真・女神転生外伝 仮面ライダーアモン   作:XX(旧山川海のすけ)

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新武装を手に入れて。


結婚式やってないよな

★★★(真月)

 

 

「鞭、か」

 

 私は新しく手に入れたCOMPについて、色々考えていた。

 どうかなあ。これ。

 消去法で選んだ結果だけど、持て余すというかなんというか。

 

 今更遅いけど。

 

 これはこれで変だよね!?

 

 なんで鞭なの?

 鞭を持ち歩いてる人、普通いないよね!?

 

 ……ウチの人には申し訳ないけど、やっぱ刀にしておいた方が良かったんだろうか?

 

 でも……

 

 あの巨乳にもう一回頭下げて

 

「すみません。鞭だとやっぱ困るので、今更ですが刀に変えていただけませんでしょうか?」

 

 って言うの?

 ……それはちょっと嫌かなあ?

 

 腕を組みながら部屋をぐるぐる回って考える。

 リビングだ。

 私がウチの人と日常を過ごす空間。

 

 鞭で連想されるもの。

 

①女王様

②考古学者

 

 ……この2つ。

 私の発想は貧困だ……。

 

 ①はただのプレイだよねぇ。

 プレイ用具を戦場に持ってくるって。

 どんなのよ。

 

 ただの変態じゃん。

 

 じゃあ②はというと。

 実現可能ならカッコいいけど、可能なら、だし。

 

 ……できるの?

 

 移動に使ったり。

 敵の首を絞めたり。

 敵の武器を叩き落としたり。

 

 ……出来そうにないんですけど。

 

 ああ~!

 

 困った!

 

 そうして、頭を抱えていると。

 

「ただいま~」

 

 ウチの人が返って来た。

 ……ここはウチの人の意見も聞いてみよう。

 

「おかえり」

 

 出迎えに出て。

 ウチの人はロードワークに出てたので。

 

 えらく汗をかいていた。

 

 ……正直、この匂いが好きだったりするんだけど。

 変態っぽく聞こえて引かれると嫌なので言ったことはない。

 

「お風呂入りなよ。シャワーしたらいいよ」

 

 そう言って、お風呂マットを出してあげようとしたんだけど。

 そうしながら

 

「ねえ忍」

 

「何?」

 

 作業しながら

 

「鞭と言えば何を思い出す?」

 

「女王様と、考古学者と……」

 

 またそれか。

 それしかないのかなぁ……

 

「あとウイグル獄長」

 

 ウイグル獄長!

 カサンドラの一番偉い人だよね!?

 

 これは……何かあるぞ……

 そして、しばらく考えて……

 

 ……閃いた!

 

 ウイグル獄長は世紀末の人。

 世紀末だから鞭くらい持つよ。

 

 そして今の時代、ある意味世紀末だから(モヒカンもいるし)

 

 ……私が鞭を持ってても、何も不自然ではない。

 時代を表すファッションのひとつ。

 

 これだ!

 

 ありがとうあなた!

 私、問題を解決できたよ!

 

 私は夫に心で感謝した。

 

 

★★★(忍)

 

 

 ロードワーク中に、見たんだ。

 神社で、人だかりがあって。

 

 神式の結婚式をやってた。

 

 神社で行列みたいなものがあるから、何かなと思ったら。

 それだったんだよ。

 

 で、それに気づいたとき。

 気づいてしまった。

 

 俺は真月と結婚してるけど。

 この結婚は気持ちというか信頼だけのものであって、公的なもの、社会として認められたものじゃないよな、って。

 思えば……

 

「書類も何もないけど、結婚してほしい」

 

 最初の夜だったよ。

 ガラ吉さんに助けてもらって。

 家に上げてもらってからの、最初の夜。

 

 いきなりそんなことを言われたんだ。

 言われたときの表情を今でも覚えている。

 彼女、度胸のある女性だけど、勇気を出したんだなって。

 それが伺える表情で。

 とても可愛かった。

 

 俺としては、ずっと真月を嫁さんにしたいって思ってたから、断る理由なかったし。

 

「それはこっちの台詞なんだが」

 

 と答えた。

 プロポーズは男の仕事だろって思ってたから「いいよ」とか「はい」とか言えなかったんだな。

 で、その夜はじめて彼女を抱いた。

 

 それまでは万一子供が出来ると人生設計が狂うだろという理由で、ずっと避けてたんだけど。

 もう結婚したし、世の中としても関係ないだろと思ったから、思い切ってやってしまった。

 まあ、その後デビルバスターになるわけだから、やっぱ不用意な妊娠は良くないし、そもそもどこで産むのという問題もあるのに。

 あのときは無謀だったよ。

 

 まぁ、そんな感じなんだ。

 気持ちだけの結婚だから、正式なものとは多分呼べないよな。

 

 そこに気づいてしまったんだ。

 

 なので、ロードワークが終わって、家でシャワーを浴びてさっぱりした後。

 リビングのソファで本を読み始めた真月に。

 

「なぁ」

 

「ん、なぁに忍?」

 

 本から目を離さない彼女に

 

「結婚式やらないか?」

 

 そう、聞いた。

 

 すると……

 

 しばらく動かなかったんだけど、真月。

 しばらくすると再始動みたいな感じで動き出して。

 

 こっちを向いて……顔を赤らめていた。

 

 ええ……

 

 そこまで動揺してしまうのか……

 なんというか……可愛い。

 

 いつもはクールで落ち着いているのにさ。

 いっちゃなんだが、その、ベッドの上でも。

 

 いっつも誘ってくるの彼女だし。

 いや、俺も別に拒まないんだけども。

 

 で、しばらく時間を置いたのち

 

「……いつやるの?」

 

「それはこれから決めようと思ってるんだが、近いうち」

 

 想定している内容を彼女にそうやって口頭で伝える。

 すると

 

「……ちょっと今は相応しくないんじゃないかな」

 

 お……?

 

 意外な答えだった。

 きっと大喜びしてくれるものと思ってたのに。

 

 理由を聞いてみると

 

「結婚式ってお世話になった人を集めてやるものでしょ? ……日本の今の状況を見てみましょうよ。とても無理じゃん」

 

 と、言われる。

 正直こんな返事は予想していなかった俺。

 しかも彼女、結構真顔。

 

「……私としては、正式な結婚式だったら呼べる人は全員呼びたいよ。そこは譲りたくないんだ。ごめんね」

 

 謝られた。

 ……俺の想定が甘かっただけだと思うんだけどね。

 

「日本が復活したら真っ先にやろうね。その代わり」

 

 ……でも続く言葉の声は暗いものでは無く。

 明るい感じだった。

 

 で。

 

 本をパタンと閉じて

 

 俺の傍まで来て、こう言ってくれた。

 

「でもさ、気を遣ってくれたのは分かるから、すごく嬉しいよ」

 

 ニコお、という満面の笑みだった。

 そしてこう言ってくれたんだ。

 

「大好き。ずっと、これからも」




よろしくお願いします。
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