 私は聞いた。

 すると

 

「……アモンはマカラカーンという魔法があると言っている」

 

「どんな魔法?」

 

 話を聞くと。

 僅かな間だけ、掛けられた魔法を使用者にはね返す魔法らしいんだけど。

 

 如何せん、発動までに時間が掛かりすぎるため、実用的では無いらしいんだとか。

 

「見てから準備してもしょうがないだろう、という話らしい」

 

「なるほど……」

 

 そう言われたので、私は腕を組んでしばらく考えて。

 ……こう、返事した。

 

「……その魔法、別に全身がそうなってなくても良くない?」

 

「……え?」

 

「……例えば、腕だけ、とか」

 

 

 

 そこで編み出したのがこの技。

 名付けて、魔反鏡!

 

 腕だけを魔法反射状態にして、受けを行う。

 腕だけだったら、なんとかギリギリ見てからでも間に合うんだよね!

 

 私が提案したんだけど、実現してくれたときには感激し過ぎてちゅーしてしまった!

 

「アイスエイジスマッシュ!」

 

 あのガイア教徒の女仮面ライダーが、気合を込めて宣言をし、彼女の必殺技を放って来たとき。

 忍は両腕を前方から来るものを抑えるように、腰だめになるみたいに構えて。

 

 激しい吹雪を伴ってやってくる、彼女の必殺技を待ち受け

 

「ハッ!」

 

 激突の瞬間、綺麗な円を描く動きで、それを払いのけ、打ち落とした。

 

 撃ち落とされたガイア教徒の仮面ライダーの変身は解けていて。

 右足が膝から下が無くなってた。

 

 ……必殺技を反射された影響だよね。

 

 勝負、あったよ……

 

 

 

「……帰ってくれないかな?」

 

 地面に倒れて脂汗と呻き声をあげている女。

 そんな女の傍に、空から降りてきて付き従おうとする男。

 

 ……私は止めなかった。

 

 女に対して、男は大丈夫か、すぐに助けるとかなんとか言ってたけど。

 私は特に止めなかった。

 

 そして忍も止めなかった。

 

 男は、こちらを気にしながらも、女を治療する手は休めずに。

 何かキラキラした玉を出して、それを女の失われた足に翳す。

 

 すると

 

 みるみる、女の足が回復してきて、再び生えてきた。

 まるで、ビデオで早回しで人間の発生の過程を見てる気分。

 傷が癒えると同時に、砕け散るキラキラした玉。

 

 傷が癒えると、女は脂汗を拭って、男の肩を借りて立ち上がろうと頑張った。

 

 ……そこで、言ってあげた。

 

「……何で負けたんだろう? って顔だよね」

 

 図星なのか、固まってしまう二人。

 だから、二人に言ってあげる。

 

「……あなたたち、片方だけが考えてて、もう片方は絶対服従するだけだよね」

 

 そういう愛の形もあるのかもしれないけど、それじゃ勝てないよ。

 だって……

 

「私たち、二人で考えているんだから」

 

 そう宣言したとき。

 私の心は誇らしい気持ちでいっぱいになった。

 

 

★★★(夏子)

 

 

 ……あなたたち、片方だけが考えてて、もう片方は絶対服従するだけだよね。

 

 そういう愛の形もあるのかもしれないけど、それじゃ勝てないよ。

 だって……

 

 私たち、二人で考えているんだから。

 

 ……悔しいいいいいいいい!!

 

 私は京都御所から夫と一緒に逃げ帰って来たとき。

 あまりの悔しさで泣いてしまった。

 

 確かに私は夫の言うことに全て従ってきた。

 夫の意に沿わなかったのは、魔王ベルゼブブの分霊との合体を選択したときくらいだ。

 でもそれは……

 

 私が夫の優秀さと優しさに魅了されたから。

 そこから好きになったから、それだけなのに。

 

 それを……それを……まるで間違ってるみたいに言うなんて!

 悔しすぎる!

 

「あなた! 私悔しいです!」

 

 夫に言った。

 

「……俺もだよ」

 

 夫も辛そうだった。今までガイア教団では負けなしだったと思うし。

 この借りは絶対に返してやる!

 

 だから……

 

「あなた! 神器を狙うのは後回しにしましょう! まずはあいつらです!」

 

 私は夫に言った。

 自分から夫に意見したのは久々のような気がする。

 

「……夏子。俺も同じ気持ちだ」

 

 その言葉を言われたとき。

 ひょっとしたら怒られてしまうかもしれないけど。

 ……私は喜びを感じてしまった。

 

 覚えていろ!

 あの公務員夫婦!

 

 これで勝ったと思うなよ!

 絶対に仕返ししてやるから!

 

 

★★★(真月)

 

 

「晩御飯何にしよっかな」

 

 私はニッコニコの上機嫌でスーパーに行っていた。

 公務員初任務は上々だった。

 

 賢所に被害無かったし。

 死人も出なかった。

 

 それもこれも、私たちがしっかり話をして、相談して決めてきたお陰だよ!

 

 これは忍にも美味しいものを食べさせないとだね!

 

 豚のレバーに納豆、冬瓜に鶏肉。

 牛肉が無いのが悔やまれるけどしょうがない!

 

 他にも玉ねぎ、にんにく、にら、長ねぎと、どんどん買い物かごに放り込んでいく。

 

 とても楽しい。

 歌い出したい気分だった。

 

 あと卵! 絶対に卵!

 

 アボガドは……ないか! 残念!

 

 これで何を作ればいいのかを考えながら、さらに足りない食材をかごに放り込み。

 

 私は今夜の計画を考えた。

 

 とりあえず食べさせるでしょ?

 これは美味しいものを作ればいいから余裕だし。

 

 そして身体を触りまくるでしょ?

 労いのマッサージだね。

 これも余裕。

 

 そのうえでたくさん褒めてあげれば、これはもう……

 

 勝利のメイクラブ、だよね!




御所神器防衛編終了
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